こんにちは!無事コソボに入国を果たした、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
コソボ唯一の世界遺産である、「コソボの中世建造物群」。
以上四つのセルビア正教会から構成されている複合遺産なのですが、そのうちの一つがペーヤ近郊のデチャニ(Deqani)という町にあるヴィソキ・デチャニ修道院(日本では単にデチャニ修道院と呼ぶ方がポピュラー)です。
14世紀建造の修道院は、セルビア正教においてとても大切な存在。
同時にイスラム教徒が多数派であるコソボにおいては独特のものです。
また、デチャニの町の南には、木造の家々が並ぶレトロな雰囲気が魅力のジャコヴァという町もあり、これら二つの見どころを一日でまわることができます。
今回の記事では、
ペーヤ~デチャニ修道院への個人でのアクセス
デチャニ修道院内の見どころ
について解説しています。
コソボの中のセルビア?ヴィソキ・デチャニ修道院へ。
世界遺産のヴィソキ・デチャニ修道院(Visoki Dečani)は、コソボ第三の都市・ペーヤから南に15kmほどのデチャニ(Deqani)という町の近郊に位置しています。
アクセスの拠点は、コソボ第三の都市であるペーヤ(Peja)。
ここでは、ペーヤ~ヴィソキ・デチャニ修道院のアクセスと、観光のポイントを解説します。
ペーヤからデチャニへの行き方
ペーヤからデチャニまでは、ジャコヴァ(Gjakovë)行きのローカルバスを途中下車してのアクセス。
ジャコヴァ行きは15分に1本ほどの頻度で運行されていて、いずれもペーヤのバスステーションからの出発です。
ペーヤ~デチャニ間ミニバス
所要時間:30分
料金:€1(=¥118)
ペーヤ〜デチャニ〜ジャコヴァ〜プリズレン間を結ぶ道路は一本しかなく、この区間を走るバスは全てメインの幹線道路を通ります。
なので、プリズレン~ペーヤ間を移動しながら、デチャニ修道院とジャコヴァに立ち寄って観光することも難しくありません。
しかしながら、デチャニのバス停付近には荷物預かりサービスなどはありません。
カフェやレストランが数軒あるので、プリズレン〜ペーヤを移動しながらヴィソキ・デチャニ修道院に立ち寄る場合は、大きな荷物を置かせてもらえるか頼んでみましょう。
(コソボ人はみんな優しいので、恐らく快諾してくれるはず)
デチャニバス停からヴィソキ・デチャニ修道院までのアクセス
黄色:バス停
青:デチャニ修道院
デチャニのバス停からヴィソキ・デチャニ修道院までは2.5kmほどの距離で、徒歩30分ほど。
修道院までの公共交通機関はないため、バス停付近で客待ちしているタクシーに乗るか徒歩でのアクセスとなります。
アップダウンの少ない舗装道路なので、簡単に歩くことができます。
修道院が近づいてくると、KFOR(コソボ治安維持部隊)の検問所があり、なんだか物々しい雰囲気に。
もちろん検問所の写真撮影は厳禁です。
パスポートチェックか何かあるのかと思っていましたが、特に何も言われることはありませんでした。
検問所から10分ほど歩き続けると、KFORに守られた修道院の入口に到着します。
デチャニ修道院への入場は無料です。
しかし入口ではパスポートを預ける必要があり、適切な服装で入場する必要があります。
タンクトップ、半ズボンは不可で、肌を隠す服や布等を持っていない場合は、€1払って出来損ないの浴衣のようなものを着させられるという辱めを受けることとなります。
スーパー銭湯もびっくりなペラッペラのクオリティー。
正直相当恥ずかしいです。
「うわーあいつ、長ズボン忘れてやんのw 馬っ鹿でぇ~」という目で見られます(被害妄想)。
とにかく、デチャニだけでなく、修道院訪問の際は、長ズボンの着用か持参を強くおすすめします。
(しかしこの浴衣もどき、訪問終了後はお土産としてもらえるので、日本帰国後の話のタネにはもってこいかもしれません。)
デチャニ修道院をはじめ、コソボの世界遺産の修道院の厳重な警備は、1998年のコソボ紛争以降のセルビア系とアルバニア系の民族対立によるもの。
セルビアによるコソボの民族浄化政策に対抗し、アルバニア系過激派がコソボ内にあるセルビア正教の聖堂や教会を攻撃対象としたためです。
デチャニ修道院には、現在でもアルバニア人が撃ち込んだロケット砲の跡が残っています。
また、修道僧の外出は、KFORによる厳重な警備の下、防弾車で行われるという徹底ぶり。
戦争は終わっても、コソボの民族対立はいまだに深刻なままなのです。
14世紀建造。フレスコ画が秀逸なヴィソキ・デチャニ修道院
この地に未だに根付く民族対立なんて嘘に思えるほど、静かな山あいに建つ世界遺産のヴィソキ・デチャニ修道院。
14世紀建造の修道院は再建されたもので、ビザンチン様式のドームと、ロマネスク様式の柱など、東西のキリスト教文化が融合したものです。
教会内部に広がるのは、色褪せたフレスコ画が一面に描かれた中世そのままの世界。
残念ながら内部の写真撮影は禁止ですが、その独特で厳かな雰囲気に圧倒されます。
修道院の敷地内は、コソボにありながらセルビアそのもの。
人々はセルビア語を話し、寄付はセルビアの通貨・ディナールでなされます。
わざわざお祈りに訪れるセルビア人の姿も多く、人々の信仰心を目の当たりにしました。
デチャニ~他都市への移動
デチャニからペーヤへの帰りのバスは、来た時と反対方向へ向かうバスに乗るだけ。
とても簡単です。
15分に1本ほどバスが走っているので、さほど待つことなく帰路につけるでしょう。
修道院だけの観光なら、バス停からの徒歩での往復の時間を考えても2時間あれば余裕です。
時間が余るようなら、デチャニのさらに南にあるジャコヴァ(Gjakovë)まで足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
来た時と同じ方面へのバス停にやってくるバスは、全てがジャコヴァへ向かいます。
おわりに
世界遺産のデチャニ修道院は、コソボにある他三つの世界遺産の修道院・教会とともに絶対に外せない見どころ。
行き方もとても簡単で、バスの本数も多いので、個人でも問題なく訪れることができます。
イスラムに囲まれたセルビア正教の聖地という不思議な雰囲気は、宗教を越えた何かを感じさせてくれるはずです。
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