ワインの常識が変わる!ポートワインのワイナリー見学&試飲に行ってみた。

ワインの常識が変わる!ポートワインのワイナリー見学&試飲に行ってみた。

こんにちは!ポルトガル在住ののぶよです。

ポルトガル北部にある第二の都市・ポルトの名物といえば、言わずと知れたポートワイン (Vinho do Porto)

世界中でもポルト近郊のドウロ渓谷でしか栽培できない品種のブドウを一個一個手摘みで収穫し、熟成させたポートワイン。
ワイン通をも唸らせる独特の風味と甘さが特徴です。

古くから、ドウロ川を使ったポートワイン運搬の中継地点として栄えたポルト。

町の中心を流れるドウロ川の南岸には、見学や試飲ができるワイナリーが立ち並ぶヴィラ・ノヴァ・ドゥ・ガイア地区(Villa Nova de Gaia)があり、世界中の観光客がポートワインに舌鼓を打ちます。

今回は、ポルトでワイナリー見学をする際のポイントと、実際に訪れた感想をお伝えします!

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知っておきたい!ポートワインの基礎知識

ポートワインの歴史

ポートワインの生産が始まったのは14世紀のこと。
当時はドウロ川上流地域でひっそりと生産されていました。

18世紀になると、当時世界の覇権を握っていたイギリスがこのワインの美味しさに目をつけます。

ドウロ川上流のブドウ栽培・熟成地からドウロ川を下ってポルトまで運搬し、そこから自国へと運ぶポートワインの輸出ルートを確立。
独特の風味と甘さが魅力のポートワインはイギリスで一躍人気になります。

ポートワイン輸出の中継地として栄えたポルトのドウロ川沿い南岸の地区、ヴィラ・ノヴァ・ドゥ・ガイアには、当時イギリス資本によって設立されたワインを貯蔵するための倉が立ち並んでいて、レトロな雰囲気。

川辺にはワイン運搬に使われたラベーロという帆船が浮かんでいて、往時の雰囲気を感じることができます。

↑夕暮れのヴィラ・ノヴァ・ドゥ・ガイア。ラバーロが浮かぶドウロ川の対岸に望むポルト旧市街はとても美しい

ポートワインの特徴

「ポートワイン」という言葉は言うまでもなく英語。
ポルトガル語では「ヴィーニョ・ド・ポルト (Vinho do Porto)」といいます。

「ポルト」という町の名前は、ポルトガル語で「港」の意味。
このワインの魅力を世界中に広めたのがイギリスということもあって、この町の名前が英語の”ポート(Port)”に置き換えられ、「ポートワイン」という名が広がりました。

ポートワインと他の数多あるワインとの一番の違いは、口に含んだ瞬間に感じる芳醇な甘みでしょう。

一般的なワイン製法とは異なり、発酵途中に蒸留酒やブランデーなどを加えることによって酵母の働きを止めるポートワイン。
ワインに含まれるアルコール独特の苦味が少なく、まるでぶどうジュースのような甘味が残るのです。

もう一つの特徴は、20度前後の高いアルコール度数。

蒸留酒を加えることもあって、ポートワインのアルコール度数は一般的なワイン (10~15度)よりも高めです。そのため保存性に優れていて、70年間熟成させたポートワインなんてものも存在します。

ちなみに、ポートワインがポートワインたるためにはいくつかの制約があります。

・ドウロ川上流で栽培された数種類のブドウのみを使うこと
・指定された熟成場所で最低三年間熟成させること

など、厳しい条件をクリアしたものだけがポートワインとして認められるのです。

ポートワインの種類

ポートワインは、その熟成具合やブドウの収穫年によっていくつかの種類に分けられます。

後に紹介するテイスティングの際に、ポートワインの種類を知っておいた方が、より深くワインを味わえること間違いなし!

