こんにちは!元ポルトガル在住ののぶよ(@nobuyo5696)です。
リスボンの北100kmほど、ポルトガル中部に位置するオビドス(Óbidos)は、白を基調に青と黄色でデコレーションされたカラフルで可愛らしい家々を、城壁が取り囲んでいるという独特な風景が見られる村。
中世そのままの雰囲気が観光客に人気で、リスボンから気軽に訪れることがデイトリップ先としてポピュラーです。
1210年、ポルトガル国王アフォンソ二世が王妃ウラカにオビドスをプレゼントしたのをきっかけに、16世紀まで代々のポルトガル王妃の直轄支配地として独自に発展してきました。
そのため、「王妃の村」や「谷間の真珠」という優雅な言葉で表されることが多いオビドス。
今回の記事では、小さな中世の村の見どころやポルトガル他都市からのアクセスを解説していきます。
美しい門をくぐると、そこは中世の村
小高い丘の上に造られた屈強な城壁に村全体が囲まれているオビドス。
いくつか入口の門がありますが、メインの入口となるのは村の南側にあるポルタ・ダ・ヴィラ(Porta da Vila)です。
他都市からのバスが停車するバス停から階段を上った先に位置しており、お土産屋や観光案内所がある賑やかな雰囲気です。
ポルタ・ダ・ヴィラはただの門ではなく、外側と内側二つの入口の間に、小さな礼拝堂が設置された空間があります。
礼拝堂上部のアズレージョは、青と白だけのシンプルなポルトガルらしさが感じられるもの。
この空間だけ、時が止まっているような印象を受けることでしょう。
礼拝堂を抜けた先に広がるのは、オビドスのメインストリート。
青や黄色をうまく使った家々の装飾は、真っ白な壁と澄み渡る青空によく映えています。
数年前までは、「ちょっとした観光地」という雰囲気だったオビドスですが、現在ではポルトガルの一大観光地の一つとなり、多くの人がやってくるようになりました。
それにしたがって、メインストリートにはお土産屋や観光客向けのカフェ、レストランなどが建ち並ぶ超絶観光地の雰囲気。
夏場のハイシーズンになると、静かな村はツアー客でごった返します。
レストランもポルトガルらしからぬおしゃれな雰囲気の場所が多く、料金相場もかなり高め。
しかしながら、中世の雰囲気を残す民家を改造したレストランでの食事も楽しみの一つでしょう。
メインストリートを一本はずれると、観光客の数はどっと減ります。
中世の雰囲気そのままの町並みは美しいですが、生活感がほとんど感じられないのが残念なところ。
味がある路地を散策
メインストリートの観光地化された雰囲気にげんなりしてしまったなら、少し横道にそれて、小さな路地を散策してみましょう。
オビドスは360°を城壁に囲まれたとても小さな村なので、地図なんて必要ありません。
10分も歩いていると、見覚えのある場所に戻って来られるくらいですから。
数年前はボロボロの家やペンキがはげてしまっている建物が目立ったオビドスの路地裏ですが、現在ではちゃんとリノベーションされているところがほとんど。
これはこれで味があるのですが、のぶよ的にはかつてのボロボロの路地の方が「中世の村」という感じで好みでした。
色とりどりの花が飾られた民家や、現代アートっぽくデコレーションされた壁などを見学していると、オビドスを代表する教会へとたどり着きます。
こちらがサンタ・マリア教会(Igreja de Santa Maria)。
規模は小さいものの、古くから村人の信仰を集め続けている場所です。
内部はアズレージョで彩られた神秘的な世界。
ぜひゆっくりと見学していきましょう。
かわいらしい雑貨を売るセンスの良いショップも多く点在しているオビドスの路地裏。
ご想像の通り価格は観光地のものですが、ここでしか購入できないハンドメイド製品も多く見られます。
お土産にぴったりのアズレージョタイルなどもあり、ただ見ているだけでも楽しいです。
城壁を散策
オビドス観光のハイライトとなるのが、村を取り囲む城壁から眺める絶景。
南北に細長い丘の頂上に広がる村の風景は、中世で時が止まってしまっかのような美しさです。
村への入口であるポルタ・ダ・ヴィラを入ってすぐのところから城壁の上へとアクセスすることができます。
見学自由で無料ではありますが、かなりアップダウンがあるのを覚悟しておきましょう。
ポルタ・ダ・ヴィラから少し上っただけでも、「谷間の真珠」の全景が見られます。
体力面で不安なひとは、ここまでにしておくことをおすすめします。
のぶよがオビドスで最も美しいと思う風景が見られるのが、城壁の南側に建つ塔からの眺め。
細長い形の村全体を見渡すことができ、村を取り囲む城壁も一望することができます。
城壁に沿って北側の城塞へと向かう道のりも、かなりの絶景ポイント。
ご覧の通り、落下防止用の柵などは一切ありません。
足元も中世そのままなのか、ゴツゴツしていてかなり不安定。
高所恐怖症でなくても、結構怖いです。
雨の日や風が強い日などは、特に注意が必要です。
こちらが、北側の城塞からの眺め。
赤い屋根と白い壁、村を取り囲む緑のコントラストがとても美しいです。
ちなみに、こちらの北側の城塞はポサーダ(ポルトガル伝統の城や宮殿を改装した宿のこと)となっており、宿泊することも可能です。
中世の城塞の雰囲気そのままのお城での一夜なんてかなりロマンティック。
夜のオビドスの町並みもあわせて、忘れられない思い出となることでしょう。
世界遺産の中世の村のお城に宿泊できるとあって、大人気のオビドスのポサーダ。
予約はできるだけ早めが鉄則です!。
オビドス名物!ジンジャ(ジンジーニャ)を飲む
オビドスと言えば、ジンジャ(Ginja)の名産地であることも忘れてはいけません。
ジンジャ(ジンジーニャとも呼ばれる)とは、サクランボから作られた甘いリキュールで、オビドス産のものは質が高いことでポルトガル全土で有名なのです。
観光地であるオビドスのメインストリートでは、チョコレートのカップに少量のジンジャを入れたものが€1(=¥120)ほどで販売されています。
5mに一軒はあるので、絶対に見逃すことはないでしょう。
アルコール度数は18%と強めなジンジャですが、サクランボの甘味が凝縮していてとても飲みやすいです。
ボトルのラベルも可愛らしく、お土産にも自分用にもぴったり。
気に入ったならぜひ購入してみてはいかがでしょうか。
リスボンから日帰りOK!オビドスのまわり方・アクセス
オビドスのまわり方&オビドス観光マップ
オビドスはかなり小さな村。
町並み散策&城壁の上を一周しても2時間もあれば十分に観光可能です。
リスボンから直通バスで1時間でアクセスできる利便性もあり、日帰りでも十分に観光することができます。
周辺にはナザレやアルコバサなどの観光スポットも点在しているので、早起きすればオビドスとセットでまわることも可能。
反対に、オビドスに宿泊して、観光客が帰った後の静かな村の雰囲気を感じるのもおすすめです。
青:見どころ
オビドスへのアクセスは鉄道?バス?
