こんにちは!アルメニアに5ヶ月滞在した、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
アルメニアを訪れる旅行者の多くが滞在拠点とするのが、首都のエレバン。
人口百万人を数えるアルメニア最大の都市で、快適なシティーライフも、アルメニアらしい見どころの観光も、絶品グルメも…色々な楽しみ方ができる町です。
エレバンの魅力は市内観光だけにとどまりません。
アルメニア各都市への交通網のハブとなっているため、この町を拠点として周辺の見どころへと気軽に足をのばせるのも大きなメリットです。
また、エレバンは宿泊施設の選択肢が豊富であるのも嬉しい点。
格安のホステルもあるので、この町を拠点にして近郊の見どころへデイトリップしようと考える旅行者も多いのではないでしょうか。
今回の記事は、エレバンにある程度の期間滞在する旅行者向けのもの。
エレバンから日帰りで往復&観光が可能なスポットを合計25ヶ所紹介します。
移動の所要時間別に分けているので、スケジュールに合った場所が必ず見つかるはず!
いずれの場所へも、のぶよは個人で&公共交通手段利用で訪れました。
各スポットへの詳細なアクセス方法や観光情報は、別記事へのリンク先で確認してください!
エレバンから片道30分以内の日帰りスポット
エレバンから片道30分以内でアクセス可能な見どころは、全部で5か所。
いずれもアクセスは簡単なので、エレバン市内観光の空き時間に立ち寄るのもOKです。
どれも往復の移動を含めて数時間~半日あれば余裕で観光できるので、気が向いたときにサクッと訪問できます!
①チャレンツのアーチ おすすめ!
エレバン中心街の東8kmほど。一面の荒野を見渡す高台にぽつりと建つチャレンツのアーチ(Charent’s Arch)は、エレバン滞在中に絶対に足をのばしてほしいスポット。
「エレバン周辺でアララト山が最も美しく見える場所」とされていますが、その言葉に偽りはありませんでした。
現在はトルコ領となっているアララト山はアルメニア人の心のシンボル。
聖書に登場する「ノアの方舟」が、大洪水で海と化した大地を漕ぎ進んで到達した場所とされる聖なる山です。
チャレンツのアーチからの風景は、人工物がいっさい存在しない荒野の先に雪をかぶった二つの山頂があるだけ。
かつてこの場所で本当に大洪水が起こり、一艘の木舟が聖なる山を目指してゆっくりと進んでいく風景が目に浮かぶようです。
・エレバンからの所要時間(片道):20分
・観光に必要な時間:30分
②カラ・コユンル霊廟
エレバン中心街から西に7kmほどの場所には、エキゾチックな塔のようなものが立っています。
これは1413年に建てられたカラ・コユンル霊廟(Kara Koyunlu Tomb)。
当時アルメニアに侵攻した黒羊朝(現在のトルクメニスタン一帯)のエミール・サアド(Emir Saad)という人物が眠るお墓です。
その建築様式は、アルメニアではかなり珍しいもの。
古くから多くの民族が行き交ったエレバンとういう町の歴史深い一面が感じられます。
・エレバンからの所要時間(片道):30分
・観光に必要な時間:15分
③レヴォンの地下迷宮 おすすめ!
