こんにちは!無事アルバニアに入国を果たした、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
アルバニア北部にあるコーマン湖(Liqeni i Komanit)は、「アルバニアのフィヨルド」と呼ばれる風光明媚な風景が見られるスポットです。
青く透き通った水に、切り立った山々が織りなす景観は、まさに絶景の名にふさわしいもの。
コーマン湖沿いには道路が走っていないため、湖周辺に点在するいくつかの集落に住む人たちの交通手段として発達したのはボートでした。
現在では観光客向けの中型ボートの導入で、私たち旅行者も利用しやすくなったコーマン湖の船旅。
年々多くの観光客がやってくるようになり、注目の観光スポットとなってきています。
今回は、コーマン湖の絶景フェリー旅に焦点を当てて、シュコドラからのアクセスやフェリーの利用方法を詳しく解説していきます。
後半では、コーマン湖フェリーと合わせて訪れたいアルバニア観光のハイライト・「呪われた山」のハイキングの入口となるバルボナ(Valbonë)への行き方と宿情報も紹介しています。
シュコドラからコーマン(Komani)へ乗り合いバスで移動
コーマン湖フェリーの出発点であるコーマンの港へのアクセスは、アルバニア北部の町・シュコドラが拠点です。
アルバニアの交通システムはとてもややこしく、旅行者が慣れるまではかなりの時間を要するはず。
フルゴン(furgon)と呼ばれるミニバン型の乗り合いバスが移動の主流であるアルバニアですが、シュコドラ~コーマン間のフルゴンについては事前の予約が必要となります。
もちろんここはアルバニア。
ネット予約なんてしゃれたものは存在しません(笑)
アルバニア語でドライバーに電話して席を予約なんてできるはずもないので、シュコドラの宿泊先の人に予約をお願いしましょう。
シュコドラに宿泊する人の多くが旅の目的とするコーマン湖フェリー。
宿の人は、それぞれドライバーとのコネクションを持っていることがほとんどです。
のぶよの場合は、宿泊先から近いガソリンスタンド前に6:15集合でした。
(どこの宿から予約するかによって、集合場所・時間は変わってきます)
当日の朝は、集合時間の5分前にやってきたフルゴン。
アルバニアらしくない正確さです(笑)
途中の村で謎にコーヒー休憩を30分挟んだり、かなりの悪路に揺られたりしながら、2時間ほどでコーマン湖フェリーの出発地であるコーマン港に到着しました。
シュコドラ→コーマン間フルゴン(乗り合いバス)
出発時刻:6:00〜6:30
所要時間:約2時間
料金:700Lek(=¥700)
コーマン(Komani)からフィエルザ(Fierzë)への絶景フェリー
さて、ここからが今回のメインイベントであるコーマン湖フェリー。
コーマンの港はとても小さく、多くのフルゴン(乗り合いバス)で埋め尽くされていました。
港からはすでにフィヨルドを思わせる絶景が広がり、これからの船旅への期待が高まります。
今回乗るフェリーは、車での乗船もできるカーフェリータイプでした。
予定の出発時刻より30分ほど遅れて出港したフェリーは、美しい色に澄んだ水の上をのんびりと走っていきます。
とにかく絶景の連続。
次から次へと現れる切り立った山々は、まさに「アルバニアのフィヨルド」の名にふさわしいです。
とはいっても、実はこのコーマン湖。
自然にできたものではなく、ダムとして利用するために人工的に作り出されたものなんです。
湖沿いの崖をよくよく観察してみると、自然にできたとは思えないような形をしたものが多く見られることに気が付くはず。
湖は人工的に作られたものであっても、フェリーからの景色は絶景そのもの。
途中には、「何でこんなところに住んでるの?」と思ってしまうような集落がいくつかあり、住人たちが船から積み荷を降ろしたりしている姿も見られます。
コーマン湖周辺には道路が走っておらず、住人の足は船のみ。
都市部とは全く異なった、人里離れた場所での生活は、苦労の絶えないものでしょう。