ちなみに、ポートワインの種類名は英語が使われることが多いです。
これは、ポートワインを世界中に広めたのがイギリスで、販売する際にワインの特徴によってランク付けをしたことが由来だそう。

ルビー (Ruby)

スーパーマーケットなどでも購入できる、比較的安価で最もポピュラーなものがルビー。

ポルトワインの中では、最低熟成期間である三年間を満たしたばかりのものが多いので、比較的若く甘味が強く感じられるものが多いです。

トウニー (Tawny)

英語で「琥珀」という意味を持つトウニーは、上記のルビーをさらに熟成させて、琥珀のような黄色がかった赤色になったもの。

良いワイナリーでは樽の中で時間をかけて熟成させることによって、ワインにこの独特な色合いを持たせます。

しかしながら、適当なワイナリーでは、後に紹介するポートワインの白である「ホワイト」と若い「ルビー」を混ぜただけの「なんちゃってトウニー」を販売するところもあるので要注意。

レゼルヴァ (Reserva)

質の良いブドウが収穫された年に限定して生産されるポートワイン。10年のうち3年ほどしかないというこの限定された年に収穫されたブドウを原料にしたレゼルヴァは、英語風に「リザーヴ」とも呼ばれ、芳醇な香りと濃厚な甘みのファンがとても多いんです。

ヴィンテージ (Vintages)

何よりもブドウの質を重視し、樽の中で3年間の熟成期間の後に瓶詰めし、10年以上寝かせたプレミアムなポートワイン。

かなりの高級品で、その風味は他のポートワインとは一線を画します。

 

ホワイト (White)

「ポートワイン=赤」というイメージが強いですが、ポルトガルでは比較的安価な白いポートワインも作られています。

ルビーやトウニーなどの赤ポートワインに比べると、白ワイン独特のすっきりとした飲み心地が特徴です。

ポートワインのワイナリー見学のコツ

ワイナリー見学なら、ヴィラ・ノヴァ・ドゥ・ガイア地区へ

ポルトの街には名物のポートワインを嗜めるレストランやバーが数多くあります。

しかしながら、ワイナリー内を見学したり試飲をするなら、ドウロ川南岸のヴィラ・ノヴァ・ドゥ・ガイア (Vila Nova de Gaia)へ行くべき。

ワインを積んだラベーロという帆船が停泊するドウロ川沿いに十数件のワイナリーが立ち並ぶ光景は、他ではあまり見られないものです。


↑二大ワイナリーの一つ、Sandeman。いつでも大勢の観光客でにぎわう。

ライトレールの最寄り駅は、D線のジャルディン・ド・モーロ(Jardim do Morro)

ワイナリーが並ぶ川沿いの地区とは地図上では近く見えるものの、実際はかなりの急坂を下っていかなければなりません。

ジャルディン・ド・モーロ駅そばからワイナリー地区へはロープウェーが走っているので、歩きたくない人にはおすすめです。

ロープウェーの運賃は片道6ユーロと高めですが、利用すると降り場近くのワイナリーでのポートワイン無料試飲券がついています。

そこまで質がいいワインは期待できないものの、上手く利用すればお得。

ヴィラ・ノヴァ・ドゥ・ガイア地区に到着したら、まずは川沿いのインフォメーションセンター(上の地図上黄色)で地図をもらいましょう。十数件のワイナリーの情報をチェックできます。

ちなみに、インフォメーションセンターの職員は、おすすめのワイナリーについて情報を与えることが禁止されています。
なので結局は自分の勘が勝負のカギ。

無料でワイナリー見学&試飲を行っているワイナリーは現在ありません。

ワイナリー選びのポイント

団体観光客が多く訪れるのが、SandemanCálem (いずれも上の地図上青色) です。

どちらも世界的に知名度が高く、人気のワイナリー。
ただし見学&試飲は15ユーロ~と少々高めです。

そしていつも多くの団体観光客が訪れるため、落ち着いた雰囲気での見学や試飲は少々難しいかもしれません。

↑二大ワイナリーの一つ、Cálem では、夜にファドコンサート付きのツアーもある

のぶよのおすすめは、川沿いから少し路地を入ったところにある小さなワイナリー。

観光客の数はぐっと少なくなりますが、大手ワイナリーにも負けない質のポートワインを製造しています。

観光客でごった返していない落ち着いた雰囲気で、優雅にポートワインを嗜みたい人には断然おすすめです!

