こんにちは!アルメニア滞在を満喫中、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
エレバンからのデイトリップ先として人気の「ガルニ&ゲガルド」と呼ばれるエリア。
3つの観光スポットが点在していて、どれもアルメニアを代表する定番の見どころとなっています。
今回紹介するのは「ガルニ&ゲガルド」の中でも、のぶよ的に最も素晴らしいと感じた場所。
世界遺産のゲガルド修道院(Geghard Monastery / Գեղարդ)です。
深い渓谷の最奥部に位置する修道院は、天然の岩と合体したような不思議な佇まい。
もはや現実とは思えないような風景です。
ゲガルド修道院は、アルメニアがキリスト教を国教と定めた4世紀(1700年前)にひらかれた聖地で、様々な伝説の舞台となってきた場所。
磔にされたイエス・キリストの拷問に使用された槍が保管されていたことでも有名で、アルメニアに数ある修道院の中でも最も位が高い場所の一つです。
ゲガルド修道院が素晴らしいのは、ロケーションや外観、豊かな歴史だけではありません。
なんと、修道院内のいくつかの礼拝堂は、天然の巨大な岩をくり抜いて作られたものなのです。
外から石などが持ち込まれることは一切なく、天井から柱、壁の装飾まで…
全てがもともと一つの岩でしかなかったなんて信じられないほどの精密な装飾の数々は、言葉にならない感動を与えてくれます。
今回の記事は、ゲガルド修道院の観光情報を徹底解説するもの。
アルメニアのみならず、お隣ジョージアに点在する修道院を合わせてもBEST3に入るほどに見ごたえ抜群なゲガルド修道院。
ぜひとも多くの人に、この場所で受けた感動をシェアしたいです!
ゲガルド修道院の歴史
ゲガルド修道院の歴史は、4世紀(1700年前)に遡ります。
301年に世界で初めてのキリスト教国となったアルメニア。
当時、この地でのキリスト教の布教に尽力していた啓蒙者グレゴリウスによって、天然の岩を手作業で掘った洞窟修道院としてひらかれたのがはじまりです。
当初は「異教」という扱いだったキリスト教を布教していた啓蒙者グレゴリウスは、当時の国王によって地下牢に13年間も幽閉されていました。
その後、国王に奇跡を見せてキリスト教を認めさせたグレゴリウスは、「キリスト教国アルメニア」の基礎を築いた人物。
彼が幽閉されていた地下牢は、ホル・ヴィラップ修道院内に現在でも残っています。
どうして啓蒙者グレゴリウスがこの場所を聖地として選んだのかというと、聖なる湧き水があったため。
ゲガルド修道院があるこの場所には天然の湧き水があり、キリスト教伝来以前から人々の信仰の対象となっていたのです。
当時は「洞窟の修道院」を意味する「アイリヴァンク(Ayrivank)」と呼ばれていたこの場所。
後に「槍の修道院」「を意味する「ゲガルドヴァンク(Geghardavank / Գեղարդավանք)」と呼ばれるようになります。
その理由が、イエス・キリストが磔の刑に処された際に、彼の生死を確認するために使われた槍がまさにこの場所に保管されていたため。
イエスの12人の使徒の一人であったユダによって、聖地エルサレムからこの場所へ持ち込まれたと言われています。
イエスの拷問に使用された聖なる槍のオリジナルは、現在はエチミアジン聖堂内の宝物庫に保管されていて、一般にも公開されています。
その後、アルメニアに侵攻したアラブ人によって923年にオリジナルの建物は破壊されてしまい、現在の聖堂は1215年に再建されたもの。
当時のアルメニアは、同じくキリスト教を国教としていた中世グルジア王国(現在のジョージア)の支配下にあり、タマル女王の治世の元で黄金時代を迎えていました。
