こんにちは!リスボン在住ののぶよです。
「ポルトガルで部屋探し」シリーズももう第三回目。
前回の記事では、自分がどこの町に住むのがいいのか考えていただけたのではないでしょうか。
その上でこの記事を読んでいるあなたは、「高い家賃がなんや!絶対リスボンに住んでやるぜ!」と固く心に誓ったということでしょう。いいと思います、その心意気。
前回までの記事で散々書いてきたように、リスボンに住むにあたって最もネックとなるのが、その家賃の高さです。
ポルトガル人ですら、リスボンで安くていい部屋を見つけるのはかなり大変だというのに、あなたは右も左もわからない外国人。安くていい部屋に巡り合うチャンスはなかなかないものです。
しかし!諦めてはいけません!
人口過密気味で家賃高騰が激しいリスボン市内でも、比較的家賃相場が抑えられているエリアはまだ残っています。だからといって交通が不便だとか危険なエリアというわけではありません。
観光客があまり足を踏み入れないローカルなエリアだからこそ、家主がAirbnbなどの民泊にシフトせずに普通に部屋を貸し出していることが多いんです。
今回の記事では、そんなリスボンの部屋探しにおススメ!家賃安めな穴場エリアをこっそり教えちゃいます。
なお、この記事での家賃相場は一人暮らしのアパートではなく、シェアハウスの一室を借りる際の相場です。エリアごとの家賃相場に関しては同じなのですが、アパートの場合は倍以上の金額がかかると考えましょう。
リスボンのエリア、家賃相場別マップ
今回は、リスボンとその近郊のエリアを、家賃相場ごとに5つに色分けしました。(激高、高め、安め、格安、激安)
- オレンジ : 家賃500ユーロ以上。激高エリア
- 黄色 : 家賃400~500ユーロ。リスボン中心部の平均価格エリア
- 緑色 : 家賃300~400ユーロ。リスボン市内中心部ながら比較的安めのおススメエリア
- 黄緑色 : 家賃250~300ユーロ。格安で市内へのアクセスも良し。おすすめ郊外エリア
- 青色 : 家賃250ユーロ以下。激安エリア
このなかでのぶよがおすすめしたいのは、家賃400ユーロ以下の緑色、黄緑色、青色のエリアです。
平均よりも格安で部屋探しができるエリアなので、予算が限られている方はこれらのエリアで重点的に部屋探しを始めるといいでしょう。
部屋探しはほぼ不可能!家賃高騰エリア
穴場エリアを教える前に、まずは「ここに住むのは不可能!」というくらいに家賃が高騰しているエリアを知っておきましょう。
のぶよ的に不可能な高さというのは、シェアハウスの一部屋で500ユーロ以上を意味します。アパートで一人暮らしだったら900ユーロ以上。
もしもこれらのエリアで、この相場よりかなり安い値段の部屋やアパートを検索サイトで見つけたら、トラブルを避けるためにも、「なんか怪しいぞ」と考えた方がいいかもしれません。 (実は他人と共同の寝室だった、公共料金が含まれていない、そもそも嘘の情報など)
1 バイシャ、シアド (Baixa, Chiado)
超絶観光地なエリアなので、もはや住めない。住めたとしても、毎日観光客で溢れるストリートで日常生活なんて地獄。
2 アルファマ (Alfama)
同じく超絶観光地。リスボンで最も古いエリアという性質上、かなり高い家賃の割に古くて狭い部屋が多い。
3 バイロ・アルト (Bairro Alto)
超絶観光地かつリスボン1のナイトライフエリア。ここに住む意味が思い浮かばない。週末にいくだけで十分。
4 プリンシペ・レアル (Principe Réal)
リスボンで最も家賃が高いと言われる、リッチなゲイ住民が多いエリア。観光エリアではないが、中心部のすぐ隣に位置しているのでかなり便利。
5 カンポ・デ・オウリケ (Campo de Ourique)
ミニ・フランスと揶揄されるように、フランスからの移住者が集まっている。リスボン市内中心部ではなく、地下鉄も走ってないので交通の便はいいとは言えないが、その落ち着いたお洒落な雰囲気に惹かれて住みたいという人が多い。
6 サルダーニャ (Sardanha)
リスボン新市街の南端に位置するビジネスエリア。交通の便がかなりよく、高級ホテルなども多い。リッチな外国人が住むエリア。
7 カスカイス、エストリル (Cascais, Estoril)
予算 400~500ユーロ
ヨーロッパの大都市なら安めの家賃だが、ポルトガルの物価を考えるとかなり高い予算。
