こんにちは!元ポルトガル在住ののぶよ(@nobuyo5696)です。
「ヨーロッパの西の果て」
「ユーラシア大陸の最西端」
と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、リスボンの近郊にあるロカ岬(Cabo da Roca)でしょう。
そのアクセスの良さと最果て感が多くの観光客の間で人気の場所で、ポルトガル観光には外せない観光スポットの一つとして挙げられます。
ロカ岬は確かにユーラシア大陸の西端なのですが、地図をよく見るとなんだか微妙な感じがしないでしょうか。
南北に長いポルトガルのちょうど中央に位置しており、ぱっと見ではあまり最果てという感じがしません。
ご安心ください。
ヨーロッパの最果ての国・ポルトガルの実力はこんなものではありませんから。
もう一度地図をよく見ると、ポルトガル南部にいかにも最果て感が漂っていそうな場所があることがわかります。
ここが、今回紹介するサグレシュ(Sagres)の町。
ヨーロッパの最南西端に位置している町です。
まだ有名になっていないこともあって、荒涼とした最果ての地らしい雰囲気が存分に感じられるのも大きな魅力。
今回の記事では、サグレシュの見どころとアクセスを解説していきます。
ポルトガルのもう一つの「最果ての地」の雰囲気を感じに行きましょう!
サグレシュの観光スポット
サグレシュ(Sagres)は、ポルトガル南部のアルガルヴェ地方に位置する人口2000人ほどの小さな町。
大西洋からそびえたつような切り立った崖の上に造られた町で、ダイナミックな海の風景が名物です。
ポルトガル人でこの町の名を知らない人は一人もいません。
というのも、ユーラシア大陸最南西端であると同時に、ポルトガルの国民的ビールブランド「サグレシュ(Sagres)」の名前の由来にもなっているためです。
サグレシュの町中にはめぼしい観光スポットはなく、郊外に位置する大陸最南西端のサン・ヴィセントゥ岬やサグレシュ要塞、点在する絶景ビーチを訪れるのが観光の基本となります。
サグレシュ観光マップ
青:見どころ
ユーラシア大陸最南西端!サン・ヴィセントゥ岬
サグレシュを訪れる旅行者は全員訪れる最大の見どころが、ユーラシア大陸の最南西端に位置するサン・ヴィセントゥ岬(Cabo de São Vicente)。
断崖絶壁の崖の上に灯台が立っているだけの場所ですが、この先にはもう何もない、正真正銘の「地の果て」。
荒波がうねる大西洋の雄大な風景だけが広がっています。
サン・ヴィセントゥ岬周辺は、男性的でダイナミックな海岸線が続くエリア。
灯台以外には建物一つなく、荒涼とした風景が続きます。
大陸の端っこにやってきたことを実感させられる瞬間です。
断崖絶壁の岬には、落下防止用の柵などは一切設置されていません。
常に風が強い場所でもあるので、散策の際は十分に注意するようにしましょう。
サン・ヴィセントゥ岬はポルトガル人以外にはそこまで知名度が高くないため、訪れる観光客の数も少なめです。
団体観光客も多く訪れるロカ岬に比べると、どこか物寂しい印象を覚えるかも。
しかし、これこそが「地の果て」たる雰囲気なのかもしれません。
サン・ヴィセントゥ岬までは一本道の舗装道路が敷かれており、途中の展望台から眺める風景も見逃せません。
夕日の名所!サグレシュ要塞
サン・ヴィセントゥ岬の観光を終えたら、サグレシュ中心街からほど近いサグレシュ要塞に足をのばしてみるのもおすすめです。
中心街から南に1kmほどの場所にある半島の先端に位置している要塞で、海上防衛のために建設されたものです。
要塞敷地内の入場には€3(=¥360)がかかります。
特に目立ったものもない普通の要塞ですが、興味のある人は入場してみるのもいいかも。
入場しなくても、要塞の入口付近からは絶景を眺めることができます。
サグレシュ要塞付近は、夕日の名所としてポルトガル人に人気の場所。
大西洋の水平線に沈んでいく夕日が眺められるサン・ヴィセントゥ岬もきれいなのですが、サグレシュ要塞からの夕日は、その岬も含めた大地と海が赤く染められていく様子が眺められます。
遠くに見えるサン・ヴィセントゥ岬の影と、オレンジ色に染まっていく大西洋。
サグレシュ観光で時間が許すなら、ぜひ見ておきたい光景です。
東西の崖下にある二つの絶景ビーチ
サグレシュ要塞がある半島の東西それぞれの崖下には、美しいビーチがあります。
西側に位置するトネル・ビーチ(Praia do Tonel)は、比較的面積が小さめの砂浜が広がる穴場的なビーチ。
大西洋にダイレクトに面しているため波が高めで、サーファーの間でかなり評判の場所です。
東側に位置するのがマレタ・ビーチ(Praia da Mareta)。
