こんにちは!ジョージア滞在も2年半、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
これまで訪れた国や地域で食した料理を再現&レシピをシェアする新企画が「のぶよキッチン」。
お待たせしました…今回は、日本で「ジョージア料理といえばコレ!」といったポジションにのしあがったシュクメルリ(Shkmeruli / შქმერული)を特集します!
写真を見てびっくりした人もいるのではないでしょうか?
「え…なにこの大胆すぎるビジュアル…」
「シュクメルリって、鶏肉のガーリッククリームシチューじゃないの?」
「さつまいもやチーズはどこ…?」
「ていうか…量…」
ジョージアで本場のシュクメルリを前にした日本人の99%はこういった感想を持つようですが、これこそが本物のシュクメルリです。
日本のカレーが本場インドには存在しないように、ナポリタンがナポリに存在しないように…
日本でポピュラーになった「鶏肉のガーリッククリームシチュー・シュクメルリ」はジョージアには存在しません。
魔改造された日本風シュクメルリも美味しいのでしょうが、やはり本場の味をちゃんと知ってほしい気持ちはコーカサスの山々よりも高く…
というわけで、今回の記事ではジョージア本場のシュクメルリのレシピを紹介していきます。
・シュクメルリ発祥の地であるラチャ地方風シュクメルリ
・ジョージア全国的にポピュラーな牛乳入りのシュクメルリ
の2種類の作り方を紹介しているので、お好みでアレンジしてみてください!
これまでの旅の中で食した絶品料理の数々を、地元の人に教えてもらったレシピで再現する企画が「のぶよキッチン」。
「本場の味をそのままに」をコンセプトに、できる限り現地のレシピそのままにお伝えしていますが、日本でも再現しやすいアレンジTipsもふんだんに盛り込んでいます!
ジョージア料理の「シュクメルリ」とは?基本情報&材料
ジョージアには二種類のレシピがある?シュクメルリの基本情報
・調理時間:40分
・材料費:約1000円(4人分)
・お手軽度:★★★★☆
・日本での再現しやすさ:★★★★☆
まず知ってほしいのが、ジョージアのシュクメルリには大きく分けて二つのタイプがあること。
・大量の油でグリルした鶏肉とニンニクに水を入れたラチャ地方風(本家本元)
・ラチャ地方風に牛乳を加えてまろやかにしたアレンジ版(ジョージア全国的にポピュラー)
本家本元のラチャ地方風シュクメルリはジョージア人にとっても油がきつすぎるからなのか、現在では仕上げに牛乳を加えたアレンジ版の方がジョージア全国区の座に就いています。
お店でシュクメルリを注文する場合は二つのタイプのうちどちらかしか頼めないのですが、自分で作る場合は一回の調理で二種類のシュクメルリのどちらも作れるのが嬉しいポイント。
ジョージア本場のシュクメルリ食べ比べパーティーなんかもできちゃいます!(ニンニク臭ものすごくなりそうだけど)
シュクメルリの材料
二つのタイプのシュクメルリのいずれも、鶏肉とニンニク以外の具はいっさい入らない&スパイスやハーブ類は使用されないのがポイント。
もともと、気候条件が厳しく食材が限られた山岳地域発祥の料理ということもあり、最低限の材料を使用して作るのが鉄則です。
日本のシュクメルリを食べたことがある人は、チーズや根菜、玉ねぎなどを入れたくなるかもしれませんが、余計なものは必要ありません!
鶏肉の風味とニンニクの味を心ゆくまで楽しむための料理がシュクメルリなので、あえて色々入れないようにすることを強くおすすめします。
【基本の食材】
・丸鶏:1羽(約1300g) or 皮つきの鶏肉1300g分※注①
・ニンニク:1個(約10片)
・油:50ml
・牛乳:200ml (※オプション)
・水:300ml
【スパイス・調味料・ハーブ】
・塩:大さじ1~2
※注①:ジョージアでは、シュクメルリを作る際は必ず丸鶏が一羽まるまる使用されます。捌くのが大変な場合は、皮つきの鶏肉(ももでも手羽でもお好みの部位で)を使用するのも◎
皮つきの鶏肉が手に入らない場合は、一般的なもも肉やむね肉を使用するしかないのですが、シュクメルリの味の決め手のひとつとなるのは鶏皮から出る鶏油。皮なしの鶏肉だと風味が大きく落ちてしまい淡白な味わいとなってしまうので、できれば皮つき鶏肉を用いてほしいものです。
シュクメルリのレシピ・作り方
①鶏肉をカットして塩胡椒
まずは、丸鶏(1300g)をカットしていきます。
本場ラチャ地方では、どの部位をどのようにカットするのか決まっているそうなのですが、そこまでこだわらなくてもOK。
脚、手羽、胸肉…など、それぞれの部位が10cmほどの大きさになるように骨ごとカットします。
カットした鶏肉には塩を適量(※分量の全部ではなく)まぶし、ざっくりと混ぜ込んで10分ほど置いておきます。
②ニンニクを粗めのみじん切りに
鶏肉を置いている間に、ニンニク(1玉)をすべて粗めのみじん切りにします。
「え…丸ごと1玉…?」とびっくりするかもしれませんが、書き間違いでもなんでもなくニンニク丸ごと1玉です(笑)
ニンニクは鶏肉とともにシュクメルリの主役となる存在なので、大胆に使うのがジョージア流。
後のステップ⑥でスープを乳化させることで、ニンニクの匂いは驚くほどに抑えられるので、安心してどっさりと入れましょう。(それでも果てしないニンニク臭が漂いはするけど)
ニンニクは細かく切り過ぎない!
