こんにちは!ジョージア滞在も2年半、世界半周中ののぶよ(@nobuyo5696)です。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)
これまで訪れた国や地域で食した料理を再現&レシピをシェアする新企画が「のぶよキッチン」。
今回は、ジョージア西部で食べられる絶品の魚料理・マスのキンズマリを特集します!
ジョージアではあまり魚を細かく分類する文化が根付いておらず、「魚のキンズマリ」という意味の「テヴジ・キンズマルシ」(Tevzi Kindzmarsh / თევზი ქინძმარშ)と呼ばれるのが普通です。(このあたりの大雑把さはとてもジョージアっぽい)
どんな魚を使ってもOKなのですが、ジョージア西部で使用されるのは「カルマヒ」(Kalmakhi / კალმახი)と呼ばれる川マスの一種。
カルマヒは日本のアユやイワナに近い種だそうで、淡白な味わいとほのかな甘みが特徴的です。
この料理の最大のポイントが、料理名になっている「キンズマリ」(Kindzmari / ქინძმარი)というソース。
ジョージア語で「キンジ(Kindzi / ქინძი)=パクチー」/「ズマリ(Dzmari / ძმარი)=お酢」の意味で、その名の通り大量の刻みパクチーとお酢を混ぜたソースです。
特にジョージア西部のキンズマリソースには大量のくるみを用いたペーストがベースになっていることが多く、このソースがとにかく革命的に美味しいのです。
今回は魚を用いていますが、肉料理やサラダに合わせても絶対に美味しいはず…!
というわけで今回の記事は、川マスのキンズマリのレシピを紹介するもの。
ジョージア西部のバトゥミの食堂で食べた感動の味を完全再現しています!
これまでの旅の中で食した絶品料理の数々を、地元の人に教えてもらったレシピで再現する企画が「のぶよキッチン」。
「本場の味をそのままに」をコンセプトに、できる限り現地のレシピそのままにお伝えしていますが、日本でも再現しやすいアレンジTipsもふんだんに盛り込んでいます!
ジョージア料理の「川マスのキンズマリ」とは?基本情報&材料
・調理時間:20分
・材料費:約1000円(4人分)
・お手軽度:★★☆☆☆
・日本での再現しやすさ:★★☆☆☆
川マスのキンズマリの調理法は、キンズマリソースを作って焼いた魚にかけるだけの簡単ステップ。
おさかな天国の日本なら、魚焼きグリルなどもポピュラーでしょうし、魚の調理に関しては問題ないでしょう。
ネックとなるのは、キンズマリソースに不可欠となるくるみのソース「バジェ」。
日本ではまず市販されていないですし、自家製するとなると独自のスパイスが必要&フードプロセッサー必須など、やや再現のハードルは高めかもしれません。
とはいえ、バジェソースはくるみさえ手に入るなら、スパイス等を別のもので代用してもそれなりの出来になるのがポイント。
バジェソースは他のジョージア料理にも応用が利くため、あらかじめ多めに作っておいて冷蔵庫に保存しておくのがおすすめです!
【基本の食材】
・お好きな魚:人数分 ※注①
・魚の下味用スパイスミックス:15g × 人数分 ※注②
・サラダ油:大さじ1
【キンズマリソース】
・基本のバジェソース:40ml × 人数分 ※注②
・塩:適量
・ワインビネガー:10ml × 人数分
・パクチー:2株 × 人数分 ※注④
※注①:本レシピでは伝統的なカルマヒ(川マス)を用いていますが、手に入りやすい魚ならなんでもOK。個人的には白身魚の方がキンズマリソースとの相性が良いように思います。
※注②:ジョージアで魚の下味付けに用いられるスパイスは家庭やお店によってさまざま。のぶよは【スヴァネティ塩:コリアンダーシードパウダー:ウツホスネリ:クミンパウダーを2:1:1:2】の割合くらいでミックスしましたが、手に入りやすいスパイス&お好みの調合でOK。クミンを少々入れるだけでもぐっと現地の味に近づきます!
※注③:バジェソースとは、ジョージアのくるみのソースのこと。フードプロセッサーさえあれば10分足らずで作れます。
バジェソースは他のジョージア料理にも使えて汎用性が高いので、多めに作っておいて冷蔵庫で保存するのがおすすめ。応用しやすいように味付けを最低限におさえた「基本のバジェソースのレシピ」は別記事で解説しています!
