こんにちは!アルメニア滞在もいつの間にかもう2ヶ月半、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
当ブログをチェックしてくださっている人にはおわかりでしょうが、のぶよの旅のペースは、亀。
気に入った場所にはなんだかんだと理由をつけて居座りたがるタイプの人間です。
(だから2年半もかけてポルトガル~アルメニアしか移動できていないわけで…)
そんな感じでアルメニアにものんびりと居座っているわけですが、中でも3週間という長期間に渡って滞在した街がセヴァン(Sevan / Սևան)。
アルメニアの人にとっての「セヴァン」とは、セヴァン湖のこと。
「アルメニアの真珠」なんて称される美しい湖で、夏場はビーチリゾートとして大いに賑わいます。
しかし、のぶよが言っている「セヴァン」とは、湖のことではなく、同じ名前の町のこと。
セヴァン湖周辺エリアの中では二番目に大きな町で、「セヴァン湖沿いの風光明媚なビーチタウン」というイメージを持つ人もいるかもしれません。が…
セヴァンの町並みや雰囲気は、湖の開放的な雰囲気とは正反対のものです ▼
湖ビーチまですぐそばの恵まれたロケーションにもかかわらず、この退廃的な雰囲気。
ボロボロの集合住宅が建ち並び、数十年前のクラシックカーがのろのろと走る道はガタガタ…
そう。ビーチタウンのイメージとは裏腹に、セヴァンの町はソ連時代の雰囲気を色濃く残した町並みなのです。
(というか、「ソ連時代から時が止まってる」と言ったほうが正しいかも)
このため、旅行者には見向きもされず、観光情報すらほとんどないセヴァンの町。
「アルメニアで最も醜い町」なんて言われることもあるそうで…散々です。
しかしのぶよ的には、セヴァンはアルメニアで最もお気に入りの町の一つ。
長くいればいるほどに肌で感じられる魅力がたっぷり詰まっていて、とにかく居心地が良いのです。
「どうにかして、この過小評価されている町の汚名返上ができないだろうか…」
そんな思いから、セヴァンの町の9つの魅力を紹介するこの記事を書くことにしました。
冗談抜きで、セヴァンは知られざる魅力たっぷりの素晴らしい町。
スキップしてしまうのはもったいないです。
これを読んだ日本人の方はぜひとも実際に訪れて、この町の底なし沼のような魅力を感じていただければ!
アルメニアで最も居心地が良い町。セヴァンの9つの魅力
灰色:ソ連スポット
青:見どころ
赤:おすすめレストラン/魚スポット
紫:ホステル
誤解のないように、はじめに言ってしまいます。
セヴァン市内には、インスタ映えするような観光スポットは一切ありません。
「なあんだ。じゃあセヴァンはスキップしてもっと有名なスポットに…」と考えるのはまだ早い!
ある場所の魅力は、写真映えするキラキラスポットだけでは到底語れないものですから。
限界ソ連感あふれるセヴァン。
そこは、一度滞在したらなかなか抜け出せない魔境のような地でした。
前置きが長くなりました。
この町の深すぎる魅力、布教開始です!
①ソ連時代そのままの町並みとモニュメント
すでに書いた通り、セヴァン市内の町並みはとにかくソ連時代そのものな雰囲気。
半世紀前の共同住宅がここぞとばかりに建ち並び、ソ連製のクラシックカーが普通に行き交う光景には、まるでタイムスリップしてしまったかのような錯覚におちいるかもしれません。
観光客的な目線で見ると、なんとも言えないほどの醜い町並みに見えてしまうかもしれません。
しかしのぶよ的には、時代に取り残されてしまったかのような退廃的な雰囲気こそが、セヴァンの魅力の一つだと思います。
ソ連的な町並みをただ散策しているだけでも(のぶよは)楽しいのですが、ここではセヴァン市内に残るソ連時代を強く感じさせるスポットをいくつか紹介していきます。
