こんにちは!エレバンの穴場スポット探訪にあけくれている、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
エレバンの中心街は、ぴっちりと整備された瀟洒な雰囲気が特徴的。
なんとも言えない情緒が漂いますし、整然とした印象を与えます。

こうした「お洒落で小奇麗な大都市・エレバン」を期待している人には申し訳ないのですが、エレバンの魅力は中心街だけではありません。
一見すると、隙がなくちょっと気取ったような感じさえするエレバン中心街を一歩外に出れば、埃っぽさと喧騒に満ちたスポットも多く点在しているのです。
そんな「エレバンのディープスポット」のトップに君臨するであろう場所を、とうとう見つけました。
それが、中心街の西側で開かれるフラズダン蚤の市です。▼

エレバンを訪れる旅行者にはその存在すら知られていないフラズダン蚤の市。
同名のフラズダン・スタジアムというソ連時代に完成した巨大なスポートスタジアムの周辺で、土曜日と日曜日のみ開催されるフリーマーケットのような場所です。
…このフラズダン蚤の市がどんな場所なのか、もはや色々と言葉を並べるよりも写真を見せた方が早いはず。
お洒落なエレバン中心街と本当に同じ町の光景なのか信じられないほどの、カオスさとディープさに満ち溢れているのですから。


というわけで今回の記事は、フラズダン蚤の市の散策のようすをお送りするもの。
蚤の市内の各露店街を、写真メインでどどーんとお伝えします。
エレバンには他にもいくつかの市場や蚤の市が点在しているのですが、ローカル度も価格の安さもフラズダン蚤の市は圧倒的。
買い物目的にはもちろんぴったりですし、飾らいエレバンの素顔を発見しに行くにもおすすめです!
・ヴェルニサージュ:エレバン観光で定番の蚤の市
・GUMマーケット:エレバン中心街からほど近い食品市場
・バングラデシュ・マーケット:ローカル感100%の食品&なんでも市場
究極のローカル感漂うがらくた市場!【フラズダン蚤の市】の基本情報

フラズダン蚤の市が開かれるのは、エレバン最大のスポーツスタジアムであるフラズダン・スタジアム(Hrazdan Stadium)の西側の広大な空き地。
スタジアムが位置しているのはエレバン中心街の外側、「フラズダン渓谷」と呼ばれる深い谷間を隔てた西側です。▼
エレバン中心街から直線距離では目と鼻の先にあるものの、先述の深い谷間に隔てられているため、中心街~スタジアム間のアクセスはやや不便。
中心街から徒歩だとゆるやかな上り坂を所要20分~30分ほどなので、歩きたくない場合は路線バスを利用するのが良いでしょう。


フラズダン蚤の市を訪問する際に絶対に覚えておきたいのが、平日は開催されず土曜日と日曜日のみ開かれるということ。
平日に訪問しても、いっさい人がおらず露店が出ていません。
時間帯にも注意が必要で、朝8時頃から人が集まりはじめ、午後2時を過ぎると店じまいが始まります。
午後3時や4時には露店がほとんど撤収してしまうので、できるだけ早い時間を狙って訪れましょう。
フラズダン蚤の市の雰囲気は、お隣ジョージアの首都トビリシにあるサムゴリのがらくた市に少し似ているかもしれません。
強いて言うなら、エレバンのフラズダン蚤の市の方がごちゃごちゃ&カオス感強めな気もします。
フラズダンの蚤の市に潜入

さてさて。フラズダン蚤の市の概要が分かったなら、実際に足を踏み入れてみるとき。
エレバン観光の定番の蚤の市であるヴェルニサージュを訪問した人は「アンティーク品やお土産に良さそうな掘り出し物が見つかるかも…?」と考えるかもしれませんが、フラズダン蚤の市ではお土産はおそらく見つからないでしょう。
というのも、この場所で売られているのは人々が日常で使用する道具類や雑貨類、衣料品などがほとんどで、観光客向けのお土産などはいっさい売られていないため。
「エレバンのローカルな蚤の市で、旅の道具や洋服を安く購入したい!」という人にぴったりです。
ソ連車がいっぱいの屋外工具街

フラズダン蚤の市の入口は北側と南側の二か所。
中心街により近い南側の入口付近には、もうすでにどローカルな雰囲気がぷんぷん漂っています。
入口から敷地内に入ると、そこはスタジアムの駐車場として使われていた広大なスペース。
そこにレジャーシートやアルメニア伝統柄の絨毯が敷かれ、その上に所狭しと商品が並んでいます。


この辺りは工具類や日用品を売る露店がメインで、いったい何に使うのか謎の物もたくさん。
ぐっちゃぐちゃに絡まった何かしらのコードや、明らかに欠けているシャンデリアなど、「がらくた市」の名に恥じないくらにありとあらゆる物が売られています。

露店の店主たちの多くは、自家用車に売り物を積み込んでこの場所に乗り入れているようです。
がらくたの山の奥では、レトロなソ連車の運転席にどっかりと座りながら煙草を吸う男たちの姿が。
人によっては車の上にやボンネットにまで商品を並べており、そこはかとないソ連時代の名残が感じられます(のぶよ的に、その辺の道端に停めたソ連車の上で自家製の食材などを売るのは旧ソ連圏定番の風景)。



