こんにちは!日本で10番目くらいにポルトガルに詳しいと自負しているのぶよです。
最近日本でも話題の、ヨーロッパ最西端の国・ポルトガル。
この美しい国を訪れる旅行者の数も徐々に増えつつあり、独特の文化やのんびりした雰囲気、ヨーロッパらしい可愛い町並みに多くの人が魅力されます。
ポルトガルと聞くと、温暖でいつも天気が良いイメージが何となく浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
それは間違いではありません。
日本よりも寒く天気が悪い国が多いヨーロッパの中では、ポルトガルの気候はとても穏やかで過ごしやすいです。
とは言っても、ここはやっぱりヨーロッパ。
季節によって雨が降ることもありますし、地域によっては冬場は冷え込む所もあります。
また、ポルトガルは小国ではあるものの、北部、中部、南部と場所によって気候が大きく変わるのもポイントです。
今回の記事では、ポルトガル在住者ののぶよが、実際に経験した春夏秋冬それぞれの気候を解説していきます。
それぞれの季節の項では、北部(ポルト)、中部(リスボン)、南部(ファロ)の平均最高/最低気温と降水量を掲載しています。
それぞれの季節に撮影した写真も載せているので、人々の服装や雰囲気などがわかるはず。
結論から言うと、ポルトガルは一年中どの季節でも気候に合わせた楽しみ方ができる楽園のような国です!
ポルトガル旅行の季節:春(3月〜5月)
3月 | 4月 | 5月 | ||
ポルト(北部) | 最高/最低気温(℃) | 15.9/7.6 | 17.8/8.9 | 19.3/11.1 |
降水量(mm) | 87 | 110 | 89 | |
リスボン(中部) | 最高/最低気温(℃) | 17.5/10.1 | 19.4/11.5 | 21.9/13.2 |
降水量(mm) | 72 | 53 | 41 | |
ファロ(南部) | 最高/最低気温(℃) | 18.3/9.3 | 19.7/10.8 | 22.1/13.0 |
降水量(mm) | 50 | 36 | 24 |
のぶよ的には、ポルトガルには春は存在しないと思います。
というのも、昨日まで冬のどんよりした天気だったと思ったら一転。
一気に気温が20℃台となり、春を感じる間すらないためです。
リスボン、コインブラなどの中部やファロなどの南部に関しては、灼熱過ぎず安定した気候の下で旅行が楽しめる春はベストシーズンだと言えるでしょう。
天気が不安定なポルトなどの北部で晴れ間が多くなるのは5月中旬頃。
特に3月はほとんど雨が降ると考えておいた方がいいでしょう。
3月のポルトガル:△
ポルトガルの春の訪れは早く、2月後半には燦々と降り注ぐ太陽が照り付け、春を感じさせる暖かな陽気となる日が続きます。
しかしながら、3月に入ると天候は不安定になります。
一日のうちでも、雨がザーッと降ったと思ったら太陽が顔をのぞかせるといった感じ。
3月でも晴れた日の日中は20℃を超える日もあり、冬服では暑く感じるほど。
ビーチへ行けるような天気の日も珍しくありません。
(大西洋の水はかなり冷たいですが、泳げないこともありません。)
日中の暖かさが嘘のように、夜間は気温が下がるのもこの時期。
とはいっても、せいぜい10℃を下回る程度なので、ヨーロッパの中ではかなり温暖であると言えます。
4月のポルトガル:◎
4月に入ると、一気に気温が上がるポルトガル。
北部では引き続き雨が多いものの、中部や南部では晴れる日が多く、かなり快適な気候となります。
4月も後半に入ると、もう初夏の陽気。
冬服の出番はもはやゼロになり、半そで半ズボンでも全く問題ないほどです。
5月のポルトガル:◎
5月に入ると最高気温が20℃台後半になることも多く、一足先に夏が感じられるのがポルトガル。
南部のアルガルヴェ地方では、4月中旬には夏本番のような陽気となり、観光客が徐々に増えていきます。
反対に、ポルトなどの北部では引き続き不安定な天気のことが多く、降水量も多めですが、5月も中旬に差し掛かるころはようやく夏の陽気がやってきます。
