こんにちは!アルメニアに5ヶ月滞在した、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
アルメニアを訪れた旅行者は「なんだか時が止まっているみたい…」という感想を持つ人が多いのだそう。
まるで昔話の世界を再現したかのような地方部の風景や、ソ連時代から変わらない都市の雰囲気などがそう思わせるのかもしれません。
そんなアルメニアの中でも最もレトロ感が感じられるのは、北部のロリ地方にあるアラヴェルディ(Alaverdi / Ալավերդի)という町だと思います。
およそ200年前のロシア帝国支配時代から銅鉱山の採掘で栄えたアラヴェルディ。
ソ連時代には大規模な都市開発が行われてソ連風の町並みが造成され、多くの労働者で賑わって繁栄を極めた歴史を持ちます。
しかしながらつい3年ほど前に町の経済を支えてきた鉱山は閉鎖され、町からは人口がどんどん流出…
世界中の鉱山で栄えた町と同様の運命をたどりつつあり、どうしようもない場末な雰囲気がソ連時代そのままの町並みにただよっています。
こうした雰囲気が好きなのぶよのような旅行者にとっては、ワクワクして仕方がないのがアラヴェルディ。
町の人たちもアルメニアの地方部の例に漏れずコミュニケーション能力お化けで、絶妙な居心地の良さがクセになります(そういうわけで1週間以上いた)。
デベド渓谷の谷底部分に位置することもあり、独特の地形に広がる町並みが見られるのも◎
周辺には世界遺産の修道院も点在しているので、観光地としてのポテンシャルも低くない気がするのですが…なぜか旅行者はほとんどやって来ません。
ならば、のぶよがひと肌脱いでやりましょう!
というわけで、今回の記事はアラヴェルディの観光情報を徹底的に解説するもの。
デベド渓谷北部エリアの観光拠点としては、これ以上ないほどに便利な場所にあるアラヴェルディ。
ここから近郊のスポットへはすべて個人&公共交通でアクセスできるので、ぜひとも日程に余裕をもっての滞在を!
アラヴェルディ市内の観光スポット
アラヴェルディ観光マップ
オレンジ:オズン行き/サナヒン行きバス停
赤:おすすめレストラン
紫:おすすめ宿
青:見どころ
サナヒン橋 世界遺産!
アラヴェルディ市内で一番の(そして唯一の)観光スポットといえば、サナヒン橋(Sanahin Bridge)。【マップ 青①】
長さ60mの石橋は12世紀後半に完成したもので、なんと800年前のオリジナルだそう。
その歴史的価値が重要視され、UNESCOの世界遺産に登録されています。
サナヒン橋最大の特徴であるアーチ部分は、直径18mの半円形。
800年前に造られたとは信じられないほどに完璧な曲線を描いています。
当時は、アラヴェルディ中心街の南側の崖の上にあるサナヒン修道院が黄金時代を迎えていたとき。
デベド渓谷の谷底から崖の上へと巡礼に訪れる人たちのために、橋が建設されたのではないかと考えられています。
実は、サナヒン橋が建設された際の設計図は発見されておらず、どんな技術を用いたのか不明な点が多いのだそう。
建設過程などが分かっていないため、むやみに修繕することもできずに現在に至っているサナヒン橋。
川の氾濫や地震などを乗り越えて、800年前の姿を奇跡的に残している橋だと言えます。
銅鉱山
アラヴェルディがソ連時代に町として開発されることとなった最大の要因が、中心街東側にある銅鉱山の存在。 【マップ 青②】
ここロリ地方がロシア帝国の支配下に入った18世紀後半(230年前)には、すでに銅の採掘が始まっていましたが、 19世紀後半(150年前)に銅鉱山がフランス企業に売却されたことをきっかけに、技術の近代化・工業化が一気に進みます。
その後、1921年にアルメニアがソ連統治下に入ると、銅鉱山の周辺を大規模に都市開発する計画が持ち上がりました。
