こんにちは!元ポルトガル在住ののぶよ(@nobuyo5696)です。
リスボン中心街の西側の丘に広がるバイロ・アルト地区~シアド地区にかけてのエリアは、坂道にカラフルな家々が連なるレトロかつシックなエリア。
名物の路面電車28番や、急坂を登るケーブルカーが走り、狭い路地には小さなレストランやカフェなどが点在していて、イメージするリスボンらしい風景に出会うことができます。
観光スポットを急ぎ足でまわるというよりも、リスボンらしいサウダードゥ(郷愁)を感じながらの散策を楽しむのが観光のポイント。
今回の記事では、比較的広いバイロ・アルト~シアド地区の見どころやまわり方(観光所要時間、エリア内の交通etc)を解説していきます。
バイロ・アルト地区の見どころ&グルメ情報
リスボン中心街西側の丘の最も高い位置にあるのが、「高台地区」という意味のバイロ・アルト(Bairro Alto)地区。
リスボンの中心であるバイシャ(Baixa)地区からはかなりの急坂を上がった場所にあり、行き来も大変ですが、坂を登った先にはリスボン旧市街を一望する絶景が広がります。
リスボンっ子にとっては、「バイロ・アルト地区=ナイトライフエリア」という認識で、南北にのびる狭い路地には、バーなどが所狭しと並びます。
バイロ・アルト地区の素晴らしい点は、観光客が訪れるエリアと地元の人が訪れるエリアがきっちり棲み分けされている点。
下で紹介する無料ファドライブの居酒屋・”Tasca do Chico”などがある通りは完全なる観光客向けで、レストランやバーはお高め。
一方で、その西側を通る路地(R.da Barroca/R. da Atalaia)には、地元の若者向けのリーズナブルなバーやクラブが並びます。
(ビール1杯€1なんてところも!)
絶景もナイトライフも楽しみたいバイロ・アルト地区の必見スポットを見ていきましょう!
サン・ペドロ・ドゥ・アルカンタラ展望台
リスボンで最も有名な展望台と言えば、サン・ペドロ・ドゥ・アルカンタラ展望台(Miradouro de São Pedro de Alcântara)でしょう。
日本では、芳香剤のテレビCMの中でミゲル君があの美声で歌っていた場所としても有名ですね。
リスボン名物であるグロリアのケーブルカーの停留所の目の前にあり、無料で絶景が望めるため、観光客に大人気の展望台ですが、広々としているためそこまで混雑している印象は受けません。
眼下に広がるのは、バイシャ地区やアルファマ地区などリスボン東側の町並み。
市内南側を流れるテージョ川の雄大な風景も一望でき、「七つの丘の町」リスボンにやってきたことを実感することでしょう。
カルモ修道院
1423年に完成したカルモ修道院(Convento do Carmo)は、バイロ・アルト地区を象徴する建造物の一つです。
中世ゴシック様式で建設された聖堂を持ち、ポルトガル栄光の大航海時代を象徴する建物として、豪華な装飾が施されていました。
しかしながら、1755年に発生したリスボン大地震によってほぼ崩壊してしまいます。
その後、正面ファサードのみ再建されたものの、聖堂部分は自身によって天井が崩落し、アプスだけが残っている状態。
「地震によって半壊した聖堂」というのが逆に注目を浴び、現在では観光客に人気のスポットとなっています。
カルモ修道院脇の通路は、バイロ・アルト地区とバイシャ地区を結ぶサンタ・ジュスタのエレベーターの上側の入口へと通じています。
エレベーターホールからはバイシャ地区のパノラマが一望できます。
(エレベーターを利用しなくても無料で入場可能)
上りは常に混雑しているサンタ・ジュスタのリフトですが、下りは常に空いているので、利用するならこちらからがおすすめです。
グロリアのケーブルカー
バイシャ地区北側のレスタウラドーレス広場~サン・ペドロ・ドゥ・アルカンタラ展望台前を結ぶグロリアのケーブルカー。
