こんにちは!元ポルトガル在住ののぶよ(@nobuyo5696)です。
ポルトガル南部に位置するアレンテージョ地方は、「ポルトガル人の心のふるさと」。
広大な農地が広がる丘陵地帯に、中世の雰囲気をそのままに残した村が点在しているエリアです。
中でも、アレンテージョ地方東部には「古城街道(Rota dos Castelos)」は、観光のハイライトの一つ。
イスラム教徒や隣国スペインとの戦いの歴史の中で築かれた、防衛用の城塞を中心とした小さな村々が点在する、中世ポルトガルの雰囲気を色濃く残す場所です。
古城街道沿いには多くの見どころが点在しているのですが、今回は一番のハイライトであるモンサラシュ(Monsaraz)という村を紹介します。
2017年に発表された「ポルトガルの七つの奇跡(7 Maravilhas de Portugal)」の村部門で見事一位を獲得した場所で、ここ数年で多くの観光客が訪れる人気の場所になったモンサラシュ。
小高い丘の上の中世の城を中心とした真っ白な村の風景は、訪れる人に感動を与えます。
モンサラシュの見どころ
モンサラシュへのアクセス
の順に解説していくので、実際に訪れる際の参考にしてください!
モンサラシュの見どころ
モンサラシュはとても小さな村で、観光は徒歩のみで十分です。
観光で絶対に見逃せないのは以下の三点。
真っ白な村を散策
モンサラシュ城入場
村からの絶景を眺める
1時間~2時間もあれば、十分に満喫することができます。
村には数軒のスナックバー(食堂兼バー)や、アレンテージョ地方伝統の焼き物や織物を売るお店があるくらいなので、半日や丸一日いても時間を持て余してしまうかもしれません。
モンサラシュ観光マップ
どこまでも真っ白!中世の村を歩く
アレンテージョ地方の他の村と同様に、小高い丘の上に建つ城塞を中心としてひらけたモンサラシュ。
「白い村」と呼ばれる場所はたくさんありますが、モンサラシュの場合はすがすがしいほどに真っ白な町並みが特徴的です。
ポルタ・ダ・ヴィラ(Porta da Vila)と呼ばれる城壁に造られた門が、村の北側の入口でメインゲート。
門をくぐって村に入る前に後ろを振り返ってみるのを追われなく。
城壁の外にも広がる家々を一望することができます↓
タウンゲートをくぐった先にあるのが、二つある村のメインストリートの一つであるサンティアゴ通り(Rua de Santiago)。
村の観光の中心となる通りのようで、多くの観光客で賑わっています。
聞こえてくるのはポルトガル語がほとんどで、たまにスペイン語といった感じ。
有名になってきているモンサラシュですが、まだまだ一大観光地には程遠い素朴な雰囲気です。
メインストリートと言っても、アレンテージョ地方伝統のカラフルな焼き物や織り物を売るお土産屋が数軒営業しているくらい。
真っ白な壁に飾られたカラフルな小物がとてもきれいでした。
村のもう一つのメインストリートが、ディレイタ通り(Rua da Direita)。
こちらも真っ白な壁の民家が真っすぐに続いていて、とてもフォトジェニックです。
サンティアゴ通りに比べると、人の数はかなり少なくて静か。
村の人の生活感が感じられる風景も、至る所で見ることができます。
ディレイタ通りを南に歩いていくと、村の中心に位置するノッサ・セニョーラ・ダ・ラゴア教会(Igreja de Nossa Senhora da Lagoa)に到着します。
家々と同様に、まぶしいくらいに真っ白な外観がとても素敵。
教会前はちょっとした広場になっていて、日陰でのんびりする村の人の姿も見られました。
教会からをさらに南へ歩くと、モンサラシュ観光のハイライトとなるモンサラシュ城が見えてきます。
古城街道のハイライト!モンサラシュ城塞
モンサラシュを含め、アレンテージョ地方東部のスペインとの国境付近に点在する村々は、「古城街道」と呼ばれています。
どこの村も中世に立てられた城塞を持ち、タイムスリップしたような風景が見られる古城街道ですが、一番見ごたえがあると言っても過言ではないのがモンサラシュ城塞(Castelo de Monsaraz)。
先ほどまで居た真っ白な町並みが城壁の外すぐの所に見えますが、城塞内はまるで別世界のよう。
それもそのはず。
モンサラシュ城塞の歴史は、白い村ができる前の8世紀~12世紀に起源を持つものなのです。
当時のアレンテージョ地方は、イスラム教徒であるムーア人の支配下。
彼らがこの場所に防衛用の塔を持つ城壁を建設したのが、モンサラシュ城の始まりです。
その後のレコンキスタ(ポルトガル王国による国土回復運動)によってポルトガル領となった後に改築され、現在の姿となったのは14世紀のことだそうです。
モンサラシュ城塞が独特なのは、見張り塔をくぐると円形競技場のように観客席が設置されたの広場のような場所がある点。
ここは中世の闘牛場だった場所です。
闘牛と言うとお隣のスペインのイメージが強いですが、ポルトガルでも伝統的に行われてきたもの。
スペインの闘牛との一番の違いは、ポルトガルでは闘牛で戦う牛を殺さない(牛が死ぬまでやらない)点です。
かつての闘牛場からは、モンサラシュ周辺の大自然を一望するパノラマが広がり、こちらも必見です!
