こんにちは!ジョージア滞在も2年半、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
これまで訪れた国や地域で食した料理を再現&レシピをシェアする新企画が「のぶよキッチン」。
今回はジョージア全国で愛される定番のソース・ツケマリ(Tkemali/ ტყემალი)を特集します!
「ツケマリ」とは、梅の一種であるツケマリという果実をハーブとともに煮込んで作られるソースのこと。
材料となる果実の名前がそのままソースの名前となっているのは、ジョージアでも珍しいことです。
現在ではスーパーマーケット等で市販のツケマリを購入するのも簡単ですが、伝統的にはツケマリは各家庭で自家製されるもの。
現在でもツケマリの実が市場に出回る時期には、数kg単位で大量に購入して各家庭でソース作りが行われ、ジョージアの春の風物詩のようになっています。
ツケマリの実自体はジョージア周辺の固有種であり、日本で全く同じ品種を手に入れるのは難しいでしょう。
しかしながら、日本の青梅を使用しても似たような味になる(むしろ、さらに美味しく出来上がるかも)ので、十分に再現が可能です。
肉料理にも、魚料理にも、野菜にも…どんな料理にも相性抜群の甘酸っぱいソースの作り方を解説していきます!
これまでの旅の中で食した絶品料理の数々を、地元の人に教えてもらったレシピで再現する企画が「のぶよキッチン」。
「本場の味をそのままに」をコンセプトに、できる限り現地のレシピそのままにお伝えしていますが、日本でも再現しやすいアレンジTipsもふんだんに盛り込んでいます!
ジョージア料理の定番ソース「ツケマリ(トケマリ)」とは?基本情報&材料
・調理時間:45分
・材料費:約700円(500ml分)
・お手軽度:★★★☆☆
・日本での再現しやすさ:★★☆☆☆
ツケマリ(トケマリ)の種類
ツケマリ作りは、想像しているよりもはるかに簡単。
ツケマリ(梅の実)を煮込んで種を取り除き、ハーブ類と合わせるだけです。
ジョージアでは地域や家庭によって様々なレシピがあり、使用されるハーブ類や味付けも大きく異なるのですが、大きく分けるとツケマリには赤と緑の二種類が存在します。
・赤:熟した柔らかい実を使用。甘味が強めで秋に作られる
・緑:熟していない硬い実を使用。酸味が強めで春に作られる
このように、同じツケマリの実を使用しても、その熟し具合によって出来上がりの味は大きく変化するのが面白い点。
今回は、熟していない実を使用した緑色のツケマリを作ります。
ツケマリ(トケマリ)に必須のハーブ
ツケマリソース作りにおいて、梅の種類と同様に重要なのが大量に使用されるハーブ類。
地域や家庭によってどのハーブが用いられるか大きく異なりますが、絶対に必要なのは以下の二種類のハーブです。
・パクチー:独自の香りを出す&抗菌・防腐効果で長期保存を可能に
・ディル:フレッシュな香りと独自の苦みを出す
ツケマリは冬季の保存食として重宝されてきた歴史もあり、数ヶ月間の長期保存を可能にするために、殺菌・防腐効果があるパクチーが必ず使用されるのがポイント。
パクチーが苦手な場合はイタリアンパセリ等で代用してもOKですが、その場合は1週間ほどで使いきるようにしましょう。
また、ツケマリ作りには「コンダリ」(サマーセイボリー)というジョージア独自のハーブが使用されることが多いのですが、日本では手に入りにくいので今回のレシピでは省略しています。
ツケマリ?トケマリ?複雑な発音問題
レシピに入る前にもう一つ。ツケマリという呼称についても知っておきましょう。
「ツケマリ」をローマ字&ジョージア文字表記すると”Tkemali/ ტყემალი”となるのですが、最初の”Tk/ტყ”の発音は日本語には存在しません。(というか、他のどの言語にも存在しないと思う)
カタカナで表記するのはとても難しいのですが、あえて書くなら「ックフェマリ」が一番近いかも。
あまりにややこしいので、本記事内では「ツケマリ(トケマリ)」表記で統一しています。
ツケマリ(トケマリ)の材料
【基本の食材】
・ツケマリ(青梅):600g※注①
・ニンニク:5片
・水(茹でる用)
【スパイス・調味料・ハーブ】
・パクチー:25g
・ディル:25g
・その他お好みのハーブ:適量 ※注②
・コリアンダーシードパウダー:小さじ1
・カイエンヌペッパー:小さじ1 ※注③
・砂糖:お好みの量 ※注④
※注①:ジョージアではソースと同名の「ツケマリ」という酸味が強めの青梅が使用されますが、日本の梅で作ってもOK。熟して黄色くなったものだと甘めに、まだ緑色で硬い状態の若いものだと酸味強めに仕上がります。
※注②:ツケマリ作りにおいて必要不可欠なハーブはパクチーとディルの2種類ですが、その他のハーブをお好みでブレンドするのも◎
