こんにちは!元ポルトガル在住ののぶよ(@nobuyo5696)です。
日本から最も遠いヨーロッパの国と言えば、大陸最西端の国・ポルトガル。
当ブログでは、定番~マニアックな観光情報や、ポルトガルの文化・言語に関する記事を多く書いてきました。
その甲斐あってか(?)、最近ではポルトガルは徐々に注目を浴びつつあるような気がしないでもありません。
「次に行きたい旅行先リストに入っている!」なんて人もいるのではないでしょうか。
初めてポルトガルを旅行しようとする人は、「リスボンを観光して、シントラ&ロカ岬にデイトリップして、ポルトに移動して…」と、観光面にばかり気がいってしまいがちなもの。
もちろんポルトガルにも魅力的な観光スポットがたくさんありますが、イタリアやフランス、スペインなどそうそうたる観光大国に比べると、やっぱりどこか地味さがぬぐえない部分はあります。
のぶよ的に、ポルトガルという国の魅力は、観光地よりも独特の文化や雰囲気に詰まっていると思います。
観光地をただ点から点へとまわるだけの旅よりも、ポルトガルらしい文化が感じられる体験を旅程に組み込めば、きっと最果ての小国での旅がより印象深いものとなるはず。
というわけで今回の記事では、観光スポットをまわる以外に、ポルトガル旅行中にぜひ体験してほしい10の文化体験を紹介していきます。
個人で十分に満喫できるものから、現地でアクティビテイーに参加するのが便利なものまで。
きっと初めてのポルトガル旅行が、100%充実したものとなるはずですよ!
ポルトガル旅行でしたい文化体験10選
1.名物路面電車に乗る
「ポルトガル」と聞いて、レトロな坂道をガタゴトと走る路面電車をイメージする人は多いのではないでしょうか。
リスボンやポルトなどの大都市では、かつては地元の人の移動手段として大活躍していた路面電車。
近年では観光客も多く利用するようになり、「リスボンに来たら絶対に体験するべきこと」として、定番の観光アトラクションのような存在になりました。
観光客が増えても移動手段であることは変わりなく、運賃はどこまで乗っても€1.35(=¥160)と格安なのが嬉しいところ。
レトロなトラムに揺られながら眺める美しい町並みは、旅情をかき立てられること必至です。
2.ローカル食堂でポルトガル料理を食べる
ポルトガルに来たなら、名物のポルトガル料理に挑戦したいと思う人は多いでしょう。
ヨーロッパでは珍しく米文化が根付くポルトガルの食事は、温暖な気候で育った肉や魚、野菜などを使ったバラエティー富かなもの。
素材の旨味を活かして余計な味付けをしない調理法が特徴的で、日本人の口に合うことで評判です。
フランス料理のような上品さも、スペイン料理のような華やかさもない素朴なポルトガル料理ですが、一度食べたらその魅力にハマってしまう人が結構多いんです。
豪華なレストランでいただくディナーも良いのですが、滞在中一度はローカル食堂での家庭的なポルトガル料理に挑戦してみるのがおすすめです。
チェーン系のレストランがあまり発展していないポルトガルでは、人々が日常的に通う食堂は家族経営のお店がほとんど。
冷凍食品や出来合いのソースなどは使われず(手作りした方が安いので)、デザートを含むすべての料理が手作りなのも特徴的です。
ローカル食堂は驚くほどリーズナブルな値段なのも嬉しいポイント。
他のヨーロッパ諸国では考えられないような値段で、本場のポルトガル料理を味わえるなんて、もう行かない理由がありませんね!
