こんにちは!元ポルトガル在住ののぶよ(@nobuyo5696)です。
リスボンを代表する観光エリアと言えば、ベレン地区(Belém)。
テージョ川に面したウォーターフロント地区で、ポルトガルが栄華を極めた大航海時代にまつわるスポットが点在しており、かつての海洋大国の雰囲気が強く感じられます。
世界遺産のジェロニモス修道院や、不思議な光景が広がる現代美術館MAATなど新旧が融合しているのも特徴のベレン地区。
超有名エッグタルト店があることでも知られています。
今回の記事では、ベレン地区観光で絶対に訪れたい見どころ&グルメスポットを紹介します。
記事後半では少々難ありのベレン地区へのアクセスや、上手に観光するコツも解説しているので、参考にしてください。
ベレン地区の観光スポット
ジェロニモス修道院
煌びやかな白亜の外観が特徴的なジェロニモス修道院(Mosteiro dos Jerónimos)は、大航海時代の真っ只中の1502年に建造されたもの。
当時、ポルトガルではインド方面へと勢力を広げており、アジア方面からもたらされた香辛料を売ることで莫大な富を築いていました。
インド航路を発見したとされるヴァスコ・ダ・ガマや、大航海時代の始まりを築いたエンリケ航海王子などの偉業を記念して建設されたジェロニモス修道院。
その華麗な外観は、当時のポルトガルがどれだけ豊かだったのかを感じさせるものです。
当時の国王・マヌエル1世の時代の建造物はマヌエル様式と呼ばれるポルトガル独自の様式で、香辛料貿易による莫大な富を注ぎ込んで贅を尽くしたもの。
細部にまでこだわりぬかれた装飾が特徴的です。
ジェロニモス修道院の内部で必見なのは、回廊に囲まれた中庭。
二層構造の回廊の柱部分の装飾はとにかく精密で、思わずため息が漏れてしまうほど。
回廊の天井部分の美しいアーチ式の装飾にも注目です。
発見のモニュメント
ベレン地区を代表するこちらのモニュメントは、発見のモニュメント(Padrão dos Descobrimentos)と呼ばれるもの。
テージョ川を望む場所に堂々と立つその姿は、大航海時代のポルトガルの栄光を今に伝えるもの。
観光客にも大人気のスポットです。
良く見ると、モニュメントの下部は船の形になっており、大航海時代の幕を開いたエンリケ航海王子を先頭に、当時の国王や探検家、航海士などが列を成しています。
(モニュメントの右側と左側では異なる人物の像が設置されていますが、先頭はいずれもエンリケ航海王子です。)
発見のモニュメントは大航海時代の建設ではなく、20世紀に入ってからかつての栄光を記念するために建設されたもの。
そのため、内部にはエレベーターが設置されており、頂上の展望台へとアクセスすることが可能です。
後述のベレンの塔よりも、のぶよ的にはこちらに登るのがおすすめ。
なぜなら、モニュメントの前の地面に広がるモザイクタイルの全景が見られるためです。
ポルトガルを中心に描かれた世界地図には、大航海時代にポルトガル人が到着した場所と年号が記されています。
大航海時代にポルトガル人が到達した最後の場所が、大陸の正反対にある日本でした。
歴史の授業では、ポルトガル人が日本にやってきたのは、種子島に到達して鉄砲を伝来した1543年と習いますが、ポルトガルでは、日本到達は大分県にポルトガル船が漂着した1541年というのが定説です。
いずれにしても、日本到達からしばらくすると、ポルトガルの勢いに陰りが見え始め、徐々に衰退。
現在では西ヨーロッパのお荷物的存在になり果ててしまったのですから、歴史とは残酷なものです。
遠く離れたポルトガルの地で、かつての歴史ロマンが感じられること間違いなし。
ポルトガルがどのように航路を拡大していったのか、地図を見ながら辿るのも面白いです。
ベレンの塔
ベレン地区の大航海時代を感じるもう一つのスポットが、ジェロニモス修道院とともに世界遺産に登録されているベレンの塔(Torre de Belém)。
ジェロニモス修道院建造と同時期に、国王マヌエル1世によって建てられたものです。
テージョ川の中に塔があるという不思議な光景は観光客に大人気。
常に多くの人が入場の列を作っている場所です。
ベレンの塔には入場することができ、内部には建設当時のままの王の間(Sala dos Reis)などが残されていて雰囲気たっぷりです。
