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新型コロナ終息後に、海外で日本人が立ち向かわなければならないもの

えでぃとりある × さぼわーログ

こんにちは!海外在住7年目、現在は世界半周中ののぶよ(@taisuke5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)

現在、世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルス

ウイルス感染への恐怖が人々の間に広がっており、世界中でこれまでの日常生活とはかけ離れた日々を送っている人が多くいます。

いまだに収束する気配が見えないのが現状ですが、いつかは人類がウイルスに打ち勝つ日が来るでしょう。
これまで何度もそうしてきたように。

時期尚早かもしれませんが、コロナ終息後にこの世界がどうなっていくのか考えてみましょう。

これまでのように誰もが簡単に国境を越えて移動し、旅をすることができる状況が戻ってくることは間違いありません。

しかし、いざコロナウイルスが終息した際には、私たち日本人が立ち向かわなければいけないことがあります。

それは、コロナウイルスによって炙りだされた、人種差別という深い問題です。

このカテゴリー・さぼわーログでは、海外在住日本人が考える日本というテーマで記事を書いています。

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新型コロナがあぶりだした、「人権大国」欧米諸国での差別意識

中国が発生源とされている、今回のコロナウイルスのパンデミック。
流行当初は中国本土から東アジアや東南アジアなど近隣の国に広がっていました。

当時、アメリカやヨーロッパでは、その危機が自分たちの身近にやってくると考えていた人はおそらくごくわずか。

しかしながら、グローバリズムの発展は、皮肉にもウイルスのグローバル化を加速させることとなりました。

アジア圏でのみ流行していた数週間の間は、欧米圏では完全に他人事。
「アジアの遠くの方で未知のウイルスが出てきたらしい」とは知っていても、何ら対策もしないままに感染拡大を迎えることとなりました。

イタリアやフランスなど西ヨーロッパ諸国で初めての感染者が確認された際に、アジア人に対する「コロナ差別」が大きな問題となりました。

・アジア系観光客が罵声を浴びせられる
・留学生が暴力を振るわれる
・アジア系レストランに人種差別的な落書きがされる

など、欧米のアジア人社会の中では、コロナウイルス自体よりも、それによってもたらされる人種差別の方がより身近な問題だったのです。

日本ではいまだに「欧米=成熟した民主主義=人権意識が高い」とする風潮があるでしょう。

しかしながら、普段は人権がどうこうと言っている西ヨーロッパや北欧の国々でさえ、アジア系(やその他自国以外の出身者)の人々に対する差別意識は完全に無いわけではありません。

コロナウイルスがきっかけで、その差別意識が目に見える形で現れるようになった。
つまり、コロナウイルスが、欧米圏の人々の心の底で眠っていた潜在的な人種差別意識をあぶりだしたと言ってもよいのではないでしょうか。

一つ断っておきたいのは、「欧米の人々=みんな差別意識がある」と言っているわけではない点。

差別意識なんて全く持っていない人が多数派の国が多いでしょうし(そうであることを願います)、差別主義者は国や地域を問わずどこにだっています。もちろん日本にも。

普段はおそらく少数派であろう、欧米圏の人種差別主義者が、「アジアからもたらされたコロナウイルス」という大義名分を得たことによって、差別をするもっともらしい理由を得たと考えるのが正しいと思います。

「チャイナウイルス」呼称がNGな理由

ヨーロッパでのアジア人差別が話題になりつつあるうちに、イタリアを中心としたパンデミックが起こり、人々の関心は差別よりもウイルスの感染を防ぐという方に移ってしまいました。

ヨーロッパで爆発的に感染者が増えていたころと同時期のこと。
1ヶ月前のヨーロッパ諸国のように高みの見物をしていたアメリカでは、国のトップである大統領が「武漢ウイルス」や「チャイナウイルス」という呼称を使用したことが大きな話題となりました。

