こんにちは!元ポルトガル在住ののぶよ(@nobuyo5696)です。
ポルトガル領のアゾレス諸島最大の島、サン・ミゲル島の観光情報をお送りしている今日この頃。
今回は、島の東部の見どころに焦点を当てていきます。
サン・ミゲル島の東部は有名な観光スポットこそありませんが、美しい海岸線を望む絶景ポイントの数々と、アゾレス諸島らしい伝統的な町並みを持つ小さな村が点在しているエリア。
かなり山深い地域でもあり、神々しい雰囲気の滝へとハイキングを楽しむこともできます。
ゆっくりと旅していきたい、ローカル感ただよう見どころを紹介していきます!
サン・ミゲル島東部観光の拠点!ポヴォアサン
サン・ミゲル島東海岸エリア観光の拠点となる町の一つが、ポヴォアサン(Povoação)。
山に囲まれた谷間に位置する小さな町で、ローカルレストランやペンションなど滞在に必要なものは全てそろっています。
ポヴォアサン中心街
ポルトガルらしい石のタイルが敷き詰められた路地が連なるポヴォアサン中心街は、とてもシックな雰囲気が特徴的です。
建ち並ぶ家々もどことなく優雅な印象を与えるもの。
規模は小さいものの、アゾレス諸島の伝統的な町の雰囲気を色濃く残しており、散策が楽しいです。
比較的観光客が多めのサン・ミゲル島ですが、ここまでやってくる人は少ないよう。
中心街の広場にいるのはほとんどが地元の人のようで、路地を一本入ると猫一匹いないほどに静まり返っていました。
ポヴォアサンが町としてポルトガルに認められたのは1432年のこと。
中心街の公園には、その歴史を語る記念碑が立っています。
端から端まで歩いても、30分もかからないほどの規模の小さな中心街。
しかしながら、地面に敷き詰められた石はかなり良く整備されていました。
上品な雰囲気然り、もしかしたら結構お金持ちな町なのかもしれません。
中心街の広場の一角には、「動物園」と名付けられたスペースがあり、檻の中に鳥や小動物が飼われていました。
入場無料なのであまり期待するのもどうかとは思いますが、とにかくクオリティーは微妙です(笑)
ポヴォアサンの町を象徴する建物が、ポヴォアサンの聖母教会(Igreja Matriz de Povoação)。
白壁と黒っぽい岩が使われた、典型的なアゾレス諸島の伝統様式の建物で、町の人の信仰を一身に集める場所です。
ラマーリョ展望台
ポヴォアサンの町全体を眺めるなら、町の東側の高台の上にあるラマーリョ展望台(Miradouro do Ramalho)がおすすめ。
丘に囲まれたこぢんまりとした中心街を見渡すことができます。
清流に沿って発展したポヴォアサンの町並みは、上から見てもなんだか上品で静かな雰囲気です。
美しい風景を堪能したら、幹線道路を東に向かって走っていきましょう。
ポル・ド・ソル展望台
ポヴォアサンの町を東に4kmほど行くと、町と周辺の大自然を一望できるポル・ド・ソル展望台(Miradouro do Pôr-do-Sol)があります。
ポルトガル語でポル・ド・ソルは「夕日」の意味。
その名の通り西を向いた展望台は、夕日の名所として知られているそうです。
一年中温暖湿潤で「常春の島」とも言われるアゾレス諸島。
この時は10月でしたが、アジサイがまだ咲き残っていました。
広大なパノラマを堪能した後は、今回のデイトリップのハイライトである神秘的な滝へのハイキングに出発です!
サルト・ド・プレゴ滝へのハイキング
サン・ミゲル島東部で最大の見どころがサルト・ド・プレゴ滝(Salto Do Prego)。
深い森の中に突如として現れる神秘的で優雅な滝は、サン・ミゲル島のエコトラベルの聖地として人気となっています。
滝までは車両の乗り入れはできず、1時間弱のハイキングのみでのアクセスとなりますが、苦労して歩く価値は十分にありますよ!
