こんにちは!アルメニア滞在を満喫中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
「アルメニアのスイス」と呼ばれる、高原リゾート・ディリジャン(Dilijan / Դիլիջան)。
荒涼とした茶色い大地の風景に囲まれた首都のエレバンからこの町へやって来た旅行者は、緑あふれる山々の風景に感動を覚えることでしょう。
外国人旅行者はもちろん、アルメニア人の国内旅行者からも避暑地として大人気のディリジャン。
アルメニア全土が灼熱となる夏場でも比較的マイルドな気候で、緑豊かな大自然に囲まれていることも人気の理由です。
のんびりと山岳リゾート滞在を満喫するにも、国立公園の山々を歩くハイキング三昧にも…
どんなスタイルの旅行者でも満足のいく滞在が送れるでしょう。
また、ディリジャン周辺には人里離れた場所にひっそりと建つ中世修道院がいくつか点在しているのもポイント。
歴史に興味がある人はどれも必見ですし、そうでない人でもアルメニアの豊かな歴史を肌で感じることができます。
今回の記事は、ディリジャン観光に必要な情報をすべてまとめたもの。
見どころからアクセス情報、観光時のアドバイスまで、とにかく全てを網羅しています。
もともとは3日間の滞在を予定していたのぶよですが、結局10日間も居座ったほど。
それくらいに魅力あふれる素晴らしい場所でした。
自然も、歴史も、人々の優しさも…すべてが素敵なディリジャンの魅力、伝わりますように…!
ディリジャン観光でしたいこと(中心街エリア)
ディリジャン滞在拠点となる中心街エリアは、ソ連時代に避暑地として開発されたもの。
山岳リゾートらしいお洒落な建物も目立ちますが、絶妙に寂れた雰囲気が漂っているのも逆に魅力的。
この項では、ディリジャンの中心街で押さえておきたい見どころや体験をピックアップしてみました。
①ディリジャン中心街を散策
ディリジャンの中心街は、大きく3つに分かれています。
・バスステーション周辺:交通の中心
・オールド・ディリジャン:観光の中心
・ディリジャン中心街:市民生活の中心
中心街全体を見ても規模はそれほど大きくなく、数時間あればすべてまわれてしまうほどです。
オールド・ディリジャン
バスステーションと中心街のちょうど真ん中に位置するのが「オールド・ディリジャン」と呼ばれるエリア。
石畳の路地に沿って、このエリアの伝統的な建築が並ぶ風景は、山岳リゾート・ディリジャンを代表するものの一つです。
「オールド・ディリジャン」=「ディリジャン旧市街」と訳したいところですが、実はここ、全然オールドでもなんでもありません。
200mほどの石畳に建ち並ぶ伝統的な建物は全て、”Tufenkian Old Dilijan Complex”というホテル複合施設で、全てここ数十年の間に建てられたものなのです。
敷地内にはアート工房やお土産屋、山岳ロッジ風のレストランなどが建ち並び、リゾート客には大人気のよう。
のぶよの場合、こういった「作られた古い町並み」には全く興味がないので微妙に感じましたが、フォトスポットとしてはかなりおすすめ。
一度は立ち寄ってみても良いかもしれません。
円形劇場
全然オールドではないオールド・ディリジャンから中心街方面へ100mほど歩いた場所にあるのが円形劇場。
ローマの円形劇場を模したもので、こちらも特に歴史があるわけではありません。
しかし、アルメニア人観光客の間では大人気の撮影スポットとなっているようでした。
後の項で紹介する「ディリジャン絶景ポイントハイキングコース」のスタート地点の目印として覚えておくくらいでOKだと思います。
中心街
ディリジャン市民の生活の中心である中心街は、オールド・ディリジャンの(作られた)おしゃれな雰囲気とは対照的で、そこはかとないソ連感が特徴的。
見どころは特にありませんが、スーパーマーケットや銀行などがいくつかあるので、滞在中一度は足を運ぶことになるでしょう。
湖
ディリジャンのバスステーションのすぐ西側に広がるのが、名前すらついていない湖。
水質的に泳ぐことができないのは残念ですが、地元の人の憩いの場となっているのんびりとした雰囲気は一見の価値あり。
湖のほとりに建つCafe No.2は、地元の若者を中心に人気のカフェレストラン。
ヨーロッパっぽいメニューを提供しているそうで、モダンな雰囲気とレイクビューのテラスが話題になっています。(アルメニア人みんなこうゆうの大好き)
②「ディリジャン・レトロ」に酔う
オールド・ディリジャンの「作られた感」だけを見てガッカリするのはまだ早い!
