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フランス在住時「海外かぶれな日本人」だった私の黒歴史を晒したい。【イタすぎ注意】

こんにちは!フランスに1年間住んでいたのぶよ(@nobuyo5696)です。

フランスと言う国には、得体の知れない魔物がひそんでいます。

THE・ヨーロッパなお洒落な町並み
人生を謳歌するフランス人たち
味も見た目も美しい美食の数々

例を挙げればきりがないのですが、私たちを虜にするツボを絶妙に押してくる国、それがフランスです。

タイトルの通りなのですが、フランスに滞在時ののぶよは、何を隠そう「おフランスかぶれな日本人」でした。
今となっては笑い話なのですが、振り返ってみるとなかなかのイタさ。

そもそも当ブログ・「さぼわーる!」は基本的に旅ブログなのですが、キラキラしたインスタ映えスポットを紹介するものではなく、「人間の黒い部分を隠さない系旅人による本音の記事」をモットーとしています。
そういう人が運営しているブログなので、のぶよがどんな性格なのかまあご想像いただけるのではないでしょうか(笑)

というわけで、今回の記事ではのぶよ自身のフランス滞在時の黒歴史をさらしていきたいと思います。

きっと誰もが多かれ少なかれ感じたことのある「優越感」や「劣等感」が入り混じってこじれにこじれた、海外かぶれマインド。
反面教師として、「こんなイタい奴にはならないでおこう…」と感じていただければ幸いです。

海外かぶれだった私の黒歴史1:「字幕?ああ、邪道だよね」と言い張る

もともと大学でフランス語の授業をとっていたこともあって、フランスに渡航した際ののぶよのフランス語力はゼロではありませんでした。

とは言っても、結局は大学の第二外国語レベル。
英語に例えるならば、中学2年生くらいの語彙力&文法の知識だったと思います。

まずは定番・語学学校に通いながらフランス語に毎日触れるようにしていたのですが、やっぱり周りの人のフランス語力が気になって仕方がないのです。

誰かが自分より上手にフランス語を使えていたらやっぱり悔しいですし、つたないフランス語を効くと「あ、自分の方が上だわ」と感じる始末。(もちろん本人には言いません)

語学の学習というのは、この悔しさ(=劣等感)やマウンティング(=優越感)などの自分の気持ちと上手に付き合っていかなければならないものだと思うのですが、当時ののぶよは「絶対に負けたくない…」という思いがとても強かったのです。(単純に若かった)

「他の人より勉強した自信はもちろんあるけど、なかなか自分自身でフランス語の伸びを感じない…」
と考えたのぶよは、生きたフランス語に触れる機会を作ろうと常に考えていました。

その一環としてフランスのドラマや映画を観るようになったのですが、なぜか「字幕=悪」と思い込んでおり、フランス人がそうするように普通に鑑賞していたのです。
もちろんポップコーン片手に(笑)

もちろん理解度は壊滅的で、ほぼ何が起こっているのかわからない映画を2時間も観続けるのはただただ苦痛。
それでも、一本映画を観終わると、なんだか自分の語学力がアップしたような満足感に包まれていました。何にも学んでいないにも関わらず。

語学学校の友人には「え?字幕なんかつけてんの?俺普通にポップコーン片手に聞き流してるわ~」なんて言い放つ始末。
「字幕なし=フランス語のレベルが高い」という勝手なマウントとりでしかありませんよね。

語学学校講師になったりフランス語力がまあ磨かれた今だから言えることは、「自分のレベルに合わせた学習法をするのが一番」ということ。

確かにずっと字幕に頼り続けているのも考え物ですが、聞いてもわからない時は遠慮なく字幕ONにするべき。

「字幕なしの方が上級者っぽい」と思っても、そんなのただのイメージです。
実際に理解できていないなら、何の意味もありませんよね。反省です。

海外かぶれだった私の黒歴史2:「ジャパレス?絶対無理!」という謎のマウント

海外生活している日本人の間には、目に見えないヒエラルキー(階級)のようなものが存在しているということは、海外在住経験がある人ならわかってくれるのではないでしょうか。

タワーマンションの階数ヒエラルキー
ママ友ヒエラルキー(旦那の収入・学歴etc)

などなど、日本でも多く見られるこのイヤ~な感じですが、そもそもの頭数が少ない海外在住者の一部の人々の間ではさらにイヤ~な感じになります。

永住権>就労ビザ>ワーホリ>学生

といった滞在資格によるヒエラルキーもないとは言えませんし、仕事面で例を出すなら、

現地企業で働いている人>現地日本企業で働いている人>ローカルジョブ>日本食レストラン>学生バイト

みたいな。

もちろん誰もあからさまに口にすることはないのですが、このヒエラルキーのようなものは確実に存在すると思います。

のぶよはそもそも、あまりそういったことを気にするタイプではないのですが、やっぱり「せっかく働くなら日本食レストランじゃなくてローカルジョブがいい」とは思っていました。

