こんにちは!2025年のジョージア旅もまもなくフィナーレ、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
クタイシの町に滞在しながら、近郊の見どころを制覇しようとしている今日この頃。
これまであえて行かずにいた有料のスポットにもいくつか足をのばしているのですが、今回訪問したのもまたまた有料のスポット…ジョージア経済にほんの少し貢献してきましたよ…
それが、サタプリア自然保護区(Sataplia Managed Reserve /
სათაფლიის აღკვეთილი)です。

サタプリア自然保護区は、太古の昔からの自然の営みが五感で感じられる場所。
貴重な原生林に覆われた敷地内では、数千万年前の地球に生息していた恐竜の足跡や、長い時間をかけて自然が作り出した洞窟を見学することができ、どれも他ではなかなか見られないものとなっています。
21世紀に居ながらにして、気が遠くなるほどに大昔の地球を体感できるサタプリア自然保護区。
いつしか「ジョージアのジュラシックパーク」と呼ばれるようになり、観光PRが進められています。


また、サタプリア自然保護区はクタイシ近郊に点在する五大定番スポットの一つとされており、定番どころを制覇したい旅行者にとってはぜひとも訪問したいものでしょう。

ただの自然スポットというよりも、地球の歴史の壮大さが感じられるサタプリア自然保護区。
しかしながらクタイシ近郊の他の見どころと同様に有料のスポットとなっており、行こうか迷っている旅行者も少なくないのではないかと思います。
入場料を払ってまで行く価値があるかどうかについては後述するとして、本記事を読めばサタプリア自然保護区がどういった場所なのかイメージが湧くはず。
以下の内容で観光に必要な情報をまとめているので、参考にしてもらえれば。
はじめに言ってしまうと、実際にサタプリア自然保護区を訪問してみての率直な感想は、思っていたよりも楽しめたというもの。
そもそもあまり期待していなかったというのもあるのですが、個人的には太古の昔の地球浪漫にどっぷりとひたることができて、結構好きなタイプの観光地でした。
サタプリア自然保護区の基本情報
サタプリア自然保護区は定番スポットではあるものの、なぜかネット上に観光情報が少なめ。
この場所の何がそんなに特別なのか、何が見られるのか…など、あまりちゃんと知られていないのが現状です。
ここではまず、サタプリア自然保護区観光の基本的な情報を解説していきます。
サタプリア自然保護区とは?

サタプリア自然保護区は、クタイシの北西に位置する広大な森林地帯。
太古の昔に休火山となったサタプリア火山の溶岩が形成したカルスト地形の上に広がっており、「コルキスの原生林」と呼ばれる貴重な植生が見られます。
サタプリアの歴史はとても古く、人類の出現よりも遥か前に遡るもの。
1億2000万年前~6千万年前にかけて、この地では様々な種類の恐竜が生きていたことが分かっており、その足跡がいくつも残っているのです。

貴重な原生林の自然的価値と、恐竜の足跡の考古学的な価値があるサタプリア自然保護区ですが、地質学的な価値も見逃せません。
1925年に発見されたサタプリア洞窟は、まさに休火山が作り出した地底芸術。
規模はそこまでではないものの、ユニークな形の鍾乳石が連なる洞窟内の光景はとても神秘的で、訪れる旅行者を圧倒します。
このように、バラエティーに富んだ見どころが一ヶ所にぎゅっと集まっているのがサタプリア自然保護区最大の特徴。
気が遠くなるほどの昔からこの地で少しずつ形成されてきた自然の芸術を、五感を通して感じることができます。
サタプリア自然保護区の営業時間・料金

サタプリア自然保護区は365日無休で開場しており、入場は有料。
オンラインで事前のチケット購入も可能ではあるものの混雑するスポットではないので、当日現地のチケットオフィスでの購入で問題ありません。
入場料には自然保護区敷地内の全ての見どころの見学料金とガイド料金が含まれているため、これ以外に追加で何かを支払うことはありません。
サタプリア自然保護区の観光システム

サタプリア自然保護区の観光において独特なのが、自由に観光するシステムではない点。
訪問客用の徒歩ルートが定められており、ルートに沿って順番に各見どころを見学していくことになります。
ルートの前半(恐竜の足跡→コルキスの原生林→サタプリア洞窟)はガイドと一緒に少人数グループで周るようになっており、後半(ジュラシックパーク→展望台)はガイドなしで周ることに。
ガイドツアーはジョージア語/英語/ロシア語のいずれかの言語で行われます。