サルト・ド・プレゴ滝ハイキングコース
ハイキングコースの入口があるのが、上で紹介したポル・ド・ソル展望台から山道を海岸線方面に下った場所にあるファイアル・ダ・テーラ村(Faial da terra)。
入口から滝までは片道2.5kmほどの簡単なハイキングコース。
往復で1時間 + 滝で過ごす時間1時間=2時間ほど見ておけば観光できます。
30分ほど歩いた後に視界に入る、轟轟と音を立てて流れ落ちる滝はとても神秘的。
太陽の光が差し込みにくい森深い場所にあるのですが、上手く光が入ると滝つぼがエメラルドグリーンに輝きます。
(チャンスはあったのですが、のぶよのiPhone5では撮れませんでした)
滝つぼではもちろん泳ぐことも可能。
ご想像の通り、水はかなり冷たいので、勇気がある人だけどうぞ(笑)
ファイアル・ダ・テーラ村
サルト・ド・プレゴ滝へのハイキングコースの入口とあんるファイアル・ダ・テーラ村(Faial da terra)の美しい風景も見逃せません。
実は、先述のハイキングコースには二つの入口があり、高台に位置する集落部分からもアクセスすることが可能。
せっかくなので、行とは違う高台コースを通って入口まで戻るのがおすすめです。
高台地区にはほとんど人が住んでいないようで、どこか寂しい雰囲気が漂っています。
というのも、この高台地区までの道は石畳の急な坂道のみ。
車は通れず、バイクでやっと登れるほどの狭いでこぼこ道なので、アクセスにはかなり不便です。
高台地区の住人の多くが海岸線近くの低地地区に引っ越してしまったため、現在では数軒の民家を残して放置された状態となっています。
寂しい雰囲気ではあるものの、時間が止まったような感覚になるのは逆に良い点かもしれません。
古民家を改築したカフェが一軒だけ営業していたので、休憩していくのもいいでしょう。
高台地区から望む村の風景は、かなりの絶景。
サルト・ド・プレゴ滝から流れ出た川沿いに広がる小さな村の先には、広大な大西洋を望むことができます。
この急な石畳の坂を下っていくと、ハイキングコースの入口付近に戻ることができます。
ここからは、島の東海岸を北上していきましょう!
サン・ミゲル島東海岸
マドルガーダ岬展望台
切り立った崖の上に幹線道路が走るサン・ミゲル島の東海岸は、絶景展望台が多く点在するエリア。
その一つがマドルガーダ岬展望台(Miradouro da Ponta da Madrugada)です。
ダイナミックな海岸線の風景は素晴らしいですが、この展望台のもう一つの見どころは猫たち。
ものすごい数の猫が住み着いている、猫王国なのです。
人間に動じることもなく、絶景をのんびりと眺める猫たち。
絶景観光よりも猫とじゃれあう時間の方が長くなってしまうという、不思議な場所です(笑)
スセグ岬展望台
東海岸の絶景展望台をもう一つ。
先述の猫展望台の少し北にあるスセグ岬展望台(Miradouro da Ponta do Sossego)も有名な絶景ポイントです。
展望台の敷地は庭園となっており、四季の花々が咲き誇れ、緑であふれる気持ちの良い雰囲気。
近郊のノルデストゥの住民たちが、観光客に喜んでもらおうと整備してくれているそうです。
庭園を散策した後には、断崖絶壁の絶景を眺めるのもお忘れなく。
かなり高い場所に位置している展望台なので、気持ちの良いほどに開放的な大西洋の眺めが広がっています。
ノルデステゥ
サン・ミゲル島最東端に位置する町が、今回のデイトリップの終着点となるノルデストゥ(Nordeste)。
ポルトガル語で「北東」を意味する町の名前の通り、島の北東エリア最大の町となっています。
(とは言ってもかなり小さいですが)
海を望むレストランや商店もいくつかあり、宿泊施設もあるので、このエリアの観光拠点としてもおすすめですよ。
アルネル岬
サン・ミゲル島最東端のアルネル岬(Ponta do Arnel)は、ノルデストゥ中心街の南側に位置しています。
断崖絶壁の岬の先端には可愛らしい灯台が建っていて、ノルデストゥを代表する風景の一つとなっています。
ここから先にはもう島などはなく、1500kmほど先にポルトガル本土があるのみ。
遥か昔の大航海時代に、アゾレス諸島を発見したポルトガル人達に思いを馳せましょう。
ノルデストゥ中心街
