ディリジャンへのアクセス・市内交通
ディリジャンは山々に囲まれた谷のような地形に位置している町で、東西に6kmほど細長く広がっているのが特徴的です。
坂がかなり多い町なので、すべて徒歩でカバーするのはなかなか大変。
市内交通を上手に利用するのをおすすめします。
また、ディリジャンは二本の主要幹線道路が交わる交通の要所で、アルメニア国内の他都市へのアクセスも悪くありません。
この項では、ディリジャンの交通・アクセス面に関する情報を解説していきます!
ディリジャンの市内交通
ディリジャンは東西に細長くひらけた町。
端から端までは6kmほどの距離があり、すべて徒歩でカバーするのはなかなかに修行です。
流しのタクシーも多く、Yandex等の配車アプリもカバーエリアに入っていますが、地元の人が利用する公共交通も意外と便利。
ディリジャン滞在中に何度も利用することになるのが、市内を東西に走るマルシュルートカです。
▲こんな感じで、最西端のアボヴャン地区~バスステーション~中心街~最東端のシャフミャン地区を結ぶルート。
ディリジャン市内で旅行者が訪れるエリアは全てカバーしているので、すごく重宝します。
東西いずれの方向にも30分に1本の頻度で走っているので、簡単に利用できるのもメリット。
(※日曜日のみ1時間に1本に減便)
乗客はローカルばかりで旅行者の姿はあまり見かけませんが、ディリジャン市民になったような気分で移動できるのも◎
料金はどこまで行っても100AMD(=¥22)と格安なのも嬉しいです。
他都市~ディリジャンのアクセス情報
ディリジャン~他都市間のアクセスは、やや限られている印象ですが不便はそれほどありません。
多くの旅行者は、エレバン~ディリジャン間を移動することでしょう。
それ以外にも、タヴシュ地方の中心都市・イジェヴァン(Ijevan)や、お隣ロリ地方の中心都市・ヴァナゾル(Vanadzor)から/へのアクセスも可能です。
ディリジャン~各都市間のアクセス情報詳細は、下のタブ内にまとめています。
首都エレバン~ディリジャン間のアクセスは、旅行者の間で最もポピュラーなもの。
ディリジャン行きのマルシュルートカが発着するのは、エレバンの北バスステーション(Northern Bus station) ▼
北バスステーションは中心街からはかなり離れた場所にあって歩くのは不可能。
タクシーを利用するか、エレバン市内路線バスでアクセスするかのいずれかになります。
エレバン中心街~北バスステーション間の路線バスの例
・46番:ヴェルニサージュ(中心街南部)~北バスステーション
・259番:メスロプ・マシュトツ通り(中心街のメインストリート)~北バスステーション
交通状況によって1時間近くかかる場合もあるので、時間には余裕を持っておくのが◎
北バスステーションに到着したら、一度バスステーションの建物内に入ってチケットを購入する必要があります。
チケットを購入した後は、ディリジャン行きの651番マルシュルートカを探すだけ。
この区間のマルシュルートカは定員制のようで、満席になると有無を言わさず次の便にまわされるので要注意。
特に夏場のハイシーズンは、最低でも出発時刻30分前までにはチケットの購入を済ませておくのが◎
エレバン~ディリジャン間のマルシュルートカ出発時刻はこちら (2021年9月現在) ▼
ディリジャンでの到着地/出発地は、町で最も低い場所に位置するバスステーションです。
距離的にかなり近いセヴァンとディリジャンですが、これら二つの町を直接結ぶ交通手段は存在しません。
多くの旅行者はタクシーを利用(1台4000AMD~)してしまうのですが、エレバン~ディリジャン間のマルシュルートカを途中乗車/下車するという方法で移動することもいちおう可能です。
注意したいのが、エレバン~ディリジャン間のマルシュルートカは、セヴァン中心街を経由せず、2kmほど南に走る幹線道路沿いを通過する点。
▲セヴァン中心街に最も近いのが、上の地図上のガソリンスタンド付近。
セヴァン~ディリジャン間のマルシュルートカ移動は、この場所での乗下車が基本です。
幹線道路~セヴァン中心街間の1.5km~2kmほどは徒歩でアクセスする必要があります。
【セヴァン→ディリジャン】
セヴァンからディリジャンに向かう場合、かなり運任せとなる点に要注意。
というのも、エレバンを出発したマルシュルートカはすでに満席であることが多いため。
その場合はいくらセヴァンで途中乗車しようと合図しても、停車さえしてくれません。