こうして出来上がったのが、谷底に広がるアラヴェルディ中心街と、崖の上に広がるサナヒン地区というわけです。
ソ連時代にアラヴェルディの町が造られると、町は多くの鉱山労働者で賑わって繁栄を極めます。
ソ連時代には住人のほとんどが鉱山関係の職に就いていたそうですが、1991年のソ連崩壊に伴う財政難&採掘量の減少のあおりを受け、鉱山の規模はどんどん縮小されていきます。
そして2018年にはとうとう完全閉山。
鉱山頼みだったアラヴェルディの町の経済はどん底になり、住人の多くが職を失うこととなります。
ソ連時代末期の1989年には2万6千人の人口を誇ったアラヴェルディですが、2016年には1万1千人に。30年足らずで半分以下に減少してしまったそうです。
銅鉱山閉山後は観光業に力を入れようとしていた矢先、2020年のコロナウイルスの蔓延とナゴルノ=カラバフ戦争のダブルパンチを受け、町の経済はさらに悲惨なことに…
多くの住人がエレバンやヴァナゾルなど他の都市へ出稼ぎに出てしまい、空き家となった集合住宅や公共施設だけが残されました。
アラヴェルディの栄光の歴史と衰退の象徴である銅鉱山。
敷地内への立ち入りは禁止されていますが、ここで廃鉱山ツアーなどを開催しようとする計画もあるそうです。
この死んだような町の風景を目の当たりにしてしまうと「果たして人々の生活は大丈夫なのか?」と心配になってきますが、アラヴェルディの人々はとにかく気さくで前向き。(少なくともよそ者に対しては)
毎日昼間っから謎の食堂で溜まっているおじさんたちは、「仕事…?んなもんねえわい!ガハハハハハッ!(ウォッカぐびっ)」という感じでした。楽しそうでなによりではありますが…
アラヴェルディ教会
鉱山エリアにたたずむアラヴェルディ教会は、中心街で唯一の祈りの場として機能している場所。 【マップ 青③】
周囲の建物がことごとく廃墟となっている中で、教会だけはちゃんと手入れされているように見えます。
教会の周辺には、かつての町の中枢であった行政機関の建物や、ショッピングセンター跡などがありますが、いずれも廃墟となっています。
ロープウェイ
かつては、谷底に位置するアラヴェルディ中心街と崖の上に位置するサナヒン地区を結ぶロープウェイが頻繁に走っていたそう。 【マップ 青④】
平地が少ないアラヴェルディ中心街ではどうしても住宅の建設用地が限られるため、平坦なサナヒン地区に住んでいた鉱山労働者も多かったのです。
そんな彼らにとっては欠かせない市内交通が、このロープウェイでした。
つい数年前までは、現役の市民の足として動いていたロープウェイですが、故障してそのまま放置された状態。
修復の目途はいっさいたっておらず、市民の間では「おそらくもう使われないだろう」と噂されています。
アラヴェルディ中心街のどこからでも見える宙ぶらりんのゴンドラは、この町の隠れたシンボルと言えるかもしれません。(いつ落ちてきてもおかしくない気がするけど…)
バザール
アラヴェルディ中心街西側の一角には、こじんまりとしたバザール(市場)があります。【マップ 青⑤】
「バザール=多くの人が集まって喧騒と活気に満ちた空間」のイメージとは裏腹に、この死にゆく町のバザールには活気はほとんどなし。
やる気ゼロを極めたようなお店の人たちの感じも含めて「ああ…ソ連だ…」と感じるはず。(のぶよはソ連知らない世代なのでイメージですが)
ソ連時代には、エレバン~トビリシを結ぶ道の中継地点としてもにぎわったアラヴェルディ。
その中心となるバザールはかつては様々な物資で溢れていたそうですが、いまや見る影もないほどに廃れてしまっています。
跨線橋(絶景ポイント)
バザールから小道を抜けたところには線路を越えるための跨線橋があり、ここからの眺めはのぶよ的にアラヴェルディ中心街でNo.1。【マップ 青⑥】
不思議な形の岩山(かつての銅鉱山)に抱かれるようなアラヴェルディの町を一望することができるのです。
