こんにちは。ポルトガル在住ののぶよ(@nobuyo5696)です。
シントラ(Sintra)は、ポルトガルの首都・リスボンから西に30kmほどの所に位置する、山の中にある小さな町。
もともとは王族の避暑地として発展してきたこの町は、ユネスコの世界遺産にも登録されていて、いまや一大観光地。
昼も夜も、夏も冬もとにかく観光客でいっぱい!
みんなどこからきたの?と不思議になるくらいです。
ペーナ宮殿やムーア人の城壁など、一日では回り切れないほどたくさんの見所があるシントラの町。
その中でも、ほかの観光地を差し置いてでも絶対に行ったほうがいいスポット、レガレイラ宮殿(Quinta da Regaleira)を紹介します。
とにかく冒険心がくすぐられる!迷路のような庭園。
かつてヨーロッパで主流だったゴシック様式やルネッサンス様式に、ポルトガル独自のマヌエル様式など様々な建築様式の建造物が混在するレガレイラ宮殿。
所有者が何度も変わる度に改装が行われ、イタリアの建築家・ルイジ・マニーニによって現在の姿へと落ち着きました。
もともと王族の別荘として建てられた宮殿自体も見ごたえがありますが、レガレイラ宮殿で絶対に訪れるべきなのはその広大過ぎる庭園。
その広大さは、メインであるはずの宮殿がどこに建てられているのかわからなくなるほど(笑)
山の傾斜を利用して造られた数々の洞窟や池、地中に下りるらせん階段など、どこがどう繋がっているのかもはや理解不能なダンジョンと化しています。
それはもはやRPGの世界。
冒険者になった気分で探検しましょう。
こちらのいかにも古そうな塔が、入場してはじめにたどりつくであろう、 レガレイラの塔(Torre da Regaleira)。
広大な庭園を散策する際のの中心となる場所です。
すでに非日常感がプンプンするものの、ここはまだ序の口。
いくつもの洞窟や滝などの冒険スポットは、この塔より山の上方面に点在しています。
手はじめにレガレイラの塔の狭い階段を上って、庭園の全景を眺めてみましょう。
レガレイラ宮殿の敷地内はもちろん、山に囲まれたシントラの町の絶景を望むことができます。
洞窟を抜けると、飛び石?!
先述の通り、広大な庭園内にはいくつもの洞窟があります。
洞窟がありすぎて、どこが入口でどこが出口なのかどこにも書かれていません。
そして誰もわかっていません。
レガレイラの塔から曲がりくねった道を登っていくと、怪しげな洞窟がたくさんあります。
洞窟の入口っぽいところを見つけたら、とりあえず入ってみましょう。
かろうじてライトアップされている洞窟の一部は完全に真っ暗。
いくつもの分岐を抜けると、滝の裏が見られる場所があります。
ここが Lago da Cascata。レガレイラ宮殿の名物、飛び石渡りがあるスポットです。
見ての通り、緑色に淀んだ池の水面の上に、飛び石がかろうじて顔を出しています。
何年間放置すればこんな色の水が出来上がるのか不思議になるくらいの池の底は、もちろん全く見えないので水深は不明。
ですが、落ちたら観光どころではないのは確か。
RPGでいえば毒の沼、あるいはゲームオーバーですね。
それにもかかわらず、老若男女問わずみんな楽しんで飛び石を渡っていました。
今まで何人の人がここでゲームオーバーになったのか気になるところです。
ここまで来ると、自分が庭園の中にいるのか、ハイキングしているのか、はたまたRPGの世界に迷い込んでしまっているのかだんだんわからなくなってきます。
歩けば歩くほど、冒険心がどんどん湧いてくる。
そんなある意味若返りスポットかもしれません。
レガレイラ宮殿のハイライト!地獄への階段。
飛び石ゾーンを抜けて山の斜面を登っていくと、レガレイラ宮殿のハイライトともいえる地中へ続く螺旋階段へとたどり着きます。
その名も、”Poço iniciático”。
日本では「イニシエーションの井戸」というなんだかおしゃれなネーミングで知られています。
ポルトガル語では”poço”=「井戸」なんですが、もはや井戸と呼べるクオリティーではありません。
光が差す地上から、薄暗い地下に向かってらせん階段がぐるぐると下っていく様はまさに「地獄への入り口」。
壁を覆う苔や、地上からの絶妙な光の差し込み方によって、かなり独特で不気味な雰囲気を醸し出しています。
RPGゲームなら間違いなく下でボスが待ち受けているような、そんな雰囲気。
階段を下った井戸の底からは、遥か上に見える地上の光がなんだか神々しくて、まるで別の世界に入り込んでしまったよう。
そもそもこの井戸とらせん階段は、現在とは反対方向(下から上)へと進むことで、地獄から天国へと這い上がる過程の象徴として造られたものだそうです。