ポルトのおすすめワイナリー、Quinta dos Corvos

今回のぶよが訪れたのが、上の地図上緑色のこちらのワイナリー、キンタ・ドス・コルヴォシュ (Quinta dos Corvos)」。

とても小さなワインセラーで、見学は7ユーロ、試飲は5ユーロ~です。 (試飲するワインによって異なる)

先ほど紹介したSandemanなど大手ワイナリー産のポートワインは、日本国内でも通販で購入できます。
(なかなか見つけにくいのが現状ですが)

しかし、キンタ・ドス・コルヴォシュのワインは正真正銘ここでしか味わえません。
世界中でもポルトでしか味わえないプレミア感を味わえることに加えて、ワインの質も本当に素晴らしいんです!

のぶよが柄にもなく感動してしまったほど。

ワイナリー見学

初めに受付で見学の際の希望の言語と時間を告げます。
言語はポルトガル語、英語、フランス語、スペイン語から選べます。

ツアー開始時刻は特に決まっておらず、ある程度同じ言語で人が集まってからスタートするというアバウトさ。(最低4人ほど)
小さなワイナリーならではです。

実は、こちらのワイナリーではロドリゴさんという日本語が話せるスタッフが働いています。
日本に10年ほど住んでいたそうで日本語ペラペラ、運が良ければ彼に日本語でガイドをお願いできるかもしれません。

ポートワインが熟成されている樽が並ぶカーブは、小さいながらも圧巻。
ポートワインの歴史、製造法、ブドウの品種について学べます。

ポートワインの独自性で特筆すべきは、「ブドウの収穫は機械を使わずに手摘みであること」「熟成の際に白ブドウからできた蒸留酒を混ぜること」でしょう。

ドウロ渓谷の斜面にあるポートワインのブドウ畑では、日光が最大限に当たるよう、棚田のように狭い敷地にびっしりとブドウが植えられています。
そのため機械で入ることができず、今でも収穫方法は手摘みだけなのです。

また、熟成途中に白ブドウの蒸留酒を加えて熟成を止めることによって、ポートワイン独特のブドウジュースのような甘みと、19.5%~22%という強めのアルコール度数のワインが生まれるのです。
(一般的なワインのアルコール度数は12.5%ほど)

ポートワインの試飲。初体験のワインの味に大興奮!

ポートワインの製造法について学んだあとは、いよいよテイスティング。
ワイナリーに併設した専用の試飲室で、数種類のポートワインをいただきます。

メニューが用意されていて、お好みのワインを選んでテイスティングできます。

職員の方がきちんとおススメを教えてくれるので、素直に従っておきましょう。絶対後悔はしませんから。

のぶよがまず挑戦したのが、ヴィンテージである“Quinta dos Corvos Vintage”(写真手前) と、“Quinta dos Corvos 30 years old” (写真奥)。

ヴィンテージを飲んだ瞬間の感動はきっと一生忘れられないでしょう。

フルーティーな香りと、ポートワインの特徴である甘みが深く感じられ、もはやワインの域を越えた別次元のお酒のよう。
これまで味わったことのないような独特の風味に感動すること間違いありません。

とにかく、あなたのワインに対する常識が変わること間違いありませんよ!

