こんにちは!元ポルトガル在住ののぶよ(@nobuyo5696)です。
ポルトガル本土から西に1000km以上の大西洋ど真ん中に浮かぶアゾレス諸島。
9つの島すべてが火山活動によってできたものですが、それぞれの島には独特の風景が広がっていて、島めぐりスタイルで旅するのが一般的です。
今回紹介するのは、アゾレス諸島の中で最も「火山の島」が強く感じられるファイアル島(Ilha do Faial)。
中心の町であるオルタ(Horta)のインターナショナルな港町の雰囲気も魅力ですが、オルタを出ると、もはや月面に来てしまったかのような不思議な風景が広がります。
小さな島ながら、多くの見どころが点在しているファイアル島。
大地のパワーと大西洋の美しさを感じられる大自然スポットの連続は、アゾレス諸島観光のハイライトとなることでしょう。
今回の記事では、「火山の島」ファイアル島の魅力を余すところなく紹介していきます!
ファイアル島観光地図
赤:おすすめレストラン
モーロ・ドゥ・カシュテロ・ブランコ
オルタを出発し、島の南海岸を西に向かって走っていくと、空港があるカシュテロ・ブランコ(Castelo Branco)という集落があります。
この集落近郊にあるのが、モーロ・ドゥ・カシュテロ・ブランコ(Morro de Castelo Blanco)。
海底火山が噴火&隆起してできた巨大な岩で、流れ出た溶岩によって陸地とつながったため、海に突き出した半島のような不思議な地形をしています。
圧倒されるほどの大きさの断崖絶壁の島ですが、陸地とつながった部分を通って上に登ることも可能だそう。
ただし完全にロッククライミング状態となるので、特別な装備などがないと難しいと思います。
周辺には気持ちの良い遊歩道が整備されており、ダイナミックな風景と潮風を感じながらの散策が楽しめます。
カペリーニョシュ
「火山の島」・ファイアル島の象徴であり、最大の見どころとして有名なのが、島の最西端に位置するカペリーニョシュ(Capelinhos)と呼ばれる場所。
火山灰が積もってできた一面セピア色の大地は、海底火山の噴火によって隆起したボコボコした地形も相まって、もはや地球上のものとは思えない不思議な光景となっています。
1957年の噴火によってこの状態となったのですが、それ以前には灯台が設置されているだけの岬でした。
1957年9月に始まった噴火はかなり大規模&長期的なもので、翌1958年の5月まで続いたそう。
火口すぐ近くにあった灯台は一瞬にして廃墟となり、ファイアル島の大地には火山灰が降り続け、農業や牧畜に大きな被害を与えたそうです。
噴火によって放置されることとなった灯台は、現在ではカペリーニョシュのランドマーク的存在。
地下にはビジターセンターが設置されており、火山活動や地質学に関する展示が行われています。
灯台と並ぶカペリーニョシュの見どころが、火山灰が降り積もった丘の上に登って眺める絶景。
現在でも溶岩が転がっている真っ黒な斜面は、まるでこの世の終わりを見せられているようにも感じられます。
丘の上から眺める風景には、感動すること間違いなし。
真っ青な大西洋と廃灯台、火山灰に覆われた大地の先にあるのは、噴火した火山のクレーター部分(立ち入りは禁止)です。
すぐそばに海の青色が広がっていることが不思議に感じられるほどに、現実離れしたカペリーニョシュの風景。
アゾレス諸島の中でもここまで火山活動の力を感じる風景が見られるのは、ファイアル島だけだと思います。
ファイアル島北海岸
カペリーニョシュの地球離れした風景に感動した後は、島の北海岸を東に向かっていきましょう。
朝オルタを出発したなら、そろそろランチの時間となるはず。
ファイアル島北海岸エリアにある、名物料理が食べられるレストランも紹介します!
ファジャン・ビーチ
カペリーニョシュから東に走っていくと、「北の海岸」という意味の名を持つプライア・ド・ノルトゥ(Praia do Norte)という村に到着します。
数十軒の家が建つだけの村から海に向かっていくと、真っ黒な砂浜が続くファジャン・ビーチ(Praia da Fajã)が広がります。
波はかなり高めで海水浴向きではありませんが、ファイアル島北海岸のダイナミックな風景を眺めることができるポイントです。
Restaurante Rumarでアゾレス名物料理を!