のぶよ的に、ディリジャンの街歩きにおける最大の魅力は、絶妙に漂う退廃的な雰囲気にあると思います。(勝手に「ディリジャン・レトロ」と名付けました)
かつてソ連時代に避暑地として黄金時代を迎えたディリジャン。
ソ連崩壊から30年が経ち、いまだにリゾートとしての地位はなんとか保ってはいるものの、かつての栄光はもう昔のこととなってしまっているよう。
バスステーション~中心街を散策してみると、昔はホテルやレストランであっただろうくたびれた建物が、かろうじてその姿を保ちながら建ち並んでいることに気が付くでしょう。
アルメニアの地方部を歩いているとどこでも、もはや時が止まっているような感覚になるもの。
もちろんディリジャンも例外ではないのですが、「昔は栄えていたのに、今は寂れに寂れた」という、栄枯衰退的な独特の郷愁が漂っているのが特徴的に感じます。
例えるなら、日本でバブル時代に栄え、その後人々に忘れ去られた高原リゾート・清里に似た雰囲気。
「アルメニアの山岳リゾート!」と聞いてキラキラしたものをイメージする人には大変申し訳ないのですが、これがディリジャンです。心のご準備を(笑)
逆にのぶよのように、レトロなもの(=作られたものではなく、ボロボロの)に愛着を感じる人にとっては、「初めて来たのに懐かしい」と感じられる最高の町並みだと思います。
③ディリジャンを一望する絶景ポイントへハイキング
ここまで読んだらもうお分かりでしょうが、ディリジャンの中心街には、観光地としての見どころはそれほどありません。
ディリジャンに来たなら、町を取り囲むディリジャン国立公園の山々の大自然を感じてみるのが一番です。
「あまりガッツリ歩くのはちょっと…」という人にもぜひおすすめしたいのが、ディリジャンの町を一望する絶景ポイントまで登る簡単&短いコース。
現地では「パノラマ・トレイル(Panorama trail)」と呼ばれているそうです。
所要時間1時間~1時間半ほどで、距離は3kmほど。
中心街をスタートして、ぐるっと周って戻ってくるコースです。
絶景ポイント=高台にある というわけで、まあまあ登りの区間はありますが、初心者でもスニーカーで簡単に歩けるレベルです。
ディリジャンの町を出ることなく、お手軽に国立公園の自然を感じることができるのがポイント。
日程に限りがある人でも、ぜひ歩いてみることをおすすめします。
④緑いっぱいのゲストハウスでのんびり
山岳リゾート・ディリジャンでは、急ぎ足の観光は禁物。
夏場でもマイルドな気候の下で、山の澄んだ空気を味わいながらのんびりと過ごすのもおすすめです。
リゾートホテルから個人のゲストハウスまで…ディリジャンの宿泊施設の選択肢の豊富さはさすが山岳リゾートと言ったところ。
好みに合った宿でのんびりしたら良いと思いますが、節約バックパッカー旅の人におすすめなのがこちら。“Ojakh”というゲストハウスです。
おそらくディリジャン最安値で宿泊できるこちらの宿。
普通の家の一階部分を旅行者向けに改装したもので部屋は四つしかないため、宿泊客の数によっては相部屋となる場合も。(ゲストハウスというより、「ホステル」と思っておいたほうが良いかも)
シャワールームは母屋ではなく離れに位置していて、そのクオリティーも「バックパッカー向け」といった感じ。(実際に見ればわかります。笑)
こんな感じで、お世辞にも「山岳リゾートで優雅な滞在!」とはかけ離れた宿ですが、そんなことは吹き飛んでしまうほどにおすすめ。
・手作り感いっぱいのテラス
・庭の季節の果物をとって食べ放題
・ハンモックでゆらゆら
・中心街からやや離れているため、とても静か
・ねこ!
