こんにちは!アルメニア滞在もいつの間にか3ヶ月!世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
アルメニアに3ヶ月も滞在していて、とうとう初体験をしてしまいました…
そう、鉄道に乗ったのです!
全国どこへでもマルシュルートカ(乗り合いミニバス)で行けてしまうアルメニアでは、鉄道網はほとんど発達していないのが現状。
マルシュルートカ利用時よりも時間がかかる&本数が限られているため、短期旅行者にはなかなか使いづらいものがあります。
しかしながら、鉄道には鉄道の旅情があるというもの。
地方部ののどかな風景を車窓越しに眺めながら、のんびりと移動する極上の時間…きっとアルメニア旅で忘れられない思い出となるはずです。
とはいえ、アルメニアの鉄道は、初めての人にとっては少々ややこしいのがネック。
2021年にもなって、ネット予約やクレジットカード払いにすら対応していないくらいなので…
一度利用してしまえば「ああ、こんなもんか」となるものですが、言葉が通じない国で勝手がわからないと不安になってしまうかもしれません。
今回の記事は、アルメニアでの鉄道利用に関して必要な情報をすべてまとめたもの。
これさえ読んでおけば、アルメニアの鉄道利用はバッチリという内容になっています!
アルメニアの鉄道路線は3つのみ!
全国津々浦々、電車でどこへでも行けてしまう日本からアルメニアにやってくると、その路線網の未発達具合にきっと驚くはず。
というのも、アルメニアの鉄道は基本的に3路線しか走っていないためです。
①エレバン~ギュムリ間:地図赤線
②エレバン~セヴァン~ショルジャ間(夏季のみ):地図青線
③エレバン~トビリシ(ジョージア)間:地図緑線
②のエレバン~セヴァン路線は夏季の2ヶ月のみ、③のエレバン~トビリシ路線は国際路線…
ということで、アルメニア国内の基本的な鉄道路線は、①エレバン~ギュムリ間のみと考えてOKです。(おそらく旅行者の9割はこの路線を利用するはず)
①エレバン~ギュムリ間
首都のエレバンと、北西に位置する第二の都市・ギュムリ間を結ぶ路線は、アルメニア唯一の鉄道路線と言っても過言ではないほど。
2021年10月現在の時刻表は以下の通りです ▼
エレバン発 | ギュムリ着 | 所要時間 | 料金 | |
普通 | 7:55 | 11:03 | 3時間8分 | 1200AMD |
普通 | 14:25 | 17:30 | 3時間5分 | 1200AMD |
普通 | 18:25 | 21:46 | 3時間21分 | 1000AMD |
高速 | 9:15 | 11:25 | 2時間10分 | 2500AMD |
ギュムリ発 | エレバン着 | 所要時間 | 料金 | |
普通 | 7:45 | 10:57 | 3時間12分 | 1000AMD |
普通 | 11:55 | 15:05 | 3時間10分 | 1000AMD |
普通 | 18:15 | 21:23 | 3時間8分 | 1200AMD |
高速 | 19:40 | 21:50 | 2時間10分 | 2500AMD |
1日に3~4本走っており、マルシュルートカ(乗り合いのミニバス)よりも割安で利用できるのが最大のメリットです。(とはいえ、マルシュルートカ利用よりも1時間ほど多くかかりますが)
②エレバン~セヴァン~ショルジャ(夏季のみ)
毎年夏季限定で運行されるのが、エレバン~セヴァン間を結ぶ鉄道路線。
セヴァンは「アルメニアの真珠」と呼ばれるビーチリゾート・セヴァン湖に面した町で、夏季のビーチ客向けに運行されるものです。
年によっては、セヴァンよりさらに先に位置するショルジャ(Shorzha / Շորժա)という村が終点となることも。
セヴァン湖の美しいビーチを目指すエレバンっ子で、夏場は大混雑する路線です。
しかしながら、この路線の利用は旅行者にとってはやや難易度が高めなのがネック。
のぶよ的には、頻発しているマルシュルートカを利用するほうが楽だと思います。
