こんにちは!元ポルトガル在住ののぶよ(@nobuyo5696)です。
ポルトガルの穴場スポットを多く紹介している当ブログ・さぼわーる。
今回紹介するのは、穴場中の穴場といったところ。
ポルトガル最東端のスペインとの国境付近に位置するサン・マメーデ山脈自然公園(Parque Natural da Serra de São Mamede)です。
丘陵地帯に広がる美しい自然も魅力ですが、中世の雰囲気を残した小さな村が点在しているのもポイント。
まるで絵画の世界のような美しい風景が至る所で見られるんです!
サン・マメーデ山脈自然公園内の見どころ
サン・マメーデ山脈自然公園の上手なまわり方(交通・宿泊地etc)
ポルトガル他都市からのアクセス
の順に解説していくので、実際に訪れる際にお役立てください!
サン・マメーデ山脈自然公園の観光スポット
サン・マメーデ山脈自然公園は、スペインとの国境付近に位置する広大な丘陵地帯で、ポルトガルではとても珍しい積雪が観測されることがある場所。
美しい山々の風景も魅力的ですが、車なしで自然スポットを個人でまわるのは至難の業。
エリア内に点在する町や村を結ぶ路線バスを利用しての周遊観光スタイルが基本となります。
今回の記事内では、自然公園内の四つの町や村を紹介します。
観光の拠点・ポルタレグレ
絵画のような町並みのカステロ・ドゥ・ヴィデ
清流と「ポルトガルで一番美しい道」の村・ポルタジェン
天空の白い町・マルヴァン
それぞれ異なった魅力があるので、できればのんびりと全ての場所に足をのばすのがおすすめですよ!
サン・マメーデ山脈自然公園観光マップ
サン・マメーデ山脈の玄関口&観光の拠点!ポルタレグレ
サン・マメーデ山脈自然公園の玄関口となるのが、ポルタレグレ(Portalegre)の町。
丘の上に広がる典型的なポルトガル地方部の町で、白壁に黄色のデザインで統一された町並みがとても美しいです。
サン・マメーデ山脈自然公園内へのバスが発着していて、ローカルレストランやスーパー、ホステルなど、予算を抑えながら滞在するための施設も整っているので、この地域の観光拠点としてはぴったりな場所です。
ポルタレグレ観光マップ
青:見どころ
ポルタレグレ大聖堂
丘の上に広がるポルタレグレのシンボルが、ポルタレグレ大聖堂(Sé de Portalegre)。
16世紀~18世紀にかけて建設された比較的新しいもので、バロック様式のファサードがとても美しいです。
ポルタレグレ中心街
ポルタレグレの中心街は、狭い路地に白と黄色の家々が所狭しと並ぶ、典型的なアレンテージョ地方の町の雰囲気。
観光客の姿はほとんどなく、地元の人がのんびりと生活をしている光景が至る所で見られます。
中心街は決して広いエリアではなく、ゆっくり歩いても1時間ほどあれば一周できる規模です。
アレンテージョ地方の郷土料理を提供する食堂や、地元の人が通うスナックバーも点在しており、ポルトガル地方部ならではのゆる~い雰囲気を感じながらの滞在ができるでしょう。
絵画のような町並みに感動!カステロ・ドゥ・ヴィデ
サン・マメーデ山脈自然公園観光のハイライトとなる町の一つが、カステロ・ドゥ・ヴィデ(Castelo de Vide)。
人口3000人ほどの小さな町のシンボルは、町の中心に建つマトリス教会と、北側の丘から町を見下ろす城塞。
ローカル感漂う町をのんびりと散策した後は、まるで絵画のような美しい風景が広がる城塞へと足をのばしましょう。
言葉を失うような絶景が待っていますよ!