3.大西洋ビーチで海洋大国を感じる
500年前の大航海時代には世界を制したポルトガル。
そんな栄光の歴史は今では見る影もありませんが(笑)、海はポルトガルの人々にとって常に身近にある存在です。
リスボンやポルトなどの大都市のすぐそばでも、自然が感じられるビーチが点在しているのがポルトガルの素晴らしいところ。
ポルトガル人にとって、ビーチで泳いだり海沿いを散策したり、ただぼうっと海を眺めたりするのは日々の生活の一部のようです。
ポルトガル一番の都市であるリスボン近郊のビーチでさえ、バルセロナやロサンジェルスのビーチのような観光客で大混雑したお祭り騒ぎのような雰囲気はなく、あくまでも地元の人が通うような場所といった雰囲気です。
泳がない人でも、ポルトガル人にならって海沿いを散策してみるのはいかがでしょうか。
大西洋の潮風に吹かれていると、はるか昔からの海洋大国らしい文化が感じられるはずです。
4.ゆったりした時間を味わう
のぶよ的にポルトガルという国を特徴づけること&最大の魅力であることが、ゆっくりとした時間の流れです。
何もかもが慌ただしく過ぎ去っていく日本の大都市に比べると、まるで別の時空間に来てしまったかのような感覚になるかもしれません。
ポルトガルののんびりした雰囲気は、おそらくポルトガルの人々の生活リズムによって醸し出された物。
レトロな通りをゆ~っくりと歩くおじいさん
ただぼうっと海を眺める老若男女
時間通りに来るはずもないバスと、遅れを気にもせずに待っている人々
「みんな、どんだけ暇なの?」とツッコミたくなってしまうかもしれません(笑)
効率やスピードを重視する日本とは正反対の、のんびり文化。
生活しているとあまりののんびりさにイラっとくることはなくもないのですが(笑)、旅行で訪れる分にはかなり癒されるポイントだと思います。
5.アズレージョに触れる
ポルトガルが誇る芸術作品と言えば、アズレージョではないでしょうか。
アズレージョとは、1000年近く前にイベリア半島がアラブ人に支配されていた時代に持ち込まれたタイルアートのことで、ポルトガルで独自の発展を遂げたものです。
「アズレージョ=白地に青一色」というイメージがあるかもしれませんが、実は時代によって色使いやデザインなどの作風が異なるのも面白い点。
18世紀に大地震の被害に遭ったリスボンよりも、北部のポルトの方が古いアズレージョが多く残っています。
ポルトガルの伝統美術に興味がある人は、自分だけのアズレージョを作る体験をしてみるのもおすすめ。
リスボン近郊のアゼイタン(Azeitão)という小さな村では、観光客向けにアズレージョ工房見学&作品作り体験をすることができるのです。
6.名物ワインを味わう
ポルトガルは良質なワインの産地としても有名な国。
温暖な気候と肥沃な大地は、ワインの原料となるブドウの栽培に適しているのです。
ポルトガルのワインの中でも最も有名なものが、北部のドウロ川流域で生産されるポートワインです。
ドウロ渓谷と呼ばれる、丘陵地帯にブドウ畑が連なる景観は、ユネスコの世界遺産にも指定されているほど。
美しい風景を眺めながら味わうワインの味は、きっと忘れられないものとなるでしょう。
ドウロ渓谷まで足をのばす時間がない人には、ポルト市内のワイナリーを訪問してみるのがおすすめ。
ドウロ川を利用したワインの運搬の中継地点として栄えたポルト旧市街には、大小さまざまなワイナリーが点在しており、どこも見学&試飲をすることが可能です。
ポートワインは通常のワインよりもかなり甘味が強く、一口飲むだけでその独特な風味に驚くことでしょう。
7.カフェ体験&名物スイーツ
ポルトガル人の日々の生活に根付いているカフェ文化。
朝の目覚めに、午後の休憩に、友達とのおしゃべりに…
日常のちょっとした合間に、ポルトガル人は濃~いエスプレッソと煙草を片手にカフェでの時間を楽しむのです。
コーヒー一杯€0.6(=¥71)~と、格安価格でポルトガルのカフェ文化を味わえるので、観光の合間の休憩にぜひ立ち寄ってみましょう。
コーヒーのお供に、ポルトガルスイーツを注文してみるのもおすすめです。
日本ではエッグタルトが有名ですが、その他にもポルトガルスイーツは種類が豊富。