落書きだらけのケーブルカーが落書きだらけの壁をゆっくりと上っていく風景はリスボンの風物詩です(笑)
バイシャ地区とバイロ・アルト地区間の急坂を登るための交通手段として運行しているのですが、もはや観光客に占領されてしまい、乗ることがほぼ不可能になっています。
(かなり待たされるので歩いたほうが早い)
バイロ・アルト地区のおすすめ食堂
観光客向けのこじゃれたレストランが多いバイロ・アルト地区ですが、地元の人が通うローカルな食堂も点在しているのがポイント。
のぶよのおすすめは、サン・ペドロ・ドゥ・アルカンタラ展望台近くにあるTaberna Minhota。
カウンター席のみの小さな家族経営のスナックバー(ポルトガルでは「食堂」の意味)で、若者からおじいさんまで地元の人の姿が目立ちます。
このお店のおすすめが、ポルトガル風ステーキであるビトック(Bitoque)。
注文が入ってから専用の鉄板で調理してくれ、アツアツの状態で提供してくれます。
ポルトガル在住中に数多くのビトックを食しましたが、ここが断トツNo.1でした。
リスボンのナイトライフの聖地らしく、深夜まで営業しているのもポイント。
飲んだ後に〆のステーキなんていかがでしょうか。
無料のファドライブが開催されている居酒屋
ナイトライフの聖地、バイロ・アルト地区で絶対に体験してほしいのが、リスボン発祥のポルトガル伝統音楽、ファドの生演奏ライブ。
ファドの本場と言えば、中心街東側のアルファマ地区が有名ですが、バイロ・アルト地区にもファドを聞かせるファドハウス(Casa de Fado)というレストランが点在しています。
のぶよのおすすめは、毎晩無料のファドライブを開催している“Tasca do Chico”というタスカ(居酒屋)。
コース料理が基本のファドハウスと異なり、飲み物一杯でも本場のファドを楽しむことができるのです。
おすすめは、観光客が減りローカルが増える夜遅めの時間帯。
郷愁を誘うギターの音色とファディスタ(歌い手)の感情がこもった歌声に、きっと心が揺さぶられるはずです。
シアド地区(カモンイス広場周辺)の見どころ&グルメ情報
リスボンで一番シックなエリアと言われるシアド地区(Chiado)は、バイロ・アルト地区から南へと坂を下った丘の中腹に位置するエリア。
観光客向けのお土産屋やレストランが連なるバイシャ地区に対して、こちらは地元の人のショッピングエリアといった雰囲気が強いです。
地下鉄緑線のBaixa-Chiado駅直通で、複数の路面電車も走っているシアド地区は、リスボン屈指の利便性を誇るエリア。
そのためか人気が高く、リスボンで最も家賃が高いエリアの一つだと言われます。
裏路地にまで上品な雰囲気漂うシアド地区のカモンイス広場周辺は、街歩きがとても楽しいこともポイント。
他エリアとは一味違う「シックなリスボン」を心ゆくまでたのしみましょう。
カモンイス広場
シアド地区の中心が、カモンイス広場(Praça Luís de Camões)。
その名の通り、広場の中央にはポルトガルの詩人・カモンイスの像が立っています。
(大陸最西端のロカ岬にある有名な詩「ここは地の果て、海が始まる」を詠んだ人です)
リスボン旧市街を東西に走る路面電車28番と、バイロ・アルト方面へと坂を登っていく路面電車24番の停留所があるカモンイス広場は、交通の要所。
多くの観光客が、路面電車待ちの行列を作っている風景は、リスボンの風物詩の一つとなりつつあります。
カモンイス広場北側の路地
カモンイス広場北側は、バイロ・アルト地区へと続く緩やかな坂に広がるシックな町並みが美しいエリア。
地面にはポルトガルらしいモザイクタイルが敷き詰められていて、ヨーロッパの他のどの都市とも異なった優雅な雰囲気を演出しています。
観光客の数は意外に少なめで、ゆっくりと散策が楽しめるのも大きなメリット。