「ローカルジョブ」とは、現地人がオーナーのレストランや商店などで働くことを指します。

語学学校を終えて仕事探しを始めようとしたときに、日本食レストランの求人は全く眼中に入らず、わざわざ現地の人向けの求人サイトに登録しては、鳴りもしない電話を待つ日々。

いわば、やりもしないで馬鹿にしていたわけです。
「せっかくフランスまで来たのに、日本人というだけで誰でもできる仕事なんかしたくない!」と。

今となって思えば、仕事に優劣なんてあるわけがないですし、日本食のレストランで働いている人がいるから、海外でも美味しい和食が食べられたり、現地の人に日本の食文化を伝えることができているわけです。

「限られた海外生活、絶対にローカルに囲まれて、外国語環境で仕事をしたい!」と考える気持ちは、とてもよくわかります。なんと言っても経験者なので。

しかし、自分の理想とは異なる職種や生き方を否定することに全く意味はありませんし、「ローカルジョブで働けているから自分はすごい」ということでもないと思います。

海外かぶれだった私の黒歴史3:SNSにフランス語で投稿(現地人に囲まれた写真付きで)

今やSNSを通して、世界中の人と繋がれる時代。
フランスにいようとアフリカにいようと、日本の友達の近況を知ったり、自分の近況をシェアしたりできます。

SNSはとても便利なのですが、使い方を間違えるとただの黒歴史製造ツールになり果てます(笑)

のぶよがフランス滞在して半年ほどたった時、なぜか自分の投稿を全てフランス語にすることを思いつきました。

「日本語をシャットダウンして、フランス語により囲まれた生活ができるように」という理由付けでしたが、今考えると「フランスに住んでフランス語で生きている自分!」を見せたかったのでしょう。(まじでイタい)

それも「今日は○○しました~!楽しかったで~す!」というものではありません。
やたら難しい表現を使い、性数一致や単語のスペルを10回は見直し、やたら長文で投稿するわけです(笑)

そうすることで、「フランス語が使える自分」という自尊心を保っていたのかもしれません。

今思えば、いくらフランス語が綺麗に書けたところで、「だから何?」って感じですよね(笑)
文法書と翻訳機片手に、1時間ほど時間をかければ誰だってそれなりの文章が書けますから。

作家や詩人などでない限り、言葉というものは会話するためにあるもの。
実際の会話が下手だったら何の意味もないと思います。

フランス語での長文投稿の他にも、SNSに関しては黒歴史がたくさん。

最たる例が「現地の友人に囲まれて、毎日充実しているわ・た・し!」的な投稿。
もちろん全部フランス語で書いていました。

パーティー後に空いたワインボトルを並べて、ちょっとおセンチ気味なフランス語を添えて、はい完了。
まじ、誰得(笑)

人間というものは、結局自分を良く見せたい&他人の評価が気になる生き物。
現在では「インスタ映え」なんて言われますが、のぶよはその先陣を切っていたのかもしれません。

海外かぶれだった私の黒歴史4:出羽守になり果てる

海外に住んでいると、自分の国や文化を異なった視点で見られるようになるもの。

比較的均一な民族構成や文化である日本から出てみると、それまでは気づかなかった良い部分や悪い部分が目についてくるのです。

それ自体は当たり前のことですし、自分の培った経験をシェアすることが誰かのためになることもあるでしょう。

しかしながら、日本の悪い部分ばかりが目につき、海外を盲目的に称賛するようになってしまうと話は別。
出羽守(でわのかみ)」と揶揄されるタイプの海外在住者になり果ててしまいます。

出羽守(でわのかみ)とは、元々は出羽国(現在の山形県)の国境防衛を担っていた人のことですが、現在ではネットスラングとして全く違う意味で用いられています。

それは、「海外では○○なのに、日本では○○。」という決まり文句で、「海外は上、日本は遅れている」と常に主張しているような人のこと。
要するに「~では」という言葉の守り神のような存在です(笑)

出羽守はまあウザいです(笑)
しかしのぶよ的には、日本で出羽守を揶揄する人々や風潮にも問題があると思っているのですが、今回の記事では触れないことにします。

ここまで読んでいただいたならきっとご想像いただけるでしょうが、フランス滞在も佳境に入ったころののぶよは、完全なる在仏出羽守でした。

その頃は「出羽守」という言葉自体存在しなかったものの、今だったらきっと炎上しているでしょう(笑)