など、おすすめポイントは多岐にわたりますが、一番は「人」。
ゲストハウスを経営している(そして二階部分に住んでる)お母さんと娘さんの人柄がとにかく素晴らしく、常に宿泊客を気にかけてくれていました。
すごいと感じたのが、宿泊客全員の名前をちゃんと覚えていたこと。
現在の宿泊客だけでなく、過去の宿泊客の名前もすぐに出てくるお母さんの頭の中、いったいどうなっているのでしょうか….
良い宿には良い旅行者が集まるもの。
この地にやってきて同じ時間を過ごした各国からの旅行者も、みんな総じてオープンマインドで良い人たちばかりでした。
宿全体にリラックスした良い雰囲気が漂っているのが感じられ、いつまでものんびりしていたくなる空間が作られていました。(そういうわけで、3日間の予定が10日もいたわけです)
宿名の”Ojakh”とは、アルメニア語で「家」のこと。つまり「ホーム」なわけです。
まるで自分の家のように、またここに帰ってきたくなる。そんな気持ちにさせられる素敵な宿でした。
設備やwi-fiの不安定さなどマイナス点はもちろんあるので万人向けではありませんが、人の温かさや他の旅行者との良い出会いを経験したい人にはとにかくおすすめです!
・立地:7/10
中心街から2kmほど離れた場所に位置しており、便利とは言えません。
しかし、バスステーション~中心街~宿近くを結ぶ市内マルシュルートカが30分に1本走っているので、気が向いたときに簡単に中心街に行けるので、さほど不便は感じませんでした。
宿の近くには商店が2軒あり、基本的なものはだいたいそこで揃います。
・アクセス:10/10
最寄りのバス停にはちゃんと宿の標識があり、100mほどとすぐそば。
敷地の門の鍵は常に開いており、基本的に宿の人がいるのでチェックインも簡単です。
・スタッフ:10/10
繰り返しになりますが、とにかくこの宿の素晴らしさは人。(行けばわかります)
設備の不便さなどどうでも良くなるくらいに、暖かくもてなしてくれます。
娘さんは英語OKですが、お母さんはアルメニア語かロシア語しか話せません。
しかし、そんなの関係ないと言わんばかりにこちらを気にかけてくれるのでとても嬉しく感じました。
・清潔さ:7/10
宿泊エリアやミニキッチンなど、お母さんが毎日念入りに掃除してくれるのでかなり綺麗です。(古い建物ではありますが)
シャワー兼トイレも掃除はばっちりなのですが、いかんせんやっつけ仕事で設置されたような掘っ立て小屋のような離れにあるので、最初はびっくりするかも。
・設備:6/10
設備に関してはダメダメです。
ベッドはきしむわ、キッチン用品は充実してないわ、シャワー室がもはや100年前の雰囲気だわ…と、マイナス点を挙げればキリがありません。
また、冷暖房設備は存在しないので、冬場の滞在はかなり厳しいかも。(まあ冬にあえてディリジャンに行く人もいないだろうけど)
とにかく「これもアルメニア地方部の面白い体験!」と割り切れない人は、おとなしく別の宿を探しましょう(笑)
・wi-fi:4/10
wi-fiはありますし基本的にはちゃんど接続可能なのですが、場所によっては電波が弱まると感じました。
基本的な作業なら問題ありませんが、動画編集やビオデオチャットなどは厳しいと思います。
・雰囲気:10/10
宿のお母さんと娘さんの人柄のおかげか、宿全体に良い感じの雰囲気が漂っていました。
旅行者も適度な距離を保ちつつ、みんな和気あいあいとやっている感じの人が多く(こればかりはタイミングによるけど)、10日間ずっとリラックスした気分で滞在できました。
敷地内のテラスもなかなかのやっつけ仕事ではありましたが(笑)、ここから眺める夕日は最高でした。
・総合:7.7/10
ディリジャン最安値の宿でしたが、本当に思い出に残る滞在を送れました。
「インターネットや設備の古さなんて気にしない!」というタイプの人、ディリジャン滞在は絶対にここ一択です!