日本国内でこの事実がどう報道されていたのかわからないのですが、知る限りでは、

「中国から来たウイルスだから当たり前の呼び方」
「WHOは中国のイメージを悪くしないために全く関係のない呼称を用いている」

という意見も見られたようです。

個人的には、アメリカ大統領が「チャイナウイルス」という呼称をしたことがとても衝撃的でしたし、アメリカという国の本質が理解できたと思っています。

多民族国家・アメリカでは、「白人・黒人・アジア人などいろいろな人種の人が仲良く暮らしている」というイメージを持つ日本人も多いのかもしれませんが、実際は真逆でしょう。

アメリカの大部分、特に人口の半分以上を占める地方部では、人種差別はかなり根強い問題となっていますし、想像を絶するような格差社会・分断社会であると理解しています。

そんな中で、一国のトップが特定の国の名前を、ウイルスというネガティブなものと結びつけたことが問題なのです。

「チャイナウイルス」という呼称が国民の間で定着してしまえば、中国系の人々に対するネガティブなイメージに結びつくのは誰もがわかること。
それがすでに存在している人種差別をより強いものとしてしまう可能性はかなり大きいでしょう。

「でもそれは中国人や中国系の人に対してであって、日本人には関係ない」
と思うのは完全に間違っています。

なぜなら、「中国」と言ったところで、多くの人々がイメージするのはアジア系の容姿を持つ人々なため。

日本人だろうと韓国人であろうと関係ありません。
私たちは皆「チャイナウイルス」の人達としてカテゴリー分けされてしまうのです。

最も分かりやすい例が、2014年にアフリカで大流行したエボラ出血熱に対する私たちの認識。

2014年当時、この病気がどの国で多くの犠牲者を出したか、正確に覚えている人はいるのでしょうか。

実際は、リベリア、シエラレオネ、ギニアの西アフリカ3国が主な流行地でした。
東アフリカや南アフリカ地域、サハラ砂漠以北には広がっていませんし、なんならギニアのすぐお隣のギニアビサウという国でも感染者すら出ていません。

そんなこと、自分でちゃんと調べるまで知りませんよね。
実際に自分も西アフリカでパンデミックとなったことは覚えていても、その中のどこの国かまでは覚えていませんでしたから。

50ヵ国以上あるアフリカのたった数か国の狭い範囲で蔓延した病気なのに、私たちの中では、「エボラ出血熱=アフリカの病気」と、大きすぎるカテゴリーで理解している人もいないとは言えないでしょう。
(それによるアフリカ人差別の有無はここでは置いておきます。)

「チャイナウイルス」も、これと全く同質の問題です。

欧米では、東アジア(+東南アジア)の各国をしっかりと識別できる人はかなり少数派です。
私たちのほとんどが、アフリカ諸国それぞれをきちんと知らないように。

「チャイナ=アジア系全員」という認識の人はかなり多いのが現実。

これ自体は差別でもなんでもなく、人口の多さや国際社会での存在感を考えれば仕方のないことです。
しかし、その「アジア系」を示唆する表現がウイルスの名前に使われてしまったら、それが私たち日本人にも不利益をもたらすことは言うまでもありません。

「人権大国」欧米諸国の価値観は変わらずにいられるのか

一般的に保守的だと言われる私たち日本人ですが、一応グローバリズムの波に乗って、国際化する社会の中で存在感を維持し続けてきました。

欧米圏発の男女平等の概念やエコに対する意識など、いまだ完璧ではないとはいえ、民主主義国家としてそれなりに成熟した社会を築くことに成功した国だと思います。

そんな日本がお手本としてきた欧米諸国を揺るがしている、今回のコロナウイルスのパンデミック。
医療崩壊寸前の地域や、買い占めによって日常生活に多くの支障が出ている町などのニュースが、日々タイムラインをにぎわせています。