リスボンの地元の人が通うカフェやレストランも多く、静かで上品な雰囲気が感じられます。
ビカのケーブルカー
坂の町・リスボンを代表するといえば、ビカのケーブルカーが走る急な坂道の風景でしょう。
ポストカードや観光パンフレットにもよく使われるおなじみの風景で、坂道に連なる建物の向こうに見えるテージョ川の青色はとても美しいです。
ビカのケーブルカーは、カモンイス広場西側~カイス・ド・ソドレ駅付近の急坂を走り、もともとは市民の移動手段としての性格が強かったもの。
グロリアのケーブルカー同様、こちらも観光客に占領されてしまうことが多く、移動手段としてはかなり使いにくいのが難点です。
ビカのケーブルカーが走る坂と周辺の路地は、リスボンらしい風景に溢れた場所。
ゆっくりと下って、ノスタルジックな雰囲気を感じてみてはいかがでしょうか。
(その後再び登るのは苦行なので、上手にプランニングをしましょう)
サンタ・カタリーナ展望台
リスボンに点在する無料展望台の中で、最もフリーダムな雰囲気が漂っているのがサンタ・カタリーナ展望台(Miradouro de Santa Catarina)。
リスボンの若者に最も人気がある展望台で、一日中多くの人で賑わうサンタ・カタリーナ展望台は、アーティストやミュージシャンなどが集まるヒッピーな雰囲気も特徴的。
いつ行っても誰かが音楽を演奏していたり、踊っていたりと、開放的な空気に満ち溢れています。
中心街西側の町並みとテージョ川のパノラマは一日中美しいのですが、おすすめの時間帯は夕方。
「リスボンで一番の夕日の名所」と称される通り、赤く染まっていく町の風景にはきっと感動するはずです。
かなりおすすめの展望台なのですが、周辺の治安は?マークなのがネック。
大麻を売っている人や昼間から飲んだくれている人も多く見かけるので、夕方に一人で訪れるのは避けておいた方が無難です。
サン・ベント通り
厳密にはシアド地区には入らないのですが、エリア西側にあるサン・ベント通り(R. de São Bento)も時間が許せばゆっくりと散策したい場所。
目立った観光スポットはありませんが、地元のアーティストが集まるエリアというだけあって、秀逸なストリートアートが連なる風景は必見です。
センスの良いクラフトショップやブティックが点在していて、ショッピング好きならきっとお気に入りのものが見つかるはず。
また、サン・ベント通り周辺の建物は、壁のアズレージョ(装飾タイル)がとても美しいことでも評判。
ゆっくりと散策して、リスボンらしい美しい風景を探してみるのはいかがでしょうか。
エッグタルトの有名店!マンテガリア
ポルトガルを旅行するなら、名物のエッグタルトを食べずに帰ることは不可能です。
ベレン地区にあるパシュテイシュ・ドゥ・ベレンが有名(かつ絶品)ですが、中心街から距離が離れているのがネック。
リスボン中心街に居ながら、絶品のエッグタルトを食べるなら、カモンイス広場に面したマンテガリア (Mantegaria)がおすすめ。
2014年にオープンしたばかりの新進気鋭のお店ですが、リスボンっ子の間では老舗のパシュテイシュ・ドゥ・ベレンに肩を並べるほどの人気を誇ります。
たかがエッグタルトと言えど、そのレシピは店によって様々。
クリームの甘さや濃厚さ、パイ生地の焼き加減などは各店によって全く異なるのがポルトガルです。
色々なお店を食べ比べて、自分だけのお気に入りのエッグタルトを探してみるのも旅の醍醐味ですね。
シアド地区(カイス・ド・ソドレ周辺)の見どころ
シアド地区の最南端に位置するのが、近郊鉄道カスカイス線の発着駅であるカイス・ド・ソドレ駅(Cais do Sodré)を中心としたエリア。
テージョ川沿いに開けた開放的な雰囲気が特徴で、観光エリアというよりも地元の人が集まるような場所です。
カイス・ド・ソドレは丘のふもとに位置しているため、坂とは無縁なものの、カイス・ド・ソドレ周辺~カモンイス広場周辺はかなりの急坂。