カステロ・ドゥ・ヴィデ観光マップ
カステロ・ドゥ・ヴィデ中心街でローカル散歩
とても小さなカステロ・ドゥ・ヴィデの中心街の中心に建つのが、マトリス教会(Igreja Matriz- Santa Maria da Devesa)。
色褪せてちょっと汚れた白壁が、逆に味があって良い感じです。
教会の前は町の人が集まる広場になっていて、この日は青空市が開かれていました。
観光客向けのお土産などが売られている市場ではなく、洋服や食料品などが主な地元の人向けの市場といった感じです。
カステロ・ドゥ・ヴィデでは、やたらと子供たちの姿を見かけます。
ポルトガルでは、自分の兄弟かどうかに関係なく、年長の子供が小さい子供の面倒を見るのが普通なこと。
昔の日本ではどこでも見られたであろう光景が健在なのです。
ただでさえ平和なポルトガルですが、地方部の平和感は本物。
子供たちも心なしかのびのびしているように見えます。
聖堂から城塞へはゆるやかな坂道を登っていきます。
青空市が賑わっていた中心街とは反対に、人っ子一人いない路地が続いてとても良い雰囲気。
青空に映える白壁の家々。
昔から変わらない風景が至る所で見られます。
カステロ・ドゥ・ヴィデ城塞からのパノラマに感動!
カステロ・ドゥ・ヴィデ観光のハイライトとなるのが、城塞に入場して絶景を眺めること。
1327年建造の中世の城塞の内部は、幾度に渡るスペインとの戦乱によって廃墟となっています。
この場所が国境の近くにあることを感じさせられます。
高い城壁に囲まれた敷地内には、かつて聖堂として利用されていた建物や、回廊などがそのまま残されています。
荒涼とした大地に建つ廃墟を眺めていると、今はこんなに平和な雰囲気の町でもかつては戦争の時代があったことを実感させられます。
カステロ・ドゥ・ヴィデの町を一望する絶景ポイントがあるのは、再建された塔の最上部。
回廊の屋根の上を通ってのアクセスです。
ようやくたどり着いた塔の最上部には人の姿はなく、360°を見渡すことができます。
可愛らしい家々が連なる町並みと、畑が続く丘陵地帯。
アレンテージョ地方の雄大な大地の風景が満喫できるはず。
塔の内部には、カステロ・ドゥ・ヴィデの中心街を望むように窓が設置されていて、まるで絵画のように美しい風景を見ることができます。
先ほど訪れたマトリス教会を中心に広がる赤い屋根と白壁の美しい町並みと、奥に見えるサン・マメーデ山脈のコントラストがとても素敵。
まるで中世にタイムスリップしたような感覚になるかもしれません。
清流に囲まれたのどかな村!ポルタジェン
カステロ・ドゥ・ヴィデから「天空の白い村」・マルヴァンに向かう途中にあるのが、ポルタジェン(Portagem)という小さな村。
村の中央をセヴェル川という清流が流れ、その上にかかる石橋と川を利用したリバービーチで有名な場所です。
ポルタジェンからは、岩山の上にそびえるマルヴァン村の全景を望むこともできるので、観光の途中の休憩がてら立ち寄ってみるのがおすすめ。
村の近郊には、「ポルトガルで最も美しい道」と話題になっている国道もあり、徒歩でアクセスすることも可能です。
ポルタジェン観光マップ
ポルタジェンの石橋
地元では「ローマ橋」と呼ばれる石橋は、ポルタジェン村のシンボル。
実際に建築されたのは中世以降だとされており、ローマ帝国とは関係がないとされているそうです。
雄大な自然を背景にぽつりと佇む石橋は、とてもフォトジェニック。
のぶよが訪れた時期(10月中旬)はちょうど紅葉の季節だったこともあり、こちらも絵画の世界に迷い込んでしまったような風景でした。
ポルタジェンの塔
石橋の近くに建つ、一見何の変哲もない石作りの塔は、中世に建設されたポルタジェンの塔(Torre da Portagem)。
スペインとの国境地帯に位置するポルタジェンは、周辺の村や町と同様にポルトガルの国境防衛のかなめであった地域。
ポルトガル語で「通行料」を意味するポルタジェン(Portagem)の村の名前が示すように、ここを通る人や物の流れを管理していた場所の一つです。
「ポルトガルで一番美しい道」へ
ポルタジェン村の中心街から、カステロ・ドゥ・ヴィデ方面へ続く国道246号線沿いには、「ポルトガルで最も美しい道」と呼ばれる場所があります。