エレバン郊外の昔ながらの素朴な住宅地。その地下深くに広がる不思議なスポットが、レヴォンの地下迷宮(Levon’s Divine Underground)。
広さ300㎡/深さ21mにも及ぶ巨大な地下空間で、ある老人がすべて手作業で、23年以上かけ、たった一人で掘ったものです。
薄暗い地下空間内にただよう空気は、もはや現世とは隔絶されたような静寂に満ちたもの。
ある男の情念が詰まった巨大な地下空間。その壁の一つ一つからにじみ出るパワーには圧倒されます。
・エレバンからの所要時間(片道):20分
・観光に必要な時間:1時間
④エチミアジン 世界遺産
エレバンからバスで30分ほどの場所に位置するエチミアジン(Echmiadzin / Էջմիածին)は、世界初のキリスト教国であるアルメニアにおいて最も格式が高い「聖なる都市」。
というのも、エチミアジンにはアルメニア使徒教会の総本山があるため。(カトリックで言うならバチカンのようなもの)
町に点在する三か所の聖堂は、いずれも世界遺産に指定されています。
また、エチミアジンには聖書に登場するロンギヌスの槍(十字架に磔にされたキリストを刺したもの)や、ノアの方舟の破片の一部が現存しているのも驚くべき点。
1700年以上の歴史を持つアルメニアのキリスト教文化の根幹を成す場所がエチミアジン。
この国を深く理解するためには絶対に訪れるべきです。
・エレバンからの所要時間(片道):30分
・観光に必要な時間:半日
⑤ズヴァルトノッツ聖堂 世界遺産
エレバンからバスで20分ほどの場所にあるズヴァルトノッツ聖堂(Zvartnots cathedral / Զուարթնոց տաճար)も、世界遺産に指定されている見どころ。
652年(1400年前)に完成した三層構造の大聖堂の跡で、まるでローマやギリシャの遺跡を思わせる独特な風景が人気となっています。
当時の建築技術を凝縮させた傑作であった聖堂が、どうして廃墟となったのかはいまだに謎に包まれているそう。
ミステリアスな一面も含めて不思議な魅力が感じられます。
天気がよければ&空気が澄んでいる日であれば、聖堂の後ろにはアララト山の雄大な姿が見られるそう。
朝早い時間帯の方がアララト山が見える確率が高いそうなので狙い目です!
・エレバンからの所要時間(片道):20分
・観光に必要な時間:1時間
エレバンから片道1時間以内の日帰りスポット
エレバンから片道1時間以内でアクセス可能なスポットは、全部で9か所。
都市の喧騒を抜け出して、ちょっとした旅気分を味わうにはぴったりです。
各見どころを単体で訪れるなら、往復の移動も含めて半日あれば余裕。
せっかくなら近い場所に位置するスポットを、丸一日かけていくつかセットでまわるのが効率的です!
①ガルニ神殿 世界遺産
エレバンからのデイトリップ先の定番中の定番といえば、ガルニ神殿(Temple of Garni / Գառնիի տաճար)。
1世紀(1900年前)に建造されたもので、当時地中海から西アジア方面に強い影響力を持っていたギリシア風の建築様式が特徴的です。
アルメニアが次々に異民族による侵攻や支配を受けた中世においても、どういうわけかガルニ神殿だけは破壊されずに残されたという点もミステリアス。
すぐそばのガルニ渓谷や、5kmほど先にあるゲガルド修道院とセットでデイトリップするのが定番となっています!
・エレバンからの所要時間(片道):45分
・観光に必要な時間:45分
②ガルニ渓谷 おすすめ!
ガルニ神殿が建つ断崖絶壁の下には、ガルニ渓谷(Garni Gorge)と呼ばれる美しい渓谷地帯が広がっています。
ガルニ神殿からハイキングで訪れることができ、気軽に大自然を楽しめることで大人気。
渓谷のハイライトが、「シンフォニー・オブ・ストーンズ(石のオルガン)」と呼ばれる奇岩が連なる崖です。
切り立った崖の表面が削れ、筒状にのびる石はパイプオルガンそのもの。
これは「柱状節理」と呼ばれるもので、完全なる自然の力でできあがった光景です。
ガルニ神殿観光とセットで訪れるのが定番ですが、5kmほど先にあるゲガルド修道院の観光と組み合わせることも可能です!
・エレバンからの所要時間(片道):1時間
・観光に必要な時間:1時間
③ジアラット寺院
エレバンから荒涼とした大地を西に走ること30分ほど。
突如姿を現す白亜の建物が、ジアラット寺院(Ziarat Yazidi Temple / Զիարատ տաճար)です。
こちらはキリスト教の建造物ではなく、中東地域一帯で信仰されるヤジディ教の聖地。
なんとこのジアラット寺院こそが世界最大のヤジディ教寺院なのだそうです。
アルメニアに居住するヤジディ教徒は最大で5万人いるとされ、国内で最大のエスニック・マイノリティーを構成しています。
謎に包まれたヤジディ教について知識をつけてからの訪問を強くおすすめします!
・エレバンからの所要時間(片道):40分
・観光に必要な時間:30分
④ホル・ヴィラップ修道院 おすすめ!