急坂を登るビカのケーブルカーもあるものの、完全に観光客用となってしまい、交通手段としての利用勝手は良くないです。
同じシアド地区に位置しているカイス・ド・ソドレ駅とカモンイス広場ですが、エリア間の移動はかなり不便(というかしんどい)ので、別々に考えた方が良いでしょう。
その他の地域に関しては、地下鉄緑線や、ベレン地区方面へ向かう路面電車15番が通っており、交通の便も十分良いです。
リベイラ市場
カイス・ド・ソドレを代表する観光名所が、リベイラ市場(Mercado da Ribeira)。
元々は巨大な市場だったのですが、現在はTIME OUT MARKETというフードコートが敷地の大部分を占めています。
ポルトガル料理を始め、寿司やメキシコ料理まであらゆる食事が食べられるのは魅力的ですが、かなり観光客向けで値段が高めなのがネック。
のぶよ的には、雰囲気を楽しむだけにしておいて、食事は周辺のローカル食堂でするのがおすすめです。
テージョ川沿いの遊歩道
カイス・ド・ソドレ駅前から、バイシャ地区のコメルシオ広場までのテージョ川沿いには遊歩道が整備されており、水辺の開放的な雰囲気を求める人々でにぎわいます。
天気の良い日なら(常に天気は良いですが)、のんびりと過ごす人々の姿を眺めながらの散策がおすすめ。
この遊歩道は夕日の名所としても有名で、オレンジ色に染まっていくテージョ川の雄大な風景を眺めることができます。
ストリートミュージシャンの姿も多く見られ、開放的なリスボンの空気が感じられるでしょう。
フェラジアル通り
ナイトライフの聖地、バイロ・アルト地区に負けないほどの賑わいをみせるのが、カイス・ド・ソドレ駅北側のフェラジアル通り(R. Ferragial)周辺。
こぢんまりとしたエリアには、バーやクラブが連なり、週末の夜にはものすごい人で賑わいます。
若者が集まるバイロ・アルトに比べると大人向けな雰囲気の場所も多く、年齢層もやや高めといったところ。
とはいえ、どこのバーやパブもリーズナブルで気軽に入れる雰囲気なので、ナイトライフ派はぜひ足をのばしてみてはいかがでしょうか。
バイロ・アルト&シアド地区のまわり方(所要時間・観光のポイント・交通)
バイロ・アルト地区~シアド地区観光マップ
緑:地下鉄駅(緑線/青線)
灰色:路面電車停留所(28番/24番・/15番)
紫:ケーブルカー乗り場(ビカ/グロリア)
青:見どころ
赤:おすすめ食堂/エッグタルト店/無料ファド居酒屋
バイロ・アルト地区~シアド地区のまわり方・観光所要時間
丘の最も高い部分のバイロ・アルト地区は、南北に細長い路地が連なる小さなエリア。
バイロ・アルト地区の南側に位置するシアド地区は、比較的広いエリアに見どころが点在しています。
それぞれのエリアの観光に必要な時間は、
バイロ・アルト地区:3時間
シアド地区(カモンイス広場周辺):3時間
シアド地区(カイス・ド・ソドレ周辺):2時間
といったところ。
起伏が激しいこれらのエリアを効率良く観光するにはポイントがあります。
それぞれのエリアのおすすめ観光時間帯を知る
シアド地区の二エリア(カモンイス広場周辺/カイス・ド・ソドレ駅周辺)は、それぞれ別の日に観光
これらを踏まえて、バイロ・アルト地区~シアド地区の上手なまわり方を考えていきましょう。
各エリアのおすすめ観光時間帯
バイロ・アルト地区:午後~夜
ナイトライフの聖地であるバイロ・アルト地区は、夜こそが本来の魅力を放つとき。
サウダードゥ(郷愁)ただよう路地に設置されたテラス席で夕食をとり、ファドを鑑賞し、格安のビールを一杯…。
ポルトガルらしい夜のひと時を過ごせるでしょう。
落書きだらけですが治安は悪くなく、安心してナイトライフが楽しめます。
また、バイロ・アルト地区の展望台は午前中は逆光。