“Alameda dos Freixos”と呼ばれるこの道は、数百メートルの直線道路の両側に植えられた並木に、事故防止のための白い塗料が塗られた場所。
「フォトジェニックすぎる!」として、ポルトガルの若者の間では大人気の撮影スポットとなっており、皆古ぼけた石橋や塔には目もくれず、この道へと向かうほど(笑)
実際に訪れてみると、確かに圧巻です。
ずーっと先まで続く直線道路沿いに、均一感覚で並木が植えられているのですから。
しかしながら、それだけと言えばそれだけ。
ポルタジェンの中心部からは2kmほど離れていますが、おしゃれな写真を撮りたい人は訪れてみるのもいいかもしれません。
天空の白い村は観光のハイライト!マルヴァン
サン・マメーデ山脈自然公園観光最大の見どころであり、忘れられない思い出となること間違いなしの場所が、マルヴァン(Marvão)。
切り立った岩山の頂上に築かれた小さな村は、城壁に囲まれた真っ白な美しい町並みの「天空の白い村」と呼ばれる場所です。
N.Y.TIMES紙の「死ぬまでに行くべき1000の場所」に選出されたことから、世界中からの注目を集めることとなったマルヴァン。
実際に訪れてみると、観光地化はあまり進んでおらず、素朴な風景が多く見られる穴場の観光スポットという雰囲気でした。
天空の村からは、サン・マメーデ山脈自然公園の広大な大地が一望できることはもちろん、どこまでも真っ白な壁が続く静かな村の散策も楽しみたいもの。
観光地化が進んでしまう前に訪れておきたい、おすすめの場所です。
サン・マメーデ山脈自然公園のまわり方(交通・モデルプラン)
サン・マメーデ山脈自然公園の町や自然スポットを自由にまわるなら、レンタカーを借りてしまうのが一番。
しかしながら、事前に綿密なスケジュールさえたてておけば、バスを利用して個人で周ることも可能です。
この地域を走る路線バス会社は二つ。
Rede Expressos社 (リスボン~ポルタレグレ~マルヴァン)
Rodalentejo社 (ポルタレグレ~マルヴァンetc)
いずれも本数はかなり少ないので、個人で全ての町をまわるのはなかなか難易度が高めです。
Rede expressos長距離バス(1日1往復)
ポルトガル国内の長距離バス路線を一括運行している Rede Expressos社が、リスボン~ポルタレグレ~カステロ・ドゥ・ヴィデ~マルヴァン間の直行バスを1日1往復運行しています。
往路 7:30リスボン発→11:15ポルタレグレ着→11:35カステロ・ドゥ・ヴィデ着→11:50マルヴァン着
復路 15:50マルヴァン発→16:05カステロ・ドゥ・ヴィデ着→16:30ポルタレグレ着→20:15リスボン着
というスケジュールです。
平日、土日のいずれも運行しているので、曜日を気にすることなく利用することが可能です。
Rodalentejo社路線バス(1日1~3往復)
もう一つの移動手段としては、 Rodalentejo社が運行する路線バスを利用すること。
ポルタレグレを基点として、今回紹介した各町を結ぶバスが、本数は少ないものの運行されています。
いずれの路線も平日のみの運行なので、土日にこのエリアを個人で周遊するのは不可能となってしまいます。
8903番(1日2往復):ポルタレグレ~ポルタジェン~マルヴァン
8068番(1日1往復):ポルタレグレ~カステロ・ドゥ・ヴィデ~ポルタジェン
サン・マメーデ山脈自然公園一日観光モデルプラン
サン・マメーデ山脈自然公園内の交通手段を理解したら、実際の観光プランをたてましょう。
リスボンから日帰りで観光する場合は、かなり忙しいスケジュールになる&ポルタレグレ観光はスキップすることとなります。(バスの本数が少ないため)
- 11:50マルヴァン到着
・リスボン~ポルタレグレ~マルヴァン間のRede expressos社利用
・観光(1時間半) - 13:14マルヴァン出発
・Rodalentejo社の8903番路線バス利用 - 13:23ポルタジェン着
・観光(1時間) - 14:30ポルタジェン発
・Rodalentejo社の8068番路線バス利用 - 14:45カステロ・ドゥ・ヴィデ着
・観光(1時間15分) - 16:05カステロ・ドゥ・ヴィデ発
・Rede expressos社バスでポルタレグレ/リスボンへ
