こんにちは!元ポルトガル在住ののぶよ(@nobuyo5696)です。
ポルトガル最南端に位置するアルガルヴェ地方(Algarve)をご存じでしょうか。
照り付ける強い日差しが反射する白壁の家々
どこまでも広がる青い大西洋と極上ビーチ
など、南国のイメージが強いポルトガルという国を象徴するような地域と言えます。
ポルトガルにやってくる日本人旅行者の多くは、リスボンとポルトの二大都市だけを訪れて帰ってしまうことが多いのが現状で、アルガルヴェ地方まで足をのばす人は少数派でしょう。
しかしながら、アルガルヴェ地方はヨーロッパでは抜群の知名度を誇る場所。
名だたるリゾートや白い町の数々、ポルトガルらしい「海の風景」が見られる場所が多く点在しており、年々訪れる観光客は増えてきているのです。
今回の記事では、「アルガルヴェ地方観光でしたい10のこと」と題して、エリア内の見どころや名物などを紹介していきます。
地元の人々のアルガルヴェ訛り(rで舌を巻く)に囲まれながら、ゆっくりと時間をかけてその魅力を感じてみましょう。
1.極上ビーチで身も心も癒される
アルガルヴェ地方と言ったら、ビーチでしょう。
リゾート客が集まる、パラソルとデッキチェアが並ぶようなビーチから、サーファーに大人気の大西洋ビーチ、断崖絶壁に囲まれた穴場ビーチまで、あらゆる人の好みに合った場所が必ず見つかるのです。
まるで入浴剤を入れたかのようなコバルトブルーの海水はどこまでも綺麗で、見たら絶対に泳ぎたくなるはず。
夏場は灼熱となるアルガルヴェ地方。
観光途中のクールダウンを極上ビーチで過ごすなんて、とても贅沢な一日ではありませんか。
2.素朴なリゾート地でポルトガル・タイムに触れる
世界に名だたるリゾート地が点在するアルガルヴェ地方の海沿い。
過剰な開発にさらされてしまい、本来の魅力が失われてしまった場所もあります。
しかしながら、アルガルヴェ地方らしい素朴なリゾート地もまだまだ残っており、その代表がファロ(Faro)。
アルガルヴェ地方で一番大きな町であるファロは、白壁の可愛らしい家々が建ち並ぶ旧市街が魅力的ですが、ビーチリゾートとしてはあまり有名ではなく、多くの観光客が素通りしていきます。
それこそが、ファロの素朴さが残っている理由。
ビーチエリアであるプライア地区に行くと、極上の大西洋ビーチとポルトガル地方部らしい素朴な町並みが広がっています。
ハイシーズンでも混雑することはなく、大音量の音楽がかかったバーなども少ないビーチは、ゆったりとしたポルトガル・タイムを感じるのに最適な場所。
現在でも漁村としての生活が残っているエリアでもあるので、至る所でローカルな雰囲気にひたることができます。
「ポルトガルらしい素朴なリゾート」を味わいたい人に、心からおすすめしたい場所です。
3.洞窟内の神秘的な隠れ家ビーチへ
近年SNSを中心に話題になっているベナジルの海中洞窟(Algar de Benagil)は、天井に穴が空いた洞窟内にビーチがあるという、世界でも珍しい場所です。
陸からのアクセスは不可能で、海側に空いた入口からボート等でアクセスするという秘境感も人気の秘密。
個人でのアクセスには難ありで、近郊の町からのボートツアーに参加するのが一般的な観光方法となりますが、期待を裏切らない神秘的な光景にはきっと感動するはずです!