日本のゴールデンウィーク(5月前半)は、ちょうどポルトガル全土が春から初夏に移るとき。
雨が降る確率も少なく、まだまだ猛暑とまではいかないような快適な季節です。
ポルトガル旅行の季節:夏(6月〜9月)
6月 | 7月 | 8月 | 9月 | ||
ポルト(北部) | 最高/最低気温(℃) | 22.4/13.6 | 24.4/14.7 | 24.7/14.6 | 23.4/13.8 |
降水量(mm) | 42 | 15 | 23 | 63 | |
リスボン(中部) | 最高/最低気温(℃) | 24.7/15.6 | 27.4/17.5 | 27.8/17.6 | 26.3/16.9 |
降水量(mm) | 20 | 3 | 5 | 5 | |
ファロ(南部) | 最高/最低気温(℃) | 25.4/15.9 | 28.6/18.0 | 28.8/18.2 | 26.8/17.1 |
降水量(mm) | 12 | 1 | 1 | 15 |
一般的にポルトガル旅行のベストシーズンとされる夏ですが、のぶよ的にはあまりおすすめしません。
データ上では気温がそこまで上がるようには見えませんが、夏場のポルトガルの日差しは殺人的なためです。
ヨーロッパ中からバカンス客が押し寄せる7月~8月は、人の多さと暑さも相まってかなりしんどいものがあります。
ただ、ポルトガル全土を通して雨が降る可能性は限りなくゼロに近いので、天気重視の人にはおすすめです。
6月のポルトガル:◎
5月までぐんぐんと上がってきた気温は、6月になっても引き続き上がり続けます。
日本のような梅雨がないポルトガルでは、6月はもう夏本番。
週末のリスボン周辺のビーチは地元の人々で賑わい、それまでは閑散としていたビーチ沿いのバーやレストランにも活気が戻り始めます。
ポルトガル名物のイワシの炭火焼きの旬であるのも6月〜7月。
町を歩いていると、七輪を使って炭火でイワシを焼く香りが、各家庭のベランダから漂ってきます。
7月、8月のポルトガル:○
6月、7月、8月を通して、雨がほとんど降らないポルトガル。
冗談ではなく、一滴も降らない年も多いほどです。
そのため、水不足や山火事などの問題が毎年のように起こるのもこの時期です。
7月、8月を通して、ポルトガル全土で気候は全く同じ。
突き抜けるような青空が毎日広がり、灼熱の太陽が照り付けます。
とにかく暑く、普通に観光するだけでもかなり体力を使うこととなるのと、ヨーロッパ中から観光客が押し寄せて混雑する夏場は、のぶよ的にはあまり観光におすすめできる季節ではありません。
しかしながら、日本の夏と異なり湿度は低めなので、日陰に入れば案外快適に過ごせるのもポイント。
日が沈むと気温20℃前後になり、乾燥した快適な夏の夜を過ごすことができます。
9月のポルトガル:◎
9月に入っても全く秋の気配は訪れないポルトガル。
引き続き30℃以上の猛暑が続きます。
気候自体は真夏のままなものの、観光客の数がぐっと減る穴場の時期が9月。
日本のシルバーウィーク(9月後半)頃には気温も少々下がり、ポルトガル全土で快適で落ち着いた天気が続くベストシーズンです。
ポルトガル旅行の季節:秋(10月〜11月)
10月 | 11月 | ||
ポルト(北部) | 最高/最低気温(℃) | 20.5/11.2 | 16.3/8.1 |
降水量(mm) | 141 | 157 | |
リスボン(中部) | 最高/最低気温(℃) | 22.6/14.8 | 17.9/11.4 |
降水量(mm) | 71 | 106 | |
ファロ(南部) | 最高/最低気温(℃) | 23.3/16.4 | 29.3/11.0 |
降水量(mm) | 58 | 75 |
春と同様に、ポルトガルの秋はほぼ存在しないかかなり短いのが特徴です。
気温は徐々に下がっていくものの、日差しが照り付ける昼間は10月に入っても夏の雰囲気のまま。
11月になると雨の日が多くなるものの、まだまだ冬服を着るには早いという印象です。
10月のポルトガル:前半◎/後半△
長い夏がようやく終わりをつげるのは、10月も半ばに入るころ。