逆にこのくらいの予算があれば、比較的便利なエリアである程度のスペックの部屋が見つけられるはず。
1 ベレン (Belém)
世界遺産のジェロニモ修道院やベレンの塔、大航海時代のモニュメントなどがある観光エリア。リスボンしなへは鉄道やトラムで結ばれていて便利。テージョ川沿いに広がる街の開放感は素晴らしいが、一年中観光客で溢れる。
2 サンタ・アポロニア (Santa Apolónia)
リスボン市内中心部に残る最後のローカルなエリア。メトロ青線の終点、サンタ・アポロニア駅があり、観光客で溢れる隣のアルファマ地区の喧騒が信じられないほど静か。予算があるならおすすめ。
3 インテンデンテ (Intendente)
地下鉄緑線が走っているインターナショナルエリア。リスボン中心街まで徒歩でのアクセスも可能で、レストランやお店が立ち並ぶ活気あるエリア。少し前までは治安が悪いことで有名だったが、再開発を経て生まれ変わった。
4 マルケシュ・ドゥ・ポンバル (Marquês de Pombal)
新市街の南西端に位置するビジネスエリア。地下鉄赤線、黄線が走り、どこへ行くのも便利。
5 グラサ (Graça)
アルファマから北へ丘を登ったところにあるエリア。有名なグラサ展望台があり、観光客が多い。中心部にあるにも関わらず家賃が比較的低めなのは、その坂道の急さにありそう。地下鉄はなく、トラム28番を使うことになるが、もはや観光客が多すぎて乗れません。
6 エストレラ (Estrela)
リスボン西部にあるローカルエリア。比較的広いエリアなのに地下鉄は走っていないが、バスやトラムがああるので心配なし。少し前までは家賃が安めなことで有名だったが、もはや過去の話。
7 カスカイス線沿線の町 (Zona na Linha da Cascais)
カイス・ド・ソドレ駅からカスカイスまでを結ぶ近郊鉄道(CP)沿線の町。パレードゥ、カルカベロス、オエイラシュなど海岸沿いに広がる風光明媚な小さな町に住みたい人は多く、家賃は高めに設定されている。
予算300~400ユーロ
多くの人が、リスボン市内で部屋探しをする際に設定する予算はこれぐらい。中心部に住むのは諦めて、少し離れたエリアを探してみると、意外にいい部屋が安めに出てたりする。
とはいっても交通は普通に便利だし、なにより観光客で溢れるエリアから離れてローカルな暮らしができるのがポイント。のぶよ的にリスボンで比較的家賃を抑えながら滞在できるおすすめエリア。
1 カンポリード (Campolide)
何を隠そう、のぶよがリスボンで始めて住んだエリア。地下鉄は通っておらず、バスでのアクセスとなるので交通の便は良いとは言えないが、リスボン市内の端で静かな生活を送りたい人にはおすすめ。
ただ、夜8時以降に空いているお店はほぼゼロなので注意。そして、リスボンと郊外を隔てる谷に面しているため、いつでも風が強いのもマイナスポイント。
2 アロイオス、アンジョス、ペーニャ・ダ・フランサ (Arroios, Anjos, Penha da França)
リスボン中心部に比べてレストランなどの物価も安めでスーパーマーケットも複数ある、住むには抜群の環境を誇るエリア。
3 アルカンタラ (Alcântara)
4 カンポ・グランデ (Campo Grande)
リスボン中心部まで地下鉄の緑線と黄線で簡単にアクセスできるカンポ・グランデは、新市街の中心部でもあるので生活に困ることはありません。
5 オリヴァイシュ (Olivais)
市内北東部、地下鉄レッドラインのオリエンテ駅近くに広がる住宅街。オリエンテには大型ショッピングセンターがあって買い物には困ることがない。リスボン市内、空港のどちらへもアクセスがしやすいものの、空港のすぐそばなので、飛行機の騒音はかなりのもの。
6 アルジェーシュ (Algés)
予算250~300ユーロ
リスボン市内は諦めて、少し離れた郊外で生活するならこのくらいの予算が妥当。
郊外だからといって不便なことはなく、地下鉄や路線バス、近郊鉄道などでリスボン中心街へ簡単にアクセスできるのがうれしい。
観光客はまず来ることのないエリアなので、英語の通用度は上記のエリアに比べて格段に下がります。しかし、ポルトガルのリアルな生活に触れながら生活するならかなりおすすめのエリア。
1. 2. 3.市内北部(ベンフィカ、アマドーラ、オディヴェラシュ) (Benfica, Amadora, OIdivelas)