ルート前半部分のガイド料金は入場料に含まれており、ガイドの質は運次第。
人によってはかなり早いペースで周って訪問客を急かす場合もあるそうで(さっさと仕事を終わらせたいんだと思う)、ガイドの質によって満足度が変わってくる点は否めません。
ガイドツアーは自然保護区入口ゲートからの開始で、ある程度人が集まってからの不定期スタート。
どれくらいの人数が集まるかにもよりますが、30分に1グループは出発しているそうです。
のぶよの訪問時は他にもう一人の参加者がいただけでしたが、チケット購入後15分ほど待機した後すぐにツアーが始まりました。
サタプリア自然保護区の見どころ

入口のチケットオフィスでチケットを購入したら、いよいよサタプリア自然保護区を探検するとき。
前半はガイドと一緒に周ることになり、色々と説明を受けながら知識を深めていけます。
それではいざ、ジョージアのジュラシックパークへ…!
恐竜の足跡

入口ゲートから緩やかな坂道を登ること5分ほど。
最初の見どころである恐竜の足跡が保存されている建物に到着します。
建物を入ると、むき出しの石灰岩の上に遊歩道が敷かれている異様な光景が。
石灰岩には大小さまざまな恐竜の足跡が残っており、その保存状態の良さに驚かされます。


この足跡が発見されたのは1933年のこと。
サタプリア一帯に道路を通す計画が立ち、地質調査が行われた際に偶然発見されたものなのだそうです。
どの種類の恐竜の足跡かについては判明していないものも多く、資金難から研究が行き詰まっているのが現状。
体長2m~6mほどの小型草食恐竜の足跡がメインであると考えられており、そこに猛禽類など別の種族の足跡が交ざっているのだそうです。

入場からいきなりの観光ハイライトとなる恐竜の足跡。
数千万年前への時空を越えたタイムトラベル気分が味わえ、大人でもかなりワクワクできます。
コルキスの原生林遊歩道

恐竜の足跡の建物から出ると、一面の林の中をしばらく歩いていくルートに。
この林は「コルキスの原生林」と呼ばれるもので、年間を通して温暖湿潤な気候であるジョージア西部地域ならではの貴重な植生です。


原生林を抜けると、断崖絶壁に敷かれた遊歩道をしばらく歩きます。
途中にはちょっとした展望台があり、サタプリア自然保護区の山林を一望する絶景が。
展望台付近にある崖には、サタプリア固有種の蜂が岩肌を利用して作った巣の跡が残っています。▼


そもそも、「サタプリア」とはジョージア語で「蜂蜜の里」の意味。
1933年に恐竜の足跡が見つかるよりも前から、サタプリア周辺では良質の蜂蜜が生産されることで有名だったそうで、こうして岩肌を利用しての蜂蜜採集がポピュラーだったのだそうです。
サタプリア洞窟

サタプリア自然保護区において、恐竜の足跡やラストの展望台に並ぶハイライトと言えるのが、サタプリア洞窟。
洞窟が発見されたのは恐竜の足跡の発見よりも前の1925年と、今からちょうど百年前のこと。
クタイシの歴史博物館の館長だったピョートル・チャブキアニという人物による発見であり、この地域の地質学的研究を大きく進めることとなりました。


サタプリア洞窟の全長は309m。
決して大規模ではありませんが、そのほとんど全ての区間が見学者に開放されています。
洞窟内の気温は年間を通して14℃と一定だそうで、常に地下水が滴っていることから湿度はかなり高め。
この地上とは大きく異なる洞窟内の環境が、独特の形の鍾乳石の形成のカギとなったのです。


のぶよがサタプリア洞窟内を見学した際に洞窟内にいたのは、参加者もう一人とガイドの合計三人だけ。
そのため、ただひたすらに静かな空間に地下水がぽたぽたと落ちる音や水の流れる音だけが響き渡っていて、なんとも言えないミステリアスな雰囲気に圧倒されました。
洞窟内の鍾乳石はライトアップがされており、色合いの感じや光の当て方も結構きれい。
360°不思議な形の鍾乳石に囲まれていると、まるでディズニーランドのアトラクションの世界にいるような気分になります。

