ゴリ観光のアドバイス・注意点
ゴリ観光の必要日数
ゴリに来た旅行者が必ず訪れる二大スポットだけなら、トビリシからの日帰りでも十分に満喫できます。
・スターリン博物館(所要時間2時間)
・ウプリスツィヘ洞窟住居群(往復の交通も入れて所要時間4時間)
ここにゴリの市内観光もあわせる場合は +半日。
二大スポット+ゴリ市内観光は日帰りでは相当キツいので、ゴリに宿泊するのが基本です。
あとは、その他のスポットをどこまでまわるかによって日数をプラスすればOK。
・アテニ渓谷:丸1日
・ゴリジュワリ教会:徒歩の場合、往復+観光時間の合計で3時間/タクシーの場合、移動+観光で1時間
くらいが目安となります。
以下が、ゴリ市内と周辺スポットを観光する際の必要日数のまとめは以下の通り。
この日数を基本に、好みでアレンジしてください!
・スターリン博物館 + ウプリスツィヘのみ:1日(日帰り可)
・スターリン博物館 + ウプリスツィヘ + ゴリ市内観光:1日半(1泊2日)
・スターリン博物館 + ウプリスツィヘ + ゴリ市内観光 + アテニ渓谷:2日半(2泊3日)
・スターリン博物館 + ウプリスツィヘ + ゴリ市内観光 + アテニ渓谷 + ゴリジュワリ教会:3日(2泊3日)
ゴリの治安:南オセチア紛争の影響は?
ゴリはとても小さな町で、治安面の問題は少なめ。
窃盗などの軽犯罪も珍しいそうで、観光客をターゲットにしたぼったくりの話もほとんど聞きません。
しかし夜は話が別です。
中心街であっても人通りが一気に少なくなり、かなり陰気臭い雰囲気になるので、暗くなってからの女性の一人歩きはおすすめしません。
ゴリと聞くと、2008年の南オセチア紛争を思い出す人も多いのではないでしょうか。
ロシア軍を後ろ盾とした「自称・独立国」である南オセチアと、ジョージア中央政府の間に起こった紛争で、ここゴリはロシア軍に占領・爆撃されるという悲惨な状況となりました。
現在では南オセチア紛争はひとまず終結しており、ゴリ市内には日常生活がほぼ完全に戻っています。
しかし地図を見ると、ゴリから北にたった10kmほどの場所に南オセチア共和国との境界線があることが一目瞭然。
もし南オセチアで再び有事が起こった場合に、真っ先に攻撃を受けるのはゴリであることは間違いありません。
ここ10年ほどは情勢は比較的安定していますが、南オセチアの境界付近での小競り合いは日常茶飯事。
ゴリを訪れる前にはジョージアの政治・軍事状況のニュースをチェックしておくのがベターです。
ゴリ最大のタブー
ゴリという町は、ジョージアにおいて少々特殊な一面があります。
それは、この町が生んだスターリンという人物の存在。
ジョージアでは一般的に、1921年~1991年までの70年間に及ぶソ連統治時代を「負の時代」と捉える人が多く、特に若い世代でその傾向は顕著。
ソ連を代表する指導者・スターリンに対してもそれは同様で、多くの人が否定的な考え方を持っています。
いっぽうで、スターリンを輩出したゴリでは人々の意識がやや異なると言われています。
町のメインストリートがいまだに「スターリン通り」の名を冠していることをはじめ、2008年の南オセチア紛争後に「スターリン博物館を閉鎖する」という話が出た際にも反対運動が起こりました。
結局現在でも「スターリンの町」として観光客を集めているわけで、ゴリの人々の中では「負の歴史を象徴する人物ではあると同時に、町を代表する人物」という複雑な意識がスターリンに対してあるように思います。
全員がスターリンを崇拝しているわけではなく(むしろ少数派だと思う)、スターリンの話自体を嫌がる人もいるそう。
というわけで、いち旅行者がスターリンについてゴリの地元の人に深堀りして尋ねるのは避けるべき。