絶景を写真に収めるなら、午後~夕方にかけてがおすすめです。
シアド地区(カモンイス広場周辺):いつでも
どの時間帯でも観光が楽しめるカモンイス広場周辺。
サンタ・カタリーナ展望台だけは、夕日の時間帯を狙って訪れることをおすすめします。
シアド地区(カイス・ド・ソドレ周辺):夕方
カイス・ド・ソドレ周辺は、ぜひとも夕方に訪れたいもの。
テージョ川沿いの遊歩道が美しい色に染まり、のんびりとした雰囲気に包まれます。
シアド地区観光は二日間に分けるのが◎
地図上ではかなり近く見える、シアド地区のカモンイス広場周辺とカイス・ド・ソドレ周辺。
実際はこの二つのエリア間はかなりの急坂となっており、アクセスに難があります。
ビカのケーブルカーが運行されてはいるものの、先述の通り大混雑するため、思い立った時に気軽に移動できるとは言い難いです。
・カモンイス広場周辺は、バイロ・アルト地区とセット
・カイス・ド・ソドレ周辺はバイシャ地区orベレン地区とセット
と、それぞれ別の日に他地区とセットで観光するのが良いでしょう。
バイロ・アルト地区~シアド地区観光モデルコース
というわけで、これらのエリアを効率良く観光するモデルコースがこちら。
もちろん、一日目と二日目を入れ替えてもOKです。
- 午前中アルファマ地区観光
・路面電車28番でサン・ベント通りへ移動 - 13:00サン・ベント通り観光(1時間)
・路面電車28番/路面電車24番乗り継ぎでバイロ・アルト地区へ - 14:00バイロ・アルト地区観光(3時間)
・展望台
・カルモ修道院
・観光後、徒歩でカモンイス広場へ(下り坂) - 17:00シアド地区(カモンイス広場周辺)観光(2時間)
・ビカのケーブルカー
・カモンイス広場周辺の路地 - 19:00サンタ・カタリナの展望台で夕日鑑賞
・路面電車28番/路面電車24番乗り継ぎでバイロ・アルト地区へ - 20:00バイロ・アルトでディナー
- 午前ベレン地区観光(3時間)
- 午後バイシャ地区観光(3時間)
・テージョ川沿いを歩いてカイス・ド・ソドレ地区へ - 夕方カイス・ド・ソドレ地区観光(2時間)
いかがでしょうか。
かなり忙しいプランですが、丸二日間でリスボンの主な観光エリアを制覇することができるようになっています。
全ての地区に、最もおすすめの時間帯に訪れるのもポイント。
午後は観光客であふれるベレン地区やアルファマ地区は朝一番、夕日の名所であるサンタ・カタリーナ展望台やカイス・ド・ソドレ地区へはそれぞれの日の夕方に訪れます。
バイロ・アルト地区 / シアド地区の市内交通
バイシャ地区と並んで交通の便が良いシアド地区には、地下鉄、路面電車、近郊列車が通っているので、他地区との移動にも困りません。
バイロ・アルト地区の交通面は若干不便。
地下鉄駅はなく、カモンイス広場への路面電車24番と、レスタウラドーレス広場へのグロリアのケーブルカーくらいしか選択肢がありません。
地下鉄緑線
バイロ・アルト地区の最寄りの地下鉄駅が、青線/緑線の二路線が通るバイシャ・シアド(Baixa-Chiado)駅。
その名の通り、丘の下にあるバイシャ地区と丘の中腹にあるシアド地区の中間にある駅で、どちらのエリアへのアクセスにも便利です。
(シアド地区側の出口へは長いエスカレーターが設置されている)
カモンイス広場からカイス・ド・ソドレ駅までアクセスしたい場合
エスカレーターを下ってバイシャ・シアド駅へアクセス→地下鉄緑線乗車→カイス・ド・ソドレ駅
というルートが、遠回りに見えて最も早いです。
リスボンの地下鉄は、旧市街~新市街の移動を想定して作られているので、旧市街間の移動には不向き。
アルファマ地区などへアクセスしたい場合は、路面電車28番を利用することとなります。
路面電車28番、24番、15番
リスボンを象徴する、レトロな路面電車が走る風景。
バイロ・アルト地区~シアド地区には主に三つの路線が通っています。
