こんにちは!元ポルトガル在住ののぶよ(@nobuyo5696)です。
ポルトガル領・アゾレス諸島のサン・ミゲル島は、大自然が作り出した見どころが島中に点在している場所。
地理的に大陸から隔絶されていることもあり、動植物の固有種が多く見られるのはもちろん、自然風景のスケールも桁違いに素晴らしいことで人気です。
今回紹介するのは、サン・ミゲル島観光の定番とされるフルナス地区(Furnas)。
山あいの小さな村には、火山島らしい大地のエネルギーが感じられる見どころが点在しており、温泉が湧き出る地獄谷観光が人気です。
また、フルナスには入浴できる温泉が湧いているのもポイント。
大西洋のど真ん中にある温泉なんて、日本人としては見逃すことができません!
温泉を利用した名物グルメまで楽しめて、温泉三昧の一日を過ごせるフルナス。
その魅力を余すところなくお伝えしていきます。
大西洋のど真ん中で入る、黄金色の温泉!超おすすめの露天風呂へ。
フルナスで一番人気のアクティビティーが、大地から湧き出る天然温泉に入ること。
フルナスの村の中心部にあるテーラ・ノストラ公園(Parque Terra Nostra)内にある巨大な露天風呂は、黄金色のお湯がたっぷり溜まった圧巻の風景で有名です。
温泉大好き人間ののぶよですが、海外在住7年目ともなると、なかなか温泉に入る機会がないもの。
この温泉に入るために、サン・ミゲル島まで足を運んだといっても過言ではないほどに楽しみにしていました(笑)
ヨーロッパの温泉というと、無色透明の単純泉であることが多く、お湯の温度もぬるめなことが多いのですが、フルナスの温泉はガチです。
見た目にも圧倒される黄金色のお湯は、日本の温泉のような硫黄と鉄の匂いが混ざったもので、お湯の温度も40℃ほどとヨーロッパにしてはかなり熱めです。
日本との違いは、水着着用であることと、プールほどの広さであること。
もちろん泳ぐこともOKです。
実は、湧いたばかりのフルナスの温泉は無色透明なのですが、空気に触れると酸化して鮮やかな黄金色になるそう。
実際に入浴してみると、匂いがかなり強くてかなり鉄分が豊富な感じ。
重みのある湯ざわりで、なんだか体に良さそうな感じがプンプンします。
ミネラルが肌の細胞の一つ一つに染み込むこの感じ。ああ、生きててよかった…!
注意点としては、色の薄い水着や体を拭くタオルが一瞬でお湯の色に染まってしまい、洗濯してもなかなか落ちない点。
捨ててもいい水着やタオルを持参することを強くおすすめします。
庭園の中央にある巨大な温泉とは泉質が異なる小さなお風呂もいくつか点在していて、湯めぐり気分を楽しむこともできます。
こちらのお湯の色は青みがかった乳白色。同じ敷地内にあるのに、全く泉質がことなるなんて不思議です。
温度は黄金色の温泉に比べるとやや低めで、こちらの方が多くの人で賑わっていました。
(欧米人は日本人に比べると、暑いお湯に入ることが得意でない人がかなり多いです)
心ゆくまで温泉を楽しんだなら、広大な庭園内を散歩してみるのもおすすめ。
水着のまま歩いてOKなので、湯上がりの爽快感そのままに自然を楽しむことができます。
庭園はかなり広く、温泉がわき出している場所も多々ありました。
こちらは入浴用に整備されていない自然のままの温泉ですが、かなり浅そうなので入浴はできないと思います。
温泉があるエリアは多くの人で賑わっていたのですが、庭園には人がまばらで自然をゆっくりと感じながらの散策ができます。
ぐるりと庭園を一周したら、再び入浴するのも良いですし、他の観光スポットへと足を運ぶのも良いでしょう。
大西洋のど真ん中で本格的な温泉につかることができて、かなり満足でした。