ノルデストゥの中心街はかなり規模が小さく、端から端まで歩いても10分ほど。
白と黒に統一された町並みはとても美しく、どこかノスタルジックな雰囲気も感じられます。
ノルデストゥ中心街を代表する建造物が、サン・ジョルジュの聖母教会(Igreja Matriz de São Jorge)。
ポヴォアサンの教会と同様に、アゾレス諸島伝統の様式で立てられており、お祈りに訪れる町の人の姿が見られました。
島最大の町であるポンタ・デルガダに宿をとっている場合は、ここから2時間ほどの道のりをかけて戻ることとなります。
ノルデストゥからは島の北海岸を観光しながら戻るのがおすすめですが、一日で東海岸と北海岸の両エリアをまわることは時間的に不可能。
ノルデストゥに宿泊して、翌日に北海岸を観光しながらポンタ・デルガダに戻るプランがおすすめです。
サン・ミゲル島東部のまわり方・アクセス
サン・ミゲル島東部観光マップ
サン・ミゲル島東部の路線バス
サン・ミゲル島東部の観光拠点となるのが、ポヴォアサンとノルデストゥの二つの町。
理想としてはレンタカーやレンタルバイクでまわるのが便利ですが、一応路線バスもあるので、個人でまわれないこともありません。
(本数は少ないのでかなり不便ですが)
ポンタ・デルガダ~ポヴォアサン間の路線バス
島で一番大きな町であるポンタ・デルガダ~ポヴォアサン間には路線バス南海岸線の318番が走っています。
このバスは途中で、温泉で有名なフルナス(Furnas)を経由するものです。
ポンタ・デルガダ~ノルデストゥ間の路線バス
島の最東端に位置するノルデストゥまでは、ポンタ・デルガダから北海岸を走る路線バスが出ています。
この路線は南海岸のポヴォアサンを経由しないのでご注意を。
ポヴォアサン~ノルデストゥ間の路線バス
ポヴォアサン~ノルデストゥ間の移動はものすごく不便で、1日1往復の路線バスが走っているだけとなっています。
スケジュールは、
ノルデストゥ発:7:25
ポヴォアサン発:16:00
学校に通う地元の子供向けのバスのため、旅行者的にはかなり使いにくスケジュールとなっています。
広いエリアに見どころが点在しているサン・ミゲル島を効率良く観光するなら、ポンタ・デルガダ発の現地ツアーが便利!交通手段がない旅行者にとっては強い味方となります。
盛りだくさんの内容で料金もリーズナブルなので、滞在日数が限られている場合にはかなりおすすめです!
サン・ミゲル島東部観光の拠点はどこにする?
移動には不便がともなう、サン・ミゲル島東部の観光。
やっぱり車/バイクがあるに越したことはありません。
島の玄関口であるポンタ・デルガダから島東部へは結構距離があり、移動時間がやや長めとなります。
日帰りでエリア内の見どころをまわって往復することもできなくはないものの、かなり急ぎ足の旅になってしまうかもしれません。
フルナスや島北部などの他エリアの観光と、島東部の観光を一日で組み合わせることは、移動時間を考えると不可能。
かと言って、ポンタ・デルガダに連泊して各エリアへとデイトリップをしようとすると、島の西部と東部を毎日行ったり来たりすることになってしまうので効率的ではありません。
のぶよのおすすめは、ポンタ・デルガダを朝出発して、丸一日観光し、ポヴォアサンかノルデストゥのどちらかの町に宿泊すること。
翌日には近郊のフルナスや島の北海岸・南海岸の見どころをまわりながら、ゆっくりとポンタ・デルガダに戻ることができるためです。
どちらかというとポヴォアサンの方がひらけていて、レストランや宿泊場所の選択肢もやや多めなので便利かもしれません。
おわりに
緑あふれるサン・ミゲル島東部の見どころや交通情報を解説しました。
サン・ミゲル島はアゾレス諸島の中では最も観光客が多くやってくる島ですが、このエリアに関しては人の数はかなり少なめ。
アゾレス諸島本来の素朴な村々や、手つかずの大自然を満喫することができます。
車やバイクをレンタルして、途中の町に宿泊しながら一筆書きのようにまわるのが、サン・ミゲル島観光のポイント。
波の音が響き渡る小さな村で眺める満天の星空も、きっと良い思い出となるはずです!
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