カラフルなデコレーションこそないものの、素朴な見た目で甘さが強めなスイーツは、濃いエスプレッソによく合います。
スイーツもかなりリーズナブルな価格なのが嬉しい点。
ポルトガル旅行中は、いつもよりちょっと甘党になってみるのはいかがでしょうか。
8.ファドでサウダージを感じる
ポルトガルの民謡として有名なファド(Fado)。
日本で言う演歌のような存在なのですが、ポルトガルではより老若男女に愛され、人々の身近にあるものです。
リスボンのアルファマ地区(Alfama)発祥のファドは、ポルトガルギターの甘い音色にファディスタと呼ばれる歌い手の情熱的な声が合わさったもの。
言葉はわからなくとも、歌い手の感情が伝わってくるという不思議な魅力があります。
ファドの曲はどれも哀しいものが多く、ポルトガルという国を象徴する「サウダージ(郷愁・悲哀・懐古などの感情)」が詰まったものです。
基本的にはファドハウス(Casa do Fado)と呼ばれるレストランで食事をとりながら鑑賞することとなりますが、タスカ(Tasca)と呼ばれる居酒屋のようなお店でファドライブが開催されている場合もあります。
ファド発祥の地・リスボンに滞在するなら、一度は聴きにいきたいものですね。
9.ポルトガル人の信仰心に触れる
キリスト教の国が多いヨーロッパですが、近年では信仰心がかなり薄まった地域も多く、人々の信仰心を身近に感じる機会は減ってきています。
一方のポルトガルでは、いまだにカトリック信仰が強く根付いているのが特徴的。
年配の人たちはもちろん、若い人の中にも敬虔な信者は珍しくありません。
リスボン近郊には、中世初期に建設された三つの修道院や聖堂があり、いずれも世界遺産に指定されています。
日本人で訪れる人はなぜかほとんどいないこれらの修道院ですが、訪れる価値が十分にあります。
各時代を反映した建築様式の素晴らしさはもちろん、そこで生活をする修道僧やお祈りに訪れる人々の信仰心が強く感じられるためです。
また、ポルトガルでは宗教に基づく伝説や昔話が現在にまで伝わっているのもポイント。
数々の「伝説」や「奇跡」は多くの人々に信じ続けられていて、中には実際に起こったとされるものもあるほどです。
ポルトガル旅行の際にこの伝説を少しでも知っておけば、ゆかりの地を巡るようなスタイルの旅行プランも可能。
きっと滞在がより深みのあるものになるでしょう。
10.中世ポサーダに宿泊
ポルトガルでの滞在を特別なものにしてくれるのが、ポサーダ(Pousada)に宿泊すること。
ポサーダとは、中世の城塞や修道院、貴族の館などを改装して現代風にしたポルトガル独特のホテルのことで、かつての栄華を思わせる豪華な内装や調度品に囲まれた滞在が送れます。
実際に王家や貴族が生活していた歴史のある建物で一晩を過ごすなんて、なかなかできる経験ではありませんよね。
「歴史ある建物での宿泊」と聞くと、予算が心配になってしまうものですが、ここはポルトガル。
周辺諸国に比べて格安料金で宿泊することができるので、ぜひ一回は試してみたいものです。
ポサーダは地方部の村などの城塞や修道院を改装したものが多いのですが、リスボンやポルトの中心部にもあります。
ポサーダ宿泊はかなり人気なので、宿泊したい場合は早めの予約をおすすめします!
リスボンのポサーダは、大航海時代に政府機関があったコメルシオ広場前の建物を改装した歴史あるもの。
ゴージャスな雰囲気はもちろん、街のど真ん中に位置する立地の良さも大きな魅力です。
ポルトのポサーダは、19世紀の邸宅を改装したもの。ポルト旧市街中心部にあり、ドウロ川を望む美しい眺めを望むテラスやプールもついています。
アンティーク調/モダンな内装のどちらの部屋タイプも兼ね備えているので、好みや予算に合わせた滞在が可能です。
おわりに
ポルトガル旅行の際にぜひ挑戦してみたい文化体験を紹介しました。
観光スポットを点から点へと急いでまわる旅よりも、ポルトガル独特のゆったりした雰囲気を五感で感じながらののんびり旅がおすすめです。
豊かな歴史に育まれた独特の文化が息づく大陸最西端の国の素朴な魅力を、ぜひ感じに来てください!
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