もともと水上交通の監視用に建てられたことだけあって、最上部のテラスからはテージョ川とベレン地区の町並みを一望することができます。
上で紹介した発見のモニュメント~ベレンの塔間は、川沿いに整備された500mほどの気持ちの良い散策路があります。
大航海時代の風を感じながらの水辺の散策も、ベレン地区観光には外せません。
MAAT
大航海時代の雰囲気に浸った後は、光と影が交錯する不思議な現代アートの空間へと足をのばしてみるのはいかがでしょうか。
ベレン地区東側、近郊鉄道ベレン駅の近くにあるMAATは、元々発電所だった建物を美術館に改装したもの。
ミュージアム内部は、エネルギーに関する展示部分と、光や影を利用した展示部分の二つのコーナーに分かれています。
様々な展示がありますが、最も圧巻だったのは真っ暗な大ホールに差し込む光が作り出す世界。
先ほどまで500年前の大航海時代の気分だったのが、急に近未来に迷い込んでしまった感覚に。
ポルトガル語がわからなくても、視覚・聴覚で楽しめる作品ばかりなのも旅行者にとっては嬉しい点です。
ベレン地区の名物グルメといえば…エッグタルト!
ベレン地区の観光で絶対に見逃せないのが、超有名なエッグタルト。
ポルトガル発祥の超有名スイーツは、ここベレン地区の“Pastéis de Belém”のものがオリジナルだと言われています。
ジェロニモス修道院のすぐそばにある歴史あるお店は、観光客はもちろん地元の人からも絶大な支持を誇る場所。
秘伝のレシピを守り抜く、エッグタルト発祥の国の発祥の店。
これを食べずにリスボンを去るなんて、絶対にできません!
リスボン中心街~ベレン地区へのアクセス
リスボンの中心街からは距離があるベレン地区。
地下鉄は通っていないため、
近郊鉄道カスカイス線
路面電車15番
のいずれかを利用してのアクセスとなります。
ベレン地区内の交通は、少々クセあり。
効率良く観光するためにも、交通手段をしっかりとプランニングしておきましょう。
ベレン地区観光マップ
青:見どころ
赤:バシュテイシュ・ドゥ・ベレン
近郊鉄道カスカイス線
リスボン中心街のカイス・ド・ソドレ駅(Cais do Sodré)発着の近郊鉄道カスカイス線が、ベレン地区東部に位置するベレン駅(Belém)に停車します。
ベレン駅からMAATまではすぐですが、ジェロニモス修道院やベレンの塔などその他の観光スポットまでは結構距離があるのがネック。
できる限り歩きたくないなら、路面電車を利用する方が良いでしょう。
運行頻度:20分に1本
所要時間:10分
料金:€1.35(=¥163)
路面電車15番
バイシャ地区のコメルシオ広場、カイス・ド・ソドレ駅前を経由して、ジェロニモス修道院前までやってくるのが路面電車15番。
レトロな車体が名物となっている路面電車28番とは異なり、近代的な数両編成の車体であることが多いです。
(まれにレトロな車体が走っていることも)
路面電車が到着するのは、ジェロニモス修道院の東側の広場。
エッグタルトの名店や発見のモニュメントなど、ベレン地区のメインの見どころへのアクセスにはこちらが便利です。
注意したいのが、ベレン地区西側に位置するベレンの塔からリスボン中心街方面へと戻るとき。
Google Mapを見るとベレンの塔の北側の道路沿いに路面電車の停留所があるのですが、この周辺までやってくる路面電車はかなり本数が少ないのです。
というのも、路面電車15番は一応、ベレン地区よりさらに西に行ったアルジェシュ(Alges)が終点となっているのですが、そのほとんどはジェロニモス修道院止まりで、リスボン中心街方面へと折り返すため。
無駄に路面電車を待って時間を無駄にしたくないなら、ベレンの塔観光後はジェロニモス修道院東側のトラム停留所まで歩いてしまう方が早いです。
距離にして1.2kmほどで平坦な道のりで、15分ほどあれば歩けてしまいます。
運行頻度:10分~15分に1本
所要時間:25分
料金:€1.35(=¥163)
ベレン地区観光のまわり方(所要時間・ポイント)
リスボンの中でも一、二を争う人気エリアであるベレン地区。
世界遺産のジェロニモス修道院とベレンの塔はとにかく混雑するので、観光にはコツがあります。
ベレンの塔は入場は朝一で!