▲洞窟内のハイライトとなるのが、終盤に姿を現す巨大な円形の鍾乳石。
形が人間の心臓にそっくりであることから「心臓の鍾乳石」と呼ばれており、願い事が一つだけ叶うと言われているのだそうです(まあこれはガイドの後付けかもしれないけど)。
かなり圧倒的だったサタプリア洞窟の見学を終えて地上へ戻ったら、ガイドツアーはそこで終了。
ここより先は個人で歩いて周ることとなります。
ジュラシックパーク&ミュージアム

洞窟出口から100mほど先にあるのが、「ジュラシックパーク」と呼ばれるエリア。
その名の通り、恐竜の模型が林の中に設置されており、どれも結構リアルな作りとなっています。
びっくりしたのが、この恐竜の模型は鳴き声を上げながらくねくねと動くこと。
ディズニーランドのアトラクションと同様のオーディオアニマトロニクスという技術が利用されており、意外と精巧な動きをします。


子供ならもう楽しいこと間違いないでしょうし、人影のない林で恐竜たちがくねくね動くシュールな光景は大人にとってもなかなか面白いもの。
模型は全部で十数基あるので、お気に入りの恐竜がきっと見つかるはずです。

そしてこのジュラシックパークにはミュージアムが併設されているのもポイント。
恐竜の化石の模型や学術的な展示がされているのですが、なんとのぶよの訪問日はピンポイントで閉鎖されているという運のなさでした…
なんでもこの日は1925年にサタプリア洞窟が発見されてからちょうど百年という記念日の前日だったそうで、翌日のセレモニーの準備のために閉鎖されていたとのこと。
とても残念ですが、まあ仕方ないと諦めるしかありません(入場料ちょっと割引してくれたら良いのに…)。
というわけで、これからサタプリア自然保護区を訪問するみなさんは、ジュラシックパーク横のミュージアムをのぶよの分まで楽しんでください…!
サタプリア展望台

サタプリア自然保護区でラストの見どころであり、ハイライトのひとつとされるのが、サタプリア展望台。
ジュラシックパークから緩やかな坂道を登った先に位置するガラス張りの展望台は、観光パンフレットにもよく使用される有名なビューポイントです。


展望台の造りはそこはかとないソ連感がぷんぷんしますが、完成は2010年代のことだそう。
それにしてはかなりくたびれた印象を与える展望台ですが、ここからの眺めはとにかく素晴らしいのひとことです。

サタプリアの山を覆うコルキスの原生林と、その奥に見えるクタイシ市街地。
さらに先には小コーカサス山脈の山々までを一望することができ、大迫力のパノラマには思わず声が出るはずです。
絶景を堪能したあとは、入口ゲートまで下り坂を300mほど歩いていくだけ。
太古の昔の地球の息吹を感じる旅から、無事生還です!
サタプリア自然保護区へのアクセス
サタプリア自然保護区はクタイシから30分ほどの場所にあり、アクセスはとても簡単。
個人で公共交通手段を利用する場合も移動の難易度は低めで、誰でも簡単に日帰りできます。
①タクシー
最もシンプル&効率的なアクセス方法が、クタイシからタクシーを利用すること。
料金の相場は以下の通りです。▼
・クタイシ~サタプリア片道:20GEL(=¥1000)
・クタイシ~サタプリア往復:30GEL(=¥1500)
・クタイシから一日チャーター:150GEL~200GEL(=¥7500~¥10000)
サタプリア自然公園には客待ちタクシーはないので、基本的には往復で利用することになるはず。
タクシーを一日チャーターすれば、マルトヴィリ渓谷やプロメテウス洞窟、オカツェ渓谷などクタイシ近郊の他の見どころもセットで訪問でき、かなり効率的に周れると思います。
②現地ツアー
一人旅の場合は、タクシーよりも現地ツアーに参加する方が安く済むはず。
サタプリア自然保護区は「クタイシからのデイトリップの定番中の定番」といった場所なので、クタイシ発着の少人数グループツアーが多く催行されています。
ツアーの中にはサタプリア自然保護区訪問に加えて、マルトヴィリ渓谷やプロメテウス洞窟の訪問がセットになったツアーも。
ツアー料金もリーズナブルなので、一人旅の人にとっては強い味方となるでしょう。
③路線バス7番