「アルメニアと言えばこれ!」といった風景が見られるのが、エレバンの南に位置するホル・ヴィラップ修道院(Khor Virap / Խոր Վիրապ)。
トルコとの国境までたったの数kmの場所に位置しており、晴れた日であれば背後にアララト山の姿がどーんと広がります。
ホル・ヴィラップ修道院の魅力は、そのRPGゲームさながらの風景だけではありません。
301年(1700年前)にアルメニアを世界初のキリスト教国とした啓蒙者グレゴリウスという人物が、13年もの間幽閉されていた地下牢が現存しており、旅行者でも立ち入ることができるのです。
いわば「キリスト教国アルメニア」の始まりの地であるホル・ヴィラップ修道院。
文句なしのアルメニア観光のハイライトとなる場所です!
・エレバンからの所要時間(片道):1時間
・観光に必要な時間:1時間~1時間半
⑤エンジェルズ・キャニオン おすすめ!
そもそもマイナーなアルメニアという国の中でも、地元民ですら「は?どこそれ?」というレベルの超穴場スポットが、エンジェルズ・キャニオン(Angel’s canyon)。
エレバンの南に広がるアララト地方中央部にある奇岩地帯で、「アルメニアのグランドキャニオン」なんて呼ばれることもあるのだそう。(それはちょっと言い過ぎだと思うが…)
グランドキャニオンかどうかはさておき、エンジェルズ・キャニオン周辺のハイキングコースで見られる風景は格別です。
ハイキングコースは2種類あり、いずれも簡単なもの。
体力や時間に合わせた楽しみ方が可能なのが嬉しいです。
観光客にはほとんど知られていない超穴場の大自然スポット。
エレバンの喧騒から逃れてのデイトリップにはこれ以上ないほどにおすすめです!
・エレバンからの所要時間(片道):1時間分
・観光に必要な時間:2時間~6時間 ※ハイキングコースによる
⑥セヴァン おすすめ!
「アルメニアで最も醜い町」なんて不名誉な呼び方をされることもあるセヴァン(Sevan / Սևան)。
ソ連時代から何一つ変わらぬ町並みと退廃的な雰囲気漂う小都市ですが、のぶよ的には「アルメニアで一番好きな町」です。
セヴァンの町自体には観光スポットはほとんどありませんが、アルメニア人にとってセヴァン=セヴァン湖。
内陸国の風景だとは信じられないほどに美しい湖ビーチが広がっているのです。
セヴァン湖は世界で最も標高が高い場所にある淡水湖だそうで、夏になると多くの人々が避暑目的に訪れます。
とはいえリゾートという感じではなく、どこまでも素朴でアルメニアの平常運転な雰囲気なのも◎
名物グルメや地ビール、人懐っこいセヴァンの人々…など、セヴァン周辺には隠れた魅力がたくさん。
正直、日帰りなんて言わずに数日間滞在するのがベストだと思います!(のぶよは4週間滞在していました)
・エレバンからの所要時間(片道):50分
・観光に必要な時間:2時間~半日
⑦アルファベット・モニュメント
アルメニアの珍スポットを探している人におすすめなのが、アルメニアン・アルファベット・モニュメント(Armenian Alphabet Monument)。
その名の通り、アルメニア文字をモチーフにした巨大な石のモニュメントがずらっと並んでおり、圧巻です。
これらのモニュメントは405年のアルメニア文字の発明から1600年を記念して、2005年に造成されたもの。
エレバンっ子の間では隠れたフォトスポットとして人気となっています。
正直、アルファベット・モニュメント単体で訪れても「あ…こんな感じね…」となるので、周辺のサグモサヴァンク修道院やホファナヴァンク修道院とセットで訪れるのがおすすめです!
・エレバンからの所要時間(片道):45分
・観光に必要な時間:30分
⑧サグモサヴァンク修道院
大地に裂け目が入ったかのようなカサフ渓谷を一望する場所に建つサグモサヴァンク修道院(Saghmosavank / Սաղմոսավանք)は、13世紀初頭に完成した歴史ある聖地。
断崖絶壁ギリギリに建つロケーションはものすごいですが、修道院内部も中世アルメニアの建築技術の結晶そのものです。
サグモサヴァンク修道院~ホファナヴァンク修道院間は、カサフ渓谷の大自然を感じられるトレッキングコースが整備されているのもポイント。
アルメニアの豊かな歴史や文化も、大自然の雄大さも、一度に楽しむことができます!