シアド地区~アルファマ地区:路面電車28番
リスボンの観光エリアを東西に走る唯一の交通手段である路面電車28番は、一見かなり便利そうに見えます。
しかしながら、観光客の利用が多すぎてもはや途中乗車できない状態なことがほとんど。
移動手段としてはなかなか利用が難しいのが現状です。
シアド地区~バイロ・アルト地区:路面電車24番
カモンイス広場を出発し、北方向に走る路面電車24番は、観光客の利用は少なめ。
本数はあまり多くない(20分~30分に1本)ものの、普通に利用できるので、交通手段としては十分に利用できます。
シアド地区~バイロ・アルト地区間の移動にはとても便利です。
カイス・ド・ソドレ~ベレン地区:路面電車15番
中心街から離れたベレン地区へのアクセスに便利な路面電車15番は、観光客のニーズに応えてかモダンで数両編成の長い車両で運行されているため、混雑することはあまりありません。
カイス・ド・ソドレ~コメルシオ広場間の移動にも使えるので、なかなか利用価値が高いです。
ケーブルカー(ビカ/グロリア)
先述の通り、もはや観光名所となってしまっている二つのケーブルカー。
もちろん坂を登る移動手段としての利用も可能ですが、長い行列ができていることは覚悟しておきましょう。
ビカのケーブルカー
カイス・ド・ソドレ駅近く~シアド地区(カモンイス広場西側)間を結ぶビカのケーブルカーは、リスボンに三路線あるケーブルカーの中で最も有名&混雑するもの。
もはや交通手段としての利用価値はゼロなので、この区間を移動したい場合は地下鉄緑線の利用がおすすめです。
グロリアのケーブルカー
地下鉄青線のレスタウラドーレス駅~バイロ・アルト地区の超急な坂を走るグロリアのケーブルカー。
バイシャ地区~丘の上のバイロ・アルト地区を結ぶ交通手段は、他にサンタ・ジュスタのエレベーターくらいしかないので、どうしても坂を歩いて登りたくない場合には利用価値があります。
ビカのケーブルカーに比べると、やや混雑はまし。
それでも昼間は待ち時間が発生することがほとんどなので、体力があるなら歩いたほうが早いです。
カイス・ド・ソドレ駅(近郊鉄道カスカイス線)
カイス・ド・ソドレ駅は、「コシュタ・ドゥ・リシュボア(Costa de Lisboa)」と呼ばれるリスボンの西に位置する海沿いエリアへの玄関口となる場所。
テージョ川に沿って走る近郊鉄道のカスカイス線(Linha de Cascais)の発着駅であり、風光明媚な海沿いの町へと出かける人々でにぎわいます。
カスカイス線の終点となるのが、「海の町」カスカイス(Cascais)。
リスボン中心街とは異なった時間の流れがある、上品な町並みとダイナミックな自然の風景が人気の町です。
また、リスボンに滞在する旅行者の多くが訪れるシントラ&ロカ岬へは、カスカイスからアクセスすることも可能。
というか、カスカイス~ロカ岬~シントラと時計回りに移動するのが混雑を避ける裏技だったりします。
リスボンは「七つの丘の町」と呼ばれるように坂道が連なる独特の地形。
ホテル選びのエリアがとても重要です。
リスボン旧市街にも、ビーチエリアにもアクセスが便利なカイス・ド・ソドレ地区。
小さなポルトガル料理レストランやファドハウスが点在するバイロ・アルト地区もすぐそばにあり、哀愁に満ちたポルトガルらしい夜を過ごすのもおすすめです!
おわりに
リスボンらしい風景が至る所で見られるバイロ・アルト地区とシアド地区の見どころやまわり方を解説しました。
とにかく坂道がすごいエリアでもあるので、移動手段などをしっかりとプランニングしておかないと筋肉痛で歩けなくなってしまうかもしれません(笑)
リスボン市内の他エリアと上手に組み合わせて観光するのがポイントです。
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