※注④:パクチーが苦手な場合はイタリアンパセリ等で代用することになるでしょうが、キンズマリソースはパクチーの風味がポイントとなるソース。出来上がりは意外に独特のクセは控えめなので、ぜひともパクチーを使用するのがおすすめ!
川マスのキンズマリのレシピ・作り方
①川マスの内蔵を取り除き、下味をつけ30分放置
まずは、新鮮な川マス(もしくはお好きな魚)の腹の部分に切れ目を入れ、内臓を全て取り除いて綺麗に水洗いします。
水洗いした魚はキッチンペーパー等で水気を丁寧に拭き取っておきましょう。
水気を拭き取った魚の外側と内側に、魚の下味用スパイスミックス(15g × 人数分)をまんべんなくまぶして手で馴染ませ、冷蔵庫で30分ほど放置します。
②「基本のバジェソース」を作る
川マスに下味をつけて30分待っている間に、キンズマリソースのベースとなる「基本のバジェソース」(40ml × 人数分)を作っておきましょう。
③基本のバジェソースをキンズマリソースに
基本のバジェソースが出来上がったら、根元と太い茎の部分を取り除いたパクチー(2株 × 人数分)とワインビネガー(10ml × 人数分)、塩(適量)をフードプロセッサーに投入します。
パクチーの量は完全にお好みとなりますが、せっかくなら大量に入れるのが◎
ワインビネガーと塩の量もお好みで調整してOKですが、本場ジョージア西部のキンズマリソースはお酢の酸味を強めに感じる/塩気は控えめです。
基本のバジェソースにはすでにワインビネガーが入っていますが、ちょっとした風味付け程度の量でしかありません。
キンズマリソース独自の酸味を出すために、ここではバジェソース作りのステップとは別に、さらにワインビネガーを入れます。
ときどき味見をしながら、緑がかった白色のシャバシャバした質感になるまでフードプロセッサーにかけましょう。▼
④たっぷりの油で魚を揚げ焼きにする
魚に下味がついてキンズマリソースの準備ができたら、いよいよ魚を調理するステップ。
フライパンにサラダ油(大さじ1)を敷いて中火で熱し、魚を焼いていきます。
両面にこんがりと焼き目がついて、中までちゃんと火が通るまで、およそ7分ほどが目安。
魚の皮がくっつかないように細心の注意を!
魚焼きグリルがある場合は、使用する方が断然ラクなのでおすすめ。
その場合は、サラダ油少量を魚の両面に塗ってから焼くようにしましょう。
⑤焼き上がった川マスにキンズマリソースをたっぷりかけて完成!
こんがりと焼きあがった魚を器に移し、キンズマリソースをたっぷりとかければ完成です。
お好みで刻みパクチーをふりかけても◎
おわりに:川マスのキンズマリの美味しい食べ方
▲ というわけで、川マスのキンズマリの完成形がこちら!
もうですね…言葉はいりません…
こんがりと焼けたマスの外側はさっくりと香ばしく、内側はふわっふわの白身の極上食感。
スパイスの芳醇な風味がしっかりと効いており、マス本来の甘味も感じられます。
そしてなによりも、この料理のポイントであるキンズマリソースの美味しさ。
くるみの濃厚な風味とお酢の酸味、各種スパイスが醸し出す複合的な味わいとパクチーの清涼感溢れる風味が見事に融合し、とても上品で奥行き深い味わいとなっています。
「ジョージア料理=大味」というイメージがどうしてもありますが(そしてそれはまあ正しいですが)、それが大きく覆されるほどの繊細な味わいが感じられます。
ジョージアでは「キンズマリソース=魚にかける」という感覚が根強いように思いますが、肉でも野菜でも乾物でも、正直何にでも合うと思います。
お酢を用いる機会が多い日本食との相性も抜群だと思いますし、ポン酢の代わりに使ってみるのもアリかも…!
ベースとなるバジェソースさえあらかじめ作っておけば、パクチーとお酢を加えるだけでキンズマリソースが出来上がるのも嬉しい点。
ジョージア西部の豊かな食文化を象徴する一品を、日本でもぜひ再現してみては?
これまでの旅の中で食した絶品料理の数々を、地元の人に教えてもらったレシピで再現する企画が「のぶよキッチン」。
「本場の味をそのままに」をコンセプトに、できる限り現地のレシピそのままにお伝えしていますが、日本でも再現しやすいアレンジTipsもふんだんに盛り込んでいます!
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