その後、数多くの異民族による支配が続く時代においても、ゲガルド修道院の聖地としての重要性は失われることはありませんでした。
・岩をくり抜いて作られた神秘的な礼拝堂の数々
・現実離れした修道院の佇まい
・豊かな歴史を裏付けるような数々の伝説
など魅力たっぷりのゲガルド修道院は、アルメニアという国を象徴する場所の一つ。
現在でも多くの旅行者や巡礼者を惹きつけてやみません。
ゲガルド修道院の見どころ
ゲガルド修道院の敷地はそれほど広くはなく、実際に訪れれば各見どころの位置関係がすぐに把握できるはず。
見学のポイントとなるのが、②ガヴィト(Gavit / գավիթ)と呼ばれる拝廊。
天然の岩に密接するように建設されたガヴィトからは、観光ハイライトとなる岩窟内に掘られた礼拝堂の数々へアクセスすることが可能です。
①ハチュカル
ゲガルド修道院最大の見どころは天然の岩の中に掘られた礼拝堂ですが、もう一つ見逃せないのがハチュカル(Khachkar /խաչքար)。
「ハチュカル」とは、アルメニア各地の教会や修道院で見られる石を掘って作られた十字架のことです。
特に圧巻なのが、ゲガルド修道院西側の岩に直接掘られた無数のハチュカル ▼
中央に十字架が描かれている点は共通していますが、それを取り囲む模様は様々。
ブドウの木やザクロの実などが描かれているものも多く、個性が見られます。
ハシュカルは1700年前のキリスト教伝来当時には存在せず、アラブ人による支配を脱却して中世アルメニア王国が成立した9世紀頃から作られるようになったそう。
その後、12世紀~14世紀にかけてがハシュカル作りの黄金時代。
現在ゲガルド修道院に残るハシュカルのほとんどはこの時代のものです。
②拝廊(ガヴィト)
ゲガルド修道院の内部に入る際に、まず最初に通ることとなるのが「ガヴィト」(Gavit / գավիթ)と呼ばれる拝廊。
拝廊とはアルメニア教会に見られる特徴的な建造物で、メインの聖堂部分へのアクセス時に必ず通ることになる玄関口のような存在。
かつては巡礼に訪れた人々が聖堂内に入る順番を待つスペースであったり、まだ洗礼を受けていない人(=聖堂内に立ち入れない)が祈るためのスペースとして利用されていました。
長方形の箱のような形をしたゲガルド修道院のガヴィトは、1225年完成のもの。
他ではあまり見られない建築スタイルで、最大の特徴は天然の巨大な岩にぴったりくっつけて建てられている点でしょう。
ガヴィトの内部に一歩立ち入ると、もはや現実とは思えないような光景が広がっていました ▼
白が基調の外観とは異なり、黒い石で統一されたゲヴィトの内部。
薄暗い空間を照らすのは、巡礼者たちが灯した蝋燭の灯りと天井から射しこむ一筋の光だけです。
かつてゲガルド修道院内に籠って生活をしていた修道僧たちは、この太陽光の角度で時間を把握し、日課の礼拝を行っていたそうです。
建設から800年もの間、来る日も来る日も薄暗いガヴィト内部を照らし続けてきた一筋の光。
まるで神様が希望の光を天から降らせているかのような、言葉では表現できないほどの神々しい雰囲気が拝廊内を包み込んでいました。
③カトギケ聖堂
ゲガルド修道院におけるメインの聖堂がカトギケ聖堂(Katoghike Chapel / Կաթողիկե Սուրբ)。
1215年の建造で、中世グルジア王国(現在のジョージア)のタマル女王がアルメニア地域を支配下においた時代に作られたものです。
カトギケ聖堂の入口は、建物の外側 / ガヴィト(拝廊)の二か所あり、建物の外側からの入口に施された彫刻は圧巻 ▼
ザクロの実や二羽の鳩などが掘られており、当時の建築技術の素晴らしさに息を呑みます。
聖堂はガヴィト(拝廊)とも直接つながっており、多くの人が蝋燭に火を灯した後に聖堂内で祈りを捧げていました。
