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Ashtu dhe zëmëra ime më le këtu tek jam mua,
Vjen me vrap e me dëshirë aty nër viset e tua.
Tek buron ujët e ftohtë edhe fryn veriu në verë,
Tek mbin lulja me gas shumë dhe me bukuri e m’erë,
Ku i fryn bariu xhurasë, tek kullosin bagëtija,
Ku mërzen cjapi me zile, atje i kam ment e mija.
Naim frashëri – O malet’ e Shqipërisë
こうして異国の地で待つだけの、彷徨いし身の惨めな我が心は
急ぎ足で帰っていくのだ。
想い焦がれながら、あの地へと。
春の冷たい水が泡沫をつくり、夏の涼しい風が吹く地へと。
草木が幻想的に生い茂り、花の香り漂う地へと。
羊飼いが葦笛を吹き牛の放牧をする地へと。
鈴の音とともに山羊が休む地へと。
そうだ。これぞ我が想い焦がれし地だ。
ナイム・フラシャリ(アルバニアの詩人)『おお、アルバニアの山々よ』の一節
バルカン半島の南部。急峻な山々の麓でアドリア海とイオニア海が交わる小国、アルバニア。
未知のベールにに包まれたこの国は、いつしか人々にこう呼ばれるようになりました。
「ヨーロッパ最後の秘境」と。
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長らく続いた共産主義時代や鎖国政策、経済破綻に紛争…
近代のアルバニアが辿ってきた歴史は、決して輝かしいものばかりではなかったかもしれません。
しかしながら、雄大な自然は健在。
訪れる者に畏敬の念を抱かせる峻険な山々、心が澄みわたるようなターコイズブルーの海岸線、水墨画のような湖沼の風景まで。
小国とは思えないほどにバラエティーに富んだ自然風景は、アルバニアという国のイメージを大きく変えてくれることでしょう。
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自然風景の素晴らしさはもちろんのこと。
この国の長く気高き歴史を象徴するレトロな町並みや、ホスピタリティーに溢れる人々との出会いも、アルバニア旅行の楽しみの一つ。
「ヨーロッパ」のイメージが覆されるほどに素朴な町の雰囲気や、外国人を放っておけない人々の温かさは、旅行者に絶大な居心地の良さを感じさせます。
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未知のベールに包まれているように思えるアルバニアですが、百聞は一見に如かず。
一度訪れたらまた訪れたくなる…そんな不思議な魅力にあふれた国へようこそ。
このページは、当ブログ内のアルバニアに関する記事の「もくじ」のようなものです。
気になるスポットや情報は、「詳細記事へ」のリンクからチェックしてください。
充実したアルバニア旅行計画の参考になりますように!
旅行計画前にチェック!アルバニア基本情報
アルバニアのビザ・滞在登録
ビザ・滞在登録
必要なし
滞在可能日数
90日間*
観光目的でのアルバニア入国に関しては、ビザは必要なし。現地での滞在登録の必要もなく、パスポートのみでの入国&滞在が可能です。
アルバニア滞在の最大日数は90日間とされていますが、30日を超えて滞在する場合は現地内務省にて60日間の滞在延長手続きが必要とされている点だけご注意を。
アルバニア旅行に必要な日数
ティラナのみ
最低1日間
アルバニア周遊
最低7日間~13日間
首都のティラナの市内観光だけなら、丸一日あればまわれてしまうほど。
しかしながら、アルバニアの魅力の大半は首都以外の地方部に詰まっています。
定番の見どころを周遊するなら最低でも7日間、その他のスポットをくまなくまわるなら2週間ほどはみておきましょう。
アルバニアの物価・旅行の予算
バックパッカー旅スタイル
1730LEK=¥2100/日
快適旅スタイル
4120LEK=¥5000/日
アルバニアは、ヨーロッパ諸国においては最安値レベルで物価が安い国。
節約スタイルなら2000円前後、すこし贅沢するスタイルでも5000円前後の予算で十分に満喫することができます。
アルバニアの物価の詳細に関しては、別記事をチェック!
アルバニアの国内移動手段
アルバニアを個人で周遊する場合は、公共交通機関が便利です。
しかしながら、利用時の難易度の高さはヨーロッパでもダントツ。地元の人ですらバス路線を把握できていないほどです。
旅行前に最低限知っておきたい国内移動情報は、別記事にて!
