こんにちは!アルメニア滞在も間もなく3ヶ月、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
現時点でのぶよがアルメニアで好きな町No.1の座に輝いているセヴァン(Sevan / Սևան)。
そこはかとなくレトロで(=ソ連的で)、温かな人々がのんびりと生活するこの町。
なぜか絶品のアルメニアングルメをリーズナブルに味わえる食堂が多い点も、お気に入りポイントの一つです。
滞在期間3週間越えを記録したある朝。泊まっているいる宿のオーナーがぼそっとこんなことを言いました。
「ああ、そういえばボヘムにはもう行った?」
…いいえ、行ってません。
なんでも、宿から歩いて5分ほどの場所に、お洒落でリーズナブルなカフェ兼ティーハウスがあるというのです。(オーナー曰く「有名だからもう行ってたのかと思った」とのこと)
セヴァン推し日本人として、有名スポットと言われたからには見逃すわけにはいきません!
というわけで行ってまいりました。地元では「ボヘム」と呼ばれ親しまれているBohem teahouse(Բոհեմ արվեստանոց-թեյարան)へと。
Bohem teahouseはただのティーハウスではありません。
フード類も充実しているのでレストラン的な利用も可能で、しかも驚くほどにリーズナブルな価格も魅力的。
また、セヴァン市内で唯一のカルチャースペースとしても機能しているのもポイント。
音楽やクラフトなど、文化的な活動に興味がある地元の学生が放課後に集まるスポットとしての顔も持ち合わせる「アルメニア版・昭和の駄菓子屋」的な存在なのです。(ちょっと例えが違うような気もするけど)
今回の記事では、セヴァン滞在中に一度は立ち寄りたいBohem teahouseの魅力を解説していきます。
メニューの写真や店内のようすも載せているので、だいたいのイメージがつかめるはず!
Bohem teahouseとは
Bohem teahouseがどんな場所であるのか、定義するのはちょっと難しいところ。
旅行者的には「カフェ兼ティーハウス兼レストラン」という印象ですが、そもそもセヴァンに滞在する旅行者の数はごくわずか。
というわけで、Bohem teahouseは観光客向けのビジネスではなく、集まるのはセヴァンの地元民が9割。
しかも多くが10代~20代の若者なんだそうです。
セヴァンの町を歩いていると、人口2万人足らずの町だとは信じられないほどに多くの子供やティーンエイジャーの姿を見かけます。
ギターケースを背負った子供や、画材が入ったキャンバスケースを持ち歩く子供の姿を見かけることもしばしば。
「こんな田舎町でアーティスティックな習い事でも流行っているのか?」と不思議に思っていたのですが、その答えがBohem teahouseにありました。
ティーハウス内の小さな空間は、セヴァンのヤング・カルチャーの聖地。
ミュージシャンや画家を夢見る若者が集まり、クリエイティブな空間で思い思いの時間を過ごしながら、感性を磨き合っているのです。
もちろん、単にカフェ/レストラン的に利用するのもウェルカム!
Bohem teahouseのフードメニューの原料はすべて、セヴァン周辺地域で採れたものを使用しているそう。
ドリンク類にもこの地域らしいご当地感が見られるので、「ご当地グルメスポット」として体験するのも◎
この場所のカルチャースペースとしての機能は、地元の人たちだけに向けられたものではありません。
この地域の食文化や居心地の良い空間に集う人々を通して「セヴァンの文化を知る」きっかけを、私たち外国人に対しても与えてくれる場所なのです。
ご当地感強め!Bohem teahouseの飲み物メニュー
“teahouse”と名乗るだけあって、このお店の紅茶やハーブティーの品ぞろえはとても豊富。
メニューにはおよそ30種類ほどが並び、定番の味から聞いたことないようなものまで ▼
のぶよ的に気になったのが“Sevan tea”。
「セヴァン周辺の山で採れた10種類のハーブティー」だそうで、ご当地感あふれる感じが◎
また、セヴァン湖周辺にしか自生していないシーベリー(Seaberry)と呼ばれるフルーツを使った紅茶もあり、こちらもご当地感がぷんぷん。
アルコールメニューにはなんと「シーベリーのワイン」なるものもあり、こちらもすごく気になります。
実は、このシーベリー(アルメニア語では「チチュハン」)は、最近日本でも「美容・健康に絶大な効果がある!」として話題のサジー(シーバックソーン)のこと。
200種類以上の栄養素を含むこのスーパーフルーツは、セヴァン湖周辺地域限定の味。
せっかくなので、一度は挑戦してみるのがおすすめです!
▲ 可愛らしいティーセットでやって来たSevan tea。
芳醇なハーブの香りとフレッシュな味わいで、とても飲みやすくて美味しかったです。
セヴァンの自然の恵みをたっぷりと味わったなら、次はお腹を満たすとき!
