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決断。

こんにちは!アルメニア滞在も5ヶ月、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)

さて。

この二日間、とにかく悩みに悩みぬいていたことがあったのですが、タイトルの通り、ある決断をしました。

アルメニアを出国してジョージアへと再入国します。本日、2021年12月1日に。

あれだけ「アルメニアに居られるだけ居たい!」とか「この国の隅々まで見つくしたい!」と言っていたことで有名な(?)タイプののぶよにいったい何が起こったのか…
ここに書き残しておきたいと思います。

再びの変異株…オミクロン株の脅威

つい数日前に「南アフリカで新たな新型コロナウイルスの変異株が報告された」との一報があったと思ったら、あれよあれよという間に世界中が再びカオスに…

オミクロン株」と名付けられたこの変異株に関しては、まだ分からないことだらけ。
危険性や既存のワクチンの有効性などが日夜研究されているところです。

そんな中で、外国人に対して国境を閉鎖する国がぽつぽつと出てきました。

今のところはオミクロン株が確認されているアフリカ南部からの渡航者に対しての渡航制限を課している国がほとんどですが、イスラエルや日本のように「原則として外国人の入国を禁止」という厳しい水際対策をとる国も出てきています。

まるで2年前のパンデミック初期の、閉ざされていく世界に逆戻りしてしまったかのよう…

目まぐるしく変わる状況を踏まえ、今はアルメニアを旅するよりも一度ジョージアへと戻り、待機すべき時だと判断しました。

一度決めたらものすごい行動力を発揮するのぶよ。
今朝「よし、ジョージアに戻ろう!」と決意した2時間後には入国に必要なPCR検査を受け、バスステーションに足を運んでトビリシ行きのミニバスの時間を確認&座席予約を済ませ、かつてトビリシで滞在していたソ連アパートのオーナーに電話して部屋を確保し(すっごく喜んでた)…

ようやくすべての物事が落ち着いてジョージア入国に必要なものが揃った今、この記事を書いているというわけです。

アルメニアで旅行者が抱える最大のリスク

どうしてここまで急にジョージアへ戻ることを決めたのか…
あと数日間様子を見るという選択肢もあるのではないか…

自分の中でもものすごく悩みました。

およそ2年前。2020年初頭にジョージアという異国の地で、パンデミックという未曾有の状況に身を置き、ウイルスに振り回される世界の動きをこの目で捉え、様々な制約が日々課されていく中でどうにかここまでやって来た経験。それがこの決断を後押ししてくれました。

昨日まで普通に超えられた国境が、今日は閉ざされている…
昨日まで動いていた地下鉄やレストランが、今日から完全に閉鎖されている…

そんな「たった一日の違いで大きく変わる日常」を直に体験し、この全世界的な非常事態時に自国以外の国を移動せざるを得ない場合は、タイミングと勘がすべてであることを改めて実感しました。

「万が一ジョージアの国境が閉じられることがあっても、アルメニアに滞在しながら国境の再開放を待てば良いのかも」とも考えましたが、日本人がアルメニアに滞在可能なのは最大180日間。

のぶよの場合は2021年6月30日にアルメニアに入国したので、2021年12月末までに出国しなければ不法滞在となってしまいます。
(万が一ロックダウン等になった場合は滞在期間の猶予措置等あるかもしれないけど、そんな不確定要素に運を委ねるのはナンセンス)

また、アルメニアという国は隣国との政治的な問題を多く抱える、少し特殊な国。

陸路移動が可能なのは北隣のジョージアか南隣のイランのみ。
イランへの入国にはビザが必要(そして現在ビザ発給状況がかなり流動的)となるため、簡単に陸路移動可能なのは、実質ジョージアのみとなります。

また、アルメニアは航空便の不毛地帯。
ロシア(ビザが必要)、ウクライナ(入国制限あり)、オーストリア(入国制限あり)など、パンデミック中に移動するにはハードルが高い行き先ばかりなのが難点です。

つまり、アルメニア滞在中の外国人旅行者にとってはジョージア国境が頼みの綱

ジョージアが変異株の流入を食い止めるために、国境封鎖を含むロックダウン措置をとったらもう最後。アルメニアから出国することが一気に難しくなってしまうのです。

現時点ではイスラエルを除く中東・コーカサス地域でオミクロン株の感染者の報告はされていません。

しかし、この変異株の想像を絶する広がりのスピードを見るに、この地域でも感染者が出るのは時間の問題。
というか、国際移動のハブとなるドバイやイスタンブールなどにはすでに入ってきていると考えた方が良いと思います。

今のところ、ジョージアが入国時の規制を設けているのは、アフリカ南部8ヶ国からの渡航者のみ。

しかしながら、もしもトルコなどこの地域の国で感染者が報告されたら、入国時の規制は即座に拡大されるでしょう。
場合によっては、何の予告もなく急に国境を閉ざす可能性もあります。
(日本が突然すべての外国人に対して国境を閉ざしたように)

アルメニア滞在可能期間があと1ヶ月もないのぶよにとっては、無理して数週間長く滞在してリスクを負うよりも、移動ができるうちに移動しておく方が良いという結論に達しました。

自分の勘を信じるしかない

今回、こんなに急にジョージアへ戻ることを決めた最大の理由が、「このままアルメニアを旅していても心から楽しめない」と思ったから。

ここ二日間、ゲシュタルト崩壊しそうなほどに「オミクロン株」のキーワードで情報をあさっていました。

観光なんてする気分ではもちろんなかったですし、行きつけのお店で食べたアルメニア料理も、なんだかいつもより美味しさが半減しているように感じたほど。

この状況の中、まだ行けていないアルメニア南部へ旅し、雄大な自然の中をハイキングしたり名産ワインに舌鼓を打ったところで、「ジョージアの国境閉まらないだろうか…大丈夫かな…」という不安が常に頭をよぎることは目に見えています。