中心街方面の反対には、切り立った山々に挟まれたデベド渓谷の風景が広がります。
アラヴェルディ中心街
デベド川沿いに広がるアラヴェルディ中心街は、幹線道路沿いに数百メートルほど商店(どれも開いているのか閉まってるのか謎)が連なるだけのこじんまりしたもの。【マップ 青⑦】
特に見どころがあるわけではありませんが、町で一番大きなスーパーマーケット(とはいえ品数は限られている)や、バスステーションの役割を果たしている広場などがあります。
スーパーマーケットでは、なんとあの「きのこの山」そっくりなお菓子が量り売りされていました ▼
それ以外には、肉屋や両替所、携帯ショップに八百屋…など、旅行者に必要な施設は最低限そろっています。
アラヴェルディはどのエリアも人影が少なくて心配になってしまいますが、中心街にはいつも人の姿があってなんだか安心。
外国人が珍しいこともあるのかとにかく話しかけられるので、人恋しくなったら行ってみましょう(笑)
アラヴェルディ近郊の観光スポット
市内の見どころこそ限りがあるアラヴェルディですが、デベド渓谷北部エリアに点在する数々の見どころへのアクセス拠点としてはとても便利な町。
ここでは、アラヴェルディから個人で日帰り可能な見どころを一挙紹介していきます。
サナヒン修道院 世界遺産
千年前からデベド渓谷を見守り続けて来た世界遺産のサナヒン修道院。
美しいガヴィト(拝廊)の地面には墓石がずらりと並んでいて圧巻。建物への光の入り方まで計算しつくされた傑作です。
ハフパット修道院 世界遺産
デベド渓谷観光で文句なしのハイライトとなるハフパット修道院。
当時の建築技術をすべて注ぎ込んだような空間には感動。まるで呪われているようなミステリアスな歴史も見逃せません。
アフタラ修道院
聖堂内のフレスコ画が有名なアフタラ修道院も、デベド渓谷のシンボル。
ジョージアとアルメニアの様式が見事に融合した断崖絶壁の聖地では、ティムール朝襲来時の伝説も語り継がれています。
ミコヤン兄弟ミュージアム
サナヒン村出身のミコヤン兄弟の功績を讃えた小さなミュージアム。
ソ連時代の生活や社会、航空機に関する展示が充実しており、好きな人は必見です。
世界遺産トレイル
サナヒンとハフパット、二つの世界遺産修道院をつなぐトレッキングコースは、2020年にオープンしたばかり。
デベド渓谷のダイナミックな絶景の中を歩くことができます。
コバイル修道院
まるでジブリ映画のような異世界感ただよう廃修道院は、デベド渓谷観光の隠れたハイライト。
美しいフレスコ画や渓谷の絶景には感動間違いなし!
ホロマイリ修道院(下院)
700年前から断崖絶壁に建つ入修道院は、徒歩でしかアクセス不可の穴場中の穴場。
長い歴史に育まれた聖地は、人工物と自然がせめぎ合っているような不思議な雰囲気です。
ホロマイリ修道院(上院)
断崖絶壁にたたずむ小さな修道院は、絵画から飛び出してきたような光景。
内部の造りも独特で、敷地内からはもちろん絶景が。現役の聖地として人々が訪れます。
山羊の谷トレイル
コバイル~ホロマイリ(下院)~オズンを結ぶ、アクティブ派におすすめのトレック。
絶景を眺めながらの4時間は素晴らしい思い出になるはず。野生の山羊にも出会えるかも?
アルドヴィ
聖人伝説が根付く小さな村は、パラジャーノフ監督の「ざくろの色」のロケ地で有名。
地元では「絶対に腐らない」と言われる魔法の水が湧く大岩「オジ・ポルト」も必見!
オズン教会
左右対称の男性的な造りが特徴的な教会は、デベド渓谷でも最古の建造物のひとつ。
まるでRPGの世界から飛び出してきたようなたたずまいは見る者を圧倒します。
聖なる谷トレイル
アルドヴィ~ホロマイリ(上院)~オズンのトレイルはこの地域の伝統が感じられるもの。
断崖絶壁の祠や緑あふれる大地、ぽっかりと口を開けた渓谷の風景に感動!