フルナスの温泉はとても匂いが強く、入浴後1日~2日はその匂いが消えないと言われています。
アゾレス諸島から飛行機で大陸に戻る際に匂いを漂わせているのも考え物なので、スケジュールをよく考えて訪れるのがおすすめです。
フルナス湖地獄谷を観光
黄金色温泉に並ぶ、フルナス地区を代表する観光スポットが、フルナス湖地獄谷(Lagoa das Furnas)。
その名の通り、フルナスの村から1.5kmほど離れたフルナス湖の湖畔に位置しており、大地から湧き出す温泉を間近で見られる場所です。
地獄谷特有の硫黄の匂いと、地面から噴き出す水蒸気に囲まれていると、ここがポルトガルだとは信じられない気持ちでいっぱいに。
目をつぶれば草津温泉そのままの匂いですから(笑)
大地に空いた穴から噴き出す水蒸気をすぐそばに感じられて、もの凄い熱気が漂っています。
日本だと、ここまで近づくことはできないのではないでしょうか。
フルナス湖のすぐ目の前にある地獄谷。
その一部分では、なにやら砂を積んで作られた怪しげな山がいくつも見られます。
日本の温泉地では、温泉を利用した温泉卵や温泉まんじゅうが名物となっていることが多いですが、ここはポルトガル。
温泉を利用して、ものすごい名物料理が調理されているのです。
どこからともなくおじさんたちがやって来て、砂の山を崩し始めます。
すると、土の中から顔をだしたのは、木のフタのようなもの。
実はこれ、フルナス名物のコジードゥ(Cozido)という料理を作るための窯。
「窯」といってもただ単に地面を掘って鍋を入れただけのものです。
実はこのおじさんたちは、近くのレストランで働く人たち。
フルナス地区では、古くから温泉の熱を利用して調理した「温泉蒸し料理」が食べられていて、現在では観光客にも大人気の名物グルメとなっているほどなのです。
温泉成分を含んだ蒸気で長時間地中で蒸し焼きにされる肉や野菜は、温泉の独特な風味がついた特徴的&健康的な食べ物として大人気。
世界でもここでしか食べることのできない激レアグルメを味わいにいきましょう!
フルナスの名物グルメは…温泉蒸し料理
というわけで、フルナスの名物料理・コジードゥ(Cozido)が食べられるレストランの一つが、村の中心部にあるTony’s Restaurant。
2階部分がテーブル席で、1階部分はスナックバーとなっており、一人で訪れるならバーの方が気軽に入れるでしょう。
メニューは結構豊富ですが、ほとんどの人が注文するのはもちろんコジードゥ。
基本は2人前~の注文の所が多いのですが、こちらのお店では1人前でもオーダーできるのが嬉しいです。
そしてやってきたのがこちら。まずボリュームがすごいです。
カボチャ、ジャガイモ、にんじん、キャベツなど数種類の野菜と、アゾレス諸島名物のモルセラ(=豚の血のソーセージ)やリンギーサ(スパイス入りのソーセージ)、骨付きの豚肉と鶏肉など、とにかく具沢山。
また温泉の香りがとても強いのも特徴で、野菜に至っては色が温泉色に黄色く変色しているほど。
付け合わせのお米にまで温泉の風味がついているという、徹底的な温泉料理です。
一口食べてみると、温泉由来の独特の風味が口の中いっぱいに広がります。
日本の飲用の温泉を口に含んだ時のような、鉄分やミネラルの味に似た感じでしょうか。
コジードゥは先ほど訪れた地獄谷で、なんと8時間ほど蒸し焼きにして調理されるそう。
これだけ温泉の風味が食材に染み込んでいるのにも納得ですね。
のぶよ的には「うわっ、美味しい!」と感動するほどの絶品料理というわけではありませんでしたが、他ではなかなか食べられないサン・ミゲル島独自の料理であるコジードゥ。
これを食べずにフルナス地区の観光を終えることはできません!