アルバニアの治安
イメージとは大きく異なり、アルバニアの治安はかなり良好です。近年では政情も地域情勢も比較的安定しており、安心して旅行を楽しめるはず。
しかしながら、やはり最低限注意しておくべき点はあります。安全で楽しい旅行のために、各都市の治安や注意点をあらかじめ知っておくのがおすすめ!
アルバニアへの入国
(モンテネグロから)
アルバニアへの入国は、拍子抜けするほどに簡単。陸路国境で接する隣国のいずれからでも、問題なく入国が可能です。
実際にモンテネグロからアルバニアに入国した際のレポートは別記事にて!
タイプ別!アルバニアの見どころ
活気ある大都市や、極上のビーチ、神秘的な山々まで…
バラエティーに富んだアルバニアの魅力あふれる見どころを、7つのタイプ別に紹介します。
アルバニア旅行の見どころ①大都市
ティラナ
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アルバニアの首都・ティラナは、共産主義時代の雰囲気とモダンな町並みが混在した町。
独特の空気感とエネルギーに満ちていて、旅心がくすぐられるような喧騒にあふれた大都市です。
アルバニア旅行の見どころ②山岳エリア
呪われた山
アルバニア最北端に聳える山々は、「呪われた山」と恐ろしい名前で呼ばれます。
現在ではハイキングの聖地となっており、初心者でも問題なく歩けるコースが魅力的。アルバニアの自然の美しさに感動させられます。
アルバニア旅行の見どころ③レトロな街歩き
シュコドラ
アルバニア北部の滞在拠点にぴったりなシュコドラは、レトロで瀟洒な町並みが残る美しい町。
近郊には紀元前の城塞や美しい湖もあり、ゆっくりと滞在するのがおすすめ。古き良きアルバニアの良さが詰まっています。
ベラト
アルバニア観光のハイライトの一つであるベラトは「千の窓を持つ町」と称される世界遺産。
オスマン帝国時代の雰囲気が色濃く残った旧市街は、いくら散策しても飽きないほどに魅力的。素朴な雰囲気も素敵です!
アルバニア旅行の見どころ④ビーチ
アルバニアのリビエラ
アルバニア中南部のイオニア海沿い一帯は、海岸線の美しさで有名なエリア。「アルバニアのリビエラ」と称されるほどです。
滞在の拠点となるヒマラの町を中心に、極上のビーチが多数。アルバニアの海の風景の美しさに感嘆させられます。
ヴローラ
アルバニア中部のヴローラは、アドリア海とイオニア海が交わる場所に位置するビーチシティー。
歴史的にも重要な役割を担った町で、モダンなリゾート施設とどこかのんびりとした素朴な雰囲気が不思議なコントラストを生んでいます。
アルバニア旅行の見どころ⑤歴史スポット
クルヤ城
中世アルバニアを侵攻しようとしたオスマン帝国が、どうしても陥落させることができなかった難攻不落の城塞都市が、中部のクルヤ。
天空の城を思わせる美しい風景は、今でも健在。可愛らしい町並みも必見です。
ブトリント
アルバニアの古代史を今に伝えるブトリント遺跡は、ギリシャ、ローマ、ビザンツ帝国それぞれの痕跡が残る場所。
かねてから聖域とみなされてきた場所で、見ごたえはかなりのもの。歴史好きにはおすすめの世界遺産です。
アルバニア旅行の見どころ⑥共産主義スポット
バンカー(ティラナ)
鎖国政策をとっていたアルメニアの共産主義政権が、核戦争に備えて国中に建設しまくったのが「バンカー」と呼ばれる避難所。
現在ではアートスペースとなっているバンカーも多く、一つ一つ周るのも面白いです。
アルバニア旅行の見どころ⑦水辺の風景
シュカダル湖
北部・シュコドラの郊外に広がるシュカダル湖は、水墨画のような風景が見られるスポット。
地元の子供たちが海水浴を楽しむようなのんびりとした雰囲気は健在。湖沿いを自転車で走るのもおすすめです!