アラヴェルディのおすすめレストラン
アラヴェルディ中心街の飲食店の数には限りがあります。
かつてはもっとあったそうですが、銅鉱山の閉鎖や2020年のナゴルノ=カラバフ戦争、コロナウイルスのパンデミック等で多くが廃業してしまったそう…
裏をかえせば、現在アラヴェルディで生き残っているお店は地元の人から支持されているということ。
ここでは、アラヴェルディ滞在中に足を運びたいおすすめのレストランを2軒紹介します!
ビストロ
のぶよがアラヴェルディに滞在していた1週間、ほぼ毎日欠かさずに通っていたビストロが、中心街のスーパーマーケット入口付近にあるこちら。
「ビストロ」と聞くとお洒落なイメージを持つかもしれませんが、アルメニアで「ビストロ」と言うと庶民的な食堂を指します。
民家の一部を改装したようなこじんまりとしたお店で、内部にはカウンター席があるのみ。
屋外にはテーブルがいくつか出ており、おじさんたちの溜まり場のようになっています。(行くと必ずウォッカ飲ませてくる)
ビストロのメニューは、ホロヴァツ(BBQ)やシャウルマなど定番のファストフードから、自家製の漬物やチーズ、ソーセージなどのおつまみ系まで。
肉類はすべて炭火のBBQマシンでじっくりと焼き上げてくれます。
中でもおすすめなのが、ひき肉を棒状に固めたものをグリルしたキャバブ(650AMD=¥156) ▼
このお店のキャバブが、アルメニアで食べた中で最も肉汁ブシャァァで絶品!
たっぷりのハーブと自家製のソースの甘辛い風味と見事にマッチしていて、中毒性が半端ないです。
キャバブ以外の食べ物の価格もエレバンの3分の2ほどとリーズナブルですし、果てしないローカルな雰囲気も◎
アラヴェルディ滞在中に一度は挑戦してみてください!
Restaurant Atorik
アラヴェルディ中心街から東に5kmほどの場所にあるAtorikというお店は、地元で知らない人ははまずいないほどの有名店。
内装はロリ地方の伝統的なデザインがテーマとなった温かみのある感じ。
個室が基本となりますが、夏場はデベド川に面したテラス席も開放されるそうです。
一見すると、ちょっとお高めなレストランなのかと感じてしまいますが、値段はとてもリーズナブルです。
Atorikのメニューは、前菜やスープから定番のホロヴァツ(アルメニア風BBQ)、トルマやボズバシュなどのアルメニア料理の定番が多くそろっています。
同時に、ロリ地方の名物グルメも文句なしの品ぞろえ。
のぶよはアラヴェルディ滞在中に3回もAtorikを訪れましたが、さすがは地元の人に支持され続けているだけあるというもの…何を食べても美味しかったです。
店の人も気さくな雰囲気で(英語は全く通じませんが)、一人でも気持ちよく対応してくれた点も◎
アラヴェルディ中心街からはやや距離がありますが、わざわざ足をのばす価値大だと思います!
(ハフパット修道院への分岐点近くに位置しているので、修道院観光の帰りにマルシュルートカを途中下車して立ち寄るのがおすすめ!)
