こんにちは!元ポルトガル在住ののぶよ(@nobuyo5696)です。
ポルトガルの中でも、地方部らしい素朴な雰囲気と、中世の姿をそのままに残す村が点在するアレンテージョ地方。
広大なエリアのアレンテージョ地方北部の地理的に中心に位置するのが、エシュトレモシュ(Estremoz)です。
中世に築かれた城塞の中に広がる美しい町並みと、広大な大地を見渡すパノラマが人気の町で、周辺の見どころへのアクセスも良いことから、アレンテージョ地方観光の拠点としても便利です。
良質な大理石の産地としても知られ、中世ポルトガルの聖堂の建設に大きな役割を担った「石の町」でもあるエシュトレモシュ。
小さいながらも見どころが詰まった町の魅力を紹介していきます。
エシュトレモシュの見どころ
エシュトレモシュ観光地図
青:見どころ
緑:絶景ポイント
エヴォラ門
アレンテージョ地方の多くの村では、小高い丘の上に築かれた城塞を中心として、その麓に人々が生活する町が広がることが多いです。
しかしながら、エシュトレモシュの場合は、丘の上の城塞の敷地内に町が広がっているのがポイント。
その入口の一つが、エヴォラ門(Porta de Évora)です。
アレンテージョ地方最大の町であるエヴォラの名を冠する小さな門は、かつてエヴォラ~エシュトレモシュを結んでいた交易路に面していることからこの名がつきました。
門を入ると、白壁に紺色で装飾された可愛らしい家々が建ち並んでいて、雰囲気たっぷりです。
エシュトレモシュ城塞
エシュトレモシュ最大&唯一の観光スポットが、エシュトレモシュ城(Castelo de Estremoz)。
城壁に囲まれた旧市街部分の中央に堂々とそびえ立つ、要塞のような外観が特徴的です。
現在エシュトレモシュ城内部はポサーダ(古城や邸宅を改装した宿泊施設)になっており、宿泊することも可能です。
エシュトレモシュ城を特徴づけるのが、中世の趣を残す塔。
こちらは、ポルトガル王国がイスラム教徒のムーア人からエシュトレモシュを奪回した13世紀半ば以降に増築されたものです。
エシュトレモシュ城塞がある広場の北側からは、丘のふもとに広がるエシュトレモシュ中心街(中世以降に新しく開発されたエリア)を望む絶景ポイント。
広大な大地に囲まれた町の風景を一望することができます。
純真の聖母教会
城塞の敷地内にある白亜の美しい建物は、純真の聖母教会(Capela Nosso Senhor dos Inocentes)。
こちらも、エシュトレモシュがポルトガル領になってから増築されたものです。
小さく可愛らしい教会は、現在でもエシュトレモシュの人々の信仰を集める場所。
名産の大理石を利用した柱なども見られ、独特な優しい色合いがとても素敵です。
城壁
エシュトレモシュの町をぐるりと取り囲む城壁は、中世以前にイスラム教徒のムーア人の支配下にあった時代に築かれたもの。
エシュトレモシュの城壁は二重になっており、敵の侵入を阻むための堀も見られる、ポルトガルでは珍しいものです。
比較的保存状態が良い城壁周辺を歩いてみると、アレンテージョ地方の広大な大地の風景を一望することができます。
エシュトレモシュの町並み
エシュトレモシュの城壁内の町並みは、13世紀頃に整備されたとても歴史あるもの。
ゆるやかな坂道をびっしりと覆う石の路地と、シックな色遣いが印象的な家々が並ぶ風景は、どこを切り取っても絵になります。
時間が許すなら、城壁の内側から丘のふもとに広がる中心街へと足をのばしてみるのもおすすめ。
ポルトガルの都市部では見られなくなった、煙突を持つ家も多いエシュトレモシュ。
食事時になると、各家庭の煙突から煙がモクモクと吐き出される風景は、地方部ならではのものです。
ポルトガル他都市~エシュトレモシュへのアクセス
公共交通機関があまり発展していないアレンテージョ地方を周遊観光する場合は、レンタカーの利用が理想的。
しかしながら、いくつかの町には長距離バス路線の設定もあるので、個人で公共交通手段を利用してアクセスすることも不可能ではありません。
エシュトレモシュには鉄道は走っておらず、リスボンか周辺の町からの路線バスを利用してのアクセスとなります。
