こんにちは!元ポルトガル在住ののぶよ(@nobuyo5696)です。
「山の島」と呼ばれる、ポルトガル領アゾレス諸島のピコ島(Ilha do Pico)。
その名の通り、島の中央にはピコ山がそびえ立ち、島のシンボル的な存在として愛されています。
多くのアウトドアな旅行者がピコ山の頂上へと登ることを一番の目的としてピコ島にやってくるのですが、その道のりは結構なもののようで、個人で登るのは危険が伴います。
何の装備もないのぶよは早々にピコ山登頂は諦め、周辺をレンタルバイクでまわることにしました。
山頂まで苦労して登らなくても、ピコ山の周辺には火山の噴火によってできた湖が点在する高原地帯が広がっており、地球の風景とは思えないような絶景が見られます。
今回の記事では、レンタカー/レンタルバイクでまわりたいピコ山周辺の大自然スポットとピコ島南部~東部にかけての素朴な村々を紹介します。
丸一日あれば十分にまわることができるので、ピコ島観光の計画に組み込んでみてはいかがでしょうか。
ピコ山周辺・ピコ島東部観光マップ
緑:ピコ島東部の見どころ
赤:おすすめレストラン
ピコ山周辺の異世界の絶景!火山湖をドライブ
まるで別の惑星に来てしまったかのような不思議な風景が広がるピコ島の中央部。
最高峰のピコ山の周辺には火山の噴火によってできたカルデラと呼ばれる地形と、そこに雨水が溜まってできた火山湖が点在しており、まるでジオラマの中に入り込んでしまったかのような神秘的な風景の連続です。
展望台
ピコ島の北側に位置するサン・ロック村(São Roque do Pico)から、島を南北に縦断する道路をひたすら登っていくとあるのが、サン・ロック村を見渡す絶景展望台。
かなり高いところまで登ってきましたが、ゆるやかな舗装道路の坂道が続いていただけなので、50ccのスクーターでも問題なくアクセスできます。
来た道を振り返ると、まるで道路が海に直接続いているかのような風景が。
こんな道を原付で走って、気持ちが良くないわけがありません。
カピタン湖
今回のデイトリップのハイライトの一つが、ピコ島で最大の火山湖の一つであるカピタン湖(Lagoa do Capitão)。
この場所は、「ピコ山が最も美しく見える場所」として有名だそうです。
その噂に嘘偽りはなく、まるで別の惑星のような光景の中に顔を出すピコ山の堂々とした姿を眺めることができます。
カピタン湖は野鳥の楽園のようになっており、何種類もの鳥たちがのんびりと羽を伸ばしている姿も見られます。
カピタン湖周辺にはハイキングコースが整備されており、島の中央部に点在する火山湖を徒歩でまわることもできるそうです。
スクーターという文明の利器を手に入れてしまったのぶよは、楽々な高原ドライブに留めておくことにしました(笑)
人の姿が全くない異世界のような絶景に感動したら、島の中央部の山脈地帯を尾根伝いに東へと進んでいきます。
カイアド湖
カピタン湖から東に続く農道(かなりのでこぼこ道)を走っていくと、神秘的な水の色をしたカイアド湖(Lagoa do Caiado)に到着します。
カイアド湖周辺からは、眼下に大西洋と隣のサン・ジョルジュ島の島影を見渡すことができます。
この辺りは細いでこぼこ道がずっと続いているだけ。
車は数えるほどしか走っておらず、雲と同じくらいの高さの高原地帯のドライブはとても気持ちが良いです。
アゾレス諸島は、乳牛や肉牛の飼育が盛んな場所。
ピコ島では完全なる放牧がおこなわれているようで、かなりの頻度で牛たちの群れに行く手をふさがれます。
人間を怖がることもなく、のんびりと草を食む牛たち。(クラクションを鳴らしても微動だにしない)
アゾレス諸島の人々を生き写しにしたかのようなのんびり具合でした(笑)
ペイシーニョ湖
続いての火山湖がペイシーニョ湖(Lago de Peixinho)。
面積は小さいものの、湖周辺の丘や草木の様子のせいか、ここもかなりの異世界感が漂っていました。
ペイシーニョ湖周辺からも、ピコ島北海岸のパノラマを眺めることができます。
ロザダ湖
「THE・火山湖」といった風景が見られるロザダ湖(Lagoa da Rosada)は、かつての火口をイメージさせる神秘的な雰囲気が特徴的。
高台から眺めていると、まるで吸い込まれそうな感覚に陥ります。
ロザダ湖のすぐそばには、島の東部と南部へそれぞれ道路が分岐する地点があります。
ここを東に進むと、後述する島の最東端地点のポンタ・ダ・イリャ灯台方面へと続きます。
のぶよは南のラジェス(Lajes)方面への分岐を進み、下界へ下りていくことにしました。
ピコ島南部~東部の素朴な風景の中をドライブ
目を見張るような高原地帯の美しい風景を満喫したら、島の南海岸を東に走っていくのがおすすめ。
ピコ島で3番目に大きいラジェスの村を起点に、最東端のポンタ・ダ・イリャ灯台を目指していきます。
ラジェス
マダレナ(Madalena)、サン・ロック(São Roque)に次ぐ、ピコ島第三の村が南部に位置するラジェス(Lages)。
とはいっても、どこの村もどっこいどっこいな規模で、小さな漁村といった雰囲気は共通です。
ラジェスのメインストリートは、数軒のカフェやレストランがあるだけの小さなもの。
ピコ島名物の火山岩を利用した歩道や石畳の道路は、ここでも健在です。
ラジェスは、島西部のマダレナと並ぶマリンアクティビティーの拠点となる村。
名物のホエールウォッチングツアーをはじめ、シーカヤックのレンタルも可能で、夏場のハイシーズンには多くの観光客で賑わうそうです。
ラジェス中心街はとても小さく、30分もかからずに一周できてしまうほどの規模。
ゆっくりと散策を楽しんだら、ランチを済ませていくのがおすすめです。
ラジェスで食べる、絶品シーフードリゾット!