アラヴェルディの市内交通・他都市間アクセス情報
アラヴェルディの市内交通/都市間交通のハブとなるのが、中心街ど真ん中にあるバスステーション(らしきもの)【マップ 黄色】
なぜ「らしきもの」かと言うと、ここは正式なバスステーションではなくただの駐車場のようなスペースであるため。
バスステーションの建物などは存在せず、チケット売り場もありません。
この項では、アラヴェルディ発着の交通・アクセス関係の情報をまとめました。
アラヴェルディの市内交通
アラヴェルディの市内観光は徒歩ですべてカバーできますが、東西に細長く広がった町の移動に便利なのが市内路線バス。
また、アラヴェルディ中心街の南側の崖の上に位置するサナヒン地区へアクセスする場合には、確実に路線バスを利用することとなるでしょう。
アラヴェルディの鉄道駅前~中心街~サナヒン地区を結ぶのは、3番の路線バス。
平日は10分~30分に1本/土日は1時間に1本走っており、運賃はどこまで行っても100AMD(=¥24)です。
土日のサナヒン→アラヴェルディ方面のバスは、16:30が最終とやや早めなので、プランニングの際は気をつけましょう。
(のぶよは土曜日にこの区間の最終バスを利用しましたが、ちゃんと時間通りに来たのでご安心を。)
アラヴェルディ発着の近郊マルシュルートカ
アラヴェルディは、デベド渓谷北部エリアの観光拠点となる町。
周辺の村へのマルシュルートカ(公共ミニバス)が発着しており、主な路線は以下の通りです ▼
ハフパット行きとアフタラ行きは中心街のバスステーション(らしきもの)の発着。
サナヒン行きの市内路線バス3番とオズン行きマルシュルートカは、アラヴェルディ鉄道駅前の発着でバスステーション(らしきもの)は経由しない点に要注意。
バスステーション(らしきもの)から道路を挟んだ向かい側のバス停【マップ オレンジ】 に停車します ▼
アラヴェルディ~アルメニア他都市間のアクセス
緑:ヴァナゾル~アラヴェルディ
オレンジ:ステパナヴァン~アラヴェルディ
赤:トビリシ~アラヴェルディ
アラヴェルディ~他都市間の交通網にはやや限りがある印象で、主な区間は4路線となります。
アラヴェルディを発着する長距離マルシュルートカはすべて、中心街のバスステーション(らしきもの)の発着となります。【マップ 黄色】
【エレバン→アラヴェルディ】
エレバン発着のマルシュルートカでややこしいのが、行き先によってバスターミナルが異なる点。
アラヴェルディ行きのマルシュルートカが発着するのは、エレバン中心街の西に位置するキリキア・バスステーション(Kilikia Bus statuon / 「セントラル・バスステーション」とも呼ばれる)です ▼
アラヴェルディ便など長距離の都市間マルシュルートカが発着するのは、バスステーションの建物の西側。
行き先によってプラットホームが分かれており、アラヴェルディ行きは1番のプラットホームの発着です。
アラヴェルディ行きをはじめ、キリキアバスステーション発着の長距離マルシュルートカのチケットは、バスステーション内部のチケットオフィスで購入する必要があるので注意 。
チケットには座席番号が記載されているので、決まった席に座るようにしましょう。
(みんな結構ちゃんと番号を守っていた印象です)
【アラヴェルディ→エレバン】
アラヴェルディ→エレバン間のマルシュルートカは、アラヴェルディのバスステーション(らしきもの)からの出発。
アラヴェルディにはチケットオフィス等の設備はなく、紙のチケットもなし。
下車時に運転手に直接料金を支払うシステムです。
【ヴァナゾル→アラヴェルディ】
ヴァナゾル→アラヴェルディ方面のマルシュルートカは、ヴァナゾルのバスステーションの建物東側の広場からの出発。
チケットはバスステーション内部のチケットオフィスで、出発前に購入しておく必要があります。
【アラヴェルディ→ヴァナゾル】
デベド渓谷北部エリアの観光拠点・アラヴェルディ→ヴァナゾルのマルシュルートカは、アラヴェルディ中心街のバスステーション(的なただの広場)からの出発。
アラヴェルディにはチケットオフィス等の設備はなく、紙のチケットもなし。
下車時に運転手に直接料金を支払うシステムです。
ロリ地方の北西部の中心となる町・ステパナヴァン~アラヴェルディ間は、1日1便のマルシュルートカが走っています。
ステパナヴァンでの発着地は、中心街ど真ん中にあるバスステーションです。
マルシュルートカのスケジュールは、曜日にかかわらず固定されています。
・アラヴェルディ→ステパナヴァン:10:00
・ステパナヴァン→アラヴェルディ:10:30
アラヴェルディ~ジョージアのトビリシ間は距離的には近いものの、移動手段にはやや難あり。
二つの町を直接結ぶマルシュルートカは存在せず、トビリシ~エレバン間のマルシュルートカを途中乗車/下車することになります。
トビリシ→アラヴェルディの移動なら、マルシュルートカがアラヴェルディを通る際に途中下車すれば良いだけなので簡単。(料金はエレバンまで行った場合と同じです)
いっぽう、アラヴェルディ→トビリシと移動する場合は、事前にエレバン→トビリシを走るマルシュルートカのドライバーにコンタクトをとってアラヴェルディでピックアップしてもらわなければならず、かなり難易度が高いです。(ロシア語かアルメニア語必須)
アルメニア→ジョージアは乗り換えての国境越えも可能!
