こんにちは!元ポルトガル在住ののぶよ(@nobuyo5696)です。
ポルトガルで最大の面積を誇るアレンテージョ地方は、昔ながらの素朴な村々が点在している、ポルトガルリピーターにおすすめの穴場のエリア。
今回紹介するアライオロシュ(Arraiolos)は、典型的なアレンテージョ地方らしさを残した、人口3000人ほどの小さな村です。
丘の上の城塞をのふもとに造られた可愛らしい町並みは、青を基調とした独特の装飾がほどこされたもの。
中世から刺繍で有名な村だったこともあり、人影の少ない路地には伝統的な刺繍を織る音だけが響き渡ります。
リスボンやエヴォラからの日帰り観光でも人気なアライオロシュの見どころと、個人でのアクセスを紹介していきます。
アライオロシュの見どころ
アライオロシュ観光地図
赤:おすすめレストラン
アライオロシュ城塞
アライオロシュのシンボルであるアライオロシュ城塞(Castelo de Arraiolos)は、町で一番高い丘の上に堂々と建っています。
1306年建造の中世の城は、円を描くように丘の頂上を取り囲む城壁が完璧な状態で残っていて圧巻。
敷地内への入場は無料で、城壁の上にも自由に登ることが可能です。
広大な敷地を取り囲む城壁を写真に収めるのは難しいのですが、360°このように取り囲まれており、鉄壁の要塞といった印象を与えます。
城塞内に唯一残る建物が、こちらの城塞の聖母教会(Igreja Nossa Senhora do Castelo)。
荒涼とした城塞の敷地内に映える白と青の外観がとても美しいです。
一応現役の祈りの場として機能しているそうなのですが、のぶよが訪れた際はなぜか閉鎖されていました。
アライオロシュの町並み
アライオロシュ城塞を見学したら、小さな村の中心街へ向かってゆるやかな坂を下っていきましょう。
ポルトガルの地方部の家々は、白い壁を基本として、青か黄色の差し色で淵を装飾するスタイルが多いのですが、アライオロシュでは青色が優勢。
統一感が感じられ、なぜか郷愁をそそられる雰囲気です。
村の路地を歩いていると、“Tapetes de Arraiolos”と壁に書かれた建物が多く目に入ります。
これは、アライオロシュ伝統の織物を製造している場所のサイン。
アライオロシュがあるアレンテージョ地方では昔から牧畜が盛んで、羊毛などを使った独自の織物産業が発達しました。
人一人としていない村の路地に、伝統的な織物を織る音が響き渡る雰囲気がとても素敵です。
夏場は灼熱となるアレンテージョ地方に位置するアライオロシュ。
少しでも日差しを遮るために、通りの上には遮光用の幕が設置されています。
町の中心であるムニシピオ広場近くまで来ると、ようやく人の姿がちらほらと見られるようになります。
ムニシピオ広場
村の中心であるムニシピオ広場(Praça do Município)には、数軒のレストランや商店が並びます。
色褪せたパステルブルーで装飾された広場沿いの建物はとても美しく、村の規模に似つかわしくない近代的な噴水が設置されていて、地元の子供たちの遊び場となっています。
木陰でのんびりと過ごす村人や、昼間からビールを飲んでお喋りに興じるおじさんたち。
都市部ではなかなか見られない、のんびりとした生活のリズムが感じられます。
アレンテージョ地方の名物料理を食べられるおすすめレストラン
リスボンやエヴォラから日帰りでアライオロシュに訪れる人におすすめしたいのが、ローカルレストランでのランチ。
広大な農地を持つアレンテージョ地方は食材の宝庫で、「ポルトガルで一番の美食エリア」なんて言わるほどです。
気取ったレストランこそないアライオロシュですが、地元の人がランチやちょい飲みに訪れるようなスナックバーが点在しています。
そのうちの一つが、ムニシピオ広場にあるO Gingão。
ポルトガルのどんな町でも見かける、典型的なスナックバーの雰囲気です。
ビファナなどの軽食類もありますが、おすすめは”Prato do dia”と呼ばれる日替わり定食(€5~€7)。
・スープ
・メイン
・デザート
・飲み物
などが全部含まれているお得なセットメニューのことです。
この食堂が素晴らしいのが、スープからメイン、デザートに至るまで、アレンテージョ地方の郷土料理を提供してくれる点。
この日のメインはミーガス(Migas)と呼ばれるパンくずをニンニクやコリアンダーなどとともに調理したものの卵とじバージョン。
ミーガスはスペイン内陸部~ポルトガル内陸部でポピュラーな料理で、アレンテージョ地方のものは特に有名なのです。
そしてこのお店でなにより感動したのが、自家製のアレンテージョ流デザートでした。
こちらはセリカイア(Sericaia)という、アレンテージョ地方伝統のスイーツ。
小麦粉と卵、シナモンをたっぷり使った生地をふんわりと焼き上げたホットケーキのようなもので、梅の蜂蜜漬けをのせるのが定番です。
ポルトガル津々浦々を旅したのぶよですが、こちらのセリカイアはポルトガルで食べたスイーツの中でも頂点に君臨するほどの美味しさでした。
ポルトガルのローカル食堂では、スープやメインはもちろん、デザートも自家製の場合がほとんど。(なぜならその方が安く済むので)
飾り気こそありませんが、風味豊かな食材を使った素朴で家庭的な味を楽しむことができるのです。
日によって内容が変わってくるため、いつも置いてあるのかはわかりませんが、もしありつけたならラッキーですよ!