セヴァン鉄道駅
エレバンから鉄道でセヴァンへとアクセスする旅行者を出迎えてくれるのが、中心街北側に位置するセヴァン鉄道駅。
説明するよりも実際に見た方が早いのですが、ここまで「THE・ソ連」な香りがただよう鉄道駅もなかなか珍しいような気がします。
何がすごいかって、セヴァン鉄道駅は現役で利用されているということ。
雑草が生えまくったボコボコのホームや、窓ガラスが一部割れたまま放置された駅舎を見ただけでは信じられませんが…。
鉄道駅周辺には、ボロボロの倉庫が建ち並ぶ寂れた光景が広がるのもお約束。
セヴァン滞在の一番初めに見る風景がこれなので、びっくりする旅行者も多いのではないかと思います。
シュク(市場)
セヴァン中心街西側に位置するシュク(市場)は、ソ連時代から市民の台所として活躍してきた場所でした。
どうして過去形なのかと言うと、町の広がりとともにシュクの役割は徐々に薄れてしまったため。
数軒のお店が営業しているだけ(どこも閑古鳥が鳴いている)の場末感100%な寂れた雰囲気がただよっています。
もはや市場としての機能を完全に失ってしまうのも時間の問題…
一つの町の栄枯衰退を、直に感じることができる場所です。
ソ連展望モニュメント
中心街の南側、幹線道路沿いに建つ巨大なモニュメントはもちろん、ソ連時代に建設されたもの。
「ソ連アートは何を表しているのか誰にもわからない(ウクライナ・チェルノブイリツアーのガイドさん曰く)」とはよく言ったもの。
セヴァン湖の波を表したのか、はたまたヨットの帆を表したのか…謎は深まるばかりです。
最後にメンテナンスされたのがいつなのか、考えたくもないほどにボロボロ&錆び錆びの階段を上ると、セヴァン湖と周辺の大地を一望することができます。
荒野の夕暮れポイント
東西に細長くひらけた地形のセヴァンの町。
町の北側には木の一本も生えていないハゲ山が、南側には広大な荒野が広がっています。
日本人的考えでは「こんなに広大な荒野、もっと有効活用すれば良いのに…」と思ってしまいますが、いかんせん財政的な問題があるのでしょう。
茶色いハゲ山に囲まれるように建ち並ぶソ連時代の共同住宅。その手前にはまっ茶色の荒野…
とっても物寂しい風景が一面に広がるのですが、必見なのが夕暮れの時間。
西日に照らされて赤茶色に輝くソ連住宅と荒野。そこをのろのろと行き交う牛たち…
まるで古い映画のワンシーンの中に立ち尽くしているような、不思議な気分になります。
②極上の湖ビーチがすぐそば!
ソ連的な町並みと同じくらいに魅力的なのが、セヴァンの町のすぐそばに点在する湖ビーチ。
ソ連的な町並みから10分ほど南に歩くだけで、雰囲気は一転。
黄金の砂浜&どこまでも透き通ったクリアブルーの湖水が美しい、セヴァン湖の極上ビーチの開放的な光景が視界いっぱいに広がります。
アルメニアは海に面していない内陸国であるため、水辺はかなり貴重。
セヴァン湖は「アルメニアの真珠」と呼ばれ、夏真っ盛りの7月と8月は他都市からの湖水浴客で大いににぎわいます。
反対に、それ以外のシーズンはとても静かでのんびりとした雰囲気。
地元の家族連れや釣り人の姿がちらほら見られるくらいなので、落ち着いた雰囲気が好きな人にはあえてハイシーズンを外して行くのもおすすめです。
セヴァン湖の標高は1900mとかなり高く、世界で二番目に高い場所に位置している湖なんだそう。(一番は南米のチチカカ湖)
標高が高い=気温が低めということで、ビーチシーズンは6月末~9月初めと短めなのが残念。
いっぽう、セヴァン湖の水質はかなり良く、その辺の海水浴場なんか比べ物にならないほど。
意外にも湖水は冷たすぎることはなく(かといって温かいわけではないけど)、のぶよは9月でも普通に泳いでいました。
③絶景展望台もある!