現在ではみんな地獄へ向かって歩んでいくんです。なんか皮肉。
最近の流行りなのか、井戸の底ではみんな地上をバックにグループセルフィーしていました。
確かにいい写真が撮れそう。でも一人だとなかなかできない。
それこそ、地獄ではありませんか。
レガレイラ宮殿庭園内その他の見どころ
他にも、庭園内には謎のトンネルや苔に覆われた扉などミステリアスなスポットがたくさんあります。
きっと途中から少しのことでは驚かなくなってくるはず。
受付でもらえる庭園内の地図なんて何の役にも立ちません。
とにかく、自分の足で歩いて、自分の目で確かめてみるのみ。
十分に庭園を散策した後は、レガレイラ宮殿の建物内部を見学するもよし。カフェテリアで一休みするもよし。チャペルや小さな建物を見て、建築の美しさを感じるもよし。
いろいろな楽しみ方ができます。
レガレイラ宮殿の基本情報
シントラ鉄道駅からレガレイラ宮殿への行き方
レガレイラ宮殿のアクセスの拠点は、リスボンからの近郊鉄道(CP)の終着駅であるシントラ駅。
シントラの自然と美しい町並みを感じながら徒歩でアクセスするのも良いですし、路線バスを利用するのも一つの手です。
徒歩でのアクセス
シントラ観光の起点となるシントラ駅からレガレイラ宮殿までは、シントラの中心街(Sintra Villa)を経由して、徒歩20-30分ほどと少々距離があります。
多少のアップダウンもあるので、体力を使いたくない人はバスの利用がおすすめです。
バスでのアクセス
シントラ駅から中心街を経由する435番のバスで10分ほどのQuinta da Regaleira下車。
バスは朝9時から夜20時前まで20分に1本程度運行していて便利。
シントラ巡りの周遊パス(Bilhete Turístico diário/Bilhete Train&Bus)使用可能です。
最新の時刻表や運賃など詳細情報はScotturb社のサイトを参照してください。
レガレイラ宮殿の入場料金・営業時間
入場料金
・大人:6€
・子供(6-17才):4€
・学生割引:なし
営業時間
・4月-9月:9:30-20:00
・10月-3月:9:30-18:00
※最終入場は共に閉場1時間前
レガレイラ宮殿があるシントラには、他にも観光名所がたくさん!効率よく各スポットをまわるなら、現地ツアーの参加も考えてみては?
・【プライベートツアー】レガレイラ宮殿と世界遺産シントラ、ペーナ宮殿、ロカ岬 1日観光<車貸切/リスボン発>by[みゅう]
・世界遺産シントラとペーナ宮殿、ユーラシア大陸最西端のロカ岬 1日観光<リスボン発/昼食付き/日本語ガイド>by[みゅう]
おわりに:レガレイラ宮殿観光のアドバイス
まるでRPGの世界の主人公になった気分で観光できるレガレイラ宮殿は、リスボン近郊でぜひ訪れたいスポットの一つです。
観光スポットとなっているため、アクセスも簡単ですが、いくつかアドバイスがあります。
歩きやすい靴で行く
レガレイラ宮殿の広大な敷地は丘の斜面に広がっており、アップダウンが結構あります。
紹介した通り、飛び石を渡る場面などもあるため、とにかく歩きやすい靴で訪れましょう。
サンダル、ハイヒールは論外です。
レガレイラ宮殿観光の所要時間
・ゆっくり庭園を冒険しながら楽しむなら所要3-4時間。
・有名どころだけサクッと見るなら所要2時間。
といったところ。
シントラの他の観光スポットと組み合わせて観光することも可能です。
レガレイラ宮殿観光のおすすめ時間帯
だんだんと人気の観光スポットとなってきているレガレイラ宮殿。
せっかくRPG感にひたるなら、他に人があまりいない時間帯を狙うのがおすすめです。
朝から午後早い時間にかけては、団体ツアーの観光客がとても多いです。
シントラ中心街から距離が近いレガレイラ宮殿は、観光のハイライトである山の上のペーナ宮殿見学前の観光客がたくさん訪れるのもこの時間帯。
敷地が広いのでそこまで人がたくさんいる印象は受けないものの、らせん階段や洞窟などの狭い空間を進む場所はかなり混みあいます。
おすすめの時間帯は午後遅めの時間帯。
閉場前になると人が一気に減ることが多く、ミステリアスな空間を独り占めできるかもしれません。
シントラ観光の拠点となるのがリスボン。「七つの丘の町」と呼ばれるように坂道が連なる町は、ホテル選びのエリアがとても重要です。
リスボン旧市街にも、ビーチエリアにもアクセスが便利なカイス・ド・ソドレ地区。
小さなポルトガル料理レストランやファドハウスが点在するバイロ・アルト地区もすぐそばにあり、哀愁に満ちたポルトガルらしい夜を過ごすのもおすすめです!
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