ざっと数えるだけでも百以上の露店が出ており、週末ということもあってか買い物客の姿もかなり多め。
しかしながら敷地がかなり広いため、ごちゃごちゃしてはいるもののの混み合った感じはしません。


屋外の工具露店コーナーは、南北に100mほど連なっており、数回往復しないと全ての店が見られません。
工具以外にも様々なものが売られており、掘り出し物を探すにはぴったりです。
アンティークな掘り出し物を探しながらそぞろ歩き

そんなわけで、せっかく蚤の市に来たからにはやはり掘り出し物探しはマスト。
観光客向けの可愛らしい雑貨などはいっさいありませんが、各家庭で使われていたであろう食器類やインテリア類はかなり豊富です。


フラズダン蚤の市の露店ではどこも値札は貼られておらず、料金は基本的に交渉制。
そもそも提示される価格がかなり安くて驚きますが、外国人を見るとふっかけてくる人もいるかもしれません。
アルメニアのローカル市場では交渉が可能である場合も多いので「二つ買うといくら?」などスマートに値段交渉するのが良いでしょう。

雑貨やインテリアを売る露店は「どこからどこまでがこのジャンルの店」という線引きはなく、とにかくごちゃごちゃに入り混じっている感じ。
欲しい物を見つけるなら、審美眼を磨きながらのんびりと散策するしかありません。


ソ連時代の食器や調理器具も多く売られており、好きな人にはたまらないはず。
スプーンやフォークなどのアンティーク小物も多く、普段使い用のお土産にも良さそうです。

こんな感じで、フラズダン蚤の市で売られているものは各家庭でかつて使用されていたものや、要らなくなったものが大半を占めます。
これぞまさに「蚤の市」の本質。
観光客向けの「アンティーク雑貨蚤の市」ではなく、エレバンの人々が生活に使えるものを買いに来る場所といった感じがとても強いです。


アンティーク品などに触れる際は注意が必要ですが、それ以外の雑貨類や調理器具などは勝手に手にとってOKなシステムのよう。
自分が欲しい物が見つかるまで、がっつりと散策&見極めをしましょう。
衣料品が所狭しと並ぶスタジアム周辺

露店エリアを縦横無尽に散策した後は、外に向かって突き出したスタジアム部分の下へと足を運びましょう。
ソ連感がぷんぷん香るスタジアムの造り自体も圧巻ですが、その下の日陰になった部分に衣料品の露店がずら~っとどこまでも広がる光景は、もはや感動的にも思えるほどです。


衣料品の露店で売られているのは、ほぼ全てが中古の古着。
サイズ別に分けられていたり…なんて気遣いはいっさいなく、まるでゴミかのように山盛りに積み上げられているので、根気良く物色する必要があります。

割合で言うと、女性物が7割/男性物が3割といった感じ。
洋服のみならず、下着や靴、かばん類など、とにかくあらゆる衣料品が売られています。


この衣料品露店群で驚いたのが、その価格の安さ。
エレバンは衣類の価格が訳の分からぬほどに高いのですが、ここで売られている衣料品はどれも激安価格。
500AMD(=¥187)で叩き売りされている冬物や、100AMD(=¥37)均一の下着類など、エレバンとは思えないほどの安さにびっくりします。

中古の洋服に抵抗がない人であれば、きっと欲しい衣類が見つかるはず。
アルメニアは日本人に似て小柄で細身の体形の人が多いので、サイズ的にもぴったりの物が見つかりやすい気がします。


所狭しと並ぶ衣料品を掻き分けながら散策していると、果てしないローカルな光景にもたくさん出会えるはず。
特に、このフラズダン蚤の市の露店の人たちはやたらと元気に話しかけてくるのが特徴的。
外国人観光客の姿はいっさいなく、完全なるローカルなスポットであるためなのでしょうか…
果てしないカオスな雰囲気も、ソ連時代から何も変わっていない光景の数々も、露店の人たちの人懐っこさも…
目と鼻の先にあるエレバン中心街では絶対に味わえないディープさを、存分に味わいましょう。
おわりに

発見したてほやほやのフラズダン蚤の市の散策レポートをお送りしました。
「なんかちょっとディープすぎてやばそう…」なんて思った人もいるかもしれませんが、確かに雰囲気こそ完全なる場末ではあるものの、治安的な心配はありません。
もちろん、海外旅行の基本であるスリやぼったくりへの警戒は必須。
とはいえ、市場初心者でも問題なく散策できると思います。
晴れた週末の朝のエレバンの過ごし方は、もうフラズダン蚤の市で決まり!
買い物目的にもローカル感摂取目的でも、市場好きなら絶対に楽しめると思います。
・ヴェルニサージュ:エレバン観光で定番の蚤の市
・GUMマーケット:エレバン中心街からほど近い食品市場
・バングラデシュ・マーケット:ローカル感100%の食品&なんでも市場
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