時間と体力が許すなら、ソ連時代そのままの町並みと青く輝くセヴァン湖の風景を一望できる絶景ポイントへ足をのばすのもおすすめです。
セヴァン中心街から見て北西に位置する小高いハゲ山。
そのうちの一つにはテレビ放送の電波を受信するアンテナが立っており、地元では有名な絶景スポットとなっています。
セヴァン市内から絶景ポイントまでの道のりは、未舗装道路が5kmほどずっと続くのみ。
タクシーなどはまず行ってくれないので、自分の足で歩くしかありません。
坂はそこまで急でなく、誰でも歩けるレベル。
片道1時間少々みておけば十分です。
テレビ塔付近から眺めるセヴァンの町は、小さな民家やソ連時代の四角い共同住宅がずらりと並んでいて、まるでミニチュアのよう。
灰色の町並みと青く輝くセヴァン湖、それらを取り囲む茶色い荒野のコントラストが素敵でした。
④歴史も感じられる
セヴァンの町としての歴史のはじまりは、1842年のロシア帝国時代。
ロシア人入植者のための村として、この地に民家が建設されていきました。
ソ連統治時代の1930年には、セヴァン湖周辺エリアの中心としてセヴァンを開発する計画が持ち上がり、その後数回に渡る大規模開発によって現在の町の姿となりました。
このように、町としては200年足らずの歴史しかないセヴァン。
歴史を感じられる建物は多くはありませんが(まあソ連時代の建物に近代史が感じられはするけど)、初期に開発された中心街西側にはいくつかの歴史・文化スポットが点在しています。
セヴァン教会
セヴァンの人々の信仰の中心的な存在が、中心街の西の果てにあるセヴァン教会。
オレンジ色の外観が目を引く教会は、2015年にオープンしたかなり新しいもの。
毎週日曜日にはミサが開かれ、多くの市民がお祈りに訪れます。
教会内部は、明るくて清潔感のある雰囲気。
歴史的な価値はほとんどありませんが、散策途中に立ち寄ってみるのも良いでしょう。
アルメニア人大虐殺記念碑
セヴァン教会から、メインストリートであるナイリャン通り(Nairyan St.)を東へ歩いていくと、オレンジ色の石碑が立つ小さな広場があります。
こちらは、1915年に西アルメニア地域(当時はオスマン帝国領)で起こったアルメニア人大虐殺の記念碑です。
ある程度の人口規模の都市の多くに、こうした記念碑が設置されているのがアルメニア。
当時、いかに多くの人が犠牲となったのか考えさせられます。
セヴァンで一番古い家
セヴァン中心街西側エリアを散策する際は、セヴァン教会と大虐殺記念碑のちょうど間にひっそりと建つ家をお見逃しなく。
薄緑色の木製テラスを持つこの家、なんと「セヴァン市内で一番古い家」なんだそうです。
町の99%の建物が、ソ連時代そのままのコンクリートジャングルなセヴァン中心街。
それ以前のロシア帝国時代に建てられた民家はかなり貴重で、当時の人々の美的センスが感じられる細かな装飾とレトロ感は必見です!
⑤格安&絶品なレストランがたくさん!
セヴァンに来て驚いたことの一つが、2万人足らずの人口規模の割に飲食店の選択肢が豊富な点。
観光客がほとんど来ない町であるためか、どこのお店もかなり地元民向けプライス。
首都のエレバンと比べると、3分の2~半額ほどで食事できてしまうのも大きな魅力と言えます。
のぶよは3週間の滞在中、セヴァン中心街の飲食店にかなり足をのばしてきました。
中でも「ここは絶対いくべき!」と感じたおすすめのレストランをいくつか紹介していきます!
Maku
のぶよが胸を張って全人類におすすめしたいのが、Maku(Հացատուն Մակու)という小さなレストラン。
外観・内装はややお洒落なウッド調で、一見すると「ちょっとお高めのお店?」と思ってしまいますが、実際は完全なる庶民的な食堂プライスなのでご安心を。
家族経営であるためか、温かな雰囲気も魅力的です。
安いからといって、チープな料理が出てくると思ったら大間違い。
伝統的な陶器の器に盛られたアルメニアの家庭料理の数々は見た目にも美しく、もちろん味も素晴らしいです。
どの料理もかなりリーズナブルながら、家庭的で味わい深いものばかり。
色とりどりの野菜とトッピングのハーブの緑に、料理人のセンスが感じられます。
エレバンのお店では「サービス料」と称して合計金額の10%ほどを加算してくる場合も多いですが、Makuの場合はあくまでもメニュー通りの値段なのも◎
セヴァン湖名物の魚料理もいくつかあり、お店の人の笑顔も素敵。
セヴァン滞在中にぜひ一度は立ち寄ってみることをおすすめします!
炭火シャウルマ屋(ՏՇԱԿ ՄՎԱՇ)
中心街西側の近郊マルシュルートカ発着ポイント目の前にある、こちらの小さなお店もおすすめ。
店名はアルメニア語表記のみでՏՇԱԿ ՄՎԱՇ(TSHAK MVASH)と読みます。
ファストフード中心のラインナップで、ホロヴァツ(アルメニア風BBQ)やハンバーガーなど数種類のメニューがありますが、中でも絶対に食べてほしいのがシャウルマ。
旧ソ連圏ではどこでもポピュラーなシャウルマは、薄く切り落とした肉(鶏か豚)と野菜を薄い生地で巻きあげたもの。
普通は電気のグリルマシンで肉が焼かれるのですが、アルメニアでは炭火でじっくりと肉を焼いてくれる店も多く、このՏՇԱԿ ՄՎԱՇもそのうちの一つなのです。
炭火で焼かれた肉の方が、香ばしさが何十倍にも増すのは言うまでもありません。
一緒に巻かれる野菜もフレッシュで、生地のラヴァシュはすぐ近くの専門店で購入したものを使用するというこだわりよう。
「こんな格安の値段で、ここまで美味しいものを食べて良いのだろうか…」と罪悪感のような感情にとらわれるかも(笑)
セヴァン中心街で手軽なランチをとりたいなら、とにかくここ一択!