他所から来た人間が良し悪しを諭したり、決めつけたりするべきものではないと感じます。
ゴリの市内交通・行き方・アクセス情報
ゴリはとてもコンパクトな町で、市内観光は徒歩で十分カバーでできます。
とはいえ、近郊の見どころへアクセスする際や、他都市から/への移動の際には、この町の市内交通やバスステーションの情報が役に立つはず。
この項では、ゴリでの移動に必要な情報をまとめています。
超不便!ゴリのバスステーションと市内交通
ゴリの市内観光はすべて徒歩でカバーできますが、中心街から離れたバスステーションへのアクセスにはゴリ市内路線バスを利用するのが便利。
しかし、ゴリの市内交通はかなりの曲者。
・専用のICカードの事前購入が必要(トビリシの交通カードは使えない)
・現金の使用は不可
という謎すぎる仕様で、数日間滞在するだけの旅行者にとっては不便極まりないシステムです。
このためゴリ~他都市間の移動には、新バスステーションまでわざわざ行かなくて済む交通手段を選ぶのが◎
鉄道(中心街南部の鉄道駅発着)かシェアタクシー(中心街西側の広場発着)を利用するのがおすすめです。
ゴリ~近郊の見どころ間の移動
本記事内で紹介しているウプリスツィヘ洞窟住居群やアテニ渓谷など、ゴリの近郊へのマルシュルートカも存在しています。
しかしながら、すべてのマルシュルートカは市内北部の新バスステーションの発着なのがネック。
わざわざ市内路線バスでバスステーションにアクセスするのは面倒です。
のぶよ的におすすめなのが、ゴリ中心街のスタジアム前のバス停で近郊行きのマルシュルートカに途中乗車すること ▼
実は、市内北部の新バスステーションを出発した近郊路線マルシュルートカの多くは、このバス停を経由するルートをとります。
・ウプリスツィヘ行きのマルシュルートカ:30分に1本
・アテニ行きミニバス:1時間に1本
の頻度で必ずこのバス停を通るので、簡単に途中乗車が可能です。
ゴリ~ジョージア他都市(トビリシ/クタイシetc)間の長距離移動【バス/鉄道】
ジョージアを代表する都市であるトビリシとクタイシのちょうど中間に位置するゴリですが、便利なのはトビリシ拠点。
マルシュルートカ(乗り合いのミニバス)や鉄道など、交通手段のオプションがいくつかある点も嬉しいです。
上手にプランを組めば、トビリシ→ゴリ→クタイシ(もしくは逆方向)と移動しながら観光することも可能なので、以下のアクセス情報を参考にしてください!
トビリシ~ゴリ間には、3種類の交通手段があります。
①シェアタクシー
②鉄道
③マルシュルートカ
【①シェアタクシー】
ゴリ~トビリシ間の移動手段で最もポピュラー&早いのが、シェアタクシー。
「タクシー」とは名ばかりで、一般の人が自分の車で乗客を運ぶスタイルのものです。
・ゴリ:中心街西側のサービスホール前
・トビリシ:地下鉄ディドゥベ駅西側出口すぐの場所
シェアタクシーは、乗客が5人集まり次第随時出発するシステム。
曜日や時間帯にもよりますが、この区間は利用する人が多いので、15分に1台は出発するのが普通です。
【②鉄道】
トビリシ~ゴリ間は鉄道での移動も可能です。
シェアタクシーやマルシュルートカに比べると所要時間はやや長めですが、ゆったりとした座席で快適に移動することができます。
・ゴリ:ゴリ中央駅
・トビリシ:トビリシ中央駅
ゴリの鉄道発着ポイントとなるゴリ中央駅は、中心街から1kmほど離れているのがネック。
いっぽうで、ゴリ市内南部に位置するゴリジュワリ教会へハイキングする際には便利な立地。
ゴリ到着後すぐにゴリジュワリ教会へ向かう場合は、トビリシから鉄道の利用が効率的です!