⑤ディリジャン地域の名物グルメを味わう!
ディリジャンは、アルメニア北東部を占めるタヴシュ地方(Tavush)に位置しています。
小さな国土ながら、地域ごとに異なる名物グルメが多く存在するアルメニア。
ディリジャンでもぜひ挑戦したい名物や名産品がいくつかあるので、滞在中に一度は挑戦してみましょう!
羊肉のホロヴァツ(ギャラン・ホロヴァツ)
アルメニア全国でポピュラーなホロヴァツは、串刺しにした肉を炭火で焼いたアルメニア風BBQのこと。
全国津々浦々、どこででも食べられる国民食のような存在です。
一般的には、豚肉か鶏肉が用いられることがほとんどですが、ディリジャンをはじめとする地方部では羊肉のホロヴァツがポピュラー。
アルメニア語では「ギャラン・ホロヴァツ(Garran Khorovats / գառան խորոված)」と呼ばれます。
ディリジャンの中心街を離れて、東側のシャフミャン地区(Shakhmyan)や東のイジェヴァン方面(Ijevan)へ延びる幹線道路沿いに行くと、炭火でモクモクと肉を焼く煙と香りが漂っているのですぐにわかります。
羊肉と聞くと、その独特の風味や臭みを敬遠してしまう人もいるかもしれません。
しかし、ディリジャンで食べた羊肉のホロヴァツはとにかく絶品。
臭みは完全にゼロで、口の中で柔らかくとろける肉と脂…もう天国でした。
どうしてこんなに絶品の羊肉にありつけるのか。
そこには、ある秘密があります。
なんと、道路沿いに吊るしておいた羊(客寄せ目的?)をその場で解体→炭火に直行というダイナミックにもほどがある調理法なのです。
さばきたての新鮮な肉が美味しいのは言わずもがな。
余計な味付けや下処理をしなくても、臭みがなく柔らかい食感なのは、肉の鮮度が成せる技なのかもしれません。
エレバンのお洒落レストランでは到底味わえない、鮮度100%の絶品羊肉ホロヴァツ。
羊肉は結構レアなので、時期や入荷状況によって食べられるか変わってはくるものの、ディリジャンを訪れた際はぜひチェックしてみたいグルメです。
ディリジャンビール
ディリジャンに来たなら、町の名を冠したディリジャンビール(Dilian)を飲むべき!
アルメニアではその土地で生産されたビールが町の名を冠しているのが普通で、ディリジャンビールもディリジャンで生産されたもの。
エレバンではあまり出回っていないようで、ディリジャンを訪れるまでその存在を知りませんでした。
ディリジャンビール最大の特徴は、強めの炭酸とキレ。
日本のラガービールが好きな人なら、絶対に気に入るタイプのビールだと思います!
イジェヴァンワイン
正確にはディリジャンの名産ではありませんが、同じタヴシュ地方のイジェヴァン(Ijevan)という町の名物であるイジェヴァンワインは、ディリジャンでもかなりポピュラー。
口当たりが柔らかく雑味が少ないのが特徴で、ワインにあまり詳しくないのぶよでも一口飲んで「美味しい!」と口をついて出たほど。
セミスイートやドライはもちろん、ザクロを使った種類もあるので、色々とトライしてみてはいかがでしょうか。
(ディリジャン中心街のスーパーマーケットで普通に売られています)
ディリジャン観光でしたいこと(近郊エリア)
ディリジャンの市内観光自体は半日~一日で十分すぎるほど。(なんなら飛ばしてしまっても良いかも…)
この町の魅力は、その周辺に広がるのディリジャン国立公園内にこそあります。
数多くあるトレッキングコースや、世界遺産リストにも載っている中世の修道院、時が止まったような小さな村…
これらの場所に行かずして、ディリジャンを語ることなんてできません!
