こんにちは!アルメニアを二回訪問して合計1年弱滞在した、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
ここ数か月、アルメニア国内の隅々までうろうろし、定番の見どころから誰も知らないような極上の穴場まで、色々と発掘しまくりあげてきました。

のぶよのようにアルメニア一ヶ国だけを数か月旅して周る旅行者などほぼ存在しないでしょうし、「アルメニア旅行ってだいたい何日くらいあれば良いの…?」と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。
今回の記事は、のぶよの二回に渡るアルメニア旅行の総集編的なもの。
アルメニア旅行で主要な見どころをまわるのに必要な日数と、モデルプランの解説です!

単刀直入に言うと、アルメニア旅行の日数は多ければ多いほどに良いです(当たり前のこと言って申し訳ない)。
いやほんとに、来たら分かります。
この国が有する果てしない癒しのパワーや、想像以上のスケールの見どころの数々に圧倒され、「もうちょっと長く居たい…」と思うこと間違いなしですから。
しかしながら、多くの日本人にとっては旅行日数が限られているのが世の常。
「限られた日数でできる限り多くの場所をまわりたい!」という人が多いと思います。


そんなわけで、今回の記事ではアルメニア旅行のプランニングにおいて必要な情報を全部見せするもの。
アルメニア全国を4つのエリアに分けて、各エリアの観光に必要な日数と旅行モデルプランを解説していきます。
定番の見どころだけではなく、時間や日数に余裕がある場合の+αとなる見どころについても余すところなく紹介しているので、旅行日数に合わせて自由にアレンジが可能です。
2025年になろうとも、まとまった旅行情報がほとんどないアルメニア。
この「コーカサスの癒しの国」を訪れてみたいと考える人に、きっと役に立つ情報たっぷりなはずです!
アルメニア旅行の必要日数は?プランニングの基本3か条
日本人でアルメニアについて詳しい知識がある人はかなり少ないはず。
首都がエレバンという町であること以外には、どんな見どころがあって何日間くらいの日程が必要なのか全くイメージが湧かない…なんて人が大半だと思います。
ここでは、アルメニア旅行のプランニングにおいてまず絶対に知っておくべき3か条を紹介します。
①どこに何があるのかをざっくりと知る
そもそもの大前提として、アルメニア国内のどこに何があるのかをちゃんと知っている人は少ないのではないでしょうか。
まずは、本記事で紹介しているエリア別の旅行モデルプランをざっくりとマップで見てみましょう。▼

・エレバン&近郊エリア:最低4日間
・アルメニア北西部エリア:最低4日間
・アルメニア北東部エリア:最低4日間
・アルメニア南部エリア:最低7日間
とまあ、こんな感じ。
小さな国土の全域に、見どころが点在しているのが分かると思います。
それぞれのエリアには特徴があり、訪れる場所によってアルメニアという国に対する印象は大きく変わるはず。
以下、本記事内で紹介している4つのエリアの特徴を並べてみました。
エレバン&近郊

・「ローズシティー」と呼ばれるピンク色の町並みが美しいエレバン
・世界初のキリスト教国らしい威厳を感じるゲガルド修道院/エチミアジン/ホル・ヴィラップ修道院
・異世界の自然美が見られるガルニ渓谷/ノラヴァンク修道院
アルメニア北西部

・「コーカサスで最も美しい町」と呼ばれる古都ギュムリ
・中世の修道院と大自然の美しさが同時に味わえるデベド渓谷
・歴史浪漫が感じられる世界遺産のハフパット修道院とサナヒン修道院
アルメニア北東部

・湖を一望する絶景修道院セヴァナヴァンク
・山岳リゾート・ディリジャンでハイキング三昧
・絵画の世界そのままの風景を見せるハガルツィン修道院とゴシャヴァンク修道院
アルメニア南部

・深い山々を一望するタテヴ修道院
・伝統建築と洞窟住居が並ぶゴリス
・温泉地ジェルムックで癒し体験
・穴場の渓谷地帯で自然と歴史に浸れるイェゲグナゾール
②プランニングはエレバン滞在との組み合わせで考える
アルメニア旅行のプランニング最大のポイントは、エレバン&近郊エリア観光の4日間という日程をベースにすること。
この4日間に、スケジュールや興味に合わせてその他地方部エリアへのプランを追加していく…といった流れです。

・エレバンとギュムリの二大都市制覇プラン(エレバン&近郊エリア+アルメニア北西部エリア):8日間
・エレバンと東部の大自然満喫プラン(エレバン&近郊エリア+アルメニア北東部エリア):8日間
・エレバンと南部の穴場プラン(エレバン&近郊エリア+アルメニア南部エリア):11日間
・アルメニア北部周遊プラン(エレバン&近郊エリア+アルメニア北西部エリア+アルメニア北東部エリア):12日間
・アルメニア南北全制覇プラン(エレバン&近郊エリア+アルメニア北西部エリア+アルメニア北東部エリア+アルメニア南部エリア):19日間
▲こんな感じで、エレバン滞在をベースにしながら日程や好みに合わせてアレンジしていくのが基本。
本記事内で紹介しているモデルプランの日数はいずれも「最低」必要日数なので、荒天時の予備日や休息日などを含めてプラス数日確保する、余裕あるプランニングがおすすめ。
比較的旅しやすいアルメニア北部だけを制覇するなら、目安は2週間。
交通が不便な南部を含めてアルメニアを全制覇するなら、3週間ほどの日程は確保しておきたいです。
③移動手段によってアルメニア旅行の必要日数は大きく変わる

アルメニアはとにかく国内移動手段に難ありな国。
だいたいの場所へはマルシュルートカ(乗り合いミニバス)が走っているお隣ジョージアとは異なり、有名な見どころであってもいっさいの公共交通手段が存在しない場合も珍しくありません。
のぶよは意地でもタクシーを使わずに自力で移動することに全人生をかけているタイプなのですが、一般的な旅行者であれば「不便な場所へはタクシーでサクッと移動したい!」と考える人が大半でしょう。
本記事で紹介しているモデルプランにおける移動は、都市間移動などの長距離移動に関してはできる限り公共交通手段を利用し、公共交通手段がない地方部の不便なエリアの移動にはタクシーも利用する、というフレキシブルな移動スタイルを前提にモデルプランを組んでいます。
移動の全てをタクシーチャーターで…とすれば日数を削れますし、1日に複数の見どころを周ることも可能となります。
逆に全て公共交通手段や徒歩で移動する場合は、もちろん必要日数が大幅に増加します。
本記事内のモデルプラン内では、タクシーを利用した場合と公共交通手段を利用した場合、それぞれの所要時間や料金の目安を掲載しています。
エレバン&近郊4日間のモデルプラン