ゴリへのアクセスに利用できる鉄道には、トビリシ~クタイシ路線やトビリシ~ボルジョミ路線などいくつかありますが、最も格安の1GEL(=¥50)で移動するなら1日2往復のトビリシ~ボルジョミ路線がおすすめ。
トビリシ~ボルジョミ路線はTke.geのサイトに対応しておらずネット予約も不可ですが、スケジュールの目安は以下の通り。
それ以外の路線の最新のスケジュール確認やチケットのオンライン予約はTkt.geのサイトにてどうぞ。
便番号 | トビリシ発 | ゴリ発 | ハシュリ発 | アハルダバ発 | ボルジョミ着 |
618 | 6:35 | 8:25 | 9:20 | 10:00 | 10:45 |
686 | 18:50 | 20:40 | 21:35 | 22:20 | 23:10 |
便番号 | ボルジョミ発 | アハルダバ発 | ハシュリ発 | ゴリ発 | トビリシ着 |
617 | 5:55 | 6:50 | 7:30 | 8:25 | 10:11 |
685 | 15:30 | 16:25 | 17:05 | 18:02 | 19:55 |
上のスケジュールで太字にした便を利用すれば、トビリシからゴリへの日帰り観光も余裕。
往復2GEL(=¥100)で移動できるので、とにかくおすすめです!
【③マルシュルートカ】
トビリシ~ゴリ間にはマルシュルートカ(公共のミニバス)も走ってはいますあ、旅行者的にはやや不便。
というのも、ゴリでの発着地が市内中心部から距離がある新バスステーションであるためです。
・ゴリ:市内北部の新バスステーション
・トビリシ:ディドゥベ・バスステーション
シェアタクシーを利用するのと料金が同じなので、個人的にはわざわざマルシュルートカで移動する意味はないと思います。
ジョージア第二の都市・クタイシ~ゴリ間の移動はやや不便。
二都市を直接結ぶマルシュルートカは存在せず、直通の交通手段は1日1本の鉄道のみとなります。
マルシュルートカでクタイシ~ゴリ間を移動したい場合は、次のタブで紹介しているハシュリという町で乗り換えるのがベストです。
【鉄道】
クタイシ~ゴリ間は鉄道での移動が可能。
ただ、所要時間がかなり長め&本数が限られている点にご注意を。
・ゴリ:ゴリ中央駅
・クタイシ:クタイシⅠ駅
ゴリ~クタイシ間の鉄道は、Tkt.geのサイトの時刻表検索&オンライン予約に対応しています。
最新情報はそちらでご確認を。
ジョージアの国土のど真ん中に位置するハシュリ(Khashuri / ხაშური)は、東西両方向への交通のハブ。
ゴリからはマルシュルートカと鉄道のいずれでも移動可能です。
①マルシュルートカ
クタイシ/ボルジョミ/アハルツィヘなど西部の町とゴリの間をマルシュルートカで移動する場合は、ハシュリで乗り換えるのが本数が大幅に増えるので便利です。
・ゴリ:市内北部の新バスステーション
・ハシュリ:中心街のバスステーション
②鉄道
ハシュリの鉄道駅にはトビリシ発着ゴリ経由の鉄道がすべて停車するため、簡単に移動することができます。
注意したいのが、どの鉄道路線を利用するかによって運賃が大きく変化すること。
・トビリシ~ボルジョミ路線(1日2往復):1GEL
・トビリシ~クタイシ路線(1日1往復):8GEL
・トビリシ~ズグディディ/ポティ路線(1日1往復):14GEL
・トビリシ~オズルゲティ路線(1日1往復):8GEL
・トビリシ~バトゥミ路線(1日4往復):35GEL
こんな感じで意味が分からないくらいに料金に差があるので、安く行きたい場合に利用できる路線は限られます。
最安値で移動するなら、トビリシ~ボルジョミ路線を利用してハシュリで途中乗車/下車するのがスマート。
ゴリの発着ポイントはゴリ中央駅。
ハシュリの発着ポイントはハシュリ鉄道駅です。▼
ボルジョミ路線はTke.geのサイトに対応しておらずネット予約も不可ですが、スケジュールの目安は以下の通り。
それ以外の路線の最新のスケジュール確認やチケットのオンライン予約はTkt.geのサイトにてどうぞ。
便番号 | トビリシ発 | ゴリ発 | ハシュリ発 | アハルダバ発 | ボルジョミ着 |
618 | 6:35 | 8:25 | 9:20 | 10:00 | 10:45 |
