こんにちは!ポルトガルの首都、リスボン在住ののぶよ(@nobuyo5696)です。
海外旅行でレストランに入るときって、なんだか緊張しますよね。
国によって異なる食事のマナーや注文の仕方。
言葉が通じない国のローカルレストランなんて、なおさらためらってしまいます。
リスボン在住ののぶよですが、最初のころは言葉もあまりわからず、レストランのシステムも知りませんでした。
なので、英語が通じそうなお店やファストフードばかりを選んでいました。
しかし、これだけは言えます。
せっかくポルトガルに来たのに、ローカルなレストランに挑戦しないのはもったいない!
日本だって、チェーン店よりも地元の人が集まる食堂やラーメン屋の方が美味しいことが多いですよね。
ポルトガルでもそれは同じです。
美味しいポルトガル料理を味わうには、観光客向けのお高いレストランよりも、ローカルに人気のレストランが断然おすすめ。
本格的で、ポルトガルらしい気取らない料理を安く食べられます。
ポルトガルではTasca (タスカ)と呼ばれる、庶民的ななローカルレストラン。
今回の記事では、ポルトガルでタスカを利用する際に知っておきたい、食文化や食事のシステムを紹介します。
ポルトガルのレストランでの食事の流れ
入店 (Entrar no restaurante)
ポルトガルのローカルレストランへの入店時に旅行者が戸惑うのが、誰も入口まで来て案内してくれないことです。
客であるこちらから動かないことには、一生立ち尽くすこととなります。(笑)
レストランに入店したら、遠慮せずに好きな席についてしまって大丈夫です。
その時に、「ボン・ディア “Bom dia”」(午後は「ボア タルドゥ “Boa tarde”」)と挨拶するのがベター。
メニュー選び (Escolher o prato)
↑実際の手書きの日替わりメニューはこんな感じ。うん、読めない(笑)
しばらく待っていると、店員がメニューを持ってきてくれます。
メニューは
・Sopa (スープ)
・Entrada (前菜)
・Carne (肉料理のメイン)
・Peixe (魚料理のメイン)
・Sobremesa (デザート)
・Bebida (飲み物)
の順で書かれていることが多いです。
注文の際にはスープ~メインまでの注文でOK。
デザートは食後に改めてききに来てくれます。
ローカルレストランに行ったならぜひ挑戦したいのが、日替りメニューであるPrato do dia。
その名の通り日替りのメイン料理が用意されていて、スープ、デザート、飲み物、コーヒーが全てついていることが多いです。
店によっては、数種類のPrato do diaが用意されていて、好みでメイン料理を選ぶことができる場合も。
Prato do diaの内容は、メニュー内に手書きで書かれていたり、壁に貼られていたりと店によってさまざま。
わからなければ店員に聞いてみましょう。
有料の前菜とパン (Entrada e pão )
注文を終えるとすぐに、飲み物と一緒に前菜のオリーブとパンが提供されます。
たまにチーズがついていることも。
注意したいのが、これらは有料である点。
といっても全部合わせて1€や2€ほどですが。
必要なければ、この時点で断ってもいいですし、食後まで手を付けなければお会計時に加算されることもないのでご安心を。
飲み物 (Bebida)
昼食、夕食にかかわらず、食事の際にはアルコールをたしなむ人がほとんどのポルトガル。
仕事の休憩時間で食事をする人でさえ、普通にワインを飲んでます。(笑)
おすすめはVinho da casaと呼ばれるハウスワイン。
赤、白のうち好きな方を選べます。
あまりいいワインを期待してはいけませんが、安価でそれなりのクオリティーのワインが飲めるのがポルトガルの素晴らしいところ。
先ほど紹介したお昼のセットメニューであるPrato do diaに含まれている飲み物は
・Copo de vinho (グラスワイン)
・Imperial(グラスビール)
・ソフトドリンク類
のみのことが多く、大きいサイズのものを注文すると追加料金がかかるのでご注意を。
そして、ほかのヨーロッパ諸国同様にお水は有料のミネラルウォーターとなります。
スープ (Sopa)
しばらくすると、スープが運ばれてきます。
ポルトガルではメインとは別に前菜一皿を注文するのはまれ。
基本的にみんなスープで済ませます。
いろいろな種類のスープがありますが、ポルトガルのスープはどれも絶品!