多くのポルトガル人学生やファミリーが住む、リスボン新市街エリア。いずれも地下鉄の駅があり、リスボン中心部へのアクセスも不便を感じることはない。
生活エリアなので、スーパーマーケットやショッピングセンターの充実度はリスボン髄一。ベンフィカのCentro Colombo、アマドーラのDolce Vita Tejoなど郊外型のショッピングセンターは多くの地元民やリスボン市民でにぎわっていて、なんでも揃う。地下鉄イエローラインの終点であるオディヴェラシュは、リスボン郊外北部へのバスが発着するターミナルになっている。
4 シントラ線沿線の町 (Zona na Linha de Sintra)
リスボンのど真ん中にあるロシオ駅から発着する近郊鉄道、(CP)のシントラ線沿いに連なる小さな町も低予算でそれなりの部屋を探しやすい。基本的に移動手段は鉄道だけとなるが、リスボン中心部まで乗り換えなしでアクセスできるのはかなり便利。
シントラ線の終着駅であるシントラの町は、リスボンからの人気の日帰り観光地。したがって、家賃はこの相場より高く、300~400ユーロほど。
シントラ線は観光客の利用がかなり多いため、常に混雑しているのはマイナスポイント。しかし、沿線の小さな町で安く静かに生活したいなら一考の価値があるのでは。
予算250ユーロ以下
リスボン市内には何があっても住めないであろう予算しか確保できない場合は、郊外に住むことになります。テージョ川を挟んだ南岸に広がるアルマダの町は、リスボン市内まで船やバスでアクセスできて便利。
リスボン郊外へは基本的にバスでのアクセスとなってしまうリスボン郊外エリア。家賃はかなり安く、200ユーロ以下で部屋探しをすることも可能だが、リスボン市内までの交通費が他のエリアに比べると多くかかるのが一番のデメリットかもしれません。
1 テージョ川南岸 (アルマダ) (Sul de Tejo, Almada)
高騰を極めるリスボンでの生活を諦めて、近年多くの人が引っ越し先として選ぶアルマダの町。共同住宅が立ち並ぶ典型的な郊外の景観はお世辞にも美しいとは言えないものの、距離的にはテージョ川を挟んでリスボンの目と鼻の先。地下鉄は走っていないものの、アラメダの市内はトラムが走っていて便利。
リスボンへのアクセスは、テージョ川を渡る船を利用する人が多いが、地下鉄やバスの料金よりも少し高いのがネックでしょう。家賃相場は200~250ユーロ程度とかなり安め。
コスタ・ダ・カパリカなど南岸のビーチへのアクセスは簡単なので、シティーライフとビーチライフをバランスよく低予算で味わうならかなりおススメのエリア。部屋探しもかなりしやすいです。
2 リスボン郊外 (Fora da Zona de Lisboa)
リスボンの北部に広がる郊外都市や小さな町での生活も考えてみるべきでしょう。リスボン市内までのアクセスは基本的にバスになり、本数もあまり多くはないのでアクセス面での不便感は否めません。しかし、家賃相場200ユーロ以下というのは大きな魅力でしょう。
基本的に自分が住んでいる町が生活の拠点となりますが、リスボン市内まで1時間以内でアクセスできるので、気が向いたときに都会の空気を味わえるのもうれしいポイント。ただしリスボンからの帰りの最終バスの時間は早めなので気を付けて。
リスボンの近くで、家賃を抑えながら田舎暮らしにチャレンジするにはおすすめのエリアです。
おわりに
いかがでしたか。探してみると、リスボン市内でもまだまだ家賃を抑えて部屋探しができるエリアは残っています。ただ、リスボンの家賃上昇は本当にすさまじく、1~2年前の相場と単純に比較できないほどになっています。
上記で紹介したエリアも、ひょっとすると1年後には大人気エリアになっていて、家賃相場が上がっている可能性も十分あります。部屋探しはタイミングが命。安い部屋を見つけたら、チャンスを逃さずにコンタクトしてみましょう。
全5回の「ポルトガルで部屋探し」シリーズも3回目となりました。
ここまでの記事を読んだ方は、部屋探しに必要な知識も得て、住みたい町やエリアもなんとなくピックアップできたのでは。
次回の記事では、実際に部屋探しをするためのおすすめサイトを紹介します。のぶよが実際に使ったことがあるものばかりなので安心して部屋探しが始められるはず!
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