素晴らしすぎる風景に見とれているうちに、あっという間に2時間の船旅は終了。
終点のフィエルザ(Fierzë)へと到着します。
コーマン→フィエルザ間フェリー
出発時刻:9:00〜9:30
所要時間:2時間
料金:800Lek(=¥800)
フィエルザからの行き先の選択肢は3つ
コーマン湖のフェリー旅を終えて、フィエルザに到着した旅行者は誰もがこう思うでしょう。
「やばい、ど田舎や」と。
フィエルザの港には本当に何もありません。
たった一軒レストランがあるのみです。
ここで観光もへったくれもないので、フィエルザは経由地として別の場所へと移動することとなります。
1.フェリーに乗って同じルートを戻る
シュコドラからコーマン湖フェリーに乗るだけが目的の日帰り旅行の場合は、来た道と全く同じルートを戻ることとなります。
フィエルザからコーマン行きの帰りのフェリーの出発時刻は13時。
帰りのフェリーは15時ごろにコーマンの船着場に到着し、そこからはシュコドラ行きのフルゴンが何台も待機しているので、それに乗るだけです。
2.フィエルザからコソボ方面へ抜ける
フィエルザからお隣の国・コソボは目と鼻の先。
フルゴン(乗り合いバス)を乗り継ぐ必要になるものの、ローカル気分で国境を越えることができます。
フィエルザでフェリーを降りたところにいるバルボナ(Valbonë)行きのフルゴンに乗り、Bajram curriという町で途中下車、そこから別のフルゴンに乗り換え、国境を越えてコソボへ入国できます。
コソボ側の国境の町はジャコヴァ(Gjakovë)という町。
ジャコヴァからコソボの首都のプリシュティナまでは多くのミニバスが走っています。
フィエルザ→Bajram curri間ミニバス
所要時間:30分
料金:400Lek(=¥400)
Bajram curri→ジャコヴァ(コソボ)間ミニバス
所要時間:1時間
料金:€2(=¥244)~
3.フィエルザ(Fierzë)からバルボナ(Valbonë)へ移動する
今回のぶよが移動したのが、こちらのルート。
下の画像で言うと、右回りに移動しました。
赤線:フルゴン(乗り合いバス)ルート
青線:フェリールート
黄線:徒歩ルート
コーマン湖フェリーと、「呪われた山(Accursed Mountains)」の別名を持つアルバニア北部のテス国立公園のハイキングを組み合わせるのは、アルバニアを訪れる旅行者の間で最も定番のコースです。
のぶよ的に、アルバニアに来て呪われた山へ行かなかったらなんの意味もないと思うくらいにおすすめしたいこのハイキング旅。
シュコドラからの日帰りは絶対に不可能で、最低でも国立公園内に二泊する必要があり、コーマン湖フェリーと合わせて丸三日間必要になります。
のぶよと同じ右回りコースで、コーマン湖フェリー旅と呪われた山のハイキングを組み合わせるなら、フィエルザのフェリー港に待機しているフルゴンを利用しましょう。
呪われた山へのトレッキングコースのスタート地点であるバルボナ村(Valbonë)まで移動します。
フィエルザ→バルボナ間フルゴン(乗り合いバス)
出発時刻:12:00~12:30
所要時間:約1時間
料金:700Lek(=¥700)
※この区間のフルゴンは、コーマン湖フェリー乗車前にフェリー料金と一緒に支払います。
ちゃんとチケットももらえるのでご安心を。
バルボナ村到着は13時頃になるなので、同日中に呪われた山を越えてしてテス(Theth)に向かう(所要7時間~)のはまず不可能。
バルボナに必ず一泊する必要があります。
バルボナ村は、十数軒のゲストハウスがあるだけの「ハイキングのベースのためにある町」といった感じ。
山々に囲まれており、大自然のなかでゆったりとした時間が流れています。
観光名所と呼べるものは、かつて使われていた水車小屋のみ。
あとは、ゲストハウス周辺を散策して大自然を感じるくらいしかすることがありません。
あまり無理して観光しようとせず、のんびりと大自然の雄大さを感じながら翌日のハイキングに備えましょう。