ご覧のように、息をつく暇もありません(笑)
とにかくバスの本数が少ないため、このモデルプラン以外には選択肢がないのが現状です。
というわけで、のぶよ的にはリスボンからの日帰り観光はおすすめしません。
ポルタレグレに宿泊しながらの余裕を持ったプランニングを強くおすすめします。
ポルトガル他都市~ポルタレグレへのアクセス・行き方
サン・マメーデ国立公園観光の拠点となるのが、ポルタレグレの町。
リスボンはもちろん、アレンテージョ地方の周辺の町とのアクセスも良いので、この町に宿泊しながら観光するのがおすすめです。
ここでは、ポルトガル各都市~ポルタレグレ間のアクセスを解説していきます。
リスボン~ポルタレグレ間のアクセス・行き方
リスボン~ポルタレグレ間は、Rede expressos社の長距離バスでのアクセスとなります。
リスボンでの発着地はセットゥ・リオシュ(Sete Rios)バスターミナル。
リスボン市内中心部から地下鉄でアクセス可能です。
交通の便に難ありなマルヴァンと周辺エリア。点在する見どころをリスボンから日帰りで効率良くまわるなら、現地ツアー参加も一つの手です。
マルヴァン観光はもちろん、周辺の小さな町を訪問したり、名物料理のランチを味わったりと魅力がたくさん。
個人でこのエリアを周るとどうしても数日必要となるので、時間に限りがある場合はおすすめです!
ポルタレグレ~アレンテージョ地方の他の町のアクセス
アレンテージョ地方の他の町とは少々離れた場所に位置するポルタレグレ。
記事内で紹介したサン・マメーデ山脈自然公園エリアの観光には便利ですが、それ以外の町へのアクセスにはやや難ありな場合も。
ポルタレグレとの交通の便が良いのは、エシュトレモシュとエヴォラ。
東部のエルヴァスへのバスもありますが、本数が少なめなのでご注意を。
アレンテージョ地方の各町とを結ぶバスを運行しているのはRodalentejo社。
ほとんどのバスは地元の学生向けに運行されているものなので、旅行者的には少々不便なスケジュールのものが多いですが、不可能なこともありません。
ポルトガルの国内長距離バス路線を一括運行しているRede Expressos社も、本数は多くないものの各町を結ぶ路線を運行しています。
エヴォラ
アレンテージョ地方の中心都市であり、世界遺産の博物館都市としての顔も持つエヴォラ(Évora)は、この地域の観光&滞在の拠点となる町。
エヴォラ~ポルタレグレ間は、
Rodalentejo社の8553番のバスが1日1本
Rede Expressos社のバスが1日4~5本
走っています。
エシュトレモシュ
エルヴァスの西に位置するエシュトレモシュ(Estremoz)は、丘の上に佇む白い町並みが魅力的。
アレンテージョ地方北部の交通のハブとして各方面にバスが出ているので、こちらを拠点に周遊するのもおすすめです。
エシュトレモシュ~ポルタレグレ間は、
Rodalentejo社の8553番のバスが1日1本
Rede Expressos社のバスが1日4~5本(全てエヴォラ~ポルタレグレ間の便で途中にエシュトレモシュに停車)
走っています。
エルヴァス
スペインとの国境に位置するエルヴァス(Elvas)は、城壁に囲まれた旧市街が世界遺産に指定されている町。
スペインから国境を越えて多くの観光客がやってくる町並みは、ポルトガルにありながらもどこかスペイン風です。
エルヴァス~ポルタレグレ間は、Rodalentejo社の8061番のバスが1日2本走っているのみで少々不便。
ポルタレグレ~エシュトレモシュ~エルヴァスと回り道をしたほうが、本数が増えるので便利です。
おわりに
絵画に描かれたような美しい風景の町が点在するサン・マメーデ山脈自然公園の魅力を紹介しました。
個人でのアクセス方法も解説しましたが、本数が少ないためなかなか不便。
日程に余裕を持ったプランニングをおすすめします。
サン・マメーデ山脈自然公園があるアレンテージョ地方は、観光地化がほとんどすすんでいない穴場の町や村が点在している地域。
他にも魅力的なスポットの記事を色々と書いているので、旅行の参考にしていただければ嬉しいです。
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