フルナスのそのほかの見どころ
カルデイラス・ヴルカーニカス
フルナスの村はずれにあるカルデイラス・ヴルカーニカス(Caldeiras Vulcânicas)は、「火山のカルデラ」を意味する場所。
その名の通り、火山活動によってできたクレーターが点在する、ミニ地獄谷といった光景が広がります。
規模こそ小さいものの、先ほど訪れたフルナス湖地獄谷よりさらに近くで大地のパワーが感じられるのが魅力的。
観光客はほとんどいません。
敷地内には川底から温泉が湧き出している場所があり、温泉成分で石も変色しています。
もちろんあの硫黄の匂いも健在です。
飲泉まで整備されていて、ペットボトルに入れて持ち帰る人が数人いました。
味見してみましたが、鉄の味がかなり強くてそのままでは飲めないほどの苦さ。
薄めて飲むためのものなのかもしれません。
フルナス湖
火山活動で生じたクレーターに水が溜まってできたフルナス湖は、ゆっくりとした時間を過ごすには最適な場所。
先述のフルナス湖地獄谷のすぐ目の前にあり、湖畔を一周することもできます。
地獄谷のちょうど対岸にあるのが、勝利の女神のチャペル(Capela de Nossa Senhora das Vitórias)。
アゾレス諸島の一般的な教会とは異なる、独特の建築様式が特徴的で、湖を静かに望む姿がとても絵になります。
フルナス湖をぐるりと一周すると6kmほどの道のり。
1時間強で歩けますが、途中は道がわかりにくい場所もあるので注意が必要です。
ピコ・ドゥ・フェーロ展望台
車/バイクでフルナス地区を訪れた人にぜひおすすめしたいのが、ピコ・ドゥ・フェーロ展望台(Miradouro do Pico do Ferro)から眺める絶景。
フルナス湖の全景はもちろん、エリア周辺に広がる美しい大地を望むことができます。
神秘的な雰囲気が漂うフルナス湖と、サン・ミゲル島の緑の大地。
遥か向こうには、大西洋の青色が見えます。
山々に囲まれたフルナスの村も一望することができます。
ちょうど雲が切れて虹がかかったこともあり、誰も居ない展望台はとても神聖な雰囲気に包まれていました。
フルナスのまわり方・アクセス情報
フルナス観光マップ
青:見どころ
赤:おすすめレストラン
フルナスへのアクセス・行き方
フルナスが位置するのは、東西に細長いサン・ミゲル島の中央から少し東側。
島の玄関口であり、滞在拠点となるポンタ・デルガダの町は島の西部に位置しているため、若干距離があります。
島内各地を結ぶ路線バスの南海岸線のうち318番がポンタ・デルガダ~フルナスを経由して、島東部のポヴォアサン(Povoação)へと向かいます。
路線バスでのアクセスも不可能ではないものの、フルナス中心部~フルナス湖までは1.5kmほどの距離で、山に隔てられているため、徒歩で往復するのは一苦労。
やはりレンタカー/レンタルバイクでのアクセスが理想的です。
広いエリアに見どころが点在しているサン・ミゲル島を効率良く観光するなら、ポンタ・デルガダ発の現地ツアーが便利!交通手段がない旅行者にとっては強い味方となります。
盛りだくさんの内容で料金もリーズナブルなので、滞在日数が限られている場合にはかなりおすすめです!
おわりに
サン・ミゲル島の大地のパワーを五感で楽しめるフルナス地区を紹介しました。
景色良し、温泉良し、食事良しと三拍子揃った場所で、きっと忘れられない思い出となることでしょう。
大西洋のど真ん中で入る黄金色の温泉は、とにかくおすすめの体験で、きっと忘れられない思い出となるはず。
温泉好きな人はたまらない一日が過ごせることを保証します!
サン・ミゲル島観光の拠点となるポンタ・デルガダは、旅行者に必要なサービスが全てそろっているので滞在先にはおすすめ。
島の各地に点在する見どころをまわる現地ツアーも、ほとんどがここからの発着です。
コメント
こんにちは
初めまして。
ロンドン永住のスミス慶子と申します。
今回息子が急にアゾレス諸島に行かないかと提案してきたところ、全く知識のないところだったのですが、このサイトのおかげでより良いホリデーになりそうで、今からとっても楽しみにしております。2022年2月のハーフタームを利用しての約30年ぶりのポルトガル.情報感謝で一杯です。
Keiko Smith様
コメントいただきありがとうございます!
アゾレス諸島にいらっしゃるとのこと、大変羨ましく思います。2月でも気温がそこまで下がることはないので、お天気に恵まれれば快適な滞在になるのではないかと。
どちらの島にご滞在なさるのかわかりませんが、どこも大地の力を五感で感じることができる場所ばかりですので、きっと感動なさることだと思います。
コロナ禍で少し変わっている状況などあるかもしれませんが、情報をお役立ていただければ嬉しく思います!