食材は全て地元産!Bohem teahouseのフードメニュー
Bohem teahouseは、ドリンクだけでなくフード類もかなり充実しています。
アルメニアの伝統的な料理から、カフェらしい創作料理まで…
その選択肢はとにかく豊富で、全ての料理が地元産の素材の使用にこだわったものなんだそう。
セヴァン湖周辺エリアの名物である魚を使った料理もいくつかあり、現地密着型のお店であることが強く感じられます。
前菜系で気になったのが、“Pickled Sig”(シグのマリネ)。
シグとは、セヴァン湖でとれる白身魚のことです。
淡水魚ながら臭みはゼロ。
生のシグを用いたマリネはものすごく美味しいので、セヴァンにいる間に一度は挑戦してみたいものです。
サラダ類にもシグを用いたものがあったり、創作料理もすごく美味しそう。
お店の人いわく、創作料理の“Flirt”(トマトのキノコ詰め)が人気なんだそうです。
ガッツリとお肉を使用したメインメニューも充実のラインナップ。
どれもかなりお洒落で、カフェっぽさがいっぱい!
ティーハウスだけあって、デザートメニューも満足いく品ぞろえ。
ワッフルやクレープなどの定番から、パフラヴァ(Pakhlava)やガタ(Gata)などアルメニアの伝統的なスイーツまで…
どれも全て手作り&オーガニックな地元産素材を使用しているんだそうです。
というわけで、かなり豊富なメニューの中からのぶよが注文したのは「ムタバル(Mutabal / մուտաբալ)」
中東由来の料理で、焼きナスをタヒーニ(ゴマペースト)やニンニクと混ぜてペースト状にしたものです ▼
中東ではフムス(ひよこ豆のペースト)と同様にパンなどをディップして食べるのが普通ですが、ここはアルメニア。
国民食であるラヴァシュ(薄いピタパン)を油で揚げたものをディップしていただきます。
香ばしい焼きナスの風味に、ニンニクとスパイスが香るエスニックな一皿。
ほど良い塩気も抜群で、紅茶でなくビールが恋しくなります(笑)
もう一品、カンヴァス(Canvas)という創作料理も注文してみました ▼
ラヴァシュ(薄いピタパン)で鶏肉や野菜を巻いて、多めの油でこんがりと揚げ焼きにしたもの。
パリパリもっちりな生地と、ジューシーな具の絶妙なハーモニー…
「アルメニア風春巻き」と勝手に名付けました(笑)
のぶよは一人で訪れたので、胃の容量的にこれくらいが限界でしたが、正直全メニュー制覇したいくらい。それほどに大満足でした。
いずれの料理も手作り感いっぱいで、作り置きでないのは明らか。(というか、注文を受けてからナスを焼いてミキサーでペースト状にしていた)
数人で訪問して、いろいろと注文してシェアするのが良いと思います!
セヴァンから世界へ。カルチャースペースとしての一面も
カフェ/レストランとしても、高クオリティー&リーズナブルで大満足間違いなしなBohem teahouse。
食事の利用だけでももちろんOKですが、せっかくこの空間に身を置くなら、セヴァンの若者たちをつなぐカルチャー面も感じてみるのがおすすめです。
ティーンエイジャーから20代の若者まで、それぞれの「好きなこと」を忌憚なく発揮できるのがBohem teahouseというスペース。
クラフトセットを持参して談笑する女の子グループや、ギターの練習をする男の子(腕はまだまだ…)まで。
ぱっと見では「退廃的な雰囲気の地方都市」といった印象のセヴァンにも、アーティスティックな文化に夢中になる若者たちはちゃんと存在しています。
彼ら彼女らは、この町の次世代を担っていく存在。
もしかするとセヴァンのみならず、世界で活躍するアーティストなんかも出てくるかもしれません。(ギターの少年、練習がんばれ!)
店内には、地元の子が作った人形やキーホルダーなんかが売られているコーナーも。
この町に縁もゆかりもない旅行者という身分であろうとも、セヴァンの若者の夢や才能を応援できるのが素敵だと感じました。
Bohem teahouseでは週末の夜(不定期)に音楽ライブやトークイベントなどを開催しているそう。
最新情報はお店のFacebookページで確認してください!
おわりに
セヴァン滞在中に一度は足をのばしてほしいBohem teahouseを紹介しました。
正直なところ、こんな地方都市でこんなに確固たるテーマを持ったお店に出会えるとは思っていなかったので、素晴らしい発見となりました。
食事や飲み物のクオリティーの高さとリーズナブルさはもちろんのこと。
落ち着いたクリエイティブな雰囲気も大きな魅力だと思います。
地元に根差しながらも既成概念にとらわれず、新しい場を作ろうとする。
こうしたローカルビジネスこそ、応援してあげたいなあと強く感じるので記事にしてみました。
いったいどれほどの日本人がセヴァンに滞在しようと考えるのか謎ではあるものの、このお店への訪問も含めて、エレバンからわざわざ足をのばす価値は多いにありますよ!
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