4.世界一美しい海岸線を歩く
アルガルヴェ地方西部の観光の中心となるラゴス(Lagos)は、運河沿いにひらけた可愛らしい中心街を持つ町。
ラゴスを有名にしたのは、町の南に延びる海岸線の美しさでした。
「世界で一番美しい海岸線」などと称される2kmほどのシーサイド・トレッキングが人気で、個人でも簡単に歩くことができます。
青とも緑ともつかない海の色と断崖絶壁のダイナミックな海岸線は、アルガルヴェ地方を代表するような風景。
ぜひ自分の足で歩いて、その美しさを目に焼き付けたいものです。
5.本当のユーラシア大陸の最果てを訪れる
日本人の間でも人気な、ユーラシア大陸最西端に位置するロカ岬。
リスボンから日帰りで観光することも可能とあって、多くの観光客で賑わうスポットとなりました。
実は、ポルトガルにはもう一つ、「ユーラシア大陸の地の果て」があります。
それが、大陸最南西端に位置するサン・ヴィセントゥ岬(Cabo de São Vicente)。
地図を見れば一目瞭然なのですが、ポルトガルの中ほどの中途半端な場所に位置するロカ岬に比べて、サン・ヴィセントゥ岬は本当に「端っこ感」があります。
実際に訪れてみると、ロカ岬とは比べ物にならないほどの荒涼とした雰囲気と人の少なさに、「本当の最果ての地」を感じさせられます。
アクセスは便利とは言えないものの、それこそが地の果てである証拠。
大陸の端っこまではるばるやってきたという達成感に包まれることを保証します。
6.白亜の町で歴史散歩
アルガルヴェ地方で多くの観光客が訪れるのは、ラゴスやアルブフェイラなど西部の町がほとんど。
一方で、東部にやってくる人はそれほど多くなく、観光地化が進んでいない穴場の町が多く点在しています。
その中の一つが、「アルガルヴェで最も可愛らしい」と言われる旧市街を持つタヴィラ(Tavira)。
町を二分するジラオン川沿いにひらけた小さな町は、川の両岸で町並みが異なるのが特徴的。
斜面に開けた南岸には白亜の建物が連なる典型的なアルガルヴェ地方の町といった雰囲気です。
一方の北岸は、スペインとの国境に近いこともあってか、黄色や赤など原色で塗られた建物が点在しているのもタヴィラの特徴。
ポルトガルの町の多くは、パステルカラーの壁や、アズレージョと呼ばれるタイルで建物を装飾することはあっても、原色で壁が塗られた家を見ることはあまり多くありません。
真っ白な町とカラフルな町と、対照的な町並みが調和したタヴィラ。
ほとんど知られていない町ですが、観光客も少ない超穴場です。
7.世界一の絶景トレッキングコースを歩く
アルガルヴェ地方もとい、ポルトガル全体で見てもかなりの穴場と言えるのが、西の海岸線沿いに連なる漁師の道(Trilho dos pescadores)と呼ばれるエリア。。
アルガルヴェ地方から、北に位置するアレンテージョ地方の大西洋沿いにかけての100kmほどの海岸線沿いのウォーキング・トレイルのことで、「世界一の絶景の中を歩ける」と評判になっています。
やたら「世界一の○○」が多いアルガルヴェ地方なので、話半分に思っていたのですが、実際に訪れてみるとその称号が正しいと納得するでしょう。
手つかずのビーチの数々はどれも美しく、大西洋の荒波にさらされてきた証の断崖絶壁の大地はとてもダイナミック。
トレイル沿いに点在する昔ながらの漁村の雰囲気を残した村々も、そんな風景に彩を添えます。
個人で公共交通手段を利用してのアクセスは絶望的に不便で、レンタカーか自分の足で歩くかしかないのですが、そんな不便さを忘れてしまうほどの絶景の連続が待ち受けていますよ!