聖堂の内部はガヴィト(拝廊)と同様に黒っぽい石造りで統一されており、意外に狭い印象。
天井からはシャンデリアが吊るされており、聖堂内はかなりの明るさ。
ゲガルド修道院内で唯一、自然光ではなく電気が明かりとして使われている点にも注目です。
④泉の礼拝堂(アヴァザン)
ゲガルド修道院内で最も神聖とされるのが、「アヴァザン(Avazan)」と呼ばれる小部屋。
天然の岩を掘って作られた礼拝堂の一つで、「泉の礼拝堂」とも呼ばれます。
礼拝堂内部の壁は、美しく掘られた彫刻や十字架にびっしりと覆われており、並々ならぬ神聖な雰囲気。
最奥部の床には1m四方の穴があけられ、岩の隙間から湧き出た水が溜まった泉のようになっています。
この湧き水こそが、1700年前に啓蒙者グレゴリウスが聖地としてこの地を選んだ最大の理由でした。
キリスト教伝来以前の精霊信仰の時代から、「聖なる水」として人々の信仰対象となってきたのがこの湧き水。
「この水を飲めばあらゆる病が癒える」と言われており、それを信じる人々によって常に行列ができています。
泉の礼拝堂内を照らすのは、天井に空けられた穴から射しこむ太陽光のみ。
内部はかなり薄暗いですが、それが逆にこの場所の神秘的な雰囲気をさらに強くしているように感じました。
⑤ジャマトゥン
ガヴィト(拝廊)からは③泉の礼拝堂への入口の他に、「ジャマトゥン(Zhamatun / ժամատուն)」と呼ばれる小部屋への入口があります。
ジャマトゥンとは、ガヴィト(拝廊)と同様に聖堂に入る前に設置されたスペースのこと。
ここでは⑥石の教会に入る前のスペースとしての役割を果たしています。
1283年に完成したジャマトゥン内部の装飾も天然の岩をくり抜いて施されたもので、とにかく素晴らしいのひとこと。
鎖で首を繋がれた二頭のライオンと、羊をつかんだ鷹の姿が掘られたレリーフが目を引きます。
これは、当時ゲガルド修道院一帯で大きな権力を誇ったプロシアン一族(Proshian family)の紋章。
ジャマトゥンをはじめ、ゲガルド修道院の岩窟礼拝堂の建設に大きく関わった一族です。
床部分にはいくつかの墓石が並んでいて、まさにこの下でプロシアン一族の有力者が眠っているのだそう。
墓石には何一つ刻まれておらず、とても質素な印象。
人々に忘れ去られたかのように、薄暗い空間の中で永遠の時を刻み続けています。
⑥石の教会
⑤ジャマトゥンの奥にある小さな空間が、石の教会。
1283年に完成したもので、その名の通り岩をくり抜いて作られた空間です。
周囲の壁360°に精密な装飾が施されており、床から祭壇、天井に至るまでの全てが一つ一つ手作業で掘られたもの。
他の岩窟礼拝堂と同様に、外からの石は一切運び込まれていません。
一つの岩の内部を削って作られたものですが、そうとは信じられないほどの素晴らしい装飾が見られます。
石の教会の装飾は、ゲガルド修道院の中でも最も美しいものの一つ。
天井は丸いドーム型に掘られていて、ここでも自然光だけが内部を照らす構造になっています。
ドーム型天井の装飾も素晴らしく、もともとただの岩だった場所の中に自分が立っていることが信じられないほど。
完成までに40年以上もかかったとされていますが、細部に至るまでこだわり抜かれた装飾を見れば納得がいくはずです。
⑦アッパー・ジャマトゥン
②ガヴィト(拝廊)からいったん外に出たところにある階段を上り、洞窟の入口のような狭い通路を抜けた先には、ゲガルド修道院観光のハイライトであるアッパー・ジャマトゥンがあります。
⑤ジャマトゥンのちょうど真上に位置するためこのように呼ばれるのですが、この場所は他の礼拝堂とはつながっておらず、独立した空間となっています。