ジョージア現地でよく使用されるのはセロリの葉やコンダリ(=サマーセイボリー)、イタリアンパセリなどで、いずれも生の状態のものが使用されます。
※注③:カイエンヌペッパーは、粉末状の赤唐辛子で代用可能です。
※注④:砂糖の量は、梅の酸味がどれだけ強いかによって大きく変化します。ジョージアではそれほど大量に砂糖を入れることをせず、梅本来の自然な酸味と甘みが大切にされている印象。日本の梅を使う場合は甘味が強めだと思うので、砂糖を入れなくとも美味しくできあがるでしょう。
ツケマリ(トケマリ)のレシピ・作り方
①ツケマリ(青梅)を30分間茹でる
まずはツケマリの実を水で洗い、ヘタなどがついている場合は取り除いて、水を張った鍋で茹でます。
茹で時間の目安は中火で30分程度。
実の色が緑から黄色っぽくなり、外皮がしわしわになっていればOKです。▼
②ハーブ類とニンニクをみじん切りに
ツケマリの実を茹でている間に、後ほど投入するハーブやニンニクを全てみじん切りにしておきましょう。
できる限り細かいみじん切りにするのがポイントです。
③茹で上がったツケマリの実をざるにあける
ツケマリを茹ではじめてから30分後。実の外皮がしわしわになったら、ざるなどにあけて水気を切ります。
このとき、ツケマリのゆで汁は全て捨てるのではなく、コップ1杯分ほど残しておくのがポイント。
後ほどハーブ類と煮込むステップで水気が足りなかった際に、この茹で汁を足すためです。
④ツケマリの実を潰して種を取り除く
ざるで水気をきったツケマリの実が少し冷めたら、おたま等で潰していきます。
搾った果肉や果汁は後で使用するので、ざるの下にボウル等を置いて溜めておきましょう。
ある程度潰しきったら、ツケマリの種をすべて手で取り除きます。
⑤ツケマリの果実と果汁を再び鍋に戻す
種を取り除いた状態の果肉と、ざるからボウルに落ちた果汁を鍋に入れます。
⑥ハーブとニンニク、スパイスを加えて5分煮込む
ツケマリ果肉&果汁を入れた鍋に、みじん切りにしておいたハーブ類とニンニク、スパイス全て投入し、弱火で5分間煮込みましょう。
・コリアンダーシードパウダー:小さじ1
・カイエンヌペッパー:小さじ1
・ニンニク:5片
・ディル:25g
・パクチーの葉:25g
・(ツケマリを茹でたお湯:30ml~50ml)
質感があまりにペースト状すぎる場合は、先ほどコップ1杯分残しておいたツケマリの茹で汁を少々入れましょう。
あまり大量に茹で汁を入れてしまうと、味が薄まってしまうのでご注意を。
▲ 弱火でコトコトと火を通してから5分後。
ペースト状でも液体状でもない、どろっとした質感になっていればOKです。
味見をし、酸味が強すぎる場合は砂糖を足してもOK。
とはいえ、ジョージアでは素材本来の甘味と酸味を大切にするので、砂糖が大量に入ることはまれです。
出来たてのツケマリはすぐに食べることができますが、冷蔵庫で1日~2日等寝かせるとより芳醇な風味に熟成されるのでおすすめ!
おわりに:ツケマリ(トケマリ)の美味しい食べ方
▲ というわけで、完成したツケマリがこちら!
酸味がかなり強めながらも、青い梅自体のほのかな甘みがちゃんと感じられ、とてもフルーティーで香り高いソースに仕上がりました。
ハーブのフレッシュな風味も良いアクセントになっており、とにかく芳醇のひとことです。
先述の通り、防腐効果のあるパクチーがたっぷりと入ったツケマリは、冬季の保存食&ビタミン源として愛されるもの。
熱湯で煮沸消毒した瓶などに入れて冷蔵庫内に入れておけば、3ヶ月ほどは保存が可能です ▼
ツケマリソースはとにかくどんな食材にも合い、ジョージアでは料理にレモンを搾るような感覚で使用されますが、「ツケマリが必須!」とされる代表的なジョージア料理は以下の通りです ▼
特に、塩気が強めな料理との相性の良さは感動的。
肉でも焼き魚でもフライドポテトでも…料理の味を抜群に引き立ててくれます。
ジョージア料理のみならず、ツケマリは日本食との相性も抜群。
レモンが絞られる料理(唐揚げ、ぶっかけうどん、焼き魚…)には絶対に合うはずです。
大量に作り置きしておけば、レシピの幅が大きく広がること間違いなし!
ジョージアの人々に愛される芳醇ソースを、日本の梅を使用して作ってみては?
これまでの旅の中で食した絶品料理の数々を、地元の人に教えてもらったレシピで再現する企画が「のぶよキッチン」。
「本場の味をそのままに」をコンセプトに、できる限り現地のレシピそのままにお伝えしていますが、日本でも再現しやすいアレンジTipsもふんだんに盛り込んでいます!
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