空席があれば停まって乗せてくれますが、かなり不確実だと思います。
【ディリジャン→セヴァン】
いっぽう、ディリジャンからエレバン行きのマルシュルートカをセヴァンで途中下車する場合は100%乗車可能です。(ディリジャンが始発なので)
のぶよ的には、このエリア内で個人移動での旅行計画を立てるなら、ディリジャン→セヴァンの順番を強くおすすめします。
アルメニア第三の都市であるヴァナゾル(Vanadzor)は、ディリジャンの西30kmほどの場所に位置する町。
アルメニア北部のロリ地方への入口となる場所に位置しています。
ヴァナゾル~ディリジャン間を直接結ぶマルシュルートカは存在せず、さらに北東に位置するイジェヴァン(Ijevan)行きの便を途中乗車/下車することになる点に注意。
ヴァナゾル→ディリジャン方面は、ヴァナゾルのバスステーション発でディリジャンで途中下車すれば良いだけなので簡単。
問題はディリジャン→ヴァナゾル方面に移動する場合です。
イジェヴァン発ヴァナゾル行きのマルシュルートカはディリジャンのバスステーションは経由せず、50mほど北のロータリー付近を通過するためです ▼
ディリジャンから途中乗車する場合、すでに満席だと停車してもらえない可能性が高いので、できればヴァナゾル→ディリジャンの方向で移動するのが良いかもしれません。
ディリジャンが属するタヴシュ地方の中心都市であるイジェヴァン(Ijevan)。
イジェヴァン~ディリジャン間を直接結ぶマルシュルートカは存在せず、さらに西に位置するヴァナゾル(Vanadzor)行きの便を途中乗車/下車することになる点に注意。
イジェヴァン→ディリジャン方面は、イジェヴァンのバスステーション発でディリジャンで途中下車すれば良いだけなので簡単。
問題はディリジャン→イジェヴァン方面に移動する場合です。
ヴァナゾル発イジェヴァン行きのマルシュルートカはディリジャンのバスステーションは経由せず、50mほど北のロータリー付近を通過するためです ▼
いっぽう、エレバン~ディリジャン~イジェヴァンという路線も一日に数本あるので、こちらを途中乗車/下車するというオプションもあり。
こちらの便はディリジャンのバスステーションに停車して乗客を降ろすので、途中乗車できる確率は高いと思います。
ディリジャン観光のプランニングのコツ・アドバイス
ディリジャンに初めて訪れる旅行者は、いったいどんな町なのかイメージが湧きにくいもの。
この項では現地の気候や必要日数、滞在時のインフラ面など、ディリジャン観光&滞在に役立つ情報をまとめています。
ディリジャン観光におすすめの季節
ディリジャン観光はもちろん一年中可能です。
しかし、冬場は恐ろしいほどの寒さ&積雪となりハイキングは不可能。
また冬季(12月~2月)は多くの宿が閉鎖されるため、個人で旅行するのは難しいでしょう。
町を取り囲む緑いっぱいの風景を見れば一目瞭然なのですが、ディリジャン周辺は一年を通して降水量がかなり多い地域。
季節を選ばないと、せっかくの滞在中ずっと雨…なんてことになってしまうかも。
ディリジャン観光のベストシーズンを決めるポイントは、
・降水量が少ない
・気温が高めで積雪がない
の二つです。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
平均最高気温(℃) | -2 | -1 | 5 | 13 | 18 | 23 | 27 | 27 | 23 | 15 | 8 | 1 |
平均最低気温(℃) | -12 | -10 | -5 | 5 | 6 | 9 | 13 | 13 | 8 | 2 | -3 | -8 |
平均降水量(mm) | 41 | 51 | 98 | 149 | 185 | 164 | 117 | 91 | 84 | 78 | 56 | 41 |
のぶよ的におすすめしたいのが、7月中旬~10月初旬にかけて。
夏真っ盛りの7月と8月は、ディリジャン周辺の緑色が最も濃く、美しくなる文句なしのハイシーズン。
雨が降る日も少なく、気温もそこまで上がることは稀なので、避暑地らしい快適な滞在が遅れるでしょう。
10月初旬には紅葉が始まるので、一面の緑はカラフルな秋色の風景に変化するのもポイント。
夏場に比べると日中の気温もだいぶ下がるので、ハイキング目的なら9月~10月がおすすめです。
反対に、アルメニア全体でベストシーズンとされる5月と6月は、ディリジャン観光に関しては避けるべき。