アルメニア旅行のプランニングにおいて、基本の基本となるのが首都のエレバンでの滞在です。
初めてアルメニアを訪問する旅行者にとっては、最初に到着する町がエレバンとなる場合がほとんど。
まずはこの大都市を拠点として、近郊の必見スポットへ足をのばすことになるでしょう。
エレバンと近郊の主要な見どころを観光するなら、最低でも4日間の日程が必要。
この「エレバン周辺4日間」という日数をベースに、スケジュールに合わせて他エリアへの旅を組み合わせていくというのが、アルメニア旅行のプランニングの基本となります。
1日目:エレバン到着&市内観光

アルメニア旅行初日は、第三国から国境を越えてアルメニアに入国→エレバン市内へ移動してサクッと観光…という流れ。
どこの国から/どの交通手段でエレバン入りするかによって、1日目のスケジュールは大きく変動します。
・飛行機:便によってさまざま
・トビリシから夜行列車:早朝
・トビリシからマルシュルートカ:最も早くて昼12:00頃
アルメニア入りする旅行者の大半は、お隣ジョージアの首都・トビリシから何らかの交通手段を利用してエレバン入りするはず。
トビリシを前日夜に出てエレバンに早朝到着する夜行列車であれば、到着日まるごとエレバン観光に使えるので効率的です(しかし国境審査等で数回起こされるので、あまり熟睡できず体力的にはしんどいかも)。


エレバン観光の「定番」とされる見どころは、急ぎ足であれば丸一日あれば周れます。
しかし、エレバンという町の魅力は、定番スポットをスタンプラリーするだけではなかなか気が付きにくいもの。
定番以外の穴場スポットも訪れたい場合や、のんびりペースでエレバン観光をしたい場合は、日数を数日追加するのもアリです!
・エレバンの穴場スポットやローカル体験を制覇する:+1日~
→エレバンらしい美意識が感じられる穴場スポットや、アルメニア文化を五感で体感
・エレバンのソ連建造物をめぐる:+1日~
→エレバンの隠れた名物であるソ連時代の建造物に圧倒される
・エレバンのレストランでアルメニア料理三昧:+1日~
→アルメニアの食文化の中心であるエレバンは、グルメ派にはぴったりな町
・ローカルな市場エリアやがらくた市場を散策する:+半日~1日
→中心街に居るだけでは見えない、素顔のエレバンに出会う
2日目:ガルニ神殿&ガルニ渓谷&ゲガルド修道院

エレバン観光にひと段落ついたら、近郊の見どころへ足をのばしましょう。
まずは、「ガルニ&ゲガルド」と呼ばれる定番の観光エリアへ。
ガルニ&ゲガルドとは、それぞれ近い場所に位置する以下3ヶ所の見どころの総称で、エレバンからの日帰りトリップ先として最も人気があります。
ガルニ&ゲガルド観光にどれくらいの時間がかかるかは、エレバンからの移動手段によりけり。
エレバンからの日帰りツアーも多く出ているので、移動のことを考えたくない場合は利用価値アリ。
個人でマルシュルートカ利用の場合でも、ガルニ&ゲガルドは丸一日あれば余裕で周れるので、アルメニア旅初心者にも安心です。
・往復タクシーチャーター:半日/1人7000AMD~10000AMD(=¥2800~4000)
・現地ツアー:半日/1人7000AMD(=¥2800)
・往復マルシュルートカ:丸一日/1000AMD(=¥400)
タクシーや現地ツアーでガルニ&ゲガルドを周る場合、エレバン帰着は午後15:00頃。
引き続きエレバン市内観光が楽しめます。
個人でマルシュルートカ移動でガルニ&ゲガルドを周る場合、エレバン帰着は夕方&かなりの距離を歩いた後となるはず。
時間的&体力的に、エレバン帰着以降は何もできないかも…
チャレンツのアーチ:+15分

ガルニ&ゲガルドへの道沿いにある、アララト山ビューポイント。タクシー移動の場合はさっと10分ほど立ち寄ってもらいやすいので便利ですし、マルシュ利用の場合でも帰りに途中下車して観光できます!
ジュルヴェジュ森林公園(秋限定):+1時間

チャレンツのアーチからほど近い場所にある自然公園。秋なら「黄金の小道」と呼ばれる美しい自然風景が見られるのでおすすめ。マルシュ利用の場合でも途中下車して観光できます!
3日目:エチミアジン&ズヴァルトノッツ聖堂

続く3日目も、エレバン近郊の世界遺産スポットを訪れます。
この日観光するのは、アルメニア使徒教会の総本山がある宗教都市・エチミアジンと、歴史ミステリーが香るズヴァルトノッツ聖堂の2ヶ所。
いずれもUNESCOの世界遺産に指定されており、エレバンから簡単にアクセスすることが可能です。
エチミアジンの町とズヴァルトノッツ聖堂は近い場所に位置しており、どちらを先に訪れてもOK。
しかし個人的には、お昼以降は多くの観光客で混み合うズヴァルトノッツ聖堂を先に訪れて、エチミアジンを後に回すのがおすすめです。
・往復タクシー:半日/6000AMD(=¥2400)
・往復マルシュルートカ:半日強~丸一日/900AMD(=¥360)

ズヴァルトノッツ聖堂は、かつての聖堂跡と小さなミュージアムがあるだけなので、観光に必要な時間は1時間ほどみておけば十分です。


エチミアジンは、観光の目玉となるエチミアジン大聖堂以外にも、比較的広い範囲に世界遺産の教会が点在しているのがポイント。
各教会をタクシーで周る場合は3時間ほど/徒歩で周る場合は6時間ほどみておきましょう。
カサフ渓谷:+半日~1日