感動必至!アルケヴァ湖とアレンテージョの大地の絶景
モンサラシュ城からの眺めはとても美しく、眼下にはアルケヴァ湖(Lago Alqueva)の水色の湖面が広がります。
実はこのアルケヴァ湖。
ヨーロッパ最大級の人口の湖(ダム)で、ポルトガルとスペインの国境の役割も果たしています。
夏は毎年水不足に悩まされるポルトガルの水がめとしての役割も持つ、ポルトガルの生命線のような場所です。
城塞以外にも、モンサラシュは村全体が絶景スポット。
アレンテージョ地方らしいどこまでも農地が広がる風景と、真っ白な村のコントラストは息を呑むほどの美しさ。
はるばるここまで来て良かったと感じる瞬間です。
ポルトガル他都市~モンサラシュへのアクセス・行き方
モンサラシュを訪れる場合に最も便利なのが、レンタカーを利用すること。
全体的にバスの路線網が発達していないアレンテージョ地方の中でも、モンサラシュの不便さは尋常ではないためです。
ポルトガル各都市~モンサラシュを直接結ぶバスは存在せず、レゲンゴシュ・ドゥ・モンサラシュ(Reguengoz de Monsaraz)という町での乗り換えが必ず必要となります。
ポルトガル各都市(リスボン/エヴォラ)→レゲンゴシュ・ドゥ・モンサラシュ
レゲンゴシュ・ドゥ・モンサラシュ→モンサラシュ
の順で解説していきます。
ポルトガル各都市~レゲンゴシュ・ドゥ・モンサラシュのアクセス
リスボン~レゲンゴシュ・ドゥ・モンサラシュ間のバス
リスボン~レゲンゴシュ・ドゥ・モンサラシュ間は、Rede expressos社の長距離バスでのアクセスとなります。
1日2往復のみ直行バスが運行されており、バスのスケジュール的に日帰りは不可能。
リスボンでの発着地はセットゥ・リオシュ(Sete Rios)バスターミナル。
リスボン市内中心部から地下鉄でアクセス可能です。
絶望的に交通の便が不便なこのエリア。リスボンから日帰りで訪れるならツアー参加しか方法がありません。
モンサラシュ観光はもちろん、エヴォラ観光やワイナリー見学、6000年前のストーンサークルを訪れるものまで種類があります。
基本的にプライベートツアーとなりますが、グループごとの料金なので、大人数の場合はかなりお得になるのもメリット!
エヴォラ~レゲンゴシュ・ドゥ・モンサラシュのアクセス間のバス
アレンテージョ地方の中心都市・エヴォラ(Évora)~レゲンゴシュ・ドゥ・モンサラシュ間は、Rodalentejo社の複数の路線が運行しています。
利用しやすいのは以下の2つの路線。
8102番:1日4本 (時刻表はこちら)
8902番:1日3~5本 (時刻表はこちら)
また、先述のリスボン~レゲンゴシュ・ドゥ・モンサラシュ間のRede expressos社の1日2便の長距離バスは必ずエヴォラを経由するので、こちらを利用することも可能です。
レゲンゴシュ・ドゥ・モンサラシュ~モンサラシュ間のアクセス
レゲンゴシュ・ドゥ・モンサラシュ~モンサラシュ間は15kmのほど離れており、歩ける距離ではありません。
Rodalentejo社の8930番のバス (時刻表はこちら) が走っているものの、本数は1日4往復と多くありません。
スケジュールをしっかりと確認したプランニングが必須です。
古城街道の他の村との組み合わせがおすすめ!
せっかくアレンテージョ地方の奥地にあるモンサラシュまで来たなら、周辺の古城街道沿いの村々もセットで訪れてみたいもの。
その際もモンサラシュの村ではなく、レゲンゴシュ・ドゥ・モンサラシュが交通や滞在の拠点となります。
Rodalentejo社のバスが平日のみ、これらの地域を走っています。
北方面(ヴィラ・ヴィソーザ/アランドロアル/テレナ等):8931番 (時刻表はこちら)
南方面(モウラン等):8902番 (時刻表はこちら)
しかしながら本数は少ないので、やはりレンタカーなどでまわるのが一番かも。
おわりに
中世の雰囲気がそのまま残るモンサラシュの美しい風景と、歴史を感じさせる城塞を紹介しました。
個人でのアクセスはかなりハードルが高いですが、その分到着した際の感動はひとしお。
周辺の古城街道沿いの小さな村々とセットで訪れてみてはいかがでしょうか。
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