こんにちは!元ポルトガル在住ののぶよ(@nobuyo5696)です。
これまでポルトガルについて様々な記事を書いてきましたが、今回の記事からは心機一転!
アゾレス諸島編のスタートです!
アゾレス諸島が一体何なのか、どこにあるのかほとんどの日本人には見当もつかないでしょう。
一言で言うなら「この世の楽園」です。
ポルトガル本土から西に1000km、大西洋のど真ん中に位置する9つの火山島からなるアゾレス諸島。
日本人で訪れる人はほぼ皆無ですし、日本語の情報もほとんどないのが現状です。
(記事が溜まってきたらちゃんとまとめます)
その隔絶された地理から、ポルトガル本土とは異なる文化を持ち、動植物でも固有種を多く持つアゾレス諸島はエキゾチックな文化と大自然の宝庫。
1ヶ月間まるまるをこの島々で過ごしたのぶよは、当ブログ・さぼわーるでその隠れた魅力をずっと紹介したくてウズウズしていました(笑)
というわけで、記念すべきアゾレス諸島編の第一回目の記事は、テルセイラ島(Ilha da Terceira)にあるセーラ・ド・クメ(Serra do Cume)の絶景を紹介します。
テルセイラ島で一番の絶景ポイントとして知られ、アゾレス諸島全体でも必見スポットBEST3に入るほどの知名度を誇る場所です。
公共交通手段を使ってのアクセス方法も解説しているので、実際に行く際の参考になるはず。
そこには、神秘的なパッチワークのような大地の絶景が広がっていました。
セーラ・ド・クメの風景
楕円形をしたテルセイラ島の東部に位置するセーラ・ド・クメ(Serra do Cume)。
“Serra”とはポルトガル語で「山脈」のことで、日本語に訳すなら「クメ山地」といったところでしょうか。
とはいっても、日本の山地のように木々が生い茂った深い山々ではありません。
標高500mほどの小高い山がいくつか連なっているだけなので、山地というよりも丘陵地帯といったイメージが適しています。
最高地点は海抜545mで、展望台が設置されています。
ここからの風景は、言葉を失うほどの絶景。
まるで宙に突き出したかのような木製の展望台から望むのは、濃淡様々な緑色に彩られた田畑が一面に広がる風景。
それぞれの畑は石で四角形に仕切られていて、まるでパッチワークのようです。
実はこの仕切りは、セラードシュ(Cerrados)と呼ばれる黒い火山岩を積み上げた石垣。
アゾレス諸島の島は全てが火山の噴火によってできた火山島で、火山灰が積もった肥沃な大地での農業や牧畜が主な産業。
農地を仕切るのと同時に、人や家畜が通るための石垣として手作業で積み上げられたセラードシュが連なる風景は、アゾレス諸島を代表するものです。
展望台にはのぶよの他に、ポルトガル本土から来たらしい(アクセント的に)女の子四人組が、ポーズを決めて自撮り大会をしていました。
そりゃあ、こんな絶景を前にしたら、誰もがスーパーモデルの気分になってしまうでしょう。
よくわかります。
展望台でしばらく絶景にひたっていると、だんだんと雲が出てきました。
不思議なのが、雲が自分と同じ高さでモクモクと湧き出ているように見えたこと。
テルセイラ島全体を一望できていた時からは一転、まるで何か神聖なものが降臨してくるかのごとく、周囲は真っ白に。
ミステリアスな雰囲気に包まれました。
展望台の反対側からは、島の東側に位置するプライア・ダ・ヴィトーリアの町を一望できます。
アゾレス諸島は、牛肉や乳製品の質の高さで有名な地域。
ポルトガル本土でも、アゾレス産のチーズやバターなどは少々高級品で、人々の憧れの的なのです。
絶景なんて気にも留めずにのんびりと牧草を食む牛たちにも、アゾレス諸島らしさが感じられますね。
セーラ・ド・クメへのアクセス・行き方
ご想像の通り、セーラ・ド・クメへのアクセスは便利とは言えません。
テルセイラ島の二大都市(というか町)である、
アングラ・ド・エロイジュモ(Angra do Heroísmo)
プライア・ダ・ヴィトーリア(Praia da Vitória)
を結ぶ幹線道路からは外れた場所に位置しており、近くに人も住んでいないので、展望台周辺には路線バスは通っていません。
アクセス方法としては以下の四つが考えられます。
レンタカー/レンタバイク
タクシー
現地ツアー
路線バス+ハイキング
ここでは、個人で路線バス+ハイキングでセーラ・ド・クメにアクセスする人向けに移動情報を解説していきます。
車なしで個人で観光するのはややハードルが高めなテルセイラ島。現地ツアーに参加すれば、移動手段の心配いらずで効率良い観光ができます。
アゾレス諸島名物のホエールウォッチングも絶対にはずせません!