アッパー・ジャマトゥンが完成したのは1288年と、ゲガルド修道院の中では最も新しいもの。
他の礼拝堂と同様に、こちらも天然の岩をくりぬいて作られたスペースです。
4本の柱と上部のアーチに支えられる形でドーム型の天井があり、自然光を取り入れる穴が開けられています。
ゲガルド修道院の他の岩窟礼拝堂に比べると大きめの穴であるためか、アッパー・ジャマトゥンの内部はとても明るく感じられます。
アッパー・ジャマトゥンは霊廟として利用されていたそうで、その床にはいくつかの石棺が並んでいます ▼
ここに眠るのは、メリクとグリゴルという二人の人物で、いずれも中世アルメニア王国時代の王子。
自然光に照らされた柔らかい雰囲気の中で、永遠の眠りについています。
キリスト教徒であってもなくても、人智を超えた何かの存在を認めたくなる…
この空間に身を置けば誰もが肌で感じる神聖な雰囲気は、これからもずっと人々の信仰心を集め続けるのでしょう。
ゲガルド修道院へのアクセス・行き方
ゲガルド修道院は、エレバンから南東に30kmほど離れた山の中にあります。
ほとんどの旅行者にとって、エレバンから日帰りでゲガルド修道院を訪れるのが定番。
エレバン~ゲガルド修道院間のアクセス方法は、大きく分けて3通りあります。
予算や都合に合ったものを選ぶのがポイントです!
①タクシーチャーター
最も簡単&効率的な移動手段が、エレバンでタクシーをチャーターしてしまうこと。
エレバン~ゲガルド修道院間の単純往復 + 観光時の待機時間1時間ほどで、1台10000AMD(=¥2216)ほどが料金相場です。
のぶよ的には、せっかくタクシーをチャーターするならゲガルド修道院近郊の見どころもセットでまわるのが効率的だと思います。
・1900年前の精霊信仰時代の聖地・ガルニ神殿(Garni Temple)
・圧倒の柱状節理が見られるガルニ渓谷(Garni Gorge)
などはゲガルド修道院へ続く幹線道路沿いにあるので、セットで訪れるのが定番。
ガルニ神殿/ガルニ渓谷/ゲガルド修道院をセットでまわる場合のタクシーチャーター料金の相場は、1台15000AMD(=¥3325)~ですが、交渉次第で上下します。
②現地ツアー
1日で効率的にガルニ&ゲガルド周辺の見どころをまわりたいなら、現地ツアーに参加してしまうのもおすすめ。
アルメニアは小さな国土に見どころがギュッと詰まっているものの、公共交通機関がやや不便なのがネック。
移動を考えなくて良い&リーズナブルな現地ツアーは、一人旅の人にとっても便利です。
③マルシュルートカ + 徒歩
ゲガルド修道院へは個人でマルシュルートカ利用でのアクセスも可能。
ゲガルド修道院方面へのマルシュルートカは、途中でかならずガルニ村を通るので、個人でガルニ&ゲガルドを組み合わせてまわることも可能です。
注意したいのが、ゲガルド修道院まで行く便は存在しない点。
途中のゴグト(Goght / Գողթ)が終点となり、最後の5kmほどは徒歩(かヒッチハイク)で移動しなければなりません。
ここでは、個人でゲガルド修道院へアクセスする人向けに、マルシュルートカでのアクセス情報をできる限り詳細に解説していきます。
エレバン→ゲガルド修道院方面(往路)
【①ガイ・バスステーションへ行く】
エレバン発着のマルシュルートカでややこしいのが、行き先によってバスターミナルが異なる点。
ゴグト村方面へのマルシュルートカが発着するのが、中心街の東に位置するガイ・バスステーション(Gai Bus statuon) ▼
バスステーションとは名ばかりの、幹線道路沿いの脇道といった雰囲気ですが、数台のマルシュルートカが常に停車しているのですぐにわかります。
エレバン中心部とガイ・バスステーションはかなり離れていて、とても歩ける距離ではありません。