・エレバンからの所要時間(片道):40分
・観光に必要な時間:45分
⑨ホファナヴァンク修道院 おすすめ!
これまでアルメニアの修道院をいくつも訪れてきたのぶよですが、五本の指に入る傑作だと思うのがホファナヴァンク修道院(Hovhanavank/ Հովհաննավանք)。
カサフ渓谷を見渡す断崖絶壁ギリギリにたたずむ中世の修道院で、周囲の風景と繊細な建築が生み出す完璧な調和…まるで絵画の世界です。
黒とオレンジの石がモザイク模様のようになった外壁も、自然光だけにぼんやりと照らされた内部の空間も、とにかく秀逸のひとこと。
同じカサフ渓谷に位置するサグモサヴァンク修道院とセットで訪れるのが定番で、少し先にあるアルファベット・モニュメントと組み合わせてのロング・デイトリップも可能です!
・エレバンからの所要時間(片道):35分
・観光に必要な時間:45分
エレバンから片道2時間以内の日帰りスポット
エレバンから片道2時間以内でアクセス可能なスポットは、全部で11か所。
移動にはやや時間がかかるものの、そのぶんガッツリとデイトリップしている気分になるでしょう。
事前のプランニングをしっかりしておいて早起きすれば、いずれの場所へも十分に日帰りが可能です!
①ゲガルド修道院 世界遺産
アルメニア観光のハイライトの一つであるゲガルド修道院(Geghard Monastery / Գեղարդ)は、天然の岩と一体化したような岩窟修道院。
4世紀頃(1700年前)に手作業で岩をくり抜いて作られたもので、世界遺産に登録されています。
複数の教会や拝廊などのスペースがが内部でつながった造りになっており、その神々しい雰囲気はアルメニアの中でも最高峰です。
現在でもアルメニアの人々によって篤い信仰の対象とされているゲガルド修道院。
毎週日曜日の礼拝の儀式の様子は、千年以上前からずっと変わらずに受け継がれてきた神々しさの極みです。
近郊には、同じく世界遺産のガルニ神殿や大自然の力が感じられるガルニ渓谷もあり、セットでの観光も可能。
旅行者の間では「ガルニ&ゲガルド」の愛称でもポピュラーで、エレバンからのデイトリップの定番です。
・エレバンからの所要時間(片道):バス1時間 + 徒歩1時間
・観光に必要な時間:1時間半
②ツァグカゾール
エレバンの東に広がるコタイク地方の山岳地帯に位置するツァグカゾール(Tsaghkadzor / Ծաղկաձոր)は、アルメニア屈指のスキーリゾートとして開発された町。
ベストシーズンは冬ですが、それ以外の季節でも絶景が楽しめるリフトがあることでエレバンの家族連れに人気となっています。
観光ハイライトとなる絶景リフトや、歴史あるケチャリス修道院を除けば、ツァグカゾールの町自体には見どころは少なめ。
エレバンからの日帰りでも良いのですが、周辺のメグラゾールやハンカヴァンなどの穴場スポットとセットで訪れるのがおすすめです!
・エレバンからの所要時間(片道):1時間20分
・観光に必要な時間:3時間
③メグラゾール おすすめ!
アルメニア地方部らしい素朴な雰囲気を感じたいなら、コタイク地方のメグラゾール(Meghradzor / Մեղրաձոր)という村がおすすめ。
一見するとよくある「アルメニア地方部の寒村」といった雰囲気。
しかし散策していると、村じゅうの建物が色とりどりのアートで彩られていることに気が付くでしょう。
メグラゾール村の若者が主導で「アートの村」として村おこしをしようと頑張っているのです。
村のアートめぐりはもちろん、田舎暮らし体験ができるゲストハウスがあることもメグラゾールの大きな魅力。
自給自足で得た食材を用いた食事はどれもすごく美味しいですし、畑仕事や放牧、保存食づくり等のお手伝いをさせてもらうことも可能です。
アルメニア地方部の伝統的な暮らしにどっぷりと浸かりたい人には本当におすすめ。
正直、日帰りなんてもったいないです!