686 | 18:50 | 20:40 | 21:35 | 22:20 | 23:10 |
便番号 | ボルジョミ発 | アハルダバ発 | ハシュリ発 | ゴリ発 | トビリシ着 |
617 | 5:55 | 6:50 | 7:30 | 8:25 | 10:11 |
685 | 15:30 | 16:25 | 17:05 | 18:00 | 19:55 |
【鉄道】
ジョージア南部の温泉保養地・ボルジョミ~ゴリ間は。マルシュルートカだと直接のアクセスはできません。
しかし、トビリシ~ボルジョミ間の鉄道を利用するという裏技があります。
トビリシ中央駅~ボルジョミの観光エリア入口に位置するボルジョミ公園駅(Borjomi Park Station)間を結ぶ1日2往復の鉄道に、ゴリの鉄道駅で途中乗車/下車すればOK。
事前予約等は必要なく、当日鉄道駅の窓口で直接チケットを購入しての利用です。
この区間の鉄道のスケジュールは以下の通りです。▼
便番号 | トビリシ発 | ゴリ発 | ハシュリ発 | アハルダバ発 | ボルジョミ着 |
618 | 6:35 | 8:25 | 9:20 | 10:00 | 10:45 |
686 | 18:50 | 20:40 | 21:35 | 22:20 | 23:10 |
便番号 | ボルジョミ発 | アハルダバ発 | ハシュリ発 | ゴリ発 | トビリシ着 |
617 | 5:55 | 6:50 | 7:30 | 8:25 | 10:11 |
685 | 15:30 | 16:25 | 17:05 | 18:00 | 19:55 |
ゴリの宿情報
ゴリにはラグジュアリーホテルこそほとんどありませんが、小規模なゲストハウスは中心街に点在しています。
ここでは、ドミトリーがある格安のホステルを紹介します!
【Hostel California】
・料金:24GEL(=¥1200)
・部屋タイプ:10ベッドドミトリー
・立地:9/10
ゴリ旧市街に位置する小さなホステルです。
ゴリ市内観光にはとても便利な立地で、すべての場所に徒歩でのアクセスが可能です。
・アクセス:8/10
インターホンで宿の人を呼び出すシステム。
基本的に宿の人がいますが、外出している場合などはかなり待たされるかも。
・スタッフ:8/10
おばちゃんが自宅の一部を旅行者向けに開放しているような感じ。
英語は全く通じませんが、かなり面倒見の良い人でした。
・清潔さ:7/10
まあ普通に清潔、と言った感じ。
ピカピカに掃除がされているわけではなく、おばちゃんの私物が溢れていて雑然とした感じはします。
シャワー兼トイレは一か所しかなく、こちらもやや物が多めでした。
・設備:7/10
キッチンは備わっていますが、こちらもオーナーのおばちゃんと共用なのでガッツリと調理するのは難しいかもしれません。
ドライヤーはシャワー室にあり、タオルもお願いすれば無料で提供してくれます。
・wi-fi:10/10
宿自体が小さいので、インターネットはどこでもサクサク動きました。
・雰囲気:7/10
宿泊客はのぶよ一人だけだったので、ホステルらしい賑やかな雰囲気はありませんでした。
とはいえ、言ってしまえば「普通の家」なので、満室の際はかなり窮屈に感じるかもしれません。
もう少し、オーナーの居住部分と宿泊者スペースがきっちりと隔てられていれば良いと思いました。
・総合:8.0/10
おそらくゴリ市内で最安値の宿ですが、問題なく滞在できました。
「ホステル」というよりもただの民家なので、皆でワイワイする感じは期待できないかもしれません。
ゴリ中心街で出費を抑えながら数日滞在したい人にはアリだと思います!
【ゴリの宿をチェックする!】
おわりに
ゴリの観光情報や旅行に役立つ情報を徹底解説しました。
ここまで読んでいただけたなら、「スターリンの町…だけどそれだけじゃない!」というのぶよの主張がお分かりいただけたのではないでしょうか。
ゴリに滞在する旅行者は概して少なく、ジョージアのある程度の大きさの都市の中ではローカルな雰囲気が色濃く残っている点も◎
周辺の素晴らしい見どころへのアクセス拠点としても便利なので、のんびりと滞在しながらこの町の魅力を味わってほしいです!
コメント