クタイシ~サタプリア自然保護区間には2025年に新しいバス路線が開通しており、旅行者にとってかなり便利になりました。
新型のバスが1日4往復しており、サタプリア自然保護区の入口までダイレクトに行くことができます。
クタイシ側の発着ポイントはバスステーションではなく、中心街の観光案内所前のロータリーから。
バス番号は7番で、出発時刻の30分ほど前からロータリーで待機しています。▼
路線バス7番の終点はサタプリア自然保護区入口なので、乗り過ごしてしまうリスクはなし。
サタプリア→クタイシ方面の帰りのバスは、行きで終点となったサタプリア自然保護区入口の駐車場からの出発なので分かりやすいです。

7番路線バスの料金支払いはクレジットカードを専用の端末にタッチするシステム。
現金の使用は不可能である点に注意です。
ジョージアの銀行カードはもちろん、日本の銀行発行のクレジットカード/デビットカードでも問題なく支払いできました。
サタプリア自然保護区観光の注意点&アドバイス
サタプリア自然公園の観光の難易度はかなり低く、特に注意すべき点というものもなし。
自然スポットとはいえ観光インフラが整備されているので、特別な準備なしで楽しむことができます。
いっぽうで、効率的に観光したいならしっかりとプランニングしておくのが◎
うまく計画すれば、サタプリア自然保護区に加えてプロメテウス洞窟も周ることができます。
サタプリア自然保護区観光の所要時間

サタプリア自然保護区内の見どころを周るための所要時間は、1時間半ほどみておけばOK。
前半のガイド付きで周るゾーンは約45分ほどで、後半の個人で周るゾーンは30分~45分ほどです。
個人で路線バスでアクセスした場合、2時間に1本という運行スケジュールに合わせて行動する必要がありますが、どんなにゆっくりと観光しても帰りのバス出発時刻には間に合うので、あまり考えすぎなくてもOKです。
20ラリの価値はある?

すでに触れた通り、サタプリア自然保護区への入場は有料。
入場料は20GEL(=¥1000)とジョージア的にはやや高額なこともあり、「お金を払ってまで行く価値ある…?」と思う人もいるのではないでしょうか(のぶよもまさにそう思ってた)。
単刀直入に言うと、サタプリア自然保護区は入場料を払う価値があると思います。
貴重な原生林の美しさや、歴史的価値がある恐竜の足跡、異世界の雰囲気な洞窟探検など、バラエティーに富んだ魅力を手軽に味わえることがその理由。
ガイドの料金も含まれての20GELなので、決して高すぎるわけではないと思います。
サタプリア自然保護区は、子連れの旅行者には特におすすめ。
ジュラシックパークは、子供なら絶対に楽しいと思います。
反対に、手つかずの大自然を楽しみたい人や、ガイド付きで行動するのが苦に感じる人にとっては、サタプリア自然保護区は向かないかも。
内容を考えると、料金ももう少し安くても良いかなとも思います(12GELくらいだったらもっと大声でおすすめできるかも)。
サタプリア自然保護区観光の持ち物

サタプリア自然保護区は数時間で観光できるので、特に持ち物などの準備も必要なし。
しかし現地には本当に何もないので、飲料水や軽食などは持参するのが良いでしょう。
敷地内は遊歩道が整備されていて歩きやすいものの、合計2.4kmと結構な距離を歩く&アップダウンも少しあるので、歩きやすい靴での訪問が絶対です。
サタプリア自然保護区は雨の日でも営業はしていますが、雨宿りできるような場所はほとんどない&サタプリア展望台は雨天時に閉鎖されるため、できれば天気の良い日を狙うのがおすすめです。
プランニングのコツ

サタプリア自然保護区は数時間で観光できるので、近郊の他の見どころとセットで周るのもポピュラー。
クタイシ近郊には「定番」とされる見どころがいくつかあり、好みや時間に合わせて好きな場所を訪問できます。
▲上記の見どころの中で、個人で公共交通を利用してサタプリア自然保護区と組み合わせてアクセスしやすいのは、プロメテウス洞窟。
それ以外の見どころはタクシーをチャーターすればセットで周りやすいですか、個人で一日で周るのは難しいです。
おわりに
一風変わったデイトリップができるサタプリア自然保護区の観光情報を解説しました。
クタイシから簡単にアクセスすることができるので、市内観光とはひと味違う一日を過ごしたい人にはおすすめです。
クタイシ近郊には有料/無料問わず、見ごたえたっぷりのスポットが他にも盛りだくさん。
時間の許す限り色々と足をのばして、このエリアの魅力を堪能してみてはいかがでしょうか。





































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