市内路線バスやトロリーバスを利用しましょう。
(ガイ・バスステーション近くには地下鉄が通っていません)
・中心街(メスロプ・マシュトツ通り)から:トロリーバス1番/路線バス5番・8番・26番etc
・エレバン中央駅から:路線バス22番・44番
【②ゴグト行きの便に乗る】
ガイ・バスステーションに到着したら、あとはもう簡単。
ガルニ経由ゴグト(Goght / Գողթ)行きの便に乗るだけです。
エレバン~ガルニ~ゴグト間の路線は、265番/266番/284番の3種類あり、どれに乗っても同じルートをとります。
出発地も目的地もルートも同一なのに、なぜ便番号が変わるのかはアルメニアンミステリー。
上の3つの番号のいずれかの便が30分から40分に1本出発しており、乗客が多くても少なくても定刻になると発車するシステムなので、満員になるまで待たされることもありません。
【③ゴグト村入口で下車】
エレバンを出発しておよそ1時間ほどで、バスは終点のゴグトに到着します。
ゴグト村の入口にあたる分岐点あたりがバス停で、小さな商店が一軒あるだけです。
ここからゲガルド修道院までは5.2kmほどの距離。頑張って歩きましょう。
ちなみに、ゴグト村でタクシーは1台も見かけませんでした。
【④ゴグト~ゲガルド修道院まで徒歩】
ゴグト村~ゲガルド修道院までは、一本道の舗装道路が5.2kmほど続くだけ。
高低差は200mほどあり、往路が上り/復路が下りとなります。
この区間を全て徒歩で移動する場合は、片道1時間15分~1時間半ほどかかります。
ゴグト村ののどかな風景を眺めたり、渓谷全体のパノラマが見られるポイントもあるので、楽しみながら歩くことができるはず。
あまり歩きたくない場合は、ヒッチハイクしてしまうのもアリ。
アルメニアの地方部はヒッチハイクが超絶簡単なことで有名。
ただ歩いているだけで、向こうから停まって乗せてくれることもしばしばあるほどです。
といえ、ゲガルド修道院に向かう車の多くは観光客を乗せた日帰りツアー用のミニバス。
地元の人の車はかなり少ないので、意外とヒッチハイクに苦労するかもしれません。
のぶよの場合、全区間を歩く気満々だったのですが、往路も復路も向こうから停まってくれた車(いずれも地元の人だった)に乗せてもらいました。親指すら上げていません。
こればかりは運になるので、「乗せてもらえたらラッキー!」くらいに考えておいて、基本は往復徒歩で移動する計画をたてておくのがおすすめです。
ゲガルド修道院→エレバン方面(復路)
ゲガルド修道院観光を終えてエレバンに戻る際も、往路の行程を反対にたどるだけなので簡単。
ゲガルド修道院→③ゴグト村入口のバス停へ徒歩で移動し、出発時刻待ちのバスに乗りましょう。
ゴグト村発の便は100%エレバン行きで、30分~40分に1本の出発なので便利。
エレバン到着時は、行きの出発地のガイ・バスステーション周辺の幹線道路沿いで降ろされます。
ゴグト→ガルニ→エレバン行きの最終マルシュルートカは、ゴグト村18:00発のもの。
万が一のことを考えて、最終マルシュルートカではなくもう少し早い時間の便を利用する方が良いと思います。
ゲガルド修道院観光のアドバイス
プランニングのポイント
ゲガルド修道院観光に必要な時間
ゲガルド修道院観光に必要な時間は、短くとも1時間半はみておきましょう。
修道院の敷地は広くないですが、見どころがかなり多いのがポイント。
ゆっくりと見学したいなら2時間ほどみておくのも◎。
せっかくゲガルド修道院まで行くなら、近郊の見どころ観光と組み合わせるのが効率的。
・ガルニ神殿:+1時間
・ガルニ渓谷ハイキングコース:+2時間
となり、丸一日あれば3つのスポットをまわることが可能です。
ガルニ&ゲガルド修道院の日帰り観光は可能?