ラジェスにはいくつかのレストランや食堂がありますが、気取らない雰囲気でのリーズナブルなランチならRestaurante Ritinhaというローカルレストランがおすすめ。
港があるラジェスでは、近海でとれた新鮮なシーフードを楽しみたいもの。
こちらのレストランでは”Prato do dia”という日替わり定食の中から、絶品のシーフード料理を選ぶことが可能です。
この日の日替わりは、シーフードリゾット(Arroz de marisco)。
タコ、イカ、カニ、エビ、貝類など数種類のシーフードが入ったもので、旨味がギュッと詰まった絶品でした。
これで€5(=¥600)と格安なのも嬉しい点。
お腹を満たしたら、島を最東端目指して進んでいきましょう。
アリフェ岬
ラジェスから西に4kmほど進んだ場所にあるのが、アリフェ岬(Ponta do Arrife)。
サンタ・バールバラ村(Santa Bárbara)を望む展望台が整備されていて、ダイナミックな海岸線と素朴な村の美しい風景が見られます。
ポルトガル人は海を眺めるのが大好き。
地元の人らしきおじさんたちも、何十年も見ているであろう景色をのんびりと眺めに来ていました。
サンタ・バールバラ村は民家が十数軒あるだけの小さな村。
比較的平坦な地形を利用した農業が盛んな場所です。
すぐそばに大西洋を望む村の風景は、きっと昔からずっと変わっていないもの。
素朴な風景の中を、さらに東へと走っていきましょう。
ムジャス天然プール
「ピコ島で一番美しい」と言われるムジャス天然プール(Poça das Mujas)は、カリェタ・ドゥ・ヌシュキム(Calheta de Nesquim)という小さな集落にあります。
この天然プールの水質の良さにはびっくり。
水の色が見たこともないような青色で、2m以上ある海底まではっきりと見ることができます。
アゾレス諸島ではおなじみの、岩場を利用した天然プール。
これまで各島のさまざまな天然プールを訪れましたが、水質はおそらくここがNo.1かもしれません。
天然プール近くにはいい感じのスナックバーがあり、海を眺めながら休憩していくには最適な雰囲気です。
ポンタ・ダ・イリャ灯台
ピコ島最東端のピエダーデ村の果てに位置するポンタ・ダ・イリャ灯台(Farol da Ponta da Ilha)が、今回のデイトリップのゴール地点。
白亜の灯台に向かう道は、すでに最果て感が漂っています。
現役の灯台は、かなり立派な造り。
今も昔も、島の周辺を走る船からの目印とされてきた存在です。
ポンタ・ダ・イリャ灯台から、スタート地点のサン・ロック村までは、北海岸の幹線道路を走って戻るだけ。
大満足の島ドライブも、これにて終了となります。
ピコ島観光の拠点として便利なのは、島西部のマダレナか北部のサン・ロックのいずれか。特に、修道院を改装したポサーダ&ホステルがあり、のんびりした島の雰囲気を感じられるサン・ロック村がおすすめです!
おわりに
ピコ山周辺と島東部の絶景&見どころを紹介してきました。
ピコ島では路線バス網が発展していないため、個人で公共交通手段をつかってまわるのはほぼ不可能となります。
体力&日程に余裕があれば、ピコ山登頂もおすすめですが、今回紹介したプランなら交通手段さえ確保すれば手軽に大自然の絶景の中に身を置くことができます。
ピコ島でレンタカーやレンタルバイクを借りるなら、ぜひ足をのばしてみてはいかがでしょうか。
ピコ島観光のハイライトであるピコ山に登頂するなら、ガイド付きツアー参加がおすすめ。登山口までの往復交通手段はもちろん、経験豊富なガイドが一緒に山頂まで登ってくれるのはとても安心です。
名物の山頂での朝日鑑賞を見るためには、前泊するツアーへの参加が必須となります。
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