ポルトガル他都市~アライオロシュへのアクセス
多くの人は、リスボンかエヴォラから日帰りでアライオロシュへと足をのばすのではないでしょうか。
公共交通機関があまり発展していないアレンテージョ地方ですが、アライオロシュに関してはそこまで不便を感じません。
本数は少ないもののバスが走っているので、個人で日帰り旅行をすることも可能です。
リスボン~アライオロシュのアクセス
リスボン~アライオロシュ間は、長距離バスでのアクセスとなります。
直行便は、リスボン~アライオロシュ~エストレモシュの区間を結ぶものが1日1本。
乗り換えならもう少し選択肢が増えます。
リスボンでの発着地はセットゥ・リオシュ(Sete Rios)バスターミナル。
リスボン市内中心部から地下鉄でアクセス可能です。
アライオロシュ~アレンテージョ地方の他の町のアクセス
エヴォラとエシュトレモシュの中間に位置するアライオロシュ。
この二つの町の間を移動しながら、立ち寄って観光することも可能です。
ただし、バスの本数は多くないので、事前にしっかりスケジュールを組むことをおすすめします。
アレンテージョ地方の各町とを結ぶバスを運行しているのはRodalentejo社。
ほとんどのバスは地元の学生向けに運行されているものなので、旅行者的には少々不便なスケジュールのものが多いですが、利用できないこともありません。
ポルトガルの国内長距離バス路線を一括運行しているRede expressos社は、各町の移動には使えないことが多く、リスボン~アレンテージョ地方の各町の路線に限られます。
のぶよ的には、エヴォラに宿泊しながら、アライオロシュやエシュトレモシュなど周辺の村へと日帰りで足をのばすのがおすすめです。
アライオロシュ~エヴォラ間のバス
アレンテージョ地方の中心都市であり、世界遺産の博物館都市としての顔も持つエヴォラ(Évora)は、アライオロシュの最寄りの大きな町。
Rodalentejo社の8007番のバスが、エヴォラ~アライオロシュ~エシュトレモシュの区間を走っているので、上手にプランニングすればエヴォラから日帰りでアライオロシュとエシュトレモシュの2つの村をまわることも可能です。
それ以外にも、エヴォラ~アライオロシュ間を走る路線はいくつかあり、個人での日帰りも難しくはありません。
エシュトレモシュ
アライオロシュと同様に、丘の上の城塞と真っ白な町並みが魅力的なエシュトレモシュ(Estremoz)は、アライオロシュより少し大きな村。
アレンテージョ地方北部の交通のハブとして各方面にバスが出ているので、こちらを拠点に周遊するのもおすすめです。
アライオロシュ~エシュトレモシュ間のバスは、先述のRodalentejo社の8007番のバスに限られます。
交通の便が良くないエヴォラと周辺の地域を効率良くまわるなら、リスボン発着の日帰り現地ツアーがおすすめ。
エヴォラ市内観光はもちろん、近郊の神秘的なストーンサークルや「白い村」アライオロシュに立ち寄るものも多く、アレンテージョ地方名産のワインテイスティングが含まれているものまで選択肢は豊富です。
おわりに
ポルトガル地方部の村らしい素朴な魅力が詰まったアライオロシュを紹介しました。
おすすめは、エヴォラやエシュトレモシュなど周辺の見どころと合わせてまわること。
観光地化されていない、本来のポルトガルの魅力が存分に味わえるのはもちろん、各町で少しずつ異なる雰囲気を感じながらのんびりと周遊するのが良いでしょう。
アレンテージョ地方の小さな村などを訪れるなら、エヴォラでの滞在が最も便利。
世界遺産の中心街の観光もできるのはもちろん、この地域最大の町としてバス路線が充実しており、宿や食事をする場所の選択肢も多いです。
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