【タクシー/現地ツアー利用の場合:◎】
上の項で書いた通り、ガルニ神殿 + ガルニ渓谷 + ゲガルド修道院を日帰りでセットでまわることは、時間的には十分可能。
タクシーチャーターや現地ツアーの場合は、半日ほどで3ヶ所をサクッと見学できるでしょう。
【個人でマルシュルートカ利用の場合:△】
個人でマルシュルートカ利用の場合は体力的に日帰りで3ヶ所まわるのは結構たいへん。
・ガルニ渓谷ハイキングコースを全て徒歩:4km
・ゴグト村~ゲガルド修道院間(マルシュルートカが走っていない)の徒歩往復:11km
と、合計15kmもの距離を歩かなければならないためです。
(しかもエレバン行きの最終マルシュルートカは18時でやや早め)
ガルニ渓谷の観光を諦めれば(ガルニ神殿とゲガルド修道院のみ観光)日帰りでもなんとかなると思いますが、せっかくここまで来たのなら3大スポットを制覇したいですよね。
というわけで、個人で移動&観光の場合は、ガルニかゴグトのどちらかの村に1泊するのがベター。
(ゲガルド修道院には宿がありません)
2日間にわけて3ヶ所の見どころをまわるプランなら、時間的にも体力的にも余裕を持って観光できると思います。
ゲガルド修道院観光のアドバイス
ゲガルド修道院観光におすすめの時間帯
ゲガルド修道院は、アルメニア人観光客にも外国人旅行者にも人気の観光スポット。
いつ行っても旅行者の姿が多く見られるのですが、最悪なのが大型バスでやってくる団体ツアー。
ドッと人が押し寄せる時間にあたってしまうと、せっかくの聖地らしい雰囲気が台無しになってしまいます。
ガルニ神殿とゲガルド修道院をセットで訪れる団体ツアー客のプランは、
11時頃にゲガルド修道院→13時頃にランチ→14時頃にガルニ神殿
という行程が多いそうなので、これ以外の時間帯を狙うのがおすすめ。
ゲガルド修道院に関しては、朝一番(10:00~)か午後15時以降が比較的静かなのでおすすめです。
ゲガルド修道院観光におすすめの曜日
ゲガルド修道院観光におすすめなのは、もちろん平日。
土日はエレバンからやってきた家族連れや巡礼の人々で大混雑します。
しかしながら、毎週日曜日のゲガルド修道院は特別。
巡礼に訪れた人々がアッパー・ジャマトゥンに集い、聖歌を歌ってお祈りをする伝統があるためです。
これがものすごく神秘的で美しいそうで、ゲガルド修道院の聖地らしい雰囲気がさらに増すそう。
こればかりは好みの問題ですが、
・できるだけ人が少ない日に見学したい:平日
・伝統の聖歌を聞いて聖地を感じたい:日曜日
と、どちらか一つを選ぶ必要があります。
ゲガルド修道院観光の服装
アルメニアの宗教施設はあまりドレスコードに厳しくない場所が多い印象で、ゲガルド修道院も服装の規定はかなり緩め。
半ズボンで敷地内を見学している男性や、髪を隠していない女性…
外国人/アルメニア人問わずかなりたくさん見かけました。
とはいえ、こうした宗教施設では、表示されていようがなかろうが服装の規定がを守るのがマナーです。
・男性:長ズボン/肩が隠れるシャツ/踵がある靴
・女性:男性の規定 + 髪を隠す布
「みんな守っていないから良いや」ではなく、他文化へに対する最低限のリスペクトとして守るのがスマートだと思います。
ゲガルド修道院周辺での食事・買い物
ゲガルド修道院の周りには、商店やレストランはほぼ存在しません。
(修道院から500mほど手前に一軒のBBQ屋があるだけ)
ゲガルド修道院とセットで訪れる人が多いガルニ神殿周辺の方が選択肢が豊富なので、食事はガルニでとることをおすすめします。
