こんにちは!アルメニアに5ヶ月間滞在した、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
これまで訪れた国や地域で食した料理を再現&レシピをシェアする企画が「のぶよキッチン」。
今回は.、アルメニア料理のアルガナク(Arganak / Արգանակ)を特集します。
「アルガナク」を直訳すると「ブイヨン」という意味。
その名の通り、骨付きの鶏肉をじっくりと煮込んだ芳醇なブイヨンを使用したスープ料理のことです。
面白いのが、ブイヨンをとるために煮込んだ鶏肉は使用せず、別に用意したミートボールを具材に用いる点。
なんとも手間のかかる料理ではありますが、こだわりがひしひしと感じられます。
とろりとした卵黄とさっぱりしたレモンを仕上げに混ぜ合わせることで、こってりでもあっさりでもないアルガナク独自の風味に。
大量に用いられるハーブの風味や、彩りの美しさも含め、アルメニアの食文化の最大の特徴である繊細な味付けと見た目へのこだわりが全面に感じられます。(これ考えたアルメニアの人、まじで天才だと思う)
ブイヨンをとるための手間と時間こそかかるものの、その美味しさは格別。
特別なスパイスはいっさい用いず、塩こしょうとハーブのみで味を調える点もアルメニア料理の特徴が生かされています。
今回の記事は、アルガナクのレシピを紹介するもの。
日本人的には不思議な組み合わせに思えるかもしれませんが、各素材の風味が最大限に活かされた絶妙な味のハーモニーに感動してください!
これまでの旅の中で食した絶品料理の数々を、地元の人に教えてもらったレシピで再現する企画が「のぶよキッチン」。
「本場の味をそのままに」をコンセプトに、できる限り現地のレシピそのままにお伝えしていますが、日本でも再現しやすいアレンジTipsもふんだんに盛り込んでいます!
アルメニア料理の「アルガナク」とは?基本情報&材料
・調理時間:30分(粉末ブイヨンを使用する場合)~1時間半(ブイヨンから作る場合)
・材料費:約900円(2~3人分)
・お手軽度:★★☆☆☆
・日本での再現しやすさ:★★★★★
アルガナクの調理にはやや手間と時間がかかります。
調理時間の大半を占めるのが、骨付き鶏肉を煮込んでブイヨンを作る手順。
市販の粉末チキンブイヨンを使用することで大幅に調理時間を節約することは可能ですが、やはり丁寧にとったブイヨンと粉末ブイヨンでは、完成時の風味が大きく変わってきます。
【基本の食材】
・鶏もも肉(骨付き):500g ※注①
・ひき肉(牛でも合挽でも):300g
・水:1.5ℓ
・玉ねぎ:中サイズ2分の1個
・卵:中サイズ2個
・生米:30g
・レモン:中1個
【調味料・スパイス・ハーブ】
・塩:適量
・胡椒:適量
・サラダ油:適量 ※注②
・イタリアンパセリ:50g ※注③
※注①:骨付きの鶏肉が手に入りにくい場合は、一般的なもも肉や胸肉+粉末チキンブイヨンでの代用も可能です。しかし、骨付き肉を煮込んだスープに比べると風味が格段に落ちてしまうかも…
※注②:サラダ油をバターで代用すれば、よりコク深い味わいに!
※注③:アルメニア料理の特徴は、フレッシュなハーブをふんだんに用いること。乾燥したものでは風味が大きく異なってしまうので、できればフレッシュなイタリアンパセリのご用意を。
家庭によってはパクチーやディルが入る場合もあります。
基本のチキンブイヨン作り
アルガナクの味の決め手となるのが、骨付きの鶏肉からじっくりととったブイヨン。
時間こそかかりますが、鶏の旨味がしっかりと染み出した絶品スープは、出来上がりを大きく左右する存在です。
市販の粉末チキンブイヨンを使う場合
最も時間(と光熱費)がかかるチキンブイヨン作りをスキップしたい場合は、市販の粉末チキンブイヨンを使用するのも一つの手。
水の量を通常の半分ほど(500ml~750ml)にして沸かし、適量の粉末ブイヨンを入れて味を調えればOKです。
しかしながら、鶏肉からじっくりととったブイヨンとは、風味や旨味の深さが大きく劣ってしまう点はご了承を。
①鶏肉をお湯に投入
大鍋で1.5ℓの水を沸かし、骨付きの鶏肉500g分を入れて強火で煮込みます。
鶏肉の部位は、胸肉でももも肉でもOKです。
②アクを取り除く
煮込み始めて10分ほどすると、鶏肉のアクが出てくるので丁寧に取り除きます。
この時に、せっかく染み出してきた鶏の油まで取り除いてしまわないようにご注意を。
③1時間煮込む
ある程度アクを取り終えたら蓋をし、1時間ほど煮込みます。
写真のようにお湯が白濁色になればOK。
火を弱火にしておきましょう。
④鶏肉を取り出す
ブイヨンが出来上がったら、鶏肉を鍋から出して冷まします。
アルガナクのレシピでは鶏肉自体は使用しませんが、骨を取り除いて切った鶏肉を入れて具材にするのも◎
または、鶏肉を使用する別のレシピで再利用するのもOKです。
ミートボール作り
チキンブイヨンを準備しながら、アルガナクのメイン具材となるミートボールを作ります。
市販の冷凍のものでも良いのですが、せっかくなら手作りするのがおすすめ。
アルメニアのミートボールには大量のハーブとお米が入るのが定番です!