オビドスには、長距離バスが停車するバス停と鉄道駅のいずれもあるので、好みで交通手段を選択することができます。
しかしながら、のぶよ的にはバスの利用がおすすめ。
なぜなら、鉄道駅は村の北側の丘のふもとに位置しているため、村にたどり着くまでに丘の周囲をぐるっとまわり、坂を上っていかなければならないためです。
(鉄道駅~村までのバスはありません)
長距離バス利用の場合は、村の入口であるポルタ・ダ・ヴィラから階段を下ったところのバス停の発着なので、歩く距離はかなり短くて済みます。
リスボン~オビドスのアクセス
リスボン~オビドス間の移動には注意が必要です。
ポルトガル国内の長距離路線バスは、ほぼ全てRede Expressos社とその子会社による運行と一元化されていてわかりやすいのですが、リスボンからほど近い中距離路線に関しては例外なため。
リスボン~オビドス間にはRede Expressos社の路線はなく、中距離専門のRodoviaria do oeste社が運航するRápida Verdeという路線を利用することとなります。
Rodoviria do oeste社のバスが出発するのは、リスボン新市街にあるカンポ・グランデ(Campo Grande)バスターミナルから。
カンポ・グランデにはリスボン地下鉄緑線・黄線が乗り入れているので、中心街からのアクセスも悪くはありません。
ポルトガル北部・中部(ポルト/コインブラ)~オビドスのアクセス
ポルトガル北部のポルトや中部のコインブラ~オビドス間には、直通バスは走っておらず、1日2本走っている鉄道でのアクセスが便利です。
(コインブラ、ポルトともに同一路線上にあります)
それ以外の時間なら、最寄りのカルダシュ・ダ・ライーニャ(Caldas da Rainha)という町でバスを乗り継いでのアクセスも可能。
ポルト/コインブラ~カルダシュ・ダ・ライーニャ:Rede expressos社バス
カルダシュ・ダ・ライーニャ~オビドス:Rodoviaria do oeste社のRápida Verde
というルートです。
Rápida Verdeはリスボン始発、オビドス経由、カルダシュ・ダ・ライーニャが終点の路線なので、オビドス観光後に同じ路線でリスボンへ移動することも可能です。
オビドスとセットでまわりたい!周辺の観光スポット
オビドス周辺は、世界遺産の修道院や大西洋すぐそばの絶景の町などたくさんの見どころが点在しているエリア。
ここではオビドスとセットで訪れることができる二つの見どころを紹介します。
個人で日帰りでまわることも可能なので、ぜひ足をのばしてみることをおすすめします。
ナザレ
オビドスの西、大西洋に面したナザレ(Nazaré)は、素朴な漁村の雰囲気を残したリゾート地。
真っ白な路地が連なる町並みや大西洋の絶景はもちろん、名物シーフードも楽しめるおすすめの町です。
リスボン近郊の中距離路線専門のRodoviaria do oesteというバス会社の路線が1日6本、ナザレ~オビドス間の直行バスを運行しています。
アルコバサ
世界遺産の修道院があるアルコバサ(Alcobaça)も、オビドス近郊で見逃せない観光スポット。
先述のナザレ~オビドス間のRodoviaria do oesteのバスが、途中でアルコバサにも停車します。
オビドス→アルコバサ・ナザレ方面は本数が少なくとにかく不便なので、反対方向でまわるか現地ツアーに参加してしまうのがおすすめです。
個人ではまわりにくいポルトガル中部地域。点在する世界遺産の修道院や「谷間の真珠」オビドス、大西洋岸の白い町ナザレなどを日帰りでまわりたいなら、リスボン発着の現地ツアーが最も便利な方法です。
・人気の都市を1日で!オビドス、ナザレ、世界遺産バターリャ、聖地ファティマ1日観光ツアー<昼食付/日本語ガイド/リスボン発>by[みゅう]
おわりに
古くからポルトガル王妃に愛されてきたオビドスの見どころやアクセス情報を紹介しました。
観光地化されてしまった感は否めないものの、城壁に囲まれた美しい村と、緑あふれる周辺のの風景は、ポルトガル観光のハイライトの一つと言っても良いでしょう。
オビドス単体ならリスボンからの日帰りも十分に可能ですが、できれば周辺の観光スポットとあわせてゆっくりとまわってみたいエリアです。
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