こんにちは!アルメニア滞在もいつの間にかもう2ヶ月半、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
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食欲の秋、味覚の秋…
秋という季節は、夏の太陽の光をたっぷりと蓄えた自然の恵みが最も味わい深くなる季節です。
柿、栗、さんまなど、日本にも秋が旬な食べ物はたくさんありますが、ここアルメニア北東部のセヴァン湖周辺地域には、秋の訪れを告げるフルーツが存在しています。
その名も「チチュハン(Chichkhan / չիչխան)」 ▼
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「チチュハン?なにそれ?」と思う人がほとんどではないでしょうか。(のぶよもそうでした)
実は、アルメニアの秋の風物詩であるチチュハンは、日本でも最近「スーパーフルーツ」として話題のサジーのこと。
その栄養価の高さから「美容や健康にはコレ!」と言われ、ジュースやサプリメントなどにもなっているそうです。
今回の記事では、秋にアルメニアを訪れるなら絶対にチェックしたいチチュハン(サジー)の魅力を語っていきます!
アルメニアの「チチュハン」(サジー)とは?
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9月の中旬~10月にアルメニア北東部のセヴァン湖周辺エリアを訪れると、必ず目にする光景がこちら。
そこら中の道路沿いで売られている、バケツいっぱいの黄色い木の実のようなもの。
自家製のジュースやジャムに加工されたものも並んでいます。
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これがアルメニアで「チチュハン」と呼ばれるグミ科の植物。
オレンジがかった黄色が鮮やかな、1つ5mmほどの小さな実のフルーツです。
アルメニア語では「チチュハン」と呼ばれるこのフルーツは、ユーラシア大陸の標高が高い乾燥地帯に広く自生しており、国や地域によって呼び方が異なります。
・アルメニア語:չիչխան(チチュハン)
・モンゴル語:Чацаргана(チャチャルガーナ)
・中国語:沙棘(サジー)
・ロシア語:Облепиха(アプレピーハ)
・英語:Sea buckthorn(シーバックソーン) / Sea berry(シーベリー)
日本では中国語の「サジー」や英語の「シーバックソーン」という呼び方がポピュラーなようですが、基本的にサジーもシーバックソーンも、チチュハンと同じ種類の植物です。
チチュハンの原産国はモンゴルだと言われています。
800年近く前のモンゴル帝国時代に、支配下となったアルメニアにもたらされたのかもしれませんね。(呼び方も少し似ていますし)
アルメニアでは、チチュハンは標高が高いセヴァン湖周辺エリアにのみ自生しています。
9月になると地元住民がそこら中になっている実を勝手に収穫して、ジュース等に加工して道端で売っているんだそうです。(なんともワイルドな…)
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鉄分、ミネラル、各種ビタミン、クエン酸…
なんと200種類以上の栄養素がこの小さな実の中にギュッと詰まっているのです。
「スーパーフルーツ」と呼ばれるのも納得な、化け物レベルの栄養価。
アルメニアでは「美容と健康にはとにかくチチュハン!」と言われ、秋になると他の地域からわざわざセヴァン湖にまでやって来て購入していく人も多いんだそうです。
アルメニアのチチュハン(サジー)の利用法
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アルメニアでのチチュハンは、主に食用として愛されています。
・100%ジュース:1.5ℓボトルが200円ほど
・ジャム:500gが400円ほど
と、かなりリーズナブル。
チチュハンのジュースには砂糖入りの甘いもの(=そのまま飲める)と砂糖なしのナチュラル版の2種類あり、購入する際には確認必須です。
地元民に人気なのは、砂糖なしのジュース。(かなり酸っぱい)
なんとウォッカと一緒にクイッと飲むのが定番なんだとか。
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また、秋になるとそこら中で実をつけるチチュハンを大量に採るのは、セヴァン湖周辺エリアの住民の秋のアクティビティー。
自宅でジュースやジャムに加工する人も多いですが、ポピュラーなのはこちらのコンポルト ▼
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アルメニアをはじめ、旧ソ連圏ではどこでもポピュラーなコンポルトは、各種フルーツを砂糖水に漬けておいたもの。
家庭にもよりますが、1年以上漬けておく場合もあるそうです。
さくらんぼや洋梨、プラムなどあらゆる種類のフルーツで作らるコンポルト。
セヴァン湖周辺では大量のチチュハンの実を使った「スーパーコンポルト」が定番の一つなんだそうです。
チチュハン(サジー)のドリンクを飲んでみた
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初めてチチュハンを売る人を見たとき、この黄色い実やジュースがいったい何なのか、のぶよは全く知りませんでした。
興味本位で購入した後で調べたら、実は日本でも人気沸騰中のスーパーフルーツだということが判明した…というわけです。
見るからに濃厚なチチュハンのジュース。
一口飲んでみた瞬間に思ったことは「す…酸っぱい!!」でした。
それもそのはず。チチュハンは、ビタミンがほぼ全種類含まれているスーパーフルーツなわけで。
「良薬口に苦し」とはよく言ったものです。
チチュハンの酸っぱさは、レモンの酸っぱさとはまた異質のもの。
苦みと酸味が同時に存在しているような感じですが、レモンの搾り汁のように酸っぱすぎて飲めないなんてことはありません。
アルメニア人によると、自分で砂糖を入れて調整したり、水で割って飲むのもOKなんだそうです。
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感動したのが、セヴァンで宿泊しているホステルのオーナー自家製のチチュハン・コンポルト。
大量のチチュハンの実に、砂糖と水を加えて1年前に漬けておいたものだそうで、独特の酸味や苦みがうまく消えて、まるで清涼飲料水のよう。
チチュハンの実の食感もアクセントとなっていてかなり飲みやすくて美味しかったです。
あっさり&ヘルシーで甘すぎない味わいは、きっと日本人ウケ間違いなし。
コンビニなんかで売ったら間違いなく人気になると思います。
おわりに
アルメニアの秋の風物詩・チチュハンを紹介しました。
アルメニアはもちろん、ヨーロッパやアメリカでもその健康・美容への効果が注目されつつあるそうで、近いうちにさらに大きな話題となる日が来るかもしれません。
アルメニアでは「内臓の活性化や白髪にめちゃくちゃ効く!」とも言われるチチュハンは、はるか昔からユーラシア大陸で愛されてきた美の秘訣アイテムそのもの。
のぶよ個人的な体験では、チチュハンの濃厚ジュースを飲んだ翌日は、なんとな~く肌がツヤツヤになったような…(まあこういうのは気持ちの問題ですが)
ロシアやヨーロッパではこの実を用いたハンドクリームやオイルなどもポピュラーだそうで、各種ビタミン・ミネラル由来の保湿作用は有名なんだそうです。
日本ではなかなかフレッシュなジュースを売っているお店は少ないでしょうが、インターネット上で購入することはもちろん可能。
サプリメントやハンドクリームなどもあり、かなり充実したラインナップです。
ユーラシア大陸伝統の、美と健康を司るチチュハン(サジー)。
いったいどれほどの実力か、ぜひともお試しあれ!
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