・エレバンからの所要時間(片道):1時間20分
・観光に必要な時間:3時間
④ハンカヴァン おすすめ!
コタイク地方の最奥部に位置するハンカヴァン(Hankavan / Հանքավան)は、「秘境」の名にふさわしい小さな村。
人口100人ほどの限界集落といった感じのこの村を訪れる最大の理由が、天然温泉でしょう。
茶色がかった炭酸泉のお湯は、適温で硫黄の匂いもバッチリ。
アルメニアの秘境での温泉体験は、旅の思い出を彩ってくれるはずです。
温泉以外にも、ハンカヴァンは独自の歴史や文化を持つことでも知られています。
というのも、この村の住人の大半はギリシャ系であるため。
およそ200年前にこの地に移住してきたギリシャ人の末裔が、独自のコミュニティーを守りながら生活しているのです。
エレバンから単体での日帰りも良いですが、個人的には同じエリアに位置するメグラゾール村に滞在しながら足をのばすのがおすすめです!
・エレバンからの所要時間(片道):2時間
・観光に必要な時間:3時間
⑤アンベルド城塞
エレバン西方の山岳地帯。この人里離れた断崖絶壁にたたずむアンベルド城塞(Amberd / Ամբերդ)は、真っ黒な石で造られた中世の防衛拠点。
アルメニア語で「雲の上の城」の名を持つ城塞は、まるで魔王の棲家さながらの禍々しい雰囲気をまとっています。
麓の村からアンベルド城塞まではハイキングコースが整備されており、人っ子ひとりいない谷間の絶景を眺めながら歩くことができます。
今回紹介しているスポットの中では最もアクセスしにくい場所の一つですが、到達したときの感動はひとしお。
大自然と中世アルメニアの文化を丸一日かけて楽しむことができます。
・エレバンからの所要時間(片道):バス1時間20分
・観光に必要な時間:1時間半 + ハイキング往復5時間
⑥セヴァナヴァンク修道院
「アルメニアと言えばこれ!」と断言できるほどに超・超・超定番の人気スポットがセヴァナヴァンク修道院(Sevanavank / Սևանավանք)。
セヴァン湖を見渡す高台にたたずむ中世の修道院は、どの角度から見ても現実のものとは思えないほどの美しさです。
セヴァナヴァンク修道院の建物自体も歴史があって素晴らしいですが、周辺の風景も圧巻。
真っ青な湖と緑に覆われた半島、荒涼とした茶色の大地…鮮やかな色のコントラストは、アルメニアの中でも髄一の風光明媚さです。
エレバンからのデイトリップも良いですが、個人的には最寄りの町であるセヴァンに滞在するのもおすすめです!
・エレバンからの所要時間(片道):1時間15分
・観光に必要な時間:1時間
⑦ハイラヴァンク修道院 おすすめ!
「セヴァン湖=セヴァナヴァンク修道院」というイメージが定着していますが、個人的により強くおすすめしたいのがハイラヴァンク修道院(Hayravank monastery / Հայրավանք)。
知名度は高くないものの、セヴァナヴァン修道院に負けないほどの絶好のロケーションを誇る聖地です。
ハイラヴァンク修道院周辺には湖沿いの散策コースが敷かれており、さまざまな青色が混じりあうセヴァン湖の美しさを100%楽しめるのもポイント。
旅行者にはほとんど知られていない穴場の絶景だらけのエリアなので、きっと満足のいく旅ができるはずです!
・エレバンからの所要時間(片道):1時間40分
・観光に必要な時間:45分
⑧ガヴァル おすすめ!