個人的に、欧米諸国で人権意識が成熟したとされている理由の一つは、経済的・精神的な余裕があるからだと考えています。

自分に余裕がなければ、他人に優しくすることはできないでしょう。
逆説的に言えば、自分に余裕がなければ、自分のことだけを考えるようになるのは当たり前のことです。

コロナウイルスで大混乱に陥ったヨーロッパの現状を見ていると、どう考えても他人のことを思いやる余裕が人々にあるという状態ではありません。

多くの国でロックダウン(都市封鎖)となっているため、外出すら自由にできない人が多いです。
精神的にいっぱいいっぱいになっている人も相当数居るでしょうし、経済的に苦しくなるのはコロナがある程度抑えられてからのことでしょう。

先が見えない状況ではあるものの、きっといつか病気は終息する日が来るでしょう。
各国が都市の封鎖を解除し、国境を開き、航空便が再び運行され、誰もが以前のように自由に移動できるようになることだと思います。(そう信じたいです)

状況が一応の収束を見せた後には、これまでと同様に、もしかしたらこれまで以上に多くの旅行者が欧米圏へと旅をするようになるでしょう。

そこで一つ気がかりなのは、これまで(一応は)人種差別など感じさせることなく他国からの旅行者を受け入れてきたヨーロッパ諸国の人々の価値観は、以前と同じレベルに戻るのかという点。

コロナウイルスによって多くの人が亡くなっていますし、遺族の中には「ウイルスさえ来なければ…」と何かに(誰かに)怒りをぶつけたい人だって居ると思います。

病気に関しては、どうしても自然発生してしまうものなので、その発生源の国や国民を責めるのはお門違いというもの。(初期対応に関しての批判が向けられるのは当然でしょうが)

頭でそうだとわかっていても、やり場のない怒りや憎しみというものは時にそんな理性を凌駕します。

アジア系の風貌をした旅行者が楽しそうに写真をとったりしているのを見て、「ウイルスを持ち込んだくせに」「お前らのせいで家から出られなかった」と怒りの気持ちを覚えたり「また何かウイルスを持っていたらどうしよう」と恐怖の気持ちを覚える人もいるかもしれません。

「日本人だから大丈夫」という考えは、本当に改めた方がいいと思います。
このブログでも何回か書いていますが、「日本人=差別されない」というのは、幻想でしかありませんから。

コロナ終息後に海外で日本人が立ち向かわなければならないもの

現在世界中で脅威となっている最中ではあるものの、コロナ終息後に世界が(欧米圏が)どうなっていくのか考えてみました。

もうお分かりかもしれませんが、今回の記事のタイトルである「コロナ終息後に、日本人が立ち向かわなければならないもの」は、不当な人種差別です。

残念なことに、私たちが考えているほど、世界は優しさで溢れてはいません。
私たち一人一人が、自分たちも差別の対象となりうるということを理解し、そんな状況を変えるための行動につなげなければならないのではないでしょうか。

個人的に恐れているのは、「海外に行って人種差別されるのが怖い→だから行かない」という内向きな考え方の人が、日本で増えてしまうこと。

もともと興味がないのなら、行かなくて結構なのですが、せっかく興味を持っているのに、「人種差別されることへの恐怖」のせいで、その気持ちに蓋をしてしまのはすごくもったいないと思います。

常々考えているのですが、実際にこの世界に存在している人種差別を知りつつも何もしないままでは何も変わっていきません。

数十年前の南アフリカやアメリカでは、黒人差別に対して当事者の人々が声をあげることで状況が大きく変わりました。

それをお手本に、まずは私たち一人ひとりが、自分たちに対する差別が存在することを意識し、不当な扱いには声をあげ、抗議していかなければなりません。

それが、私たちの後の世代に人種差別という負の遺産を残さないことにつながっていくのですから。

もし自分が海外で差別にあったら、あなたはどうしますか?
このカテゴリー・さぼわーログでは、海外在住日本人が考える日本というテーマで記事を書いています。

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