こんにちは!元ポルトガル在住ののぶよ(@nobuyo5696)です。
一応ポルトガル語が話せるので、当ブログではポルトガル語に関する記事もいくつか書いています。
しかしながら、短期間の旅行でポルトガルを訪れるだけなら、発音や文法にこだわって勉強したところで仕方がないもの。
旅行中に現地の人と最低限のコミュニケーションがとれるように、旅行会話フレーズをいくつか知っていれば十分でしょう。
そこで今回の記事では、ポルトガル旅行で絶対に役に立つ10の旅行会話フレーズを紹介します。
ポルトガルだけでなく、世界のポルトガル語圏(ブラジル、アンゴラ、東ティモール…)でも間違いなく通じるものなので、きっとお役に立つはず!
ポルトガルでは英語が通じる?
ポルトガルに住んでいると、よく「ポルトガルって英語通じるの?」という質問を受けます。
ヨーロッパにありながら先進国のカテゴリーには間違いなく入らないポルトガル。
旅行中に英語が通じなかったら、色々と不自由を感じてしまいそうで不安に感じますよね。
実は、ポルトガルでは結構英語が通じます。
とにかく英語が通じないお隣のスペイン
「英語なんて糞くらえ!」なフランス
訛りが強すぎて何を言っているのか分からないイタリア
など、アクの強いラテン系民族諸国の中では、最も英語の通用度が高い国と言えるかもしれません。
30代以下の若い世代なら、まず間違いなく英語である程度の会話が成立しますし、それより上の世代でも観光業に携わっている人や外国人が多くやってくるレストランで働く人なら、意思疎通に困ることはないでしょう。
反対に、観光客があまり訪れない地方部や、リスボンでもローカルな人々が集まる食堂などでは英語が全く通じない場面も多いのが現状です。
英語が通じようが通じまいが、ある国を訪れたらあいさつぐらいは現地語でしたいもの。
今回の記事で紹介するポルトガル語会話フレーズを少しでも知っておけば、旅の快適度が上がるのはもちろん、地元の人達にも受け入れてもらいやすくなることは間違いありません!
ポルトガル人が英語が上手な理由
ポルトガルで英語の通用度が高い&流暢な人が多いことには、二つの理由があります。
ポルトガル語にはたくさんの音があるため、英語の発音にそこまで苦労しない
経済危機の際に多くの出版社が廃業となった
ポルトガル語の音については別記事で解説しているので省略しますが、二つ目の出版社の廃業という理由はなかなか面白いもの。
10年ほど前に深刻な経済危機に陥ったポルトガルでは、ポルトガル語の書籍を発行する印刷業者や出版社が軒並み倒産してしまいました。
そんな状況の中、母語以外で情報を得るために、ポルトガルの人々は英語を勉強するしかなかったそう。
現在でもポルトガル語の書籍よりも、輸入された英語の書籍の方が値段が安いという矛盾が見られるほどです。
ポルトガル語旅行会話フレーズ10
観光客が訪れるようなエリアなら、ほとんど英語が通じるポルトガル。
ですがせっかく行くなら、少しでもポルトガル語を使ってみるのがおすすめです。
ここでは、文法など全く知らなくても現地の人と会話が成り立ってしまう(かもしれない)魔法のポルトガル語フレーズを10個紹介していきます。
英語のように主語を気にしたり疑問文は倒置したりという複雑さは皆無。
シンプルで短いフレーズばかりなので、ポルトガル旅行前にぜひ覚えてみてはいかがでしょうか。
1.こんにちは
まずは、最も大切なあいさつから。
日本語で「こんにちは」「こんばんは」と時間帯によってあいさつを使い分けるのはポルトガルでも同じです。
朝~午後:Bom dia. (ボン ディア)
夕方~夜:Boa tarde. (ボア タルドゥ)
ポルトガル語には「おはようございます」に当たる表現はなく、朝から”Bom dia”(ボン ディア)でOKです。
“Boa tarde”(ボア タルドゥ)を使うのは基本的に午後遅くなってからですが、「正午を過ぎたら使う」という人もいます。
一日中使える「オラ “Olá” 」(=どうも!/やあ!)という便利な表現もありますが、少しくだけたニュアンスになるのでご注意を。
2.ありがとう
ポルトガル語の「ありがとう」は、話し手の性別によって語尾が変わるので注意が必要です。
自分が男性:Obrigado (オブリガード)
自分が女性:Obrigada (オブリガーダ)
これを間違えてしまうと、観光客と言えども怪訝な目で見られてしまうかもしれません(笑)
余談ですが、「オブリガード」が大航海時代に日本に伝わって「ありがとう」に転じたという話が、ポルトガルではかなり信じられています。
真相は闇の中ですが、確かに響きが結構似ているのは事実ですね。
他国とは考え方が違う?ポルトガル語の「オブリガード」の本来の意味
他のラテン系言語で「ありがとう」は、
フランス語:”Merci”(メルシー)
スペイン語:”Gracias” (グラシアス)
イタリア語:”Grazzie” (グラッツィェ)
と全て「恵み・お祈り」という意味の名詞が転じたもので、その恵みに感謝する・相手の幸運を祈るというニュアンスが原義ですが、ポルトガル語は少々独特。
“Obrigado/a”(オブリガード/ダ)の元々の意味は「義務/借りを負っている」という形容詞です。
(英語の”obliged”)
何かをしてもらって「私は(あなたに)借りがある」→「ありがとう」と転じたわけですが、こんなところにもポルトガル人の謙虚な国民性が垣間見える気がしますね。
3.~をください/お願いします/すみません
レストランで注文するときや、商店で何かを買う時に便利な「~をください/お願いします」は、覚えておくととても便利な表現です。