30年もののポートワインもかなりの美味しさ。自分が生まれる前からずっと熟成されつづけてきたワインを今こうして飲んでいるなんて…。
なんだか不思議な気分にさせられます。

初めにいただいたヴィンテージに比べると少々軽めではあるものの、「THE ポートワイン」という感じの上品な味わいが印象深かったです。

ここまで二種類の試飲で10ユーロ。

「試飲なんて1杯で十分。節約しなきゃ!」
と思っていたのぶよですが、すでにポートワインのとりこになってしまっていました。いい商売です。(笑)

日本語が話せるロドリゴさんはワインにもかなり詳しく、こちらを気にかけて声をかけてくださることも多かったです。

そして、ポートワインより何より、彼の日本語能力の方が凄いと思います。
「ワインの澱(おり)」とか「蒸留酒」とか「沈殿」とか普通に使っていらっしゃいましたが、いったいあなたはどれだけ日本語が上手なの。(笑)

というわけで、先ほどのメニューの一番上にあるホワイト(写真左)とレゼルヴァ(写真右)のセットで5ユーロの試飲をすることに。

まずはレゼルヴァ。

一口飲んだだけで口の中は果樹園に。フルーティーにも度が過ぎます。
意外にもそこまで甘さはありません。いや、普通のワインに比べたらかなり甘いんだけども。

これだけでもかなり上質で美味しいワインなんですが、一番初めに衝撃的なほど美味しいワインを飲んでしまったのでなんだか少し物足りなさを感じてしまいます。

そしてホワイト。
これまで飲んだポートワインの中でもかなり異質な味わいで、第一印象は「これ、ウイスキー?」と思ってしまったほど。

甘さは控えめで、口の中に少し残る程度。
かなり軽めでさわやかな口当たりなので、アペリティフ(食前酒)としてはかなりいいかもしれません。

こうして、それぞれのワインの癖や特徴などのお話をしてもらいながら(しかも日本語で)味わうワインは、正直素晴らしいのひとこと。

特に一番初めに飲んだヴィンテージは本当に衝撃的でした。

絶対飲んでみるべきです。世界中でもおそらくポルトでしか味わえないのではないでしょうか。

なんだかワインにかなり詳しくなったような気持ちになれる、大満足のワイナリーツアーでした。
ロドリゴさん、ありがとう! (一緒に写真撮ってもらえばよかったと後悔。)

キンタ・ドス・コルヴォシュでは、試飲したワインを購入した場合、そのワインの試飲料金が無料になるサービスがあります。

最安のホワイトで19ユーロ~と手軽に購入できるので、ポルト土産としても、家飲み用としても最適だと思います。

ちなみにのぶよが気に入ったヴィンテージは高級品で、60ユーロ~という値段だったため、購入を断念しました。お金欲しい。

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ポルト中心街


リスボンに負けずに坂が多いポルト。特に旧市街とその対岸地区の川沿いの急坂は信じられないほどの傾斜。
対するポルトの新市街は、坂の上の平坦な地区にあるので、宿泊の拠点としてはおすすめ。ポルト観光に便利なライトレールも走っており、観光にも移動にも便利な立地。

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おわりに

ポルトに来たら絶対に挑戦したいポートワイン。
バーやお土産屋で購入することもできますが、やはりワイナリーで直売のものを味わうのが一番です。

今回紹介したキンタ・ドス・コルヴォシュでは、購入したワインを海外発送するサービスも行っていて、日本までも問題なく発送してくれます。
スーツケースに詰める心配もいらないので、利用してみるのもいいのではないでしょうか。

大手ワイナリーも小さなワイナリーもかなり質の高いワインを製造しているのがポートワインのすごいところ。

観光客であふれる有名スポットから少し離れてみて、ここでしか味わえないワインを楽しむのも旅の醍醐味の一つなのではないでしょうか。

インフォメーション

キンタ・ドス・コルヴォシュ (Quinta dos Corvos)

住所:R. Dom Afo:nso III 2, 4400-266 Vila Nova de Gaia, Portugal
営業時間:全日11:00~18:00
料金:見学7ユーロ、試飲5ユーロ~

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