プライア・ド・ノルトゥ村の幹線道路沿いの高台に位置するRestaurante Rumarは、村の人のみならず、ファイアル島の住民の間では結構有名らしい小さなローカルレストラン。
肉料理や魚料理の日替わり定食など、メニューは豊富ですが、このお店で一番有名なのが「トレスモシュ・ドゥ・カビーニョ(Torresmos de Cabinho)」と呼ばれる豚の角煮のような料理。
アゾレス諸島の名産であるトレスモシュ・ドゥ・カビーニョは、豚肉の脂身が多くついた部分やあばら骨部分を調理したもの。
アゾレス諸島全体でポピュラーな一品ですが、島によって若干調理法が異なるのが特徴です。
ファイアル島では豚肉をじっくり煮込むのではなく、短い時間でグリルするスタイルのよう。
薄味ではあるものの、素材の旨味がたっぷり詰まっており、とても美味しくいただけました。
リベイラ・ダス・カブラシュ展望台
名物料理でお腹も満たされた後は、プライア・ドゥ・ノルトゥの村を後にして東へと進んでいきましょう。
忘れてはいけないのが、村はずれの幹線道路沿いにあるリベイラ・ダス・カブラシュ展望台(Miradouro da Ribeira das Cabras)からの絶景。
ファイアル島の北海岸のダイナミックな風景の向こうには、先ほど訪れたカペリーニョシュの茶色い大地を望むことができます。
サラン港
時間に余裕があれば、北海岸エリアの東側に位置するサラン村(Salão)にあるサラン港(Porto do Salão)にも立ち寄りましょう。
「港」という名前ですが、実はこちらはアゾレス諸島のどこででも見られる天然プールの一つ。
天然の岩場に手を加えて、安全に泳げるようにしたものです。
海に突き出した独特なロケーションが特徴で、広大な大西洋のパノラマを独り占めすることができる場所です。
カルデイラ
最西端のカペリーニョシュと並ぶファイアル島観光のハイライトとなる場所が、島の中央に位置するカルデイラ(Caldeira)。
火山の噴火を起こした火口部分がえぐれてできた地形で、日本語では「カルデラ」と呼ばれるものです。
日本では熊本県の阿蘇山が同じカルデラ地形なのですが、ファイアル島のカルデイラには人は住んでいません。
(そう考えると、火山の火口に人が住んでいる阿蘇山ってすごいですよね。)
火口の周りを一周する遊歩道が整備されているので、ぜひ散策してみることをおすすめします。
ちょうど雲が出てきたこともあって、なんだか神聖な雰囲気が漂っていました。
観光客の姿も全くなく、かつて大噴火を起こした火山には静寂だけが漂っています。
散策路の途中には、小さなチャペルがあります。
この一帯は、ファイアル島で最も高いところに位置している場所。
カルデイラの火口部分と、外側のファイアル島の大地、遠くには大西洋までを一望することができます。
カルデイラをぐるりと取り囲む散策路を一周すると約8kmほど。
アップダウンも結構あり山道が続くので、トレッキングシューズなどを用意していくのがいいかもしれません。
かつて大噴火を起こした火口部分には、新しく緑の草木が生え、生命の強さが感じられます。
なかなかこうして火山のクレーターを一望できる機会もないので、独特な風景の連続に感動してばかりでした。
ファイアル島東海岸
カルデイラの観光を済ませたら、あとはオルタ方面へ戻るだけ。
時間に余裕があるなら、オルタの北側の崖を越えた先にあるプライア・ドゥ・アルモシャリフェ(Praia de Almoxarife)という小さなビーチタウンに立ち寄っていくのもおすすめです。
真っ黒な砂浜のビーチですが、海はとてもきれい。
波もかなり低いので、海水浴客には大人気の場所となっています。
お隣のピコ島(Ilha do Pico)を望む絶景の中で海水浴が楽しめるのも魅力的。
ビーチ沿いにはいくつか飲食店が点在しているので、オルタに戻る前に休憩していくのもいいでしょう。
おわりに:ファイアル島のまわり方は?
他の島では見られない独特でダイナミックな風景が魅力で、きっと思い出に残る一日となるはずです。
ファイアル島は比較的面積が小さく、島の海岸線沿いの村を結ぶバスも運行されているので、車やバイクなしで個人で観光することも一応は可能です。
しかしながら、路線バスの運行スケジュールは便利とは言い難く、今回紹介した見どころ全てをまわるなら1日では無理でしょう。
できればレンタカー/レンタルバイクを借りてまわるのが理想的。
オルタの中心街にはレンタカー業者のオフィスがいくつかあるので、訪れてみてはいかがでしょうか。
ファイアル島の宿泊なら、島の玄関口&最大の町であるオルタ一択!開放的な雰囲気漂う港町には、小規模ホテルやペンションが点在しています。
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