最も混雑するベレンの塔(というか内部がかなり狭いので、人口密度&待ち時間ともにひどい)に入場するなら、朝一番を狙いましょう。
一般的にベレン地区が混雑するのは、リスボン中心街の観光にひと段落つけた人たちがやってくる午後から。
午前中は混雑することはかなり稀です。
ベレン地区の観光所要時間は3時間ほど
必見スポットであるジェロニモス修道院、発見のモニュメント、ベレンの塔を観光し、エッグタルトを食べるという定番プランなら、全部で3時間ほど見ておけばOKです。
MAATを見学する場合は+1.5時間ほど見ておきましょう。
丸一日ベレン地区に充てても、おそらく時間が余ってしまうと思います。
時間があるなら立ち寄りたい!LX Factory
もしベレン地区の観光に半日(5~6時間)かけられるなら、リスボンへ戻る途中にあるLX Factoryに立ち寄るのがおすすめ。
かつての倉庫街をリノベーションしたリスボンのアーティストの聖地で、ポップで現代的なもう一つのリスボンの顔が見られます。
食事にもお土産探しにも適している場所なので、午前中にベレン地区観光→LX Factoryでランチ&散策なんてプランもいいと思います。
ベレン地区~リスボン間の近郊鉄道・路面電車15番のいずれも近くに停車するので、気軽に途中下車&観光することができます。
バイシャ・シアド地区との組み合わせがおすすめ
ベレン地区観光(+LX Factory)と組み合わせるなら、リスボン中心街西側に位置するバイシャ・シアド(Baixa – Chiado)地区がおすすめ。
近郊鉄道、路面電車15番のいずれも通っており、小さな範囲に見どころがギュッと詰まっているからです。
バイシャ・シアド地区は、リスボン市内の中では坂道が少ないエリアであるのもポイント。
ベレン地区観光は結構歩くことになるので、その後で急坂を上り下りするアルファマ地区やバイロ・アルト地区の観光はかなりしんどいと思います。
おわりに
大航海時代の栄光の雰囲気を今に伝えるベレン地区の観光スポットを紹介しました。
リスボン中心街から少々離れてはいるものの、公共交通手段を使って個人でも簡単にアクセスが可能で、有名スポットも点在しているので、きっとリスボンを訪れる旅行者の多くが訪れる地区だと思います。
世界を制したポルトガルの歴史に思いを馳せながら、開放的な雰囲気の中でのんびりと散策を楽しみましょう。
リスボンは「七つの丘の町」と呼ばれるように坂道が連なる独特の地形。
ホテル選びのエリアがとても重要です。
リスボン旧市街にも、ビーチエリアにもアクセスが便利なカイス・ド・ソドレ地区。
小さなポルトガル料理レストランやファドハウスが点在するバイロ・アルト地区もすぐそばにあり、哀愁に満ちたポルトガルらしい夜を過ごすのもおすすめです!
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