夏季にエレバン~セヴァン間を移動するなら、鉄道を利用するのもあり。
しかしながら、マルシュルートカ利用に比べると、鉄道利用のハードルはやや高めです。
①エレバン中央駅発着ではない
②年によって運行時期が変動
③年によって運行頻度すら変動
【①エレバン中央駅発着ではない】
エレバン~セヴァン間の鉄道は、中心街からほど近いエレバン中央駅発着ではない点に要注意。
▲ 中心街東側のアルマスト駅(Almast)の発着で、近くには地下鉄駅などはないためアクセスがやや不便です。
【②年によって運行時期が変動】
年によって運行時期が大きく変わるのも、エレバン~セヴァン間の鉄道利用時のネック。
だいたい6月半ば~9月初頭までは走っているそうですが、2021年は利用客が少ないという利用で9月3日を最後に運休となってしまいました。
【③年によって運行頻度すら変動】
毎年変動するのは運行時期だけでなく、運行頻度(本数)も年によってバラバラ。
2021年の場合は1日1本の運行でしたが、2020年は土日のみの運行だったそう。
いったいどういう基準でスケジュールを決めているのか…完全なる謎です。
夏場に鉄道を使ってセヴァンへアクセスする場合、南コーカサス鉄道の公式サイト(アルメニアの国鉄のような会社/アルメニア語・ロシア語のみ動作する謎設定…)で最新情報を確認するようにしましょう。
個人的には、こんなややこしい思いをしてわざわざ鉄道にこだわるよりも、マルシュルートカでサクッと移動してしまうのが良いと思います。
③エレバン~トビリシ(ジョージア)間
アルメニアとジョージアを周遊する旅行者にとって利用価値が高いのが、両国の首都を結ぶエレバン~トビリシ路線。
スケジュールは毎年微妙に変わりますが、両方面で1日1便/夜行列車の運行となるので、効率的に移動したい旅行者の強い味方です。
【冬季(10月2日~6月12日)】
運行頻度 | 発車時刻 | 到着時刻 | 所要時間 | 最低料金 | |
エレバン→トビリシ | 1日1本 | 21:30 | 7:35 | 10時間5分 | 12010AMD (=¥2804) |
トビリシ→エレバン | 1日1本 | 20:20 | 6:55 | 10時間35分 | 69GEL (=¥2463) |
この区間の路線は、夏季限定でジョージアのビーチリゾートであるバトゥミまで走ります ▼
【夏季(6月15日~9月30日)】
運行頻度 | 発車時刻 | トビリシ 到着/発車時刻 | エレバン 到着時刻 | 所要時間 (バトゥミ~エレバン) | |
エレバン→トビリシ→バトゥミ | 1日1本 | 15:30 | 23:00 | 7:30 | 16時間 |
バトゥミ→トビリシ→エレバン | 1日1本 | 15:40 | 22:45 | 7:35 | 15時間55分 |
夏場のバトゥミまでの列車運行期間(=正確な日付)や各都市の発車/到着時刻などのスケジュールは毎年変わるので、事前にウェブ上でチェックするのをお忘れなく!
アルメニア鉄道の時刻表・料金確認方法
①エレバン~ギュムリ間の鉄道路線は、基本的に通年・毎日同じスケジュールで運行しています。
しかしながら、いつ何が予告なしに変更されるかわからないのがアルメニアという国。
鉄道の利用を考えているのなら、念のために最新のスケジュールを確認しておくのが基本です。
アルメニアの鉄道を運行しているのは南コーカサス鉄道(South Caucasus Railway)という会社。
公式サイトもちゃんとあり、最新情報は常にネット上にアップされているのですが、大きな問題があります。
それは、英語のページがなぜか動作しない点。
アルメニア語かロシア語のページしか動かず、言葉が分からない旅行者にとってはものすごくハードルが高いと思います。
というわけで、この項では南コーカサス鉄道のロシア語ページで最新情報(運行スケジュール・料金etc)をチェックする方法をステップごとに解説していきます!