新緑が美しい季節ではあるものの、とにかく雨が多いこの時期。ハイキングなどのアウトドアアクティビティーには向きません。
ディリジャン観光に必要な日数
ディリジャン観光に必要な日数は、
・どうやって見どころをまわるか(タクシー/ツアー/個人)
・どこまで見どころをまわるか(有名どころだけ行くか、全部制覇するか)
の二点によって大きく変わってきます。
だいたいの目安はこちら ▼
・現地ツアー参加で見どころをまわる場合:1日
・タクシーをチャーターして見どころをまわる場合:1日~2日
・個人で見どころをまわる場合:3日~4日
のぶよはディリジャンとその周辺の見どころの全てに個人でアクセスしました(10日くらいいた)。
長くいればいるほど、宿代も食費もかさんでくるもの。
「どうしても個人で行きたい!」などのこだわりがないのであれば、タクシーを利用した方が一日に数か所のスポットを見学できるので効率的かなと感じます。
滞在時のインフラ(ATM/スーパーetc…)
ディリジャンは、山の中にある小さな町。
「アルメニア地方部の町」と聞くと、滞在中のインフラが心配になる人もいるかもしれませんが、ご安心を。
ディリジャン滞在中に、生活面で困る場面は一度もありませんでした。
中心街には中規模のスーパーマーケットがあるので一通りの食材は揃いますし、避暑地であるためかレストランなどの外食施設も比較的多いです。
銀行やATMも中心街をはじめ町中に点在しているので、現金を下ろす際に困ることもなし。
(両替屋も中心街にありました。)
とはいえ、そこはやはり山の中の小さな町。洋服屋や日用品の種類や品数には限りがあるので、特別なものはエレバンで購入しておくのが良いでしょう。
(夏場でも夜は冷え込むことがあるので、ジャケットなど羽織るものをお忘れなく!)
ディリジャンの宿泊におすすめのエリア
ディリジャンの宿泊先を決める際は、少し注意が必要。
というのも、ディリジャンは山に挟まれた谷のような場所にひらけており、坂道がとても多いため。
知らずに予約してしまうと、ちょっと買い物のたびに急坂を上り下り…なんてことになってしまうかも。
ディリジャンの地形を簡単に表すと、こんな感じ。緑色のエリアはとにかく坂だらけなので避けるべきです ▼
他都市から/への移動に便利なのはバスステーション周辺ですが、この辺りには宿がありません。
その他で便利なのが以下の二つのエリア。
・中心街:買い物など全てにおいて便利。宿代やや高め。
・Myasnikyan通り沿い:中心街からやや離れるが静か。宿代安め。
いずれのエリアにも「ディリジャンの市内交通」の項で解説した市内マルシュルートカが30分に1本走っているので、バスステーションへのアクセスにも問題ありません。
すでに紹介したのぶよのおすすめホステル“Ojakh”も、Myasnikyan通りのバス停から平坦な道を100mほど歩いたの場所に位置しており、さほど不便は感じませんでした。(近くには食料品店も2軒ありましたし)
【ディリジャンの宿をさがす!】
観光案内所はフル活用すべし!
「ディリジャンに行くなら、当ブログを見ておけば大丈夫!」と言いたいところではありますが、やはり現地に根差した観光案内所の存在は心強いものがあります。
ディリジャンの観光案内所は、バスステーションから300mほど歩いた場所に位置しており、モダンな外観が特徴的。
この観光案内所が、これまで訪れた中でも3本の指に入るほどの神対応でした。
職員の方は流暢な英語を話し、ディリジャン市内の観光情報はもちろん、周辺エリアの観光情報に関してもいろいろと親身になって教えてくれます。
ディリジャン拠点のハイキングコース情報に関しても、その情報量は圧倒的。
ハイキング目的でディリジャンに滞在する場合は、有無を言わさずに観光案内所へ直行です!(でも、当ブログも読んでね…)
おわりに
アルメニアきっての山岳リゾート・ディリジャンの観光&滞在を100%満喫するために必要な情報を、「これでもか!」とばかりにまとめました。
アルメニア自体がマイナーな国なのに、こんな地方部まで個人で来る旅行者がいるのかは甚だ疑問ではありますが(笑)、どこかの誰かのお役に立てたなら嬉しいです!
10日間居座った経験から言わせてもらうと、一度ディリジャンに足を踏み入れた旅行者は、なかなか次の場所へと発つのが難しくなるはず。そう、魔境なのですここは。
緑あふれるアルメニアの魔境での、あなたの滞在が充実したものとなりますように!
コメント