異世界感漂う修道院が深い渓谷ぎりぎりの場所に建つカサフ渓谷は、アルメニア人に人気の観光エリア。タクシーの場合はエチミアジン観光と組み合わせて+半日/個人でマルシュ移動の場合は+丸一日かかります。
アンベルド城塞:+半日~1日

「雲の上の城」の名を冠するミステリアスな城塞は、深い山々を見下ろす絶好のロケーションにたたずむ姿が印象的。タクシーの場合はエチミアジン観光と組み合わせて+半日/個人でマルシュ移動の場合はかなり歩くため+1日必要。
4日目:ホルヴィラップ修道院&ノラヴァンク修道院&アレニ

エレバン滞在最終日は、アルメニア観光全体においてもハイライトとなる二つの絶景修道院を訪れます。
アララト山を背景に凛とたたずむホル・ヴィラップ修道院と、他の惑星に来てしまったかのような峡谷地帯にたたずむノラヴァンク修道院です。
・往復タクシーチャーター:丸一日/12000AMD(=¥4800)~
・現地ツアー:丸一日/12000AMD(=¥4800)~
・往復マルシュルートカ:二日/2000AMD(=¥800)
※個人でマルシュ移動する場合、エレバンからの日帰りで全て周るのは不可能。アレニ村等へ宿泊しながら二日間に分けて周ることとなります。

まずはできるだけ朝早い時間を狙ってホル・ヴィラップ修道院へ。
どうしてホル・ヴィラップを先に訪れるかと言うと、早い時間の方が空いている&アララト山がきれいに見える確率が上がるためです。
ホル・ヴィラップ修道院を見学した後は、さらに南下してアレニ村へ。
名物のワインをテイスティングできるワイナリーや、世界最古とされる靴が発掘されたアレニⅠ洞窟などの見どころを訪れた後に、いよいよノラヴァンク修道院を訪れます。
ノラヴァンク修道院は、午後遅い時間や夕日の時間も美しいので、やはり後に回すのが◎
圧倒的な異世界感を味わったあとは、一路エレバンへと戻ります。
もしくは、エレバンへと戻らずにそのままアルメニア南部へと進むのも◎
個人での移動はかなり難ありですが、タクシー利用の場合は南部エリアへの玄関地となるイェゲグナゾルまで移動して、本記事内のアルメニア南部旅行7日間モデルプランを逆の順序で周ればOKです。
エンジェルズ・キャニオン:+3時間~半日

アルメニアの地元の人でも知らないような「超穴場スポット」がエンジェルズ・キャニオン。自然が形成した峡谷地帯をハイキングで周ることができ、初心者でも問題なく歩けるレベルなのが嬉しいです。タクシー利用の場合は+3時間ほど/個人でマルシュ移動の場合は+半日ほどみておきましょう。
アルメニア北西部4日間

エレバン&近郊4日間のモデルプランに組み合わせる選択肢の一つとなるのが、アルメニア北西部に位置するシラク地方とロリ地方を周遊する4日間のモデルプラン。
アルメニア第二の都市であり、「コーカサスの文化の都」らしい美しい街並みが魅力的なギュムリや、世界遺産に指定されているサナヒン修道院&ハフパット修道院など、アルメニア観光におけるマストな見どころを順番に制覇していくプランです。
このエリアはアルメニアの中では比較的交通手段が充実しているので、個人で周る場合でもハードル低めなのが◎
初めてエレバンを出てアルメニア地方部を旅する旅行者にはぴったりだと思います!
1日目:エレバン→ギュムリへ移動&市内観光
まずは、エレバンをできるだけ早い時間に出発し、北西部シラク地方の中心都市であるギュムリへと移動します。
エレバン~ギュムリ間の交通手段はいくつか選択肢がありますが、朝7時台に鉄道が出ているのでそちらがおすすめ。
ギュムリ到着は11時台となり、午後いっぱいを市内観光に充てることができるためです。
・タクシー:2時間半/10000AMD(=¥4000)
・鉄道:3時間~4時間/1400AMD(=¥560)~
・マルシュルートカ:2時間半~3時間/1500AMD(=¥600)
ギュムリ市内の「定番」とされる見どころは、半日強あれば制覇が可能。
午後いっぱいを使えば、やや急ぎ足にはなるもののまあそれなりに満喫できると思います。


しかしながら個人的には、ギュムリを最大限に満喫するには、半日だとちょっと足りない気も。
ギュムリの最大の魅力は「コーカサスで最も美しい町」と称される古い街並みをあてもなく散策すること。
半日の市内観光だと定番スポットを急ぎ足で周るだけとなってしまいがちなので、ギュムリならではの情緒を感じる暇がないかもしれません。

他にも、ギュムリが位置するシラク地方の郷土料理を堪能したり、近郊にある穴場の見どころへ足をのばしたり…と、ギュムリ市内&近郊にはやること&見るものがたくさん。
理想的にはギュムリへの到着日+1日=合計1日半は最低欲しいところです。
マルマシェン修道院:+半日

中世アルメニア王国の黄金時代を現在に伝える聖地は、荒野の真ん中にぽつりとたたずむ姿が印象的。ギュムリからマルシュルートカで簡単にアクセスすることも可能な、おすすめ日帰りスポットです。
アマシア:+半日

厳しい気候の高地に位置する寒村は、カラフルな木造建築を有する「アルメニアで一番カラフルな村」。個人でマルシュルートカ利用でも、マルマシェン修道院とセットでギュムリからの日帰りが可能です。
イェレルク聖堂:+3時間~半日

現存する中ではアルメニア最古の聖堂建築が見られる、歴史好きにはたまらないスポット。ジラピのキャラバンサライとセットで、タクシーなら半日/個人で鉄道やマルシュ利用なら丸一日あれば訪問可能です。
ジラピのキャラバンサライ:+3時間~半日

荒野にたたずむシルクロード時代の隊商宿の跡は、かなり良好な保存状態が特徴的。イェレルク聖堂とセットでタクシー/鉄道やマルシュ利用で訪問可能です。
ハリチャヴァンク修道院:+半日~1日

中世アルメニア建築の最高峰とされる、素晴らしい調和が感じられる聖地。タクシー利用なら移動を含めて3~4時間ほど/マルシュ利用なら半日~丸一日かけてのデイトリップとなります。
2日目:ギュムリ→ヴァナゾル→アラヴェルディ