⑥パルズ湖へトレッキング
アクティブ派の旅行者には「ハイキング天国」として名高いディリジャン。
中でも最もポピュラーなのが、ディリジャン中心街~パルズ湖(Parz Lich / Պարզ լիճ)を結ぶ11kmのハイキングコースです。
ディリジャン国立公園の緑いっぱいの風景&澄みきった空気の中を歩いていると、「来てよかった…!」と心から感じられるはず。
旅行者の多くはパルズ湖をゴール地点に設定するのですが、のぶよ的にはその先のゴシャヴァンク修道院まで+5kmほどもセットで歩いてしまうのがおすすめ。
一日で国立公園ハイキング+ゴシャヴァンク修道院のどちらも楽しむことができるのはもちろん、パルズ湖~ゴシャヴァンクの区間は風景がとにかく美しいためです。
⑦ゴシャヴァンク修道院
ディリジャン国立公園観光のハイライトの一つと言われるのが、ゴシャヴァンク修道院(Goshavank / Գոշավանք)。
中世の趣をそのままに残す修道院のたたずまいは、まるでRPGゲームの世界から飛び出してきたかのよう。
UNESCOの世界遺産リストの候補にもなっているそうで、アルメニアの豊かな歴史と素晴らしい建築を肌で感じることができます。
山深い地にぽつりと建つゴシャヴァンク修道院は、アルメニアでは珍しく、中世の異民族による侵攻や破壊を免れた建造物。
この国が誇るキリスト教文化を象徴する神聖な雰囲気や、秀逸な装飾の数々にも注目しながら見学したい聖地です。
⑧ハガルツィン修道院
ゴシャヴァンク修道院と並ぶディリジャン国立公園観光のハイライトが、ハガルツィン修道院(Haghartsin monastery / Հաղարծին վանական)。
12世紀そのままの雰囲気を残す修道院内部ももちろん素晴らしいのですが、ハガルツィン修道院最大の魅力は、周囲の山々と白亜に輝く建物とのコントラスト。
まるで絵画の世界に入り込んでしまったかのよう…
美しく神秘的な風景には感動間違いなしです!
個人でのアクセスには難ありなものの、頑張れば行けないこともありません。
のぶよ的にディリジャン観光で最も感動した場所の一つなので、ぜひとも自分の目で見て感動を味わってほしいです。
⑨ジブリの世界な中世修道院を訪れる
ディリジャン観光の穴場的存在なのが、中心街の西側の山の中にある二つの中世修道院。
・ジュフタク修道院(Jukhtak monastery / Ջուխտակ վանք)
・マトサヴァンク修道院(Matosavank monastery / Մաթոսավանք)
の修道院があり、いずれも現在は廃墟となっています。
人工物であるかつての修道院の建物が再び自然に還ろうとしている光景は、まるでジブリ映画の世界そのもの。
これらを結ぶ簡単なハイキングコースが整備されているので、歴史だけでなく自然を味わえるのもポイントです。
いずれの修道院も知名度はそれほど高くなく、見逃してしまう旅行者も多いようですが、正直本当にもったいない!
ハイキングコース自体も1時間もあれば歩けてしまう簡単なものなので、ぜひ足をのばしてみることをおすすめします!
⑩フィオレトヴォ村
ディリジャンの西12kmほどの緑あふれる大地にひらけたフィオレトヴォ村(Fioletovo / Ֆիոլետովո)も、ぜひ足をのばしてほしい場所。
一面の緑の中に建ち並ぶ可愛らしい家々…アルメニア地方部の魅力がギュッと詰まった天国のような風景が広がります。
ただ散策して美しい風景を眺めるのも良いのですが、フィオレトヴォのすごさはそれだけではありません。
なんと、フィオレトヴォ村の人口の100%はアルメニア人ではなく、200年前にロシアからこの地に入植して来た人々の末裔。
独自の宗教観を守りながら自給自足の生活を送る「マラカン」と呼ばれる独自の共同体による村なのです。
・一般的なアルメニア人と全く異なる村人の外見
・共通語はアルメニア語でなくロシア語
・2021年でも物々交換や自給自足の生活が息づく
など、「アルメニアにありながらアルメニアではない雰囲気」がフィオレトヴォ村最大の魅力。
200年前から時が止まったような美しい風景が見たい人にはもちろん、歴史や民俗学に興味がある人にもおすすめです!
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