Sevan’s brewery Kellers
セヴァン中心外から2kmほど南西に離れた幹線道路沿いにひっそりと建つSevan’s brewery Kellersも、ビール好きにはおすすめ。
セヴァンの地ビール工場兼ビアガーデンといったところで、ここでしか味わえない数種類のクラフトビールを格安で味わうことができるのです。
クラフトビールの美味しさはもちろんのこと、料理のメニューも豊富なのがこのお店のどれも素晴らしい点。
セヴァン湖名物・魚料理のラインナップも豊富ですし、アルメニアの定番料理も網羅しています。
しかもすべてがリーズナブルで絶品なのが恐ろしい…
お店の人もかなり気さくな感じなので、一人で利用する場合も心配いりません。
クラフトビール1杯250AMD(=¥55)~と、信じられないような低価格で飲めるのも◎
セヴァンに来たなら問答無用でここ!もう行くしかないでしょう!
⑥新鮮な魚を格安で購入できる!
旅をしていると、どうしてもバランスの良い食生活とは無縁になりがち。
特に、魚介類を食べる機会はかなり限られてしまうのではないでしょうか。(レストランで食べると結構な値段がしますし)
内陸国のアルメニアでは、魚介類の多くは輸入に頼っていることもあり、品質はそこまで&値段もやや高めなのが普通。
しかし湖に面したセヴァンでは話が別!
新鮮な魚が格安で手に入り、魚好き歓喜の「おさかな天国」な町なのです。
というのも、すぐそばの湖で朝とれたばかりの魚が、その辺の道端で普通に売られているため ▼
「湖の魚」と聞くと、なんとなく生臭そうなイメージを持ってしまいますが、セヴァンの魚はどれも臭みはゼロ。
海でとれる魚にも負けないほどの旨味で、煮たり焼いたり…どのように調理してもおいしいのです。
ここでは、セヴァン湖名産の2種類の魚を紹介します。
もちろんレストランで食べることも可能ですが、自分で調理すれば格安で魚料理を食べることができるのでおすすめ!
シグ
セヴァン湖でとれる魚の中で最もポピュラーなのが、シグ(sig / սիգ)と呼ばれる白身魚。
大きさによって値段は変わってきますが、とにかく安いのが◎
だいたい一尾200AMD~300AMD(=¥45~68)ほどで売られています。
淡白な風味ながら、ほど良い旨味も感じられて臭みはゼロ。
現地では、オイルでマリネしただけの生の状態でも食されるほどです。
煮込んでも、蒸しても、焼いても美味しいシグですが、現地の人のお気に入りの食べ方がホロヴァツ(Khorovats)。
アルメニア風BBQのことで、串刺しにした具材を炭火で豪快に焼き上げた料理です ▼
炭火で焼かれたシグは、表面はとてつもなく香ばしく、中身はフワッフワ。
口の中に入れるや否や溶けてなくなってしまうくらいですから…驚くほどの絶品です。
のぶよが3週間宿泊したホステルにはBBQセットがあり、買ってきた魚をオーナーが絶品ホロヴァツに調理してくれました。
「材料費の200AMDだけで、こんな美味しいものをいただいて良いのか…?」と思ってしまったほどに美味しかったです。(レストランでは10倍くらいの値段がかかるので)
シグは漁獲量が多いらしく、いつでも新鮮なものが売られているのも◎
気が向いたときに絶品の魚料理が食べられるなんて、かなり贅沢ですよね。
セヴァニ・イシュハン
いつでも手に入るシグと比べて、見つけたらラッキーと言えるのがイシュハン(ishkhan / իշխան)という魚。
イシュハンとは淡水に生息するサケ科の魚で、アルメニア国内で数種類が存在しているそう。
ここセヴァン湖の固有種は「セヴァニ・イシュハン(sevani ishkhan / Սևանի իշխան)」と呼ばれ、漁獲量が限られているレアな魚なんだそうです。
いつでも手に入るわけではない&ほとんどはレストランに卸されてしまうため、なかなか一般に売られていることはないものの、先述の道端の魚屋に朝一番(10時頃)に行くと手に入ることも。
(のぶよはもはや常連のようになっていて、イシュハンが入ったら声をかけてもらうように根回ししていました)
1kgで4000AMD(=¥918)/1尾1000AMD(=¥229)ほどと、アルメニア的にはかなりの高級魚であるセヴァニ・イシュハン。
レストランでは1kgで20000AMDは下らないので、自分で調理すればかなりリーズナブルに食べられます。
セヴァニ・イシュハンの味をひとことで表すなら、天国。
シグとは比べ物にならないほどの上品な旨味とほのかな甘さが特徴で、柔らかな身はもちろん舌先で溶けてしまいます。
のぶよの料理の腕でも感動するほどの美味しさだったので、ちゃんと調理できる人なら絶対に感動するはず!(まじで日本で売られている適当な魚よりも断然美味しかった)
先述の通りいつでも手に入る魚ではないセヴァニ・イシュハン。
この極上の湖の味覚にありつけるのは、この町にある程度の期間滞在している人の特権かもしれません。
⑦地元に根差したカフェがある!