リスボン~エシュトレモシュのアクセス
リスボン~エシュトレモシュ間は、長距離バスでのアクセスのみ。
不便を感じないほどの本数があるので、リスボンからの日帰りも十分可能です。
多くのバス路線は、リスボン~エヴォラ~エシュトレモシュ~エルヴァスの幹線道路沿いの町を結びますが、リスボン~アライオロシュ~エストレモシュの区間を結ぶものも1日1本走っています。
リスボンでの発着地はセットゥ・リオシュ(Sete Rios)バスターミナル。
リスボン市内中心部から地下鉄でアクセス可能です。
アレンテージョ地方周遊に便利!エシュトレモシュ~周辺の町へアクセス
魅力的な町が点在するアレンテージョ地方のちょうど真ん中に位置しているエシュトレモシュは、周辺の町へのアクセス拠点としても便利な町です。
アレンテージョ地方の各町とを結ぶバスを運行しているのはRodalentejo社。
ほとんどのバスは地元の学生向けに運行されているものなので、旅行者的には少々不便なスケジュールのものが多いですが、利用できないこともありません。
ポルトガルの国内長距離バス路線を一括運行しているRede Expressos社も、本数は多くないものの各町を結ぶ路線を運行しています。
エヴォラ
アレンテージョ地方の中心都市であり、世界遺産の博物館都市としての顔も持つエヴォラ(Évora)は、エシュトレモシュから簡単にアクセス可能な町。
Rede Expressos社とRodalentejo社のいずれのバスも運行しているので、日帰りで往復することもできます。
アライオロシュ
人口3000人ほどの小さなアライオロシュ(Arraiolos)は、エシュトレモシュを小さくした感じの素朴な村。
Rodalentejo社の8007番のバスが、エヴォラ~アライオロシュ~エシュトレモシュの区間を走っているので、上手にプランニングすれば1日で2つの村をまわることも可能です。
エヴォラ~アライオロシュ間には他にもバス路線がありますが、アライオロシュ~エシュトレモシュ間は本数が少ないので、日帰りで二つの町を訪れる場合は綿密なプランニングが必要です。
ポルタレグレ
「ポルトガルの絵画の世界」、サン・マメーデ山脈自然公園(Parque Natural da Serra de São Mamede)観光の拠点となるポルタレグレ(Portalegre)は、アレンテージョ地方の北東に位置する町。
天空の白い村・マルヴァン(Marvão)や、絶景の城塞があるカステロ・ヴィドゥ(Castelo Vide)など、穴場の観光スポットが点在する国立公園で、ぜひ足をのばしたい場所です。
エシュトレモシュ~ポルタレグレ間は、
Rodalentejo社の8553番のバスが1日1本
Rede Expressos社のバスが1日4~5本(全てエヴォラ~ポルタレグレ間の便で途中にエシュトレモシュに停車)
走っています。
エルヴァス
スペインとの国境に位置するエルヴァス(Elvas)は、城壁に囲まれた旧市街が世界遺産に指定されている町。
スペインから国境を越えて多くの観光客がやってくる町並みは、ポルトガルにありながらもどこかスペイン風です。
エシュトレモシュ~エルヴァス間は
Rede expressos社:1日5本
Rodalentejo社:1日2~3本(平日のみ)
のバスが走っています。
交通の便が良くないエヴォラと周辺の地域を効率良くまわるなら、リスボン発着の日帰り現地ツアーがおすすめ。
エヴォラ市内観光はもちろん、近郊の神秘的なストーンサークルや「白い村」アライオロシュに立ち寄るものも多く、アレンテージョ地方名産のワインテイスティングが含まれているものまで選択肢は豊富です。
おわりに
アレンテージョ地方らしい素朴な雰囲気の町並みと、歴史ある城塞が魅力的なエシュトレモシュを紹介しました。
日本人の間ではほとんど無名な場所ですが、古き良きポルトガルの風景が感じられるおすすめの場所です。
周辺にはまだまだ魅力的な村が点在しているので、エシュトレモシュとセットで訪れたいものです。
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