せっかくなので挑戦してみるのがいいでしょう。
メイン + 選べるサイドメニュー (Prato e acompanhamento)
スープの次はお待ちかねのメイン料理。
素材の味を生かした素朴な味付けのポルトガル料理を十分に堪能してください。
基本的に、メインにはサイドメニュー (acompanhamento) が添えられます。
・Arroz (ご飯)
・Batata frita (フライドポテト)
・Batata cozida (茹でたじゃがいも)
・feijão (いんげん豆の煮物)
・Salada (サラダ)
などの中から注文時に選ぶこととなりますが、少しくらいのわがままを聞いてくれることがほとんど。
「ご飯とポテト半々」「ポテトとサラダと豆もほんの少し…」など、好みに合わせて頼んでみましょう。
ポルトガル料理のサイドメニューのArroz (ご飯)は、日本のようなお湯だけで炊く白ご飯ではありません。
粒長のお米にオリーブオイル、ニンニクやブイヨンを入れて炊く独特な風味が魅力の、いわば「ポルトガル風炊き込みご飯」(具は入ってないけど)。
ポルトガル料理には欠かせないサイドメニューです。
デザート (Sobremesa)
↑梅をまるごと使ったチーズケーキのはちみつがけ。おいしくないわけがない。
ポルトガルのデザートは基本的に甘くて量が多めです。
甘いものが得意でない人は飛ばしてコーヒーに行ってしまっても構いません。
飾り気のない素朴さが魅力のポルトガルスイーツ。
ほとんどのレストランでは自家製なのも驚きのポイントです。
コーヒー (Café)
デザートと一緒に頼む人もいるにはいるものの、基本的にはデザートとは別でコーヒーを飲むのがポルトガル流。
単に”café”というと、濃~いエスプレッソのショットが出てくるのがポルトガル。
ローカルはこれにたっぷりの砂糖を入れて、クッと飲み干します。
基本的にエスプレッソ以外のコーヒーは邪道と考えられているポルトガルですが、濃いコーヒーが苦手ならば他のコーヒーを頼むことももちろん可能。
ポルトガル風カフェラテとも言えるガラオン (Galão)は、エスプレッソにたっぷりのホットミルクが入った優しい味。
大きなグラスで提供されます。↓
他には、ポルトガル風アメリカンコーヒーであるアバタナード(Abatanado)は、エスプレッソをお湯で薄めたものなので飲みやすいです。
お会計 (Conta)
旅行者にとって一番の難関ともいえるお会計。
ポルトガルでは、レストランによってお会計システムは異なります。
テーブルで、“A conta, faz favor” (お会計お願いします) と店員に言えば、お会計をテーブルまで持ってきてくれることが多いですが、ここはポルトガル。
かなりの時間を要することがあります(笑)
シンプルかつスムーズなお会計の方法は、自分でレジまで行ってお会計をしてもらうことです。
前菜に手を付けていない場合は、その分の料金が含まれていないことを確認しましょう。
また、ポルトガルでは、値段はすべて税込みです。
注文時にメニューに書かれた値段がそのままお会計の値段となります。
クレジットカードでの支払いを受け付けているローカルレストランはまだまだ少数派。
現金
Multibancoと呼ばれるキャッシュカード
のみ対応であることが多いです。
まれに、お会計時に自分が注文したものを申告するシステムの超ローカルレストランもあります。
おばちゃんが筆算で合計金額を計算するという、21世紀とは思えないようなシステムが健在なヨーロッパの国を、のぶよは他に知りません。
良心にゆだねられたこのシステムは古き良きポルトガルのスタイル。
このシステムを守り抜いているレストランに出会ったらラッキーです。
でも、正直に自己申告してくださいね!
もっと知りたい!ポルトガルのレストランカルチャー
ポルトガルのローカルレストランで予約は必要?
ポルトガルでは、高級レストランを除いて事前に予約しておく必要はありません。
というか、ローカルレストランでは予約なんて受け付けていないところがほとんど。
人気のレストランや食堂は満席になることもありますが、ここはポルトガル。
気長に待ちましょう。(笑)
ポルトガル人は何時くらいに食事をするの?
「スパニッシュタイム」という遅い食事時間 (夜10時から夕食なんてザラ) で有名な隣国・スペインに比べると、ポルトガルの食事時間は概して早めです。
とはいっても、ヨーロッパ最西端に位置するポルトガルは日が長いため、西ヨーロッパ諸国に比べると食事の時間は遅めに感じられるかもしれません。
それぞれの食事の時間の目安としては、
朝食 (Pequeno almoço):起床~10時
昼食 (Almoço):13時~15時
夕食 (Jantar):20時~22時
昼食と夕食の間にランシュ(Lanche)と呼ばれる、甘いお菓子とコーヒーのおやつをとる人も多いです。
食事の量は多い?
多いです!(笑)
「本当にこれ一人前?!」と聞き返したくなるほど。
二人以上でレストランを利用する場合、メインを一皿頼んで複数人でシェアするという手もあります。
別々にたっぷりの量のメインを頼むよりもさらに安く済むのでおすすめです。
一人での利用なら、メニューによっては“Meia dose”というハーフサイズを注文できることもあるので、店員に確認してみましょう。
ただし価格は半額ではなく、フルサイズより2~3割安いくらいであることがほとんどです。
ポルトガルでチップは必要?
ポルトガルでは、チップ制度は基本的にありません!
高級レストランだったり、よほど良いサービスを受けない限りはチップを置いていく必要はありません。
もちろん感謝の気持ちとしてチップを置いていくと喜ばれますが、その際でも1~2ユーロの小銭で十分です。
5ユーロ以上のお札を置いていく人なんて存在しません。
おわりに
英語が通じにくく、メニューに写真がついていることもほぼないので上級者向けと思われがちなポルトガルのローカルレストラン。
しかし言葉がわからなくても、ボディーランゲージなどでなんとかコミュニケーションがとれますし、辛抱強くこちらを理解してくれようとする人も多いのがポルトガル。
最低限のレストランカルチャーを知った今、迷うことなくポルトガルのローカルレストランにチャレンジできるのではないでしょうか。
素敵なお店を発見したり、素朴なローカルの食生活を垣間見られるはず!
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