こんにちは!リスボン在住ののぶよです。
ポルトガル旅行で絶対に外せないのが、リスボン発祥のポルトガル民謡であるファド (Fado)。
リスボンの下町であるアルファマ地区発祥のファドは、ポルトガルギターとビオラが奏でる切なくも優しいサウダードゥ(郷愁)を感じさせる音色に、ファディスタと呼ばれるファドシンガーの力強い声が合わさった、ポルトガル伝統の音楽です。
基本的にはファドハウス(Casa de Fado)という小さなレストランで、コース料理とワインを嗜みながらゆったりと鑑賞するのがファドの楽しみ方。
しかしそういったレストランではある程度の出費を覚悟しなければなりません。
ファドハウスの予算はそれぞれのお店によりますが、最低でも一人€20~€25。
スープ・メイン・デザートが込みでファドが聞けるのですから、お得と言えばお得です。
しかしながら、一人旅の人には少々敷居が高いですし、料理も別に特別なものではないことがほとんどです。
「せっかくリスボンに来たんだから、気軽にファドライブに行ってみたい!」
という人のために、リスボンで無料のファドライブが楽しめるおすすめスポット、「タスカ・ドゥ・チコ (Tasca do Chico)」 をご紹介します。
おひとり様でも大丈夫!リスボンに来たら絶対に行くべきファドライブ。
リスボンのナイトライフの聖地、バイロ・アルト地区にある小さなタスカ (ポルトガルの庶民的な食堂兼居酒屋)である「タスカ・ド・チコ」
無料のファドライブは毎日19:00〜2:00の間に開催されています。
リスボン広しといえども、無料でファドライブが鑑賞できるお店は限られています。
無料が好きなのは世界共通。
多くの観光客が訪れるので、早めに行って席を確保するのがいいでしょう。
店内は本当に小さな居酒屋といった雰囲気で、テーブル席は10席ほど。
座れない場合は立見になってしまいます。
往年のファドシンガーの写真が壁一面に飾られている店内は、地元の人の溜まり場という雰囲気。
(といっても実際はかなりの観光客がいる)
ファドライブの時間になると電気が消され、何とも言えない雰囲気が漂います。
こんな場所でファドが鑑賞できるなんて…!それだけで幸せ。
あまり混雑していない場合は、店員さんが席でオーダーをとってくれますが、基本的には自分で店内奥のカウンターに行ってで注文するシステム。
ファドライブ自体は無料ですが、飲み物やおつまみなど何かしら注文するのが基本的なマナーです。
ビールのパイント(約500ml)やグラスワインが5ユーロと、リスボンの相場に比べるとかなり高めな値段設定ですが、その代わりに無料でファドを聴かせてもらえるので仕方がありません。
飲み物一杯で、ファドライブを数回鑑賞しながら長時間滞在することも可能です。
おつまみのおすすめは、自慢のグリルソーセージ (10ユーロ)。
席で直火で炙ってくれ、とってもジューシーでボリューミーです。
ファド開催時間になると、数人のファドシンガーが交代で2〜3曲ずつ歌い、合計で20分ほどライブが続きます。
リスボンのファドは、基本的に女性のファディスタがほとんど。
郷愁を感じさせるメロディーと、店内に響き渡る情熱的な歌声が、至福の時間を演出してくれます。
約20分間のファドライブの後は、10分ほどの休憩時間。
トイレや注文はこの間に済ませておきましょう。
休憩後には再度ファドライブが始まります。
先程とは違う曲を歌ってくれるので、バラエティーに富んだファドの魅力を体感できます。
いかがでしょうか、この雰囲気。
とても言葉で説明できるようなものではないのですが、薄暗い小さな居酒屋に響く甘いギターの音色と、情熱的でありながらどこか切ないファディスタの歌声。
言葉が理解できなくても、心の中に直接響いてくる感情の波。
そんなファドの魅力にはまってしまうこと間違いありません。
「バックパッカーや一人旅だから、ナイトライフはちょっと…」
なんて心配はご無用。
このタスカ・ド・チコには世界中から観光客が訪れ、一人でファドを聴きに来る女性客もかなり多いです。
基本的にテーブル席の数が限られていて相席になるため、同じテーブルの人と「どこから来たの?」と会話が始まることも珍しくありません。
そんな出会いも含めて、ファドライブの魅力と言えるのではないでしょうか。
タスカ・ドゥ・チコの店の外には、現代ポルトガルを代表する女性ファディスタ、マリーザ(Mariza)とアナ・モウラ(Ana Moura)と、この居酒屋の経営者であるチコが描かれたアズレージョ(ポルトガル独自のタイルアート)があり、ファドファンにとっては垂涎もの。
リスボンの無料ファドライブ鑑賞のアドバイス
ファドライブは夜遅く(~2:00)まで開催されています。
早い時間は観光客が多く、時間が遅くなるほど、ファドを聴きながらちょっと一杯ひっかけに来るローカルが多くなります。
夜10時に夕食をとることも珍しくないポルトガル。
ナイトライフの始まりもかなり遅めなので、ディープでローカルな雰囲気をゆったりと楽しみたいなら遅めの時間がおすすめです。
インフォメーション
タスカ・ド・チコ (Tasca do Chico)
住所:R. do Diário de Notícias 39, 1200-141 Lisboa
営業時間:全日 19:00~2:00 (金土は~3:00)
予算:~€10 (ファドは無料)
コメント:あまり早い時間に行くと、客のほとんどが観光客なので「ポルトガルらしさ」を感じにくいかも。
他の店で夕食をとって、バーで少し飲んだ後23時くらいに訪れるのがベストです。
予め席を予約しようとする人もいるが、基本的に予約はちゃんと取れていないのでご注意を。(ポルトガルあるある)
当日でも遅い時間ならまず問題なく入れるでしょう。
リスボンは「七つの丘の町」と呼ばれるように坂道が連なる独特の地形。
ホテル選びのエリアがとても重要です。
リスボン旧市街にも、ビーチエリアにもアクセスが便利なカイス・ド・ソドレ地区。
小さなポルトガル料理レストランやファドハウスが点在するバイロ・アルト地区もすぐそばにあり、哀愁に満ちたポルトガルらしい夜を過ごすのもおすすめです!
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