アルメニア北西部旅の2日目は、ガッツリ移動する日。
まずはギュムリからロリ地方の中心都市であるヴァナゾルへと移動し、さらに北に位置する銅鉱山の町・アラヴェルディへと移動します。
・タクシー:3時間/10000AMD(=¥4000)
・マルシュルートカ:5時間~6時間/2000AMD(=¥800)
※ギュムリ~アラヴェルディ間の直行マルシュはないため、ヴァナゾルで乗り換える必要があります。
言わずもがな、できるだけ早く動きはじめるのが鉄則。
ギュムリを朝出発すれば、午前中にはヴァナゾルに到着できるはずです。


ロリ地方南部に位置するヴァナゾルは、アルメニア第三の都市として機能する小都市。
そこはかとないソ連レトロな雰囲気が色濃く漂い、ちょっと散策していくにはぴったりです。
のぶよがヴァナゾル独特のソ連的な雰囲気が好きなのですが、一般的な旅行者ウケするかと言われるとやや微妙なところ。
興味がない場合はヴァナゾルはスキップし、そのままアラヴェルディの町へ直行してもOKです。


デベド渓谷の北側に位置するアラヴェルディは、かつて銅鉱山で栄えた町。
町の経済を支えていた鉱山が閉鎖されたことを受け、旧鉱山町ならではの独特の哀愁が漂っている町です。

アラヴェルディの町歩き自体も楽しいのですが、こうした雰囲気が好みでない場合は、アラヴェルディ市内観光よりもデベド渓谷観光に時間を充てる方が良いかもしれません。
ヴァナゾル~アラヴェルディを結ぶデベド渓谷には、圧倒的な自然美と伝統香る修道院が点在しており、タクシー利用の場合はいくつか立ち寄りながら移動することも可能。
もしくはアラヴェルディ滞在に+数日して、自分の足で歩きながら周るのもおすすめです!
ロリ城塞:+3時間~2日

ロリ地方の歴史を現在に伝えるロリ城塞は、ギュムリ~ヴァナゾルの移動途中に立ち寄ることが可能。タクシーなら+数時間/個人だと交通が不便なので+2日は必要です。
山羊の谷:+1日

野生の山羊が生息するデベド渓谷の谷間には、中世の廃修道院が点在しています。アクセスは徒歩のみとなり、アラヴェルディ拠点での日帰りハイキングが基本となります。
聖なる谷:+半日~1日

アルドヴィ教会~オズン教会を結ぶトレイルは、パラジャーノフの『ざくろの色』のロケ地としても有名。デベド渓谷の美しい風景に感動するはずです。
3日目:サナヒン修道院&ハフパット修道院

アルメニア北西部旅の3日目は、文句なしの旅行ハイライトとなる日。
アラヴェルディに滞在しながら、町の近郊に位置する二つの世界遺産・ハフパット修道院とサナヒン修道院を観光します。
・タクシーチャーター:半日/10000AMD(=¥4000)
・マルシュルートカ&徒歩:丸一日/300AMD(=¥120)
まずは、「呪われた聖地」と囁かれるハフパット修道院へ向かいましょう。
アラヴェルディからマルシュルートカも出ているので、個人でのアクセスも楽勝です。


ハフパット修道院は「さすが世界遺産…!」と唸りたくなるような圧倒的な建築美と、ミステリアスな雰囲気が肌で感じられる、極上の聖地。
観光所要時間は1時間~1時間半ほどは欲しいところです。

ハフパット~サナヒン間はチャーターしたタクシーでサクッと移動するのも良いですが、体力があるなら「世界遺産トレイル」と呼ばれる絶景ルートを歩いて移動するのもおすすめ。
世界遺産トレイルとは、ハフパットとサナヒンの二つの修道院を結ぶハイキングコースのこと。
所要時間4時間/全長8.5kmの初心者~中級者向けのコースで、デベド渓谷の絶景を眺めながら歩けることで人気です。
タクシーor世界遺産トレイルorマルシュルートカのいずれかでハフパット→サナヒン村へと移動したら、もう一つの世界遺産であるサナヒン修道院を見学します。


サナヒン修道院は、ハフパット修道院に負けないほどに見ごたえ抜群な聖地。
光の入る角度まで計算し尽くされた千年前の聖地では、キリスト教徒でなくとも鳥肌が立つ厳かさが感じられるはずです。
サナヒン修道院があるサナヒン村には、この地出身であるミコヤン兄弟ミュージアムもあるのでお見逃しなく。
サナヒン~アラヴェルディ間は、頻繁に運行している路線バスで20分ほどと簡単に移動できるので便利です。
アフタラ修道院:+3時間~半日

デベド渓谷最北部に位置するアフタラ修道院は、内部のフレスコ画の美しさに定評のある聖地。タクシー利用であればハフパット&サナヒンの二つの修道院観光とセットで1日で周れます。個人でマルシュ利用の場合はスケジュール的に同日の観光は不可能なので、もう1日アラヴェルディ滞在を追加することになります。
4日目:アラヴェルディ→エレバンorトビリシへ移動
アルメニア北西部の見どころを周り終えたら、いよいよ大都市エレバンへと戻るとき。
アラヴェルディ~エレバン間にはマルシュルートカ便があるので、個人で移動するのも簡単です。
・タクシーチャーター:3時間~3時間半/8000AMD~12000AMD(=¥3200~¥4800)
・マルシュルートカ:4時間/1500AMD(=¥600)
エレバンに戻ったら、そのまま本記事内のアルメニア南部7日間モデルプランへと進んでも良いですし、それ以外にも移動の選択肢は豊富。
アラヴェルディ→ヴァナゾル→ディリジャンと移動し、アルメニア北東部4日間モデルプランを本記事とは逆の順番で辿ることも可能です。
もしくは、アラヴェルディからそのまま北へと向かって国境を越え、ジョージアの首都・トビリシへ抜けることも可能。
ただ、アラヴェルディ~トビリシを直接結ぶ公共交通手段は存在しないため、基本的にタクシー利用となってしまうのがネックです(アラヴェルディ~トビリシ間のタクシー移動は所要約3時間/20000AMD=¥8000~が相場)。
アルメニア北東部4日間