もしかすると、ここを訪れるためだけにセヴァンに滞在する意味があるかもしれない…
そう声を大にしておすすめしたい居心地抜群のカフェがあるのも、セヴァンの大きな魅力です。
地元の人なら知らぬ人はまずいないBohem teahouse(Բոհեմ արվեստանոց-թեյարան)、すごくおすすめです。
この小さなカフェ兼ティーハウスで使用されているのは、すべてが地元産の素材。
・セヴァン周辺の山で採れたハーブティー
・セヴァン湖名物の魚料理
・セヴァンの秋の味覚・チシュハンのワイン
などなど、とにかくセヴァンへの地元愛を感じるメニューの数々が特徴的です。
Bohem teahouseはただのカフェ/レストランではなく、音楽や手芸などに興味がある地元の若者が集うカルチャースペースとしての機能も備えています。
それぞれの「好きなこと」を存分に、自由に楽しみながらその才能を磨くことができる、アルメニア地方部の小さな町のクリエイティブなスペース。
週末には、ミュージシャンを目指す地元のティーンエイジャーによるライブ演奏などのイベントも開かれているそうです。
旅行者であっても、セヴァンの食文化や地元の若者たちのクリエイティビティーに触れることができるのもメリット。
セヴァン滞在中に何度も足を運びたくなる…温かな魅力に満ちあふれた素敵な空間です。
⑧近郊には見どころがいっぱい!
「ソ連的な町並みやビーチには興味ない!もっとポピュラーなスポットに行きたい!」という人をも、きっとセヴァンは満足させてくれるはず。
セヴァンを拠点にすれば、セヴァン湖周辺に点在する観光スポットのいずれも日帰りが可能だからです。
・このエリアの観光ハイライト・セヴァナヴァンク修道院
・千年前から続く墓地・ノラトゥス
・人情と名物グルメの町・ガヴァル
・隠れた絶景修道院・ハイラヴァンク修道院
・青の絶景がどこまでも続くセヴァン湖西岸散策コース
などなど、セヴァン周辺にはそれぞれ異なる魅力を放つスポットがいっぱい。
各見どころの観光情報やアクセスについてはそれぞれ別記事でまとめているので、そちらもあわせてチェックしてくださいね!
⑨セヴァンの人はとにかく優しい
のびよがセヴァンをここまで推す、最後であり最大の理由がセヴァンの人々。
なぜだかわかりませんが、セヴァンの人々はアルメニアの中でもケタ違いに人懐っこく、外国人に興味津々。
良くしてもらえる機会がものすごく多かったのです。
・あらゆる人に挨拶される
・声をかけられる→飲みに行く ことが多々
・なぜかフルーツをくれる人多数
・手招きされて行ってみるとウォッカと料理が出てくる
・歩いていると車に乗せてくれる
などなど、パッと思いつくだけでもセヴァンのコミュ力お化けエピソードはたくさん。
それもこれも、アルメニアの伝統である「客人をもてなす文化」と、セヴァンの観光客の少なさに由来する「外国人に対する物珍しさ」がミックスした結果、この風土が形成されたのでは?とのぶよは考えています。
観光地化した町では、こうした純粋な「地元の人とのコミュニケーション」は風前の灯となりつつあるのが現状。
だいたい、観光客=お金を落としてくれるという認識になっていくものですから。
そういう意味で、セヴァンの人々のピュアな好奇心やおもてなしの心には、なんだか感動を覚えることがしばしば。
古き良き人情のようなものが、2021年になろうとも強く息づいていることを、来る日も来る日も肌で感じさせられました。
記事のはじめに断言した通り、セヴァンの町自体には特別な観光スポットのようなものはありません。
しかしながら、そこで暮らす人々の気質や生活感が醸し出す温かな雰囲気こそが、この町にただよう絶妙な居心地の良さの秘訣なのではないかと感じてやみません。
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