「~をください/お願いします」:物の名前 + por favor. (ポル ファヴォール)
欲しいものの後に”por favor”を付けるだけなのでとっても簡単です。
物の名前がわからないときは、指をさしながら「これ」にあたる”isto” (イシュトゥ)を使いましょう。
「これをください/お願いします」:Isto, por favor. (イシュト ポル ファヴォール)
ちなみにポルトガル語では、英語の”Can I get 〇〇?”や”I take ○○.”のような動詞を使って「~をいただけますか?」という表現はほとんど使われません。
欲しい物の名前に”por favor”を付けるだけなので、とてもシンプルですね。
“por favor”は「すみません」の意味もあり、レストランの注文時や、商店で店員に声をかける時にも使えるとっても万能な表現です。
(謝る意味での「すみません」には使えないのでご注意を)
4.はい/いいえ
質問に答えるときの「はい/いいえ」の表現も、旅行の際によく使う&耳にするので覚えておきましょう。
「はい」:Sim (シン)
「いいえ」:Não(ナォン)
ポルトガル語は日本語と少々似ている部分があって、質問の答えで「はい/いいえ」単体で答えることはとても珍しく、後ろに必ず動詞をつけます。
(日本語でも「明日学校に行く?」→「うん、行くよ」と動詞を繰り返して言ったほうが自然ですよね。)
しかしながら、旅行者的には”Sim/Não”の部分だけ聞き取れれば上出来です。
注意したいのが、「はい」にはもう一つ“Pois.” (ポイシュ)という表現があり、”Sim”の代わりにかなりの頻度で使用されるので覚えておいても良いかもしれません。
日本語にすると、「そうそう」や「うん」といった、口語的な肯定の返事です。
5.~しても良いですか?
「入っても良いですか?」
「食べても良いですか?」
「触っても良いですか?」
など、許可を求める際に便利な表現がこちら。
「~しても良いですか?」: Posso (ポッソゥ) + 動詞の原形 ?
旅行者的には動詞なんて覚えていられないと思うので、「ポッソゥ?」と尋ねながらアクションをすれば相手も分かってくれます。
しても良い場合は「シン(Sim)」、いけない場合は「Não(ナォン)」が返ってきます。
6.いくらですか
ポルトガルのレストランのメニューには基本的に全て料金が書かれており、商店でも必ず値段が書かれているので、旅行中に困ることは少ないかもしれません。
しかしバスに乗る際など、料金を事前に確認したい状況もあるでしょう。
そんなときに便利な「いくらですか」という表現がこちら。
「いくらですか?」:Quanto custa? (クアントゥ クシュタ)
物を指さしながら「これはいくらですか?」と尋ねるのも、先ほど紹介した「イシュト “Isto”」(=これ)を付けてQuanto custa isto? (クアントゥ クシュタ イシュト)でOKです。
7.どこですか?
ホテルの場所や観光スポットの場所を尋ねる際に便利な「どこですか?」という表現がこちら。
「~はどこですか?」:Onde é (オンディ エ)+場所の名前
目的地の写真を見せながら尋ねたり、行きたい場所の名前を付けるだけで使える便利な表現です。
8.何ですか?
市場でお土産を探すときや、レストランで得体の知れない料理を見た時など「何ですか?」と尋ねる表現も覚えておきましょう。
「~は何ですか?」:O que é (ウ キェ ) + 物の名前
ものの名前がわからない時は、日本語の「これ/それ/あれ」に当たる表現が使うと、ちょっとレベルアップしたポルトガル語会話になります。
使い分け方は日本語と全く同じ(これ→自分の近く、それ→相手の近く、あれ→どちらからも遠い)なので、初心者でも問題なく使えるでしょう。
これ: Isto (イシュトゥ)→ O que é isto? (ウ キェ イシュトゥ)
それ:Isso (イッソゥ)→ O que é isso? (ウ キェ イッソゥ)
あれ:Aquilo (アキール)→ O que é aquilo? (ウ キェ アキール)
9.いつですか?
バスがいつ来るのか知りたい時や、ホテルの朝食時間を尋ねたいときに便利な表現がこちら。
「~はいつですか?」:Quando é (クアンドゥ エ) + 物の名前
「~は何時ですか?」:A que horas são (ア ク オラシ サォン) + 物の名前
旅行者的には、「バス (autocarro=オトカーホ)」「電車 (comboio=コンボイウ)」などの名詞と一緒に使うだけで立派な会話が成立します。
10.~はありますか?
すでに欲しいものが決まっている状態でレストランや商店に入ったなら、たった一言で「~はありますか?」と尋ねられる表現を使ってみてはいかがでしょうか。
「~はありますか?」:Tem (タィン) + 物の名前 ?
返答はすでに紹介した”Sim/Não”(はい/いいえ)の場合もありますが、動詞だけで”Tem.”(=ありますよ)と返されることが多いです。
おわりに
ポルトガル旅行で使える便利なポルトガル語フレーズを10個紹介しました。
シンプルで短いものが多いので、ポルトガル語を全く知らない人でも簡単に使えると思います。
今回紹介したフレーズ以外にも、1~10までの数を覚えておくと、注文時などにかなり役立つこと間違いありません。
ポルトガル語をもっと知りたい人向けに他にも記事を書いているので、興味のある人はチェックしてみてくださいね!
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