エレバン&近郊4日間のモデルプランとの組み合わせのもう一つの選択肢が、アルメニア北東部に位置するセヴァン湖周辺とディリジャン周辺を周遊する4日間のモデルプラン。
「アルメニアの真珠」と称されるセヴァン湖の開放的な雰囲気に癒され、美しい山々に囲まれた山岳リゾート・ディリジャンをアクティブに旅する、自然好きな人にはたまらないプランです。
アルメニア北東部エリアも比較的交通手段が充実しているため、個人で周るのも簡単なのが◎
大自然はもちろんのこと、歴史ある修道院や水辺ならではのグルメも楽しめて大満足間違いなしです!
1日目:エレバン→セヴァナヴァンク修道院→ディリジャン

アルメニア北東部旅の1日目は、さっそくハイライトとなる日。
観光客に高い人気があるセヴァナヴァンク修道院を観光し、そのまま山を越えてディリジャンまで移動します。
エレバン~セヴァナヴァンク間はタクシーでサクッと移動することも可能ですが、個人でマルシュルートカを利用することも可能。
マルシュルートカ利用の場合はセヴァナヴァンク修道院の手前5kmほどの場所にあるセヴァンの町までしか行けず、セヴァン~セヴァナヴァンク間は徒歩orタクシーでの移動となる点に要注意です。
・タクシー片道:1時間/5000AMD(=¥2000)
・マルシュルートカ+徒歩:2時間半/700AMD(=¥280)


セヴァナヴァンク修道院自体の観光に必要な時間は、約1時間ほどみておけばOK。
観光後はランチも兼ねてレイクサイドのレストランに立ち寄り、セヴァン湖名物の魚料理を食べるのがおすすめです!
セヴァナヴァンク観光&ランチを終えたら、さらに北に位置するディリジャンへと向かいましょう。
マルシュルートカを利用する場合は、セヴァナヴァンク修道院入口からエレバン~ディリジャン便に途中乗車するしかないので、やや難易度が高め。
確実に移動したい場合は、エレバンからディリジャンまでタクシーをチャーターして、セヴァナヴァンクに立ち寄ってもらうプランの方が良いかもしれません。
・セヴァナヴァンク→ディリジャン間タクシー片道:1時間/5000AMD(=¥2000)
・エレバン~ディリジャン間マルシュルートカに途中乗車:1時間/500AMD(=¥200)

セヴァン湖エリアから峠を越えると、タヴシュ地方という広大な山岳地帯に入ります。
このタヴシュ地方の玄関口に位置し、古くから山岳リゾートとして愛されてきた町がディリジャン。
深い山々に囲まれたディリジャンの町は「大自然が手軽に満喫できる」ということで、アルメニア人国内旅行客に大人気となっています。


ディリジャン到着は、エレバンからの移動とセヴァナヴァンク観光の後なので、午後~遅め~夕方にかけてとなるはず。
本格的なディリジャン観光は翌日に回すことにして、1日目は中心街散策や簡単なパノラマハイキングコースに挑戦するくらいにしておきましょう。
セヴァン:+2時間~半日

セヴァン湖エリア観光の拠点となる小都市は、ソ連時代が色濃く香る退廃的な雰囲気の町。町自体に見どころはありませんが、抜群の居心地の良さが感じられるのが特徴的。セヴァン湖ビーチへの拠点にぴったりです。
ガヴァル:+2時間~半日

セヴァン湖西岸エリアの中心的な町は、どこか情緒的な雰囲気が素敵。アルメニアでは「グルメの町」として有名で、独特のグルメが楽しめます。ノラトゥス墓地やハイラヴァンク修道院観光とセットでの訪問が◎
ノラトゥス墓地:+3時間~半日

セヴァン湖西岸エリアの歴史スポットは、「ハチュカル」と呼ばれるアルメニアの石の十字架がずらりと並ぶ圧巻の風景。ガヴァルを拠点にマルシュルートカでのアクセスも可能です。
ハイラヴァンク修道院:+2時間~半日

セヴァナヴァンク修道院の知名度に隠れがちなハイラヴァンク修道院は、知る人ぞ知る絶景の聖地。ガヴァル+ノラトゥス墓地+ハイラヴァンクの3ヶ所をセットで、個人で周ることも可能です。
ツァグカゾール:+2時間~半日

アルメニア髄一のスキーリゾートとして知られる町。紅葉の美しさにも定評があり、10月の旅行ならぜひ足を運びたいところ。メグラゾールやハンカヴァンとセットで周るのが基本です。
メグラゾール:+3時間~半日

アートの村として村おこしをしている可愛らしい寒村は、このエリアで宿泊する場合にぴったり。ツァグカゾールとハンカヴァンのいずれにもアクセスしやすいです。
ハンカヴァン:+3時間~半日

ギリシャ人住民が多いハンカヴァンは、黄金色の天然温泉が湧くことで知られる村。山奥で極上の癒し体験が味わえ、温泉好きな人にはたまりせん。
2日目:ディリジャン観光

アルメニア北東部旅行の2日目は、ディリジャンの大自然を五感いっぱいで満喫する日。
ディリジャン観光のハイライトとなるパルズ湖へのハイキングに挑戦します。
ハイキング自体は初心者レベルですが、歩きたくない人はディリジャン中心街でタクシーをチャーターして直接湖までアクセスすることも可能。
しかし、最大の魅力であるディリジャンの大自然を100%堪能するのであれば、ぜひともハイキングしたいものです。
・往復タクシーチャーター:3時間/5000AMD(=¥2000)
・ハイキング:半日~丸一日/無料

ハイキングはディリジャンを拠点にパルズ湖までの往復が基本となりますが、山の反対側に位置するゴシャヴァンク修道院まで歩くことも可能。
その場合はディリジャンに同日戻ることは不可能なので、ゴシャヴァンク修道院付近の村に一泊して翌日ディリジャンに戻るプランとなります。
ゴシャヴァンク修道院まで行かない場合は、パルス湖までのハイキングを終えてディリジャンに戻るのは午後。
時間と体力に余裕があるなら、ディリジャン周辺のもう一つのハイキングコースである中世修道院トレックに挑戦するのもアリです。