⑤玉ねぎを炒める
サラダ油を敷いたフライパンで、細かいみじん切りにした玉ねぎ(中2分の1個)を弱火~中火で炒めます。
玉ねぎの色が透き通って黄色っぽくなるまで、5分ほど手を休ませずに炒めましょう。
サラダ油のかわりにバターを使用すれば、さらにコクが深い味わいに!
⑥ミートボールの材料を混ぜる
炒めた玉ねぎを少し冷ましてからボウルに入れ、ミートボールの材料も全て入れましょう。
・ひき肉(300g)
・水洗いした生米(30g)
・細かく刻んだイタリアンパセリ
・塩こしょう(適量)
を入れ、全体が均等になるようによく混ぜ合わせます。
⑦直径5cmほどの球体に成形する
ミートボールのタネをよくこねたら、直径5cmほどの球体に丸めます。
このときは手を使って、ギュッと固めに丸めるのがポイント。
丸め方が緩いと、後で煮込む際に形が崩れやすくなってしまいます。
仕上げ
⑧ブイヨンにミートボールを入れ煮込む
チキンブイヨンに成形したミートボールをそうっと入れ、弱火のまま20分ほど煮込みます。
ミートボールに入っているお米に火が通るくらいを目安にしましょう。
ミートボールに火が通ったらいったんスープの味見をし、塩こしょうを適量加えて味を調えます。
⑨卵黄とレモン汁を混ぜ合わせる
ミートボールを煮込んでいる間に、卵黄(2個分)とレモン(中1個)を別皿に混ぜ合わせておきます。
卵白は入れない!
このステップで、卵白は絶対に入れないようにしましょう。
アルガナク最大の特徴である鮮やかな黄色にならないのと、卵白が固まってダマのようになってしまうためです。
⑩卵黄レモンを鍋に加える
ミートボールに火が完全に通ったら火をごく弱火にし、卵黄とレモン汁を混ぜた液体を慎重に注ぎ入れます。
大鍋を混ぜながら、ごく少量ずつの卵黄をそうっと注ぎ入れるのがポイント。
卵黄が固まらないように細心の注意を!
卵黄レモン汁を全て注ぎ終えたら、ゆっくりとかき混ぜつつ2分ほど極弱火のまま煮込みましょう。
⑪ハーブを散らして完成!
卵とレモン汁がスープ全体に行き渡り、まろやかな黄色になったらアルガナクの完成。
粗めに刻んでおいたイタリアンパセリをたっぷりとのせていただきます。
おわりに:アルガナクの美味しい食べ方
▲ こうして完成したアルガナクがこちら!
ひと口目でまず感じるのが、レモンのすっきりとした酸味と鶏ブイヨンの芳醇な風味。
ミートボールから染み出した肉の旨味と卵のコクが後から到達し、ハーブの清涼感とほろ苦さが鼻に抜けます。
旨味、甘味、酸味、苦み、まろやかさ、コク…
各素材が持つ特徴的な味わいが絶妙なバランスでスープに溶け込んでおり、信じられないくらいに美味しいです。
今回のレシピでは使用していませんが、家庭によってはアルガナクににんじんやじゃがいもなどの根菜を入れた具だくさんスープとして食されることもあるそう。
特に冬場は、バターやニンニクをたっぷりと入れたこってりぽかぽかスープ「冬アルガナク」なるバージョンもあるのだとか。
季節やお好みに合わせてアレンジできるのも、アルガナクの素晴らしいところだと思います。
また、特別なスパイスはいっさい使用しないのもアルガナク作りをおすすめする理由。
日本でも手に入りやすい材料だけで本場の味になるのも嬉しいですよね。
まだまだ知名度が高くないコーカサスの小国・アルメニア。
その知られざる食文化に興味を持つきっかけとして、シンプル素材&エキゾチック風味のアルガナクはぴったりだと思います!
これまでの旅の中で食した絶品料理の数々を、地元の人に教えてもらったレシピで再現する企画が「のぶよキッチン」。
「本場の味をそのままに」をコンセプトに、できる限り現地のレシピそのままにお伝えしていますが、日本でも再現しやすいアレンジTipsもふんだんに盛り込んでいます!
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