アルバニアの食文化
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アルバニア旅行の楽しみの一つが、アルバニア料理。
日本ではまず知られていないでしょうが、実はアルバニアはとても豊かな食文化を持つ国です。
オスマン帝国時代に伝わったトルコの食文化
すぐ南に位置するギリシャの食文化
肉を多用するバルカン諸国の食文化
海を挟んだイタリアの食文化
これらが絶妙に混ざり合って唯一無二の存在となったのがアルバニア料理。
知名度が低いのが信じられないほどに、バラエティー豊かで味わい深いものばかりです!
定番アルバニア料理
タシュチェヴァプ
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アルバニア全国で定番のビーフシチューがタシュチェヴァプ。
どろどろになるまで煮込まれた玉ねぎと、舌でとろけるほどに柔らかい牛肉…一度食べたら病みつきになります。
タシュチェヴァプにはピラフ(ご飯)がついてくる点も、日本人的には嬉しいです。
タフコーシ
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羊肉をレモンの搾り汁とヨーグルトでじっくりと煮込んだ料理がタフコーシ。
日本人にとっては不思議な組み合わせに思える料理ですが、臭みはゼロ。羊肉だとは信じられないほどの柔らかさに感動します。
ラクロル
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新鮮な羊肉と大量の玉ねぎを、数層のパイ生地に包み、オーブンでじっくりと焼き上げた料理がラクロル。
香ばしいパイ生地のサクサク感と、玉ねぎの果てしない甘味、羊肉の旨味が見事に融合した絶品です。
アルバニアのご当地グルメ・郷土料理
チフチ
(ジロカストラ)
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世界遺産の町・ジロカストラの名物料理が、ハーブとひき肉で味付けしたお米を丸めて油で揚げたチフチ。
「おにぎりフライ」のような不思議な料理ですが、エキゾチックな風味は挑戦する価値アリです!
レモンのスープ
(北部山岳地域)
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アルバニアの山岳地域伝統のレモンスープは、大量のレモンを皮ごとすりおろしたものに牛乳とバターを加えたもの。
マイルドさとレモンの酸味が見事なハーモニーで、どこかほっとする優しい味わいです。
シーフードパスタ
(沿岸部)
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アルバニアはパスタが美味しいことで知られる国。
海を隔てたイタリアから入って来たシーフードパスタは、海鮮の旨味が限界まで引き出された絶品。格安価格で食べられるのも嬉しいです!
アルバニアのファストフード
スフラキ
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お隣ギリシャ由来のスフラキは、串刺しの鶏肉をBBQしたものをピタパンに挟んだ定番のファストフード。
ツァジキと呼ばれるヨーグルトソースが、酸味と爽やかさを加えてくれます。
ジロ
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スフラキに似たファストフードのジロは、削った鶏肉をピタパンに挟んだバージョン。
肉の脂と旨味が絶妙に感じられ、フライドポテトのホクホク食感も素晴らしいです。
パスティーチェ
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アルバニア風ラザニアのようなパスティーチェは、マカロニとベシャメルソースの上にチーズをのせてオーブンで焼いたもの。
手軽に食べられるサイズで、軽食にぴったりです!
アルバニアをもっと理解する
アルバニアに関しては、まだまだ多くのことが謎に包まれているのが現状。
どうしても近代の共産主義時代のイメージばかりが先行してしまいがちのアルバニアですが、実は古代から続く歴史を持つ「ヨーロッパ最古の国」としても知られています。
そんなアルバニアで暮らす人々は、とにかく明るく人懐っこいのが特徴的。
独特の習慣が現在でも息づいている点も、旅行者にとっては興味深いものです。
また、公用語であるアルバニア語は、世界のどの言語とも共通点がない孤立言語。
可愛らしい響きのアルバニア語であいさつをすれば、きっと喜んでもらえるはずです!
ここでは、アルバニア旅行をさらに深いものにするために、アルバニアの文化や言語、歴史についてサクッと紹介していきます!
アルバニアの人々・習慣
ジロ
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夏場は灼熱となるアルバニア。日中の街はゴーストタウンのようですが、日が暮れるとどこからともなく人々が集まりだします。
これはジロ(Xhiro)と呼ばれるアルバニア独自のお散歩文化。昼と夜のあまりのコントラストに、最初は驚くはずです!