ディリジャンの中世修道院トレックは、その名の通り中世の趣を残したジュフタクヴァンク修道院とマトサヴァンク修道院の二つの聖地を周る簡単なハイキングコース。
コース自体は3.5km/所要1時間ほどの簡単なもので、ディリジャン中心街~ハイキングコース入口までの移動(路線バスあり)を含めても2時間ほどみておけば十分に堪能できます。
こんな感じで、ディリジャンと周辺の観光は体力や天候によってアレンジしやすいのがポイント。
もしタクシーをチャーターする場合は、3日目のプランで周るハガルツィン修道院をこの日に持ってきてもOKです。
3日目:ハガルツィン修道院&ゴシャヴァンク修道院

アルメニア北東部旅の3日目は、引き続きディリジャン周辺の見どころを訪れる日。
この日最大の観光ハイライトとなるのは、深い山々に囲まれて絵画のような風景を見せるハガルツィン修道院です。
ディジャン~ハガルツィン修道院間のアクセスはとても不便で、徒歩だと丸一日歩くことになります。
この日に関しては時間節約&体力温存の意味を含めて、タクシーを1日チャーターしてしまう方が良いかもしれません。
・タクシーでハガルツィン修道院のみ往復:3時間/10000AMD(=¥4000)
・タクシーでハガルツィン&ゴシャヴァンク周遊:6時間/15000AMD(=¥6000)
・徒歩:ハガルツィンのみで丸一日/無料
※徒歩の場合はゴシャヴァンクを同日に訪れるのは不可能です
こんな感じで、ハガルツィン修道院はかなりアクセスに難ありですが、苦労して訪れる価値は十分にあります。
のぶよ的に、ディリジャン周辺エリアに点在する修道院の中でも、このハガルツィン修道院が圧倒的トップレベルで感動したので。


▲また、ハガルツィン修道院までタクシーで移動する場合は、さらに先に位置するゴシャヴァンク修道院まで足をのばしたいもの。
こちらも異世界感ただよう佇まいが素敵な聖地で、アルメニアの宗教建築の素晴らしさに感動させられます。
フィオレトヴォ:+3時間~半日

ディリジャン~ヴァナゾルの間に位置するフィオレトヴォは、「マラカン」と呼ばれるロシア系住民が独自の信仰や生活習慣を守りながら暮らす小さな村。ディリジャンからの往復でも良いですし、ディリジャン~ヴァナゾル方面への移動途中に立ち寄ることも可能です。
4日目:ディリジャン→エレバンorトビリシに移動
アルメニア北東部の見どころを周り終えたら、いよいよ大都市エレバンへと戻るとき。
ディリジャン~エレバン間にはマルシュルートカ便があるので、個人で移動するのも簡単です。
・タクシーチャーター:2時間/8000AMD~12000AMD(=¥3200~¥4800)
・マルシュルートカ:2時間半/1000AMD(=¥400)
エレバンに戻ったら、そのまま本記事内のアルメニア南部7日間モデルプランへと進んでも良いですし、それ以外にも移動の選択肢は豊富。
ディリジャンからエレバンへ戻るのではなくヴァナゾルへと抜け、アルメニア北西部4日間モデルプランを本記事とは逆の順番で辿ることも可能です。
もしくは、ディリジャン→ヴァナゾルと移動して、ヴァナゾルからジョージアの首都・トビリシへ抜けることも可能。
ただ、ヴァナゾル~トビリシを直接結ぶ公共交通手段は存在しないため、基本的にタクシー利用となってしまうのがネックです(ヴァナゾル~トビリシ間のタクシー移動は所要約4時間半/25000AMD=¥10000~が相場)。
アルメニア南部7日間

アルメニア旅行のリピーターや、「定番エリア以外を旅したい!」という人に心からおすすめなのが、アルメニア南部エリア。
ヴァヨツ・ゾール地方とシュニク地方の二つの地域から構成されており、深い山々に囲まれた秘境感ただよう素敵なエリアです。
アルメニア南部はとにかく公共交通が不便で、初心者向きではなく中級者向きのエリア。
どうしても移動が多めになってしまいますし、タクシー利用しかまともな移動手段がない場所も多いですが、その分ピュアなアルメニアらしさが詰まっています。
1日目:エレバン→ゴリス→タテヴ修道院へ移動

アルメニア南部旅の初日は、いきなり長距離移動をする日。
エレバンを9:00に出発するマルシュルートカを利用して、南部シュニク地方の観光拠点となるゴリスの町へと向かいます。
マルシュルートカ利用を避けたい場合や大きな荷物がある場合は、エレバンからタクシーを利用するのも可能。
その場合はゴリスまでではなく、本日の目的地であるタテヴまで利用する方が効率的です。
・ゴリスまでタクシー:3時間半/20000AMD(=¥8000)
・タテヴまでタクシー:5時間/30000AMD(=¥12000)
・エレバン~ゴリスマルシュルートカ:4時間/3000AMD(=¥1200)


マルシュルートカ利用の場合、ゴリス到着は13:00頃。
ゴリスからタテヴ方面へ向かうバスが出発する14:30までは少し時間があるので、ゴリス中心街を散策したりランチをさっと取ったりするのがおすすめです。

ゴリスの町をほんの少しだけ堪能した後は、いよいよ本日の目的地であるタテヴへと移動します。
ゴリス~タテヴを直接結ぶ公共交通手段は存在しませんが、さらに南のカパン行きのマルシュルートカがタテヴを経由するので、それを途中下車すればOK。
タクシーでタテヴへ向かう場合は、ゴリス中心街に客待ちタクシーがたくさんあるので、交渉の上で利用しましょう。
・ゴリス~タテヴ間タクシー片道:1時間/5000AMD(=¥2000)
・ゴリス~タテヴ間マルシュルートカ:1時間/1000AMD(=¥400)

タテヴ村に到着したら、アルメニア南部エリア全体における観光ハイライトとなるタテヴ修道院を見学します。
深い山々を見渡す場所に堂々と佇む圧倒的な聖地は、アルメニアの中でも髄一の絶景修道院として大人気です。
タテヴ修道院見学後は、もう夕方になっているはず。ゴリスまでタクシーで戻っても良いのですが、タテヴ~ゴリス間の道沿いに点在する見どころには時間的に立ち寄れないのがネックです。
というわけで、この日は修道院すぐそばのタテヴ村に宿泊し、翌日にゴリスまで観光しながら戻るプランがおすすめ。
タテヴ村には家族経営のゲストハウスが点在しており、アルメニア地方部らしいホスピタリティーにどっぷりと浸かれます!
デビルズ・ブリッジ:+30分~1日