国内路線か国際路線かで微妙に手順が異なってくるので、利用したい路線の項へどうぞ。
①アルメニア国内の鉄道路線の時刻表・料金チェック方法
まずは南コーカサス鉄道の公式サイトを開きましょう。
右上の国旗マークの欄で①ロシア語を選択します。(別にアルメニア語が読めるならアルメニア語でも)
発着地や日付などを選択する欄がありますが、このままだと動作しません。
一番左の”сообщение”(サービス)の項目のプルダウンで②”местное”(国内路線)を選択しましょう。
続いては、③利用する路線を選択する場面。
路線はいちおう3路線が選べる(夏季のセヴァン行きの運行がある場合は4路線)のですが、旅行者が利用するのはエレバン~ギュムリ線(Ереван – Гюмри – Ереван)の一択です。
すると、出発地と到着地を選べるようになります。
④出発地:エレバン(Ереван)
⑤到着地:ギュムリ(Гюмри)
を選択しましょう。(逆方向の場合も同じ手順)
最後に、⑥利用する日にちをカレンダーで選択→⑦”найти”(検索)をクリックします。
アルメニア鉄道(国内路線)の列車タイプ
上記のステップを進めると、希望した日にちの設定区間の列車がすべて一覧で表示されます ▼
【普通列車】
エレバン~ギュムリ間の普通列車(画像内の上から3つの青欄)はどれも3時間少々の所要時間ですが、列車タイプによって料金が微妙に異なるのがポイント。
・古いタイプの列車:1000AMD(=¥237)
・新しいタイプの列車:1200AMD(=¥284)
いずれも安くて良いのですが、座席指定等はできません。
座席は当日早い者勝ちとなるので、席が埋まってしまう/窓側の席が空いていないetc…などのリスクがある点に注意。
【高速列車】
高速列車(上の画像内で一番下の赤欄)は2時間ほどの所要時間ですが、料金は2500AMD(=¥593)に跳ね上がります。
その代わりに全席指定となっているので当日座れないことはなく、好きな席を予約できる点は◎
また、高速列車のチケットはいちおうネット予約に対応しているようですが、日本のクレジットカードはまず通りません。
高速列車利用の場合でも、当日鉄道駅でチケットを直接購入することになります。
②国際列車(エレバン~トビリシ)の時刻表・料金チェック方法
エレバン~トビリシ間の国際列車利用の場合も、基本的な操作は国内路線の場合と同じ。
まずは南コーカサス鉄道の公式サイトを開き、右上の国旗マークの欄で①ロシア語を選択します。
発着地や日付などを選択する欄がありますが、このままだと動作しません。
一番左の”сообщение”(サービス)の項目のプルダウンで②”международное”(国際路線)を選択しましょう
すると、③路線を選択できるようになるので、エレバン~トビリシ間(Ереван – Тбилиси – Ереван)を選択します。
すると、出発地と到着地を選べるようになります。
④出発地:エレバン(Ереван)
⑤到着地:トビリシ(Тбилиси)
を選択しましょう。(逆方向の場合も同じ手順)
最後に、⑥利用する日にちをカレンダーで選択→⑦”найти”(検索)をクリックします。
アルメニア鉄道(国際路線)の列車タイプ
上記のステップを進めると、希望した日にちの設定区間の列車がすべて一覧で表示されます ▼
エレバン~トビリシ間の鉄道でややこしいのが、車両クラスや座席タイプによって料金が細かく分かれている点。
南コーカサス鉄道のサイトでは全てロシア語表記となっている(というか英語版が動作しない)ので、料金の区別に必要な単語をピックアップしてみました ▼
【車両クラス】
・Плацкартный(Plazkart):3等
→一般の列車(個室ではない)/二段ベッド
・Купейный(Compartment):2等
→4人1部屋のコンパートメント/二段ベッド
・СВ(SV):1等
→2人1部屋/通常のベッド
【座席タイプ】
・Нижнее:二段ベッドの下段
・Верхнее:二段ベッドの上段
・Детский:子供料金
南コーカサス鉄道の公式サイトでは座席の写真を見ることができるので、利用前に一度のぞいてみるのをおすすめします。
アルメニアの鉄道に乗ってみた!チケット購入~乗車までの流れ
①鉄道駅へ
移動の当日。まずは各都市の鉄道駅へと向かいましょう。
【エレバン:エレバン中央駅】
エレバン発ギュムリ行きの場合は、エレバン中央駅が基点です ▼
エレバン中央駅は、地下鉄のサスンツィ・ダヴィット駅(Sasuntsi David / Սասունցի Դավիթ)と直結していて便利。
しかしエレバン地下鉄の始発は朝7時過ぎなので、早朝の鉄道利用の場合はご注意を。
【ギュムリ:ギュムリ鉄道駅】
ギュムリ発エレバン行きの場合は、中心街の東に位置するギュムリ鉄道駅が基点 ▼
ギュムリには地下鉄はなく、鉄道駅~中心街までは徒歩10分~15分ほど。
ギュムリ市内マルシュルートカ12番でも鉄道駅前~中心街間の移動が可能(100AMD=¥23)ですが、常に混雑しているのがネック。
大きい荷物がある場合の利用には向きません。
今回のぶよが利用したのは、エレバン→ギュムリ方面の始発(7:55発)。
旧ソ連の国らしく立派な内装が特徴的なエレバン中央駅は、朝の静寂に包まれてとても素敵な雰囲気でした。
②チケットを購入
アルメニアで早朝の鉄道を利用する人が困ることの一つが、チケットオフィスが開いていない点。
移動当日の朝、がらんとした鉄道駅でシャッターが下ろされたチケットオフィスを目の当たりにしたときは、絶望しました… ▼
なんでも、エレバン中央駅のチケットオフィスが開くのは、9:15エレバン発の高速列車が出発する30分前頃からだそう(=8:45)。
それ以外の時間帯の普通列車を利用する場合は、列車に乗車後に係員から直接チケットを買わなければなりません。(普通列車を利用するような貧乏旅行者に割く労力はない!ってことか?)