どんな感じだったのかと言うと、

「牛丼チェーンとか意味がわからない。フランスでは食事2時間かけるのが普通だよ?」
「(日本の友人と話していて)ごめんはっきり言い過ぎたわ、でもフランスではこれが普通だから」
「日本人ってすぐ周りに影響されるけど、フランス人は自分を持ってるからね」

などなど。
ね?ウザいでしょ?(笑)

出羽守のウザさの最たる理由は、「海外の国の現実から目を逸らし、美化しすぎている」ことでしょう。

フランスにだってファストフードはありますし、オブラートに包んで相手に伝えるのもマナー。
個人主義のイメージが強いフランス人ですが、実際はかなりの全体主義・団体主義で、他人の影響をかなり受けます。(そりゃあ革命だって起こるはずです)

このように、自分が勝手にその国に対して抱く(しかも結構な確率で間違っている)イメージを用いて「それに比べて日本は~」と下げてくるわけですから、そりゃあ嫌がられますよね。

幸いにものぶよの友人たちとは、そんな黒歴史時代&出羽守的な名言も含めて笑い話にできるほど。
周りに恵まれていて良かったと心から思います。

海外かぶれだった私の黒歴史5:ワイン・コーヒー・美食…とにかく通ぶってみる

フランスと言えば、「朝はカフェのテラス席でエスプレッソ、ランチにゆっくりとフレンチを食べて、アペリティフでワインを嗜む…とれびやーん」なイメージがないでしょうか。
のぶよはむしろこんなイメージしかありませんでした(笑)

もう散々おフランスかぶれになり果てていたのぶよは、「フランスっぽいもの」にとにかく挑戦し、ネットで調べたような浅い知識をひけらかしていました。

それが本当に好きな人なら良いんです。
ワインに詳しい人や、コーヒーに情熱を注ぐ人、フランス料理を学んでいる人などは本当に尊敬しますし、そういった人の知識をおすそ分けしてもらうのは大歓迎です。

しかし、のぶよのような「にわか」がそれらを語りだしたところで、ただの「フランスかぶれ」になってしまうのが関の山。

正直ワインの味なんて全く分かりませんし(なんならポルトガルのワインの方が美味しいと思います)、一杯2ユーロ以上もするコーヒーよりもNescafeのインスタントの方が好きですし、毎日ケバブとハンバーガーでもOKなタイプの人間です(笑)

人間、興味のないことに関しては、いくら頑張って知識を得ようと思っても全く頭に入ってこないもの。
もちろん、これまで知らなかった分野に対して興味を持つことができ、新しい道がひらける可能性はありますが、イメージ先行型で「フランスにいるんだからこれくらいは勉強しないと…」と自分を追い込みすぎるのは考え物。

自分が好きなこと、やっていて楽しいことに集中して、その道を極めた方がかっこいいんじゃないかと今では思います。

おわりに:海外かぶれだった私を変えてくれたこと

のぶよがフランス滞在時にどんな人間だったのか、少しお分かりいただけたのではないでしょうか。
正直、めっちゃウザい奴でした(笑)

フランスにいた1年間のうちは、不思議とそんなことは気づきもせずにのうのうと過ごしていました。

そんなのぶよの意識を変えたのは、フランス滞在後のカナダとポルトガルでの生活だったのかもせいれません。

年齢を重ねて考え方が大人になったというのはあるでしょう。
初めての海外生活ではなかったので、自分が慣れたというのもあるでしょう。

しかしながら、カナダやポルトガルでは、フランス滞在中に一度も経験しなかったような「肩の力を抜いた生活」を意識せずとも送れていたのです。

フランス滞在中ののぶよの数々の黒歴史は、いわば「他人から見た自分をよく見せたい」がためのもの。

フランス語が上手だと思われたい
仕事に私生活に充実しているように見せたい
フランスについて詳しい自分でありたい

など、自分自身を高めるためというよりも、他人から失敗と思われないようにしていたのかもしれません。
つまり、努力の方向が間違っていたと言うこと。

カナダ生活が落ち着いてきたころに、ふと自分自身について振り返ってみたとき、「他人と比べることに何の意味もない。自分は自分、他人は他人。」と、良い意味で割り切って考えることが自然とできるようになっていました。

「ローカルジョブ以外無理!」とか「このワインはちょっと若いよね~(正直、味一緒)」なんて言っていた人が、現在では安ビールとファストフードにまみれながら、泥臭い節約バックパッカー旅で日本まで帰ろうとしているのですから、人生とはわからないものです(笑)

というわけで、今回の記事はここまで。

「こんなイタい奴にはならないでおこう」と感じた人も、現在海外在住でかぶれにかぶれている人も、どちらもその人の生き方です。

しかしながら、後に黒歴史として認識した際に猛烈に恥ずかしくなるので(笑)、できれば「上手なかぶれ方」を身に着けておいたほうがいいのかもしれません。

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