ゴリス~タテヴ間の山道の途中にある、人気の自然スポット。渓谷に湧く天然温泉の成分が凝固した、ミステリアスな自然美を見ることができます。ゴリス~タテヴ間をタクシーで移動する場合は、サクッと30分ほど立ち寄ってもらいやすいですが、個人で移動するとなると自分の足で歩くしかないため、丸一日かかってしまいます。
2日目:タテヴ修道院→ウイングス・オブ・タテヴ→ゴリス

タテヴ村の宿で自家製の素材を使った朝食を食べたら、ゴリス方面へ向かって出発します。
タテヴ~ゴリス間の移動方法はいくつかあるのですが、「ウイングス・オブ・タテヴ」と呼ばれる世界最長のケーブルカーを利用するのが定番。
タテヴ~ハリゾールという村までを結ぶケーブルカーからは、アルメニア南部の山々が見せるパノラマが見られます。
・タテヴ→ゴリス間タクシー片道:1時間/5000AMD(=¥400)
・タテヴ→ウイングス・オブ・タテヴでハリゾール:10分/6500AMD(=¥2600)
・ハリゾール→ゴリス間タクシー片道:30分/3000AMD(=¥1200)
・タテヴ→ゴリス間マルシュルートカ:1時間/1000AMD(=¥400)
ウイングス・オブ・タテヴでの空中散歩を楽しんだら、ハリゾール村からゴリスへと戻るとき。
マルシュルートカ利用の場合は10:30頃にゴリス行きの便がハリゾールを通過しますが、それ以外には公共交通手段は存在しないため、基本はタクシーで移動することになるでしょう。


ゴリス市内へ到着するのは午後遅めの時間。
市内観光の続きをしても良いですし、宿でのんびり休息してもOKです。
ヒン・ホット:+3時間~1日

ゴリス~タテヴ間を結ぶ道の途中にある「アルメニアのマチュピチュ」と称される廃村。ミステリアスな風景が旅行者に人気となっています。アクセスはかなり難アリで、個人で訪れるなら丸一日かけてトレッキングするしかありません。
タテヴ~ゴリス間3日間トレック:+3日

アクティブ派におすすめなのが、タテヴからゴリスまでを3日間かけて自分の足で歩くプラン。途中の村にはゲストハウスがあり食事も提供してくれるため、キャンプ装備や食料も必要ありません。コース上にはヒン・ホットやデビルズ・ブリッジなどの見どころも点在しており、飽きることなく歩けます。
3日目:フンゾレスク観光&オールド・ゴリス観光

アルメニア南部旅行の3日目は、ゴリスの町近郊に点在する奇岩群を訪問する日。
まずは、ゴリスから30分ほどの深い谷間に広がるフンゾレスクを訪れます。
フンゾレスクにはゴリスからマルシュルートカ便があるので、個人でも比較的簡単にアクセスできるのが嬉しい点。
タクシーでサクッとアクセスすることも可能ですが、タクシー利用の場合はフンゾレスクの全てを見ることはできない点にご注意を。
・ゴリス→フンゾレスク片道:20分/1500AMD~2000AMD(=¥600~¥800)
・ゴリス~フンゾレスク往復+観光時の待機時間1時間半ほど:3000AMD(=¥1200)
・マルシュルートカ片道:30分/350AMD(=¥140)


フンゾレスクには、天然の奇岩に人の手を加えて作られた洞窟住居が点在しており圧巻。
ものすごい異世界感が漂う風景は、アルメニア南部の観光のハイライトとなること間違いなしです!
フンゾレスク観光を終えたらそのままゴリスに戻っても良いのですが、体力と時間があるならオールド・ゴリスの洞窟住居群のハイキングに挑戦するのもおすすめ。
オールド・ゴリスとは、ゴリスの町の東側にある山の斜面に点在する奇岩地帯のこと。
フンゾレスクからゴリスに戻るタクシー/マルシュルートカを途中下車し、ほぼ全て下り坂の簡単なコースを1時間ほど歩くだけでゴリス中心街まで戻ることができます。
4日目:ゴリス→シシアン周辺観光→ジェルムック

アルメニア南部旅行の4日目は、ゴリスを離れて北上していきます。
まずは、朝一番にゴリスを出発し、少し北に位置するシシアン方面へ。
ゴリス~シシアン間はマルシュルートカ移動も可能ですが、シシアンから周辺の見どころへのアクセスに困ってしまうはず。
多くの場合はゴリスでタクシーをチャーターして、シシアン周辺の見どころに立ち寄りながら移動する効率的なプランを選択することになるでしょう。
・タクシーで単純移動:40分/5000AMD(=¥2000)
・タクシーチャーターで移動しながら観光:半日強/7000AMD~12000AMD(=¥2800~¥4800)※どこに立ち寄るかによって大きく変動
・マルシュルートカで単純移動:45分/1000AMD(=¥400)


シシアン周辺には「四大スポット」とされる見どころが点在しているのですが、中でも最もポピュラーなのがシャキの滝とゾラツ・カレルの二か所。
これら二か所だけに絞った上でタクシーで周るのであれば、観光の時間を含めても4時間ほどみておけば十分です。
それ以外のシシアン周辺の見どころ(トロルス水中教会/ヴォロタン)も制覇したい場合は、タクシー利用の場合でも+半日は最低必要なので、この日だけで全て周るのは厳しいはず。
その場合はシシアンに1泊して2日間に分けて、四大スポットを制覇するプランとなるでしょう。
シシアンの四大スポットのうち、シャキの滝とゾラツ・カレルの最定番二か所を周ったら、そのまま北上してジェルムックへと向かいます。