ニンニクをみじん切りにする際にあまり細かくし過ぎると、焦げやすくなってしまいます。
3mm~5mmほどの粗めのみじん切りにしておくのがおすすめ。
③鶏肉を油でグリル
大きなフライパンか鍋に油(50ml)を敷いて温め、ステップ①でカット&味付けをしておいた鶏肉を重ならないように投入します。
火加減は中火~強火くらいが◎
両面がきつね色になるまで、10分~15分ほどじっくりとグリルしていきます。
この時、鶏肉の内側まで完全に火を通すようにしっかりとグリルするようにしてください。
(ジョージアでは大皿に重しをのせたものを鶏肉の上にのせて、押し付けるようにして中まで火を通すのが定番)
④鶏肉を取り出す
鶏肉が焼きあがったら、いったんフライパンから取り出して別皿に置いておきます。
⑤ニンニクを炒める
ステップ④で鶏肉を取り出した後の鍋には、鶏の旨味が染み出した油がたっぷりと残っているはず。
この油にステップ②で粗めのみじん切りにしておいたニンニクをすべて投入し、中火で2分ほど炒めます。
⑥水を入れて乳化させ、鶏肉を戻す
油にニンニクの香りがしっかりと移ったら、火を弱火~中火にして水(300ml)を少量ずつ注ぎ入れます。(一度に全て入れない!)
フライパンの中身をしっかりとかき混ぜながら水を注ぐのがポイント。
空気を含ませながら水と油をなじませ、スープを乳化させるのです。
「乳化」とは?
水と油など、本来は混ざりにくい物質に力を加えて化学反応を起こすことを「乳化」と言います。
空気を加えながらしっかりと混ぜ合わせることで、水と油が混ざって白濁色を帯びた液体となり、油っこさが中和されてまろやかな風味を引き出すことができます。
この乳化のステップこそが、シュクメルリ作りにおける最大のポイント。
ここでしっかり水と油を乳化させないと、油ギットギト&果てしないニンニク臭のシュクメルリとなってしまうのです。
(ジョージアの本場のレストランでも、この乳化がちゃんとできていないシュクメルリを出す店は結構ある)
とにかくガッツリとかき混ぜながら&鍋を振動させて力を加えながら、少量ずつ水を注いでスープの色を濁らせるようにしましょう。
水を全て注ぎ終え、スープが乳化して濁ってきたら、味見をしながら塩(大さじ1~2)を加えて味を調整します。
スープが好みの塩気になったら、ステップ④で別皿に取り出しておいた鶏肉を戻し、裏返しながら中火で5分~6分ほど煮込みましょう。
鶏肉全体にスープがなじんだらお皿に盛りつけて、まずはラチャ風シュクメルリの完成です!
⑦牛乳を加えて煮込む(オプション)
ジョージア全国でポピュラーな牛乳入りのシュクメルリにしたい場合は、ステップ⑥で完成したラチャ風シュクメルリに牛乳(200ml)を加えて、さらに中火で5分ほど煮込みましょう。
ときどき全体をかき回して、牛乳と水&油のスープをなじませるのがポイントです。
水を入れずに牛乳で煮込んでもOK
このレシピではラチャ風と牛乳入りの二種類のシュクメルリを同時に作るために、牛乳は最後に入れていますが、ステップ⑥で水(300ml)を入れる代わりに牛乳を入れて鶏肉を煮込んでもOK。
その場合は、牛乳の量を400ml~500mlに増やして煮込んでください。
牛乳だけで煮込むととてもまろやかなシュクメルリとなり、食べやすさは抜群ですがニンニク感は少々物足りなくなります。
個人的には、ニンニクの風味を強めに残した牛乳少なめシュクメルリの方が好みです。
おわりに:シュクメルリの美味しい食べ方
というわけで、完成した二種類のシュクメルリがこちら!▼
ラチャ風シュクメルリは、ニンニクの風味がしっかりと感じられるパンチの効いた味わい。
スープがしっかりと乳化しているため、油のどぎつさは控えめで、大胆&シンプルな調理法ながらも奥深い風味が感じられます。
牛乳入りシュクメルリは、まろやかさが前面に押し出された口当たりの柔らかい味わい。
味付けは塩だけだとは信じられないほどのコクが感じられ、鶏本来の旨味とニンニクの風味が絶妙なハーモニーです。
いずれのシュクメルリも、パンに合うことこの上なし!
鶏一羽をまるまる使用しているためボリュームはかなりのものなので、ぜひとも大人数でシェアして食べるのがおすすめです。
また、個人的におすすめなのが、シュクメルリの余ったスープをパスタのソース等に再利用すること。
ジョージア的には邪道らしいのですが、ペペロンチーノとカルボナーラの中間のような味わいにヤミツキ必至です!
一度の調理で二度美味しい本場のシュクメルリ。
材料は世界中どこでも手に入るものだけでできるので、ぜひ試してみては?
これまでの旅の中で食した絶品料理の数々を、地元の人に教えてもらったレシピで再現する企画が「のぶよキッチン」。
「本場の味をそのままに」をコンセプトに、できる限り現地のレシピそのままにお伝えしていますが、日本でも再現しやすいアレンジTipsもふんだんに盛り込んでいます!
コメント