アラヴェルディからバグラタシェン(Bagratashen)というジョージア国境手前の町まで、午前中に1便のマルシュルートカが出ているそう(時間は現地で要確認)。
バグラタシェンから徒歩で国境を越えた先には、ジョージア側のサダフロ(Sadakhulo)という町があり、トビリシ行きのマルシュルートカが1時間~2時間に1本出ています。
アラヴェルディの宿情報
アラヴェルディ滞在の基本は、小規模なゲストハウスとなるでしょう。
個室が確保されているものから、ドミトリーに格安滞在できるものまで、選択肢は結構豊富です。
アラヴェルディの宿選びのポイントはただ一つ。アラヴェルディ中心街に近い宿にすることです。
崖の上に位置するサナヒン地区にもゲストハウスがいくつか点在していますが、いちいち中心街まで路線バスで移動しなければいけないのはすごく不便。
アラヴェルディを拠点として近郊の見どころへ足をのばすなら、マルシュルートカが発着するバスステーション(らしきもの)の近くの宿に泊まるに越したことはありません。
のぶよが宿泊した宿は、バスステーション(らしきもの)から徒歩10分弱の場所にあるこちらの宿 ▼
B&B Parisis
・料金:4000AMD(=¥966)
・部屋タイプ:アパート貸切
ソ連時代の集合住宅の一室を宿泊者向けに開放しているスタイルの宿で、内装は30年前から時が止まったかのようなソ連感でした。
ドミトリー用の部屋と個室が別の階にあるらしく、ドミトリーを予約したのですが他に宿泊客がいないということで個室にアップグレードしてくれました。
この個室が、寝室とリビング、キッチンまでついているアパートスタイルでとにかく快適。
そして家具や食器の一つ一つがソ連時代に集められたものという、(のぶよにとっては)宝の館でした。
他にも、シベリア鉄道で出てくるらしいグラスを入れるための容器やソ連時代に流行ったらしい謎の置物なんかも…
1週間滞在しましたが、毎日新しいお宝に出会えました。 ▼
オーナー夫婦は下の階に住んでおり、英語は一切通じないもののすごく良くしてくれたのも高ポイント。
オフシーズンで他の旅行者がいなかったための特別待遇だと思うので、常にこの部屋に泊まれるわけではないと思うのですが、宿泊予約サイト経由でも「個室」を選べばおそらくここになるはず。
ソ連感MAXのアラヴェルディという町を凝縮したようなレトロな空間に宿泊してみたい人、要チェックです!