8.アルガルヴェ地方の郷土料理を食べる
アルガルヴェ地方を訪れたなら、名物の郷土料理を食べずに帰ることはできません。
海に囲まれたエリアとだけあって、アルガルヴェ地方の料理はシーフードを多用するのが特徴的。
年間を通して水温が低く、海流が強い大西洋で育った魚は、どれも脂がのっていて絶品。
近海で獲れるエビやあさり、タコなども多く使われます。
代表的なのが
カタプラーナ
カルニ・ド・ポルコ・ア・アレンテジャーナ
アロシュ・マリシュコ
の三品です。
カタプラーナ
カタプラーナ(Cataplana)とは、同名の円盤のような大鍋を使った料理の総称。
各家庭によって具材とスープの材料は異なるものの、海老、イカ、バカリャウ(干しダラ)などのシーフードが必ず用いられます。
ポルトガルの中でもアルガルヴェ地方でしか食べられない料理で、数人でシェアしながら楽しくいただくのが地元風。
海沿いのレストランで、ワイン片手にカタプラーナを食べれば、アルガルヴェ地方に来たことを実感するはずです。
カルニ・ドゥ・ポルコ・ア・アレンテジャーナ
「アレンテージョ地方風豚肉」という名の料理なのですが、発祥はアルガルヴェ地方。
豚肉をニンニク、コリアンダー、レモン汁、パプリカペーストなどでマリネして寝かせたものを、新鮮なあさりと一緒に煮込んだものです。
豚肉とあさりという、一見謎すぎる組み合わせなのですが、これがかなりの絶品。
豚肉の旨味とあさりのダシが混ざって、他にはない味わい深い一品となっています。
潮の満ち引きによってできる干潟を持つ町が多いアルガルヴェ地方の東部。
干潮時になると地元の人々がこぞってあさりを獲りに海に繰り出す風景は、この地域の風物詩となっています。
アロシュ・マリシュコ
ポルトガル風シーフードリゾットがアロシュ・マリシュコ(Arroz Marisco)。
ニンニクやトマトを効かせたリゾットは、これでもかというくらいにシーフードの旨味がたっぷりと染み出した絶品です。
ピリピリ(Piri piri)と呼ばれる唐辛子をかけていただくのがアルガルヴェ流。
大西洋の豊かな海の幸の味わいが、口の中一杯に広がる絶品です。
9.マリン・アクティビティーに挑戦
アルガルヴェ地方に来たなら、普段はなかなかできないマリン・アクティビティーに挑戦してみたいもの。
サーフィン
シーカヤック
パドルボート
など、体力や時間に合わせたアクティビティーが必ず見つけられます。
インストラクター付きのものが多く、初心者用のクラスもあるので心配ご無用。
海から眺めるダイナミックな海岸線や、カヤックでしかアクセスできない秘密の洞窟など、楽しいスポットもいっぱい。
体力的に不安がある人には、ボートで海岸線沿いを走るツアーなんかも多く催行されているので安心です。
10.値段&質◎なホステルで世界中の旅行者と友達に!
アルガルヴェ地方で素晴らしいのは、多くの町に格安で宿泊できるホステルがある点。
ポルトガルの他地域よりは若干相場は高めですが、それでも1泊€10~€15(=¥1200~¥1800)ほどで宿泊できます。
リーズナブルな宿泊料金に加えて、ホステルの質が総じて高いのもアルガルヴェ地方の魅力。
モダンな設備を持った大型ホステルから、民家を改装したアットホームなホステルまで、好みにあった場所が必ず見つけられます。
年間を通して天気が良くて温暖な気候のアルガルヴェ地方のホステルは、広々としたテラスや屋上など、開放的なスペースが用意されていることがほとんど。
世界中から年齢・国籍を問わず多くの人々が集まり、開放的な雰囲気もあいまって、簡単に友達が作れる環境です。
ホステルにもよるのですが、基本的にアルガルヴェ地方にやってくる旅行者は、あまり綿密なプランをたてずにのんびりと滞在する人が多いのも特徴的。
気が合った宿泊客と一緒にビーチへ行ったり、夕日を見に行ったり、カヤックをレンタルしたり。
個人旅行ではなかなか味わえない「誰かと一緒に過ごした瞬間の思い出」ができること間違いなしです。
おわりに
アルガルヴェ地方の観光スポットや名物などを含めた魅力を解説してきました。
ダイナミックな海の風景や可愛らしい町並み、名物料理まで存分に楽しみたいものです。
観光地を点から点へとまわる移動スタイルの旅よりも、一か所に数日間のんびり滞在しながら周辺へと足をのばす滞在スタイルの旅が合っているアルガルヴェ地方。
慣れてしまうと、「他にどこにも行きたくなくなる」という副作用がついてきますが、それだけ居心地が良いという証。
ぜひたっぷりと時間をとって、美しい海の風景を満喫する滞在をしてみてはいかがでしょうか。
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