男社会
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アルバニアでは、バルカン半島諸国きっての男性社会がいまだに息づいています。
カフェの男性客率はほぼ100%。何をするでもなくおじさん同士がつるんでいる光景は、この国の風物詩のようです。
コミュニケーション能力お化け
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アルバニア最大の魅力かもしれないのが、旅行者を放っておけない人懐っこい人々。
言葉が通じなくてもおかまいなし。他所者に対して良くしてくれる人が多く、コミュニケーション能力お化けさながらです。
旅のアルバニア語
こんにちは
Tungjatjeta
トゥンジャティエタ
アルバニア語のこんにちはは、「トゥンジャティエタ」と覚えにくい響き。
個人的には”Ç’kemi”(チケミ)というカジュアルバージョンがおすすめです!
ありがとう
Faleminderit
ファレメーンデリト
毎日のように使う「ありがとう」は、絶対に覚えておきたい表現。
「ファレメーンデリト」と言うだけで笑顔に出会えます。
~をください
Ju lutem
ヨ ロテン
飲食店で注文する時や商店で買い物する際に便利なヨロテン。
日本語の「よろしくねん」と覚えるのがおすすめ!
アルバニアの歴史
【古代】
イリュリア人定住~ローマ帝国
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ヨーロッパ最古の国と言われるアルバニアの歴史の始まりは、紀元前にこの地に移住してきたイリュリア人によるものでした。
当時の遺跡は現存しており、アルバニア人の誇りそのもの。その後はギリシャやローマ帝国の支配下に入り、各文化が徐々に混ざり合っていきます。
【中世】
英雄の活躍~オスマン帝国統治
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中世には独立国として栄光の歴史を歩んでいたアルバニア。南のオスマン帝国の脅威に対して、英雄・スカンデルベグの活躍により国を守り抜くことができました。
しかし、英雄の死後はオスマン帝国の支配下に入り、その後数百年に渡ってイスラム化が進みます。
【近代】
共産主義~混乱の時代
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オスマン帝国からの独立後のアルバニアでは、共産主義が敷かれました。独自路線の政治は、世界のどの国とも国交を持たない鎖国政策につながります。
共産主義政権崩壊後も、ねずみ講による破綻やマフィアの暗躍など暗い歴史が続きましたが、現在では見事に復活を遂げています。
アルバニア旅行のプランニングのコツ&周遊モデルルート
アルバニア周遊旅行の必要日数
アルバニア旅行に必要な日数は、どこまでまわりたいか/何を見たいかによって大きく変化します。
・ティラナ市内観光のみ:1日
・定番観光スポット制覇:7日間
・定番 + アルバニアのリビエラ:10日間
・定番 + アルバニアのリビエラ + 北部山岳地域:13日間
首都のティラナの市内観光のみであれば、丸一日で主要なスポットは制覇できます。
しかしながら、正直ティラナのみ訪れてこの国を去るのであれば、わざわざアルバニアに来る意味はありません。
アルバニアの魅力の99%は首都以外の地方部に点在しており、定番とされるスポットだけでも訪れることを強くおすすめします。
アルバニアは小さな国ですが、道路の状態が良くはないため、移動には想像以上に時間がかかる点に要注意。
定番スポットを制覇するだけでも、最低7日間の日程が必要となります。
日程に余裕があるなら、+3日間で「アルバニアのリビエラ」と呼ばれるシーサイドエリアや、+3日間で「呪われた山」と呼ばれる北部山岳エリアへ足をのばすことも可能です。
アルバニア周遊旅行のモデルプラン
アルバニア旅行のプランニングのコツはただ一つ。
ティラナ市内観光 + 全国の定番スポットを周遊する7日間のプランをベースとして、現地に滞在できる日数によって訪れるエリアを増やしたり減らしたりしていくこと、です。
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こんな感じで、すべてのベースとなるのは7日間のモデルルート。
+3日して10日間→アルバニアのリビエラ or 北部山岳エリアのどちらかを追加
+6日して13日間→アルバニアのリビエラ & 北部山岳エリアのどちらも追加
このようにアレンジしていくのが、アルバニア旅行における効率的なプランニングのポイントとなります。
アルバニアの定番観光スポットを全制覇する旅行モデルルートについては、「バルカン半島旅行のモデルルート」内にてまとめているので、参考にしてください!▼