そんな思いを抱えながら無理やり楽しもうとするよりも、ここは一度退いて、心から楽しめる機会を見つけて再訪するほうが絶対に良い。と思いました。
中途半端な気持ちで旅してせっかくの現地滞在を楽しめないのは本末転倒ですし、現地に対しても失礼かなと。

もう一つ。
オミクロン株が世界に急速に広がったこのタイミングで、たまたま地方部からエレバンに戻ってきていたのも運命だったのかもしれません。(二日前にエレバンに戻ってくる前は、オミクロンの「オ」の字も知らずにハイキング三昧していたくらいなので…)

アルメニアの地方部では交通の便が不便なことも多く、PCR検査を受けられる施設自体が存在しないことなんてザラ。
目まぐるしく変わる世界の状況に迅速に対応&行動するには、どうしても限界があります。

たまたまオミクロン株拡大のこのタイミングで、エレバンという大都市に居た。
PCRも思い立った時に受けられる。ジョージア行きの直行の交通がある。

本当はこの二日間の滞在後(=今日)からはアルメニア南部をガッツリまわろうと計画していましたが、それを引き留めるかのようにオミクロン株に関する情報が洪水のように入ってきました。
まるでのぶよがエレバンに戻るタイミングを待っていたかのよう。

というわけで、あとはもう自分の勘を信じるしかないです。

これで数日後にジョージアへの入国制限が課されたら、今日下した自分の決断に感謝してもしきれないでしょう。
もしくは1ヶ月後くらいに「オミクロン株、たいしたことなかったね~」と世界が落ち着きを取り戻していたなら、それはそれで大変嬉しいこと。

とにかく今は、よりリスクの少ない選択をするべき。

「大丈夫だよ~心配しすぎ~」と言う人もいるでしょう。
しかし、「大丈夫」と他人に言ってくる人は、いざ「大丈夫」じゃなかったときに責任とってくれませんからね。

身一つで旅しながら外国に滞在している、ビザなしの「野良外国人」に過ぎない人間が、非常時にどれだけ立場が弱いものであるかちゃんと理解しているこそ、自分の身は自分で守るのが基本。
自分でコントロールできる部分に関しては、できる限りリスクを排除しておきたいのです。

アルメニアは逃げない。
またいつか再訪したときにはきっと、変わらない素朴さと、絶妙な哀愁と、圧倒的な宗教建築と、豊かな大自然と、人々の化け物レベルのコミュニケーション能力と、ジューシーの極みな肉料理と、わんこウォッカで、旅行者を温かく迎え入れてくれるはず。

楽しみは、またの機会に。「この素敵な小国に再び訪れなければならない理由ができた」と前向きに考えるのだって、そんなに悪くないのかもしれません。

ジョージアに入国後は、アルメニアに関する溜まりに溜まったブログ記事を書きながら、甘美な思い出を噛みしめていきたいと思います。
当ブログを通してこの小国の底なし沼のごとき魅力を多くの人に知ってもらえたら、それ以上に嬉しいことはありません。

あとがき

…と、もっともらしいことをつらつらと書いてきました…がね。

本当はまだアルメニアに居たいよおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!

まだ南部エリアは行けてないし、制覇できてない名物グルメもあるし、エレバンでできた友人たちに何も挨拶できてないし、「いつでも戻っておいで!」と言ってくれた各地のゲストハウスにも再訪できていないし…

「アルメニアは逃げない」なんて格好良いこと言ったところで、「ある場所に普通に行けることは決して普通ではない」ということは、この2年間で誰もが身をもって思い知ったし、そんなこと自分が痛いほどよくわかってる。

ましてや、ここは隣国との紛争リスクを常に抱えるアルメニアという国。
「去年まで行けた」場所が「今年は行けない」なんてことになる可能性だってゼロではない。
(現に、2020年秋までは普通に行けたナゴルノ=カラバフだって、もう外国人は行けなくなってしまったわけだし)

でも、今は無理して滞在を延ばすときでは、絶対にない。

いつか絶対に戻るから。「いつか」なんて言わず、来年の春にでも。
その時までどうか、変わらない素朴なままのアルメニアであってほしい。

そしてその時は、今日の自分の決断に心から感謝し、その結果に満足できていることを切に願っている。

あなたにおすすめの記事
アルメニア入国前に書いた記事がこちら。
ロックダウン中のジョージアに滞在して1年経ったときの記事がこちら。

コメント

  1. 小杉弘一     HN機関車好き より:

    (帰ろう、帰ればまた来られるから)海軍の木村昌福少将の名言です。アルメニアよりもジョージアの方が逃げ場はあると思います。
    もしジョージアで行く場所をお探しでしたらボルジョミ=バクリアニ鉄道をお薦めします。遊園地の遊戯列車のようですが、ちゃんとした鉄道です。私は撮っただけでしたが、是非とも体験してみてください。
    それでは良い旅を!

    • 小山 のぶよ より:

      小杉弘一     HN機関車好き様

      コメントいただきありがとうございます。
      仰る通りアルメニアに帰れないことなどなく、ただ現時点では滞在し続けるタイミングではないのですよね。今はジョージアへと無事再入国できてひとまず安心しております。

      バクリアニへの鉄道は、2020年の夏にボルジョミを訪れた時はパンデミックのため運休となっていたのですが、おそらく現在は再開されているのではないかと思います。
      一面の銀世界の風景もさぞかし美しいと思うので、今冬足をのばすことができればと思います。ありがとうございます!

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