こんにちは!元ポルトガル在住ののぶよ(@nobuyo5696)です。
大西洋にぽつりと浮かぶアゾレス諸島の中でも、独特な風景と美しい町並みが人気のテルセイラ島。
他の島々と同様に火山の噴火によってできたこの島には、火山活動の様子を目で見ることができるスポットが点在しています。
今回紹介するグルータ・ド・ナタルとエンショフレ地獄谷がその代表的なもの。
個人でのアクセスはかなり不便ですが、大地の息吹を肌で感じることができるおすすめの観光スポットです。
グルータ・ド・ナタル
ポルトガル語で「クリスマスの洞窟」を意味するグルータ・ド・ナタル(Cruta do Natal)は、テルセイラ島の中央部の地下に位置する洞窟。
1969年の12月25日に島民によって発見されたことから、この名前が付きました。
火山活動によってできた洞窟であるとされていますが、その詳細なメカニズムは分かっておらず、未だに研究が続けられています。
受付で安全用のヘルメットを借りたら、いざ地底世界へと出発!
ガイド等は必要なく、個人で思い思いのペースで観光することができます。
グルータ・ド・ナタルで現在開放されているのは全長697mに及ぶ部分。
内部には順路を示す矢印や、地層の違いを説明するインフォメーションボードがちゃんと設置されています。
一本道なので、迷うこともありません。
広々とした空間が続くエリアから、人一人通るのがやっとな通路まで。
照明が設置されているので真っ暗ではありませんが、他の観光客は誰もいないため、地底に一人で取り残されたような心細さに包まれます。
地質などには全く詳しくないのですが、素人目で見てもエリアによって岩の質感が異なることが分かります。
火山活動によってできた洞窟とのことなので、もっと真っ黒な溶岩が固まったものを想像していたのですが、実際には茶色~灰色の岩が多い印象。
まさにセンター・オブ・ジアースの世界。
音一つない暗闇にたった一人でいることがここまで人を不安にさせるなんて。
約30分ほどかけて、グルータ・ド・ナタルをぐるりと一周することができました。
ようやく入口に戻ってきたときの安心感と言ったら。
地質学的にはとても貴重な場所なのでしょうが、のぶよ的には「一人肝試し」のような体験でした(笑)
とはいえ、火山活動によってできたアゾレス諸島の成り立ちを目で見て学ぶことができるのは確か。
勇気のある人は、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
グルータ・ド・ナタルの入口の目の前にはネグロ湖(Lago de Negro)の絶景が広がっています。
実はこのネグロ湖からは、「ネグロの神秘(Mistérios Negros)」と呼ばれるトレッキングコースが敷かれており、1時間半~2時間ほどで歩くことが可能です。
アップダウンが激しいそうなので、それ相応の覚悟で臨みましょう。
エンショフレ地獄谷
グルータ・ド・ナタルの東5kmほどの場所には、エンショフレの地獄谷(Furnas do Enxofre)があります。
日本の温泉地によくある地獄谷と同様、地中からガスが放出されている場所で、あの「卵の腐ったようなにおい」が漂っています。
地獄谷を囲むように遊歩道が整備されており、美しい緑の風景(と、卵が腐ったようなにおい)の中を散策することができます。
一部では高温の温泉が湧き出しているところもあり、硫黄の濃度が高いためか草木も生えない状態。
こちらの方が、日本の「地獄谷」のイメージに近いかもしれません。
遊歩道をぐるっと回っても20分ほどで一周できます。
見学も自由なので、グルータ・ド・ナタル観光のついでにぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
グルータ・ド・ナタルへのアクセス・行き方/まわり方
グルータ・ド・ナタルへの個人でのアクセスはほぼ不可能?
今回紹介したグルータ・ド・ナタルやエンショフレ地獄谷は、テルセイラ島の内陸部に位置しており、周辺には集落等がないため公共交通手段でアクセスするのは至難の業。
南部のアングラ・ド・エロイジュモ~北部のビシュトイトシュ(Biscoitos)を結ぶEVT社の路線バス11番が走っており、グルータ・ド・ナタルの入口に停車するものの、1日1往復のみという不便すぎるスケジュールです。(時刻表はこちら)
他のバス路線と組み合わせてアクセスすれば不可能ではありませんが、のぶよ的にはレンタカー/レンタバイクで行くか現地ツアーに参加することをおすすめします。
車なしで個人で観光するのはややハードルが高めなテルセイラ島。現地ツアーに参加すれば、移動手段の心配いらずで効率良い観光ができます。
アゾレス諸島名物のホエールウォッチングも絶対にはずせません!
グルータ・ド・ナタル/エンショフレ地獄谷とセットで訪れたい見どころ
エンショフレ地獄谷の東にはもう一つの地底洞窟であるアルガル・ド・カルヴァン(Algar do Carvão)という場所もあるので、興味のある人は訪れてみるのもおすすめです。
しかしながら、結局内部は同じような洞窟なので、のぶよ的にはグルータ・ド・ナタルかアルガル・ド・カルヴァンのどちらか一つの見学で十分だと思います。
このエリアの北側の海沿いに位置するのが、ビシュコイトシュ(Biscoitos)という小さな村。
ワイン博物館があることで有名な場所で、海沿いには岩場を利用した美しい天然プールもあり、テルセイラ島で一番の水質と評判の場所です。
テルセイラ島名物のアルカトラが食べられるローカルレストランもあるので、足をのばしてみてはいかがでしょうか。
おわりに
テルセイラ島の地底の世界に広がるグルータ・ド・ナタルと、大地のパワーが感じられるエンショフレ地獄谷を紹介しました。
二つ合わせても1時間余りで観光できてしまうので、ドライブがてら立ち寄るにはぴったりだと思います。
近郊のビシュコイトシュで名物料理のアルカトラで腹ごしらえをしておくのもお忘れなく!
テルセイラ島の宿泊なら、島の交通のハブ&世界遺産として観光の中心にもなるアングラ・ド・エロイジュモがおすすめ。
美しい町並みのすぐそばには大西洋が広がり、名物料理が食べられるレストランやスーパーも点在しているので、観光拠点としてはとても便利です。
家族経営のペンションやホテルはもちろん、格安で宿泊できるホステルもあるので、どんな旅のスタイルの人にも自分に合った宿泊先が見つかるでしょう。
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