アルメニア人に尋ねても「なんでそんな所に行くの?」なんて言われてしまうほどにマイナーなガヴァル(Gavar / Գավառ)は、個人的に全力で推したい素敵な町。
ソ連時代のレトロな雰囲気でいっぱいの中心街と、ロシア帝国時代の瀟洒な建物が残るエリア、運河に沿って伝統的な建物が連なる地区など、一つの町の中に色々な表情があるのです。
街歩き自体も楽しいガヴァルですが、ここでしか食べられない名物グルメがいくつかあるのもおすすめする理由。
周辺にはセヴァン湖の絶景を望むハイラヴァンク修道院や、夥しい数の石の十字架が圧巻のノラトゥス墓地などもあるので、セットでまわるのが効率的です。
・エレバンからの所要時間(片道):1時間50分
・観光に必要な時間:3時間分
⑨ヴァナゾル
アルメニア第三の都市・ヴァナゾル(Vanadzor / Վանաձոր)は、北部のロリ地方への玄関口となる小都市。
パッとした見どころに欠けるためか、多くの旅行者には素通りされてしまいがちな町です。
ヴァナゾルの面白いところは、町全体を包み込むようなソ連レトロな風景。
人口10万人ほどのコンパクトな町なので、のんびりした雰囲気も魅力的です。
エレバンから単体で訪れるのも良いのですが、ヴァナゾルはロリ地方の各町への交通のハブとなる町。
個人的には、数日間滞在しながらロリ地方観光の拠点にするのもアリだと思います。
・エレバンからの所要時間(片道):2時間
・観光に必要な時間:4時間
⑩フィオレトヴォ
アルメニア北部のロリ地方には、まるでこの世の楽園を思わせるような村があります。その名もフィオレトヴォ(Fioletovo / Ֆիոլետովո)。
緑あふれる風景の中に伝統的な民家が点在する村で、おとぎ話の世界に迷い込んだかのような光景がたくさん。
のんびりとした素朴な雰囲気には誰もが癒されるでしょう。
実は、フィオレトヴォはただの素朴な村ではありません。
この場所の最大の特徴が、アルメニアにありながら住民はすべてロシア系だという点です。
この村の住人は「マロカン」(=ロシア語で「ミルク飲み」の意)と呼ばれ、およそ200年前のロシア帝国支配時代にこの地に移り住んできた人々。
現在でも村ではロシア語が話され、アルメニア他地域とは隔絶された独自のコミュニティーが形成されているのです。
自然風景も、可愛らしい民家も、民俗学的にも面白いフィオレトヴォ。
アルメニアという国に存在する多様性を肌で感じることができる場所です。
・エレバンからの所要時間(片道):1時間50分
・観光に必要な時間:1時間半
⑪ディリジャン おすすめ!
最後に紹介するのが、アルメニアの高原リゾートとして名高いディリジャン(Dilijan / Դիլիջան)。
ソ連時代から避暑地として多くの人々に愛されてきた優雅な雰囲気ただよう町で、一面の緑に囲まれた中心街がとても美しいです。
ディリジャン中心街だけならエレバンからの日帰りでも観光可能ですが、周辺に点在する数多くの見どころにもこの町の魅力が詰まっています。
ディリジャン周辺に点在する中世の修道院はどれも素晴らしいものばかり。
日帰りだと全てを訪れることは到底できません。
また、ディリジャン地域一帯は国立公園に指定されており、大自然を五感で味わえるハイキング天国の一面もあります。
美味しい空気を味わいながらのんびり滞在するリゾートスタイルの人も、ハイキングに精を出すアクティブスタイルの人も、誰でもみんな絶対に楽しめるのがディリジャンの素晴らしさ。
山岳リゾートとはいえ気取った雰囲気ではないので、万人におすすめできる観光エリアです。
・エレバンからの所要時間(片道):1時間30分
・観光に必要な時間:丸一日
おわりに
エレバンからのデイトリップ先におすすめのスポットを合計25ヶ所紹介しました。
自分でもこんなに多くの場所があるとは思っていなかったので、正直びっくり。
絶景の修道院や城塞、自然スポットまで…バラエティーの豊かさも魅力的です。
コンパクトで美しい町並みのエレバンは、物価も安めなのが旅行者的には嬉しい点。
のんびりと1ヶ所に滞在すながら近郊へ行ったり来たりするスタイルの旅には、これ以上ないほどにぴったりな町だと思います。
シティーライフを楽しみながらたまに近郊スポットへ足をのばすスタイルでの滞在ならば、きっとメリハリもつくはず。
エレバンでの滞在がより思い出深いものとなりますように!
コメント