呪われた山エリアをハイキングする現地ツアーは、シュコドラやティラナ起点のものがいくつかあり、交通手段を気にする必要がないのが魅力的。
またガイド付きのものが基本なので、ハイキング途中の安全面を考えても利用する価値があるかもしれません。
バルボナの宿情報
バルボナ村は、冬の間は無人になり、夏の間だけ登山客用にゲストハウスやレストランを経営する村人が戻ってくるという不思議な村。
村にあるのはゲストハウス兼レストランのみで、ホステルやホテルの類はありません。
食堂やカフェはないので、基本的には宿泊するホテルで夕食と朝食を食べることになるでしょう。
(ほとんどの宿は朝食が宿泊料金に含まれています。)
ゲストハウスの選び方のポイントは、村の中心に近く、呪われた山へのハイキングコースにも近い場所を選ぶこと。
村には中心部にあるプレハブ小屋の商店が一つしかなく、ちょっとしたものを買うときにこの商店から離れた場所の宿だと一苦労です。
また、ハイキングコース入口から遠いゲストハウスだと、ハイキングコースに行く前に無駄に歩かなければなりません。
コーマン湖を下車したフィエルザからのフルゴンは、各乗客の宿泊先の目の前で降ろしてくれるのでありがたいです。
今回のぶよが宿泊したゲストハウスがこちら。
Jezerca Guest House
料金:1600Lek(=¥1600)
部屋:4ベッドドミトリー
立地:8/10
ハイキングコースの入口から4kmほどの村の中心部に位置するゲストハウス兼コテージです。
バルボナの他の宿と同様にレストランが併設されています。
アクセス:10/10
そもそもがかなり小さい村なので、迷いようがありません。
スタッフ:5/10
できるだけ観光客から金をとろうとするのが見え見えな感じがあまり良い印象ではありませんでした。
そもそもバルボナ自体が夏の間だけオープンする特殊な村なので、できるだけ多くのお金を稼ごうとするのは仕方がないのかもしれません。
清潔さ:7/10
山小屋風の建物内には数部屋のドミトリーとプライベートルームがあり、掃除が行き届いています。
シャワーはトイレと一緒のものが二つあるのですが、シャワーとトイレの仕切りがないため常に床が水びたしなのがマイナス。
設備:5/10
部屋にあるのはベッドとコンセントのみとかなりシンプル。
冷暖房もないので、冷え込みが激しい山の夜は寒さを感じるかもしれません。
一番の不満は、シャワーのお湯がほとんど出なかったこと。
宿泊客の人数にやタイミングにもよるでしょうし、かなりの山奥なので仕方がないとは思いますが、山歩きをした後に温かいシャワーを浴びられないのは想像できません。
wi-fi:6/10
これは予約時にわかっていたことなのですが、wi-fiは宿泊部屋があるロッジにはなく、レストランがあるメインロッジでのみ利用可能です。
速度は少々遅めでしたが、問題なく接続できました。
雰囲気:7/10
まあ普通。
ホステルではないので、旅行者同士のコミュニケーションもあまりありません。
ゲストハウスからの景色はとにかく素晴らしいの一言で、広い敷地には羊や鶏が放し飼いになっていたり、小川が流れていたりと、とにかく大自然の中の宿の雰囲気を味わえます。
総合:6.9/10
可もなく不可もなくといったところですが、バルボナでは最安値で滞在できるドミトリーがあるゲストハウスです。
大自然の中のロケーションはとにかく素晴らしく、ハイキングする前から期待が高まること間違いありません。
おわりに
「ヨーロッパで最も美しい船旅」とも言われるコーマン湖フェリー。
呪われた山へのハイキングや、テス国立公園の散策と合わせて、アルバニア観光で絶対に外せないものの一つです。
日本ではほぼ知名度がないものの、ヨーロッパでは徐々に有名になってきているコーマン湖フェリー。
大規模に観光地化されてしまう日も、そう遠くはないかもしれません。
素朴な山々の風景に出会うなら今がチャンス。
アルバニアを旅行するなら、是非計画に組み込んでください!
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