・立地:8/10
アラヴェルディ中心街から徒歩10分弱の場所にあります。建物の前は坂道となっていますが、谷間にひらけたアラヴェルディの地形を考えると仕方ないことかも。
すぐそばに商店がありますが、品数は少なめ。
スーパーマーケットまでは徒歩8分ほどです。
・アクセス:5/10
Booking.comで予約した後、オーナーからメッセージが来て到着する時間を尋ねられます。
到着時にはオーナー夫妻が外で待っており、簡単にチェックインできました。
しかしレセプション等があるわけではないので、到着が遅れた場合などにどんな対応となるのかは不明。アルメニアで通じる電話番号を持っていないと万が一のときに路頭に迷ってしまうかも…
・スタッフ:9/10
とても朗らかなオーナー夫妻で、たった一人の宿泊客に色々と世話を焼いてくれました。
とはいえ、オーナー夫妻が住むアパートとは別なので、適度な距離感だった点も◎
(たまに夫婦喧嘩したときに、オーナーがのぶよの部屋をウォッカ持参で訪ねてきたことも(笑))
・清潔さ:8/10
建物自体はすごく古いですが、アパート内はかなり清潔に保たれていました。
寝室もリビングも掃除が行き届いており、バスルームも問題なし。
・設備:9/10
自分専用のキッチンがあったのが一番うれしかったポイント。
調理器具もまあまあ充実していて(総じてソ連時代の鍋とかですが)、自炊派でも大丈夫です。
ガスストーブが設置されているので、シーズンオフの旅行でも寒さを感じることはありません。
極めつけは、バスルームに浴槽があってお湯につかることができた点。
アルメニアで浴槽がある宿などなかなか巡り合えるものではないので、すごくポイント高かったです。
・wi-fi:0/10
なんとこの宿、インターネットがありません。
おそらくドミトリーとなっている別の部屋にはあるのでしょうが、そもそも旅行者が来ないためネットの契約を中断しているようです。
のぶよはスマホのデータがあったので問題ありませんでしたが、wi-fiが必要な人には致命的かも…
(おそらく夏場のハイシーズンにはドミトリーが開くのでwi-fiもあるのでしょうが)
・雰囲気:10/10
この料金でアパートを独り占めできるなんて夢のようでした。(だから1週間居座った)
たまにオーナー夫妻に会うとこちらを気にかけてくれている様子が伝わってきたのも嬉しかったですし、何よりアパート内部のレトロな内装や食器などはのぶよの趣味ど真ん中。
こういうのが好きな人には強くおすすめしたいです!
・総合:7.0/10
インターネットがないのは痛いところですが、それ以外はかなり満足度が高かったです。
ドミトリーもどんな感じなのか気になりますが、今回は泊まっていないので何とも言えません。
ソ連時代の雰囲気に浸りたい人はもちろんおすすめですが、中心街からも近いので観光や近郊への移動にも便利です!
【アラヴェルディの宿をみる!】
おわりに
ソ連時代から時が止まったような風景が独特なアラヴェルディの観光情報を徹底解説しました。
アルメニア観光のハイライトとなるエリアの一つであるデベド渓谷観光の拠点となる町でもあるので、多くの旅行者が足を運ぶこととなるでしょう。
町全体にただよう退廃的な雰囲気にはじめは驚くかもしれませんが、数日もすればこの町の味わい深さにハマってしまうかも。
アルメニア地方部らしい人の良さも感じられるので、のんびりと滞在するのもおすすめです!
コメント
アラヴェルディーバグラタシェン間のマルシュルートカはヴァナゾル8:00,14:30発の便437番に途中乗車できます。アラヴェルディに来る前にヴァナゾルのバスターミナルに寄るなら窓口で最新の運行を確認したほうがいいです。アラヴェルディの中心部を通るのかバイパスを通るのか分からなかったので町の東側の橋を渡ったところ(ここで町中からの道とバイパスが合流)で待っていたら8:53にやってきました。町中からの道を通って来たのでバスターミナルのような所を経由したと思われます。思ったより早かったので、これに乗るなら8:30くらいからターミナル前で待った方がいいと思います。運賃は500ドラムでした。
バグラタシェンのイミグレ近くのロータリーで下ろしてくれます。バグラタシェンにはスーパー、食堂、両替屋が揃っています。ジョージア側で両替屋を見なかったのでアルメニア側でジョージアのラリを手に入れておいたほうがいいかもしれません。
ジョージア側ではマルシュルートカを見なかったため最寄りのサダフロまでタクシーで行きました。言い値の15ラリで乗ったので適正かどうかはわかりません。サダフロからマルネウリ行きマルシュルートカで2ラリ、マルネウリからトビリシは3ラリ。どちらもあまり待たずに発車しました。トビリシは中央駅前に着きました。