9:15エレバン発の高速列車を利用する場合は、最低でも30分前には鉄道駅に到着してチケットを購入しておきましょう。
ギリギリに駅について満席でチケットを購入できなかった旅行者の話も耳にしました。
それ以外の普通列車を利用する場合は、30分前に駅に着いたところでチケットブースが開いてすらいないので、15分前くらいでOKだと思います。
駅の人数人に尋ねましたが、「普通列車の場合は車内でチケットを買え」の一点張り。
本当に大丈夫なのか不安でしたが、結局問題なく購入できました ▼
車内/チケットブースでのチケット購入はいずれもクレジットカード等は使用不可。
ユーロやジョージアラリでの支払いも不可で、アルメニアドラムのみの取り扱いとなります。
(エレバン中央駅構内にはATMと両替可能な銀行窓口がありました)
③プラットホームへ
出発時刻の10分前くらいになると、プラットホームに電車が入ってきます。
逆にそれまでは、誰もどのプラットホームからの発着か知らないという謎システム。
そもそもの発着本数が多くないので、他の人が待っているプラットホームに行けばOKです。
長いものには巻かれておきましょう。
列車がホームに入ってきたら、いよいよ乗車です!
④乗車
のぶよ的には、ソ連感ただよう限界鉄道を期待していたのですが、やって来たのは真新しいモダンな車両。
南コーカサス鉄道のサイトによると、この時間の列車は古い車両のはずなのですが…謎が深まります。
普通列車を利用する場合に覚えておきたいのが、座席は完全に早い者勝ちである点。
この日は土曜日だったからなのか分かりませんが、列車のドアが開くと人々がどっと流れ込み、我先にとシートに座っていきます。
たった二両しかない列車はあっという間に満席となりました。
シートは3列×3列の対面型。(たまに無理やり4人座ってたりする)
「知らない人と数時間も対面で相席するのはちょっと…」という人には少々キツいかもしれません。
のぶよ的には、自然とコミュニケーションが生まれるのもアルメニア旅の醍醐味だと思います。
エレバンを定刻通りに発車した列車は、朝の柔らかい陽光に照らされた大地を走っていきます。
途中にある駅でも乗降客がいましたが、降りる人よりも乗る人の方が十倍以上は多かった印象。
出発から1時間もすると車内は完全なる満員となり、立ったまま乗車している人も多かったです。
エレバン~ギュムリ間鉄道のおすすめ座席は?
せっかくのアルメニアの鉄道旅。できれば美しい風景を車窓から眺めたいですよね!
エレバン~ギュムリ間の区間で景色が良いのはほとんど西側の車窓からの風景。
・エレバン発:進行方向左側
・ギュムリ発:進行方向右側
となるのですが、エレバン発ギュムリ行きの場合は要注意。
というのも、エレバンから北に位置するギュムリに向かう列車は、なぜか一度南方向に進んでから北へと進路を変えるためです ▼
エレバン中央駅からそのまま北方向に進むものだと思っていたのぶよは、ここでミスを犯しました。
列車が発車した時にはもう満席で、席の移動は不可。
反対側の車窓の先に見えるアララト山の風景やトルコ領の大地の風景を、指をくわえて眺めるしかありませんでした…
これから同じルートで移動する人に後悔してほしくないので、もう一度言います。
エレバンからは進行方向左側の座席がおすすめ!
列車は一度南に向かうので、エレバン中央駅では東側の座席を死守するべし!
※ギュムリ→エレバンの場合は普通に南方向に進むので、進行方向右側(西側)の座席を確保しましょう。
新型車両はガタゴト揺れることもなく、すいすいと滑らかにアルメニアの荒涼とした大地の中を走ります。
出発から3時間少々。定刻ピッタリに、列車はギュムリの中央駅に到着しました。
(どうせ遅れるものだと思っていたので、これにはびっくり)
ソ連感がぷんぷんと漂うギュムリの鉄道駅前は、どことなく閑散とした雰囲気。
エレバンと比べてかなり冷んやりとした空気を吸うと、別の地域に来たことを肌で感じます。
アルメニア第二の都市での滞在…ここからスタートです!(ギュムリの記事、頑張って書きます…)
おわりに
初めての人にはややハードルが高めな、アルメニアでの鉄道利用方法を解説しました。
言葉の壁があるのはもちろん、なぜかチケット売り場が閉まっているなど謎のシステムは存在していますが、あらかじめ知っておけば当日驚くこともないはず。
マルシュルートカ利用も簡単で良いですが、アルメニア滞在中に一度は鉄道に乗車してみるのもおすすめです!
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