トネル・ビーチに比べると、長く続く砂浜を持ち、サグレシュ要塞の半島に波が遮られるため、海水浴向きのビーチです。
夏場はデッキチェアの設置こそあるものの、ここまでやってくるリゾート客は少ないため、一年中静かな雰囲気なのも特徴的。
リゾート客であふれかえるアルガルヴェ地方のビーチの人混みに疲れてしまった人におすすめの、穴場のビーチです。
サグレシュへのアクセス&観光モデルプラン
最果ての地だけあって、サグレシュへの公共交通手段でのアクセスは限られており、最寄りのラゴス(Lagos)から路線バスを利用する以外にありません。
サグレシュから「漁師の道」と呼ばれるシーサイド・トレイル沿いに北上して、アルジェズル(Aljezur)やオデセイシュ(Odeceixe)方面へ行きたい場合も、一度ラゴスへ戻ってバスを乗り換える必要があります。
ラゴス~サグレス間のバス移動
「ポルトガルで最も美しい海岸線」と称賛されるアルガルヴェ地方西部の中心の町・ラゴス(Lagos)は、このエリアの観光・滞在の拠点として便利な町。
真っ白な可愛らしい町並みも魅力ですが、中心街からダイナミックな海岸線沿いをハイキングしたり、ボートトリップに参加することもできます。
サグレシュから、EVA Transportes社のバスを利用してのアクセスです。
ラゴス~サグレシュ中心街を経由して、サン・ヴィセントゥ岬まで直行する便も1日1往復(平日のみ)あるのですが、スケジュールはかなり不便です。
往路 10:30ラゴス発→11:25サン・ヴィセントゥ岬着
復路 15:05サン・ヴィセントゥ岬発→16:05ラゴス着
※最新の時刻表&料金はEVA Transportes社を参照
サグレシュ中心街~サン・ヴィセントゥ岬間のバス移動
サグレシュ中心街~サン・ヴィセントゥ岬間の公共交通手段での移動は、1日2本の路線バスを利用します。
うち1本は先述のラゴス~サグレシュ~サン・ヴィセントゥ岬の直行便で、もう1本はサグレシュ~サン・ヴィセントゥ岬間のみを走るものです。
時刻表は以下の通り。
往路
・(10:30ラゴス発→)11:15サグレシュ発→11:25サン・ヴィセントゥ岬着
・14:25サグレシュ発→14:35サン・ヴィセントゥ岬着
復路
・11:55サン・ヴィセントゥ岬発→12:05サグレシュ着
・15:05サン・ヴィセントゥ岬発→15:15サグレシュ着(→16:05ラゴス着)
※最新の時刻表&料金はEVA Transportes社を参照
こぢんまりとしたラゴスの中心街は、レストランやスーパーなど滞在に必要なものが全て揃っており、アルガルヴェ地方観光の拠点にはぴったり!
個人経営のアパートタイプの宿やペンションも多く、リゾート地の割にリーズナブルな宿泊費も魅力的です。
サグレシュ観光のモデルプラン
公共交通機関でサグレシュを訪れる場合、その本数の少なさから自然とスケジュールが制限されます。
ラゴスからの直行バスで、サン・ヴィンセントゥ岬まで最初に行ってしまい、その後にサグレシュの中心街へ戻るプランがおすすめです。
- 10:30ラゴス出発
- 11:25サン・ヴィセントゥ岬到着
- 11:55サン・ヴィセントゥ岬出発
- 12:05サグレシュ到着
・他の観光スポットやビーチをまわるorバスを乗り換えてラゴスに戻る
サグレシュ観光の最大のハイライトであるサン・ヴィセント岬ですが、正直灯台があるだけなので、何時間も居たところですることがありません。
(切り立った崖の上なので、ビーチへもアクセス不可能)
午前中の数時間で岬への移動&観光を済ませ、午後はサグレシュ中心街近くの見どころ(要塞やビーチ等)を訪れるか、そのままラゴスに戻って観光するのがいいと思います。
このエリアの観光拠点となるラゴスからは、様々な現地ツアーが催行されていて便利。ボートトリップやカヤッキングなどのアクティビティーはもちろん、ユーラシア大陸最南西端のサグレシュや神秘的なベナジル海中洞窟へのデイトリップに参加することも可能です。
おわりに
ポルトガル南部・アルガルヴェ地方を訪れるなら絶対に訪れたい「最果ての地」・サグレシュを紹介しました。
ビールのブランド名になるほどポルトガルではポピュラーな場所ですが、その遠さからか実際に訪れたことがあるポルトガル人は意外にも少ないという穴場スポットでもあります。
定番のロカ岬だけでなくサン・ヴィセントゥ岬も訪れれば、大陸最西端の国・ポルトガルの端っこを全て制覇できたことに。
人とはちょっと違う場所に行ってみたいという人は、ぜひ足をのばしてみてはいかがでしょうか。
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