セーラ・ド・クメを訪れるハイキングコース
赤:EVT社2番バス(アングラ~プライア)
緑:EVT社9番バス(プライア~サン・ブラシュ)
上の地図を見れば一目瞭然ですが、セーラ・ド・クメ展望台までの道は1本しかありません。
南側のサン・セバスティアン(São Sebastião)から北側のフォンティーニャス(Fontinhas)を結ぶ13km/高低差400mほどの道のりで、3時間ほどあれば歩くことが可能です。
山の中のハイキングコースではなく、普通の農道を歩くコースとなるので、特別な装備も必要ありません。
体力さえあれば、誰でも普通に歩けてしまうほどの難易度です。
ハイキングコースの入口となる
サン・セバスティアン
フォンティーニャス
までは、それぞれ最寄りの町から路線バスでアクセス可能です。
アングラ・ド・エロイジュモ~サン・セバスティアン間のバス
テルセイラ島で最大の町、アングラ・ド・エロイジュモ(Angra do Heroísmo)から、セーラ・ド・クメ展望台南側に位置するサン・セバスティアン(São Sebastião)までは、テルセイラ島の路線バスを一括運行するEVT社の2番のバスでアクセス可能です。
この2番のバスは、アングラ~プライア・ダ・ヴィトーリアを結ぶもので、旅行者にとってとても利用価値が高いものとなるので、覚えておきましょう。(時刻表はこちら)
プライア・ダ・ヴィトーリア~フォンティーニャス間の路線バス
プライア・ダ・ヴィトーリア(Praia da Vitória)~サン・ブラス(São Brás)を結ぶEVT社の9番路線バスが、途中でフォンティーニャス(Fontinhas)を経由します。(時刻表はこちら)
こちらは本数が少なく、乗車時間も10分ほどと短い区間。
タイミングがあわなければ、フォンティーニャス~プライア・ダ・ヴィトーリア間を歩いて移動する(4.5km/1時間)のもアリです。
セーラ・ド・クメとセットで行きたい!サン・セバスティアン・トレイル
レンタカーやレンタバイクで自由に移動できる人にはもちろん、路線バスを使って個人で観光する人にもおすすめなのが、セーラ・ド・クメとセットで周辺の見どころを観光すること。
プライア・ダ・ヴィトーリアやアングラ・ド・エロイジュモなどの町観光と組み合わせても良いのですが、せっかくならセーラ・ド・クメにほど近いサン・セバスティアン・トレイルへ足をのばしてみてはいかがでしょうか。
その名の通り、セーラ・ド・クメの南側の入口となるサン・セバスティアンから海沿いに延びるトレッキングコースで、美しい海岸線が続く絶景の中を歩くことができます。
終点はポルト・ジュデウ(Porto Judeu)という小さな村。
全長7kmほどので、1時間半ほどで歩ける簡単なコースです。
コースのほとんどは舗装道路上となるので、車でドライブがてらまわるのもおすすめ。
このエリアは、1583年にポルトガル国王兼スペイン国王だったフェリペ2世の軍が上陸したことで知られる場所。
ポルトガルによるテルセイラ島支配が決定的となった出来事が起こった場所なのです。
終点のポルト・ジュデウには、アゾレス地方独特の建築様式の建物が点在しています。
ポルト・ジュデウ~アングラ・ド・エロイジュモ間は、EVT社の7番の路線バスが平日のみ1日6本走っており、ハイキング後でも問題なく宿泊先に戻ることができます。(時刻表はこちら)
おわりに
テルセイラ島で一番の絶景ポイントであるセーラ・ド・クメの風景と個人でのアクセス方法、セットで訪れたいトレイルを紹介しました。
正直なところ、レンタカーやレンタルバイクを利用するのが一番手っ取り早いのですが、ローカル気分で路線バスを利用してのアクセスも不可能ではありません。
テルセイラ島には他にも見どころがたくさん。
日程に余裕をもって、のんびりと島旅を楽しみたいものです。
テルセイラ島の宿泊なら、島の交通のハブ&世界遺産として観光の中心にもなるアングラ・ド・エロイジュモがおすすめ。
美しい町並みのすぐそばには大西洋が広がり、名物料理が食べられるレストランやスーパーも点在しているので、観光拠点としてはとても便利です。
家族経営のペンションやホテルはもちろん、格安で宿泊できるホステルもあるので、どんな旅のスタイルの人にも自分に合った宿泊先が見つかるでしょう。
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