修道院入口付近には、ドライフルーツやスジュク(果汁にクルミを混ぜて細長く固めたもの)などを売る露店が並んでいます。
ちょっとしたおやつやお土産には良いかもしれません。(やや観光地プライスですが)
おわりに
アルメニア旅行で絶対にハズせない見どころ・ゲガルド修道院の観光情報を徹底解説しました。
山奥にぽつりと建つロケーションも、現実離れした佇まいも、圧巻の教会内部も…
とにかく全てが素晴らしかったです。
いままでにジョージアとアルメニアで多くの宗教建造物を訪れてきましたが、ここまでの感動を与えてくれたのはゲガルド修道院くらいかもしれません。
訪れたことがない人でもゲガルド修道院のイメージがなんとなくつかめるように、各見どころ情報を解説してきました。
しかし、「世界最古のキリスト教国」の称号にふさわしい圧倒的な聖地感は、ぜひとも自分の目で見て肌で感じるべき。
「世界遺産」の名に恥じない魅力と見ごたえがある場所だと感じました。
コメント
アルメニアも精力的に回られているようで何よりです。私からは写真の古い黄色のバスについて…
このバスはPaz-672というソヴィエト設計のもので1957年に登場したものです。使いかってが良かったのと、元々頑丈に作られたものだから現在でも数は減らしながらもこうして使われているのでしょう。私はセヴァン湖ヘ行ったとき(鉄道の撮影ついでに寄った)に見かけまして、運転手に「すいませーん、写真撮ってもいいですか?」「ええよ!綺麗に撮ってや」と運転手氏。あぁ、本人も撮ってほしいのね。持って来ていたチェキでバスと一緒に撮ってやり、渡してやるととても喜んでいました。(その後しっかりと撮影しました)ジョージアもアルメニアもアルツァフも写真撮ってもらうのが好きな人が多いですね。子供にやると喜んでいたのが印象的でした。
アルツァフに行かれるのであればVisaシールはパスポートに貼らないでくださいね。アゼルバイジャンに完全に入国できなくまりますので。昨年の紛争で南部のゴリスからは入れなくなったはずで、セヴァン湖経由で往復できるはずです。(こちらの経路は私が行った当時はマルシュルートカ等の公共交通機関はありませんでした)
それでは良い旅を続けてください。
小杉弘一 HN機関車好き様
コメントいただきありがとうございます!
アルメニアのマルシュルートカや路線バスはほとんどがソ連時代からずっと使われているもので、独特なレトロ感が良いなあと感じます。1957年に登場したものが70年以上も後の現在まで現役というのもすごいことですね。
アルツァフは現在国境の閉鎖が続いているようで、今回の旅程に組み込むのはなかなか難しそうです。セヴァン湖あたりもやや情勢が不安定なようで、行動が少し制限されてしまうなあという印象を持ちます。
出来る範囲でアルメニアの魅力を満喫していきたいと思います!
アルメニア訪問に合わせて記事色々拝見しております。アルメニアの情報がない中大変ありがたいです。。
ゲガルド修道院にはちょうど今日訪問しましたが、バスやマルシュルートカはほとんど新しいものになってました。(ソ連時代のボロボロバスを期待しただけに残念…!)
ゴグド行きのバスの発着場は、地図で示されているよりほんと若干東側の通りでした。必要ならマップの位置情報お送りします。
ゴグドのバス停から修道院へはツアー用のミニバンばかりでヒッチハイク難航しましたが、途中でおじいちゃんが乗せてってくれました。言語が通じなくても暖かい国ですね〜