ゴリスからタクシーチャーターする場合は、ゴリス→シシアン周辺観光→ジェルムックと観光しながら移動するプランで、あらかじめドライバーと交渉しておくのが絶対。
シシアン~ジェルムック間には直通マルシュルートカは走っていないため、個人でこの区間を移動する場合はいちどイェゲグナゾールまで移動してから、ジェルムック行きのマルシュルートカに乗り換える必要があります。
・タクシーで単純移動:1時間半/12000AMD(=¥6000)
・マルシュルートカ乗り継ぎ:合計3時間+乗り継ぎ待ち3時間/合計3000AMD(=¥1200)
ジェルムックに到着する頃には、すでに夕方か日が暮れた後になっているはず。
観光するにしても中心街の見どころくらいにしておいて、メインの観光は翌日に回します。

ジェルムックの宿泊でおすすめしたいのが、ソ連時代に建設されたサナトリウム滞在。
1泊3食付き&温泉を用いた各種トリートメント付きと破格の条件が魅力的で、ソ連時代にタイムスリップしたかのような体験ができます!
トロルス水中教会:+2時間~半日

かつてダムの底に沈んでいた教会が、水位の減少によって再び姿を現したミステリアスなスポット。周囲の荒涼とした風景を背景にぽつりと佇む姿が絵になります。タクシーなら+2時間ほど/個人なら+半日が必要です。
ヴォロタン:+半日~丸一日

シシアンの南15kmほどの場所にあるヴォロタン村周辺には、歴史ある異世界の修道院や天然温泉など見ごたえ抜群のスポットが目白押し。タクシーチャーターする場合は半日ほど/個人で歩く場合は丸一日追加する必要があります。
5日目:ジェルムック観光

アルメニア南部旅行の5日目は、ジェルムックと周辺の見どころをのんびりと観光する日。
午前中はジェルムック中心街でまだ訪れていないスポットを周ったり、宿泊先のサナトリウムで温泉トリートメントを受けたりと、アルメニアの温泉保養地ならではの過ごし方で楽しみましょう。
ランチの後は、ジェルムック近郊まで足をのばすのがおすすめ。
標高2100mほどの場所に位置するジェルムックの町の周辺は、夏場は高山植物に彩られた天国のような風景が一面に広がります。▼


ジェルムック近郊への交通手段は限られており、自分の足で歩くハイキングか、ジェルムック中心部で4WDを貸し切って周る(超高い)かのいずれか。
個人的には、せっかく大自然が魅力のエリアに来たわけなので、体力や時間と相談しながらハイキングするのが断然おすすめです。
丸一日をジェルムック&近郊の観光に費やしたら、本日もジェルムックに宿泊。
連泊することで、歴史ある温泉保養地であるジェルムックならではの過ごし方ができる点が魅力です(むしろ一泊だけだとこの町の魅力を満喫しきれないかも…)。
6日目:ジェルムック→イェゲグナゾールに移動&近郊の見どころ観光

アルメニア南部旅の6日目は、ジェルムックからイェゲグナゾール方面へと移動する日。
マルシュルートカ利用の場合は朝早い時間に1便しかないため、注意しましょう。
・タクシー:1時間/7000AMD(=¥2800)
・マルシュルートカ:1時間/700AMD(=¥280)
イェゲグナゾールに午前中に到着したら、周辺に点在する見どころへと足をのばします。
イェゲグナゾール近郊にはとてつもなく見どころが多く、個人で1日ですべて制覇するのは不可能。
限られた時間でどうしてもすべての場所を周りたい場合は、タクシーをチャーターしてしまうのが最も楽だと思います。


観光後はそのままイェゲグナゾールに宿泊しても良いのですが、個人的にはもうひと踏ん張りして15km西にあるアレニまで行き、そちらで宿泊するのが◎
アレニ村は、エレバン周辺エリア4日間プランの4日目ですでに紹介していますが、正直に言うと日帰りではなく宿泊しないと意味がないためです。
・タクシー:30分/2000AMD(=¥800)
・マルシュルートカ:30分/300AMD(=¥120)
セリム峠:+半日

イェゲグナゾール~セヴァン湖を結ぶ峠道には、中世のキャラヴァンサライがぽつりと残っており、シルクロード時代の残り香と絶景が楽しめる超穴場。公共交通手段は存在せずタクシー移動しか選択肢がありませんが、セヴァン湖方面へ移動したい場合は一考の価値アリ!
イェゲギス:+1日

イェゲグナゾールから北に15kmほど。深い渓谷に沿ってひらけたイェゲギス村の周辺は、中世の城塞や天空の修道院など見どころの宝庫。イェゲグナゾールから往復マルシュルートカで日帰りが可能という便の良さも含め、ぜひとも訪れてほしい場所です。
7日目:アレニ→エレバンに移動

いよいよ、アルメニア南部旅もフィナーレとなる7日目。
前日にアレニ村で宿泊した場合はそのまま村&周辺の観光ができますし、イェゲグナゾールに宿泊した場合は朝のうちにアレニに移動して観光します。
このエリアの観光ハイライトとなるノラヴァンク修道院やアレニ洞窟に関してはエレバン周辺エリア4日間プランの4日目ですでに紹介しています。
まだ訪れていない場合はこの日に観光するのもアリですし、すでに訪れている場合はアレニのワイナリーを訪問したり、やや穴場感のある周辺の見どころへと足をのばしましょう。


お昼いっぱいをアレニ村滞在に当てたら、いよいよエレバンへと戻るとき。
この区間の移動は個人のマルシュルートカ利用だとやや難易度が高いため、基本はタクシーでサクッと移動することになるでしょう。
・タクシー:1時間半/6000AMD(=¥2400)
・マルシュルートカ:1時間半/1500AMD(=¥600)
ようやくエレバンに戻ってくるのは午後遅め~夕方頃。
ワイルドでアドベンチャー感に満ち溢れたアルメニア南部の旅も、これにて終了です!
おわりに
アルメニア全国に点在する珠玉の見どころの数々をまわるモデルプランについて、これでもか!とばかりに詳しく解説してきました。
何度も言いますが、本記事で紹介しているプランというのは「最低でもここだけは行っておきたい!」という場所をピックアップしたもので、日数は「最低でもこれくらいは欲しい!」といったもの。
日数は多ければ多いほど良いですし、定番以外の町にもぜひ足をのばすのが理想的です。
他にもアルメニア旅行のプランニングに役立ちそうな記事に関しては、以下にリストアップしておきます。
抜かりなくリサーチをして、現地で最高の思い出を作ってもらえたらとても嬉しいです!
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