それまで毎日晴天が続いていたのが嘘のように、雨の日が多くなります。
とはいっても、灰色の雲に覆われて一日中雨が降り続くことは稀。
春と同様に、一日の中で晴れたり雨が降ったりを繰り返すような日が多いです。
南部では引き続き快晴の日が続き、日中の気温も25℃以上ある日がほとんどなので、まだまだビーチを楽しむことができます。
この時期になると、夏場のバケーション客の数が夢だったかのように静かになるので、南部ポルトガルのビーチ目的なら10月は狙い目かもしれめせん。
反対に、ポルトなど北部ではまとまった雨の日が多くなります。
ポルトガル他地域とは異なり、一日中雨のことも多いですが、快晴が続くこともあります。
11月のポルトガル:△
ヨーロッパの他の国では冷たい風が吹きつけて冬を感じさせる11月も、ポルトガルではかなり穏やか。
全土で雨の日は格段に多くなるものの、気温はそこまで下がりません。
観光客の数は激減し、どこの町も静まり返るこの時期。
のぶよ的には、ポルトガル本来の素朴でのんびりとした雰囲気が味わえる穴場の季節だと思います。
(天気に恵まれさえすれば)
ポルトガル旅行の季節:冬(12月〜2月)
12月 | 1月 | 2月 | ||
ポルト(北部) | 最高/最低気温(℃) | 13.5./5.7 | 13.2./5.1 | 14.2/5.4 |
降水量(mm) | 50 | 157 | 130 | |
リスボン(中部) | 最高/最低気温(℃) | 15.0/9.3 | 14.8/8.6 | 15.7./9.2 |
降水量(mm) | 104 | 53 | 62 | |
ファロ(南部) | 最高/最低気温(℃) | 16.7/8.6 | 16.0/7.8 | 16.7./8.5 |
降水量(mm) | 84 | 87 | 58 |
12月のポルトガル:△
ポルトガルにいて冬を感じさせるのは、12月に入ってからのこと。
それまでも不安定だった天気が更に不安定となり、雨や曇りの日が格段に多くなります。
天気の良さが取り柄の南部でも同様で、さすがにビーチに行くには寒すぎる日が続きます。
北部の冬の天気の悪さは折り紙付きで、ほぼ毎日雨だと断言しても問題ないほど。
ポルトガル全土で天候が不安定になる冬場ですが、気温はそこまで下がりません。
山の標高が高い地点を除いて雪が降ることは全くなく、気温が氷点下を下回る可能性もゼロです。
リスボンでは真冬でも最高気温は10℃以上はあり、最低気温も5℃を下回る日はないため、日本よりも温暖であると言えます。
ポルトガルでは、クリスマスから年末年始にかけては、多くの人が外出する時期。
リスボンでは年越しカウントダウンイベントが開かれますが、最低気温は8℃ほどあるため、深夜でも冬物ジャケット一枚だけでも防寒はばっちりなほどです。
(人々の熱気のためでもあるかもしれませんが)
1月のポルトガル:〇
年が明けると、ポルトガル中部や南部では比較的晴れの日が多くなるのも特徴的。
冬場のポルトガルは天候も不安定で、海沿いの店などはクローズするところも多いため、のぶよ的にはこの時期はあまり観光には向かないと思います。
また、ポルトガルの一般家庭には冷暖房が完備されているところは稀。
ホテルならまずエアコンくらいはありますが、アパートなどを短期で借りる場合は暖房があるかしっかり確認することをおすすめします。
天気の良い日には、たとえ1月であろうとビーチ沿いで冷たいビールが楽しめるのがポルトガル。
気温が18℃以上の日には普通に泳いでいる人も見かけるほどです。
2月のポルトガル:前半△/後半〇
2月前半のポルトガルは、引き続き冬の不安定な天気が続きます。
どんより曇った日もあるものの、雨が一気に降っては快晴となったり、という日も珍しくありません。
2月全体を通して寒さを感じる日は少なく、後半に入ると春を感じるような暖かな陽気の日が続きます。
北部に関しては、「ヨーロッパの冬」といった感じのどんよりした冷たい冬の天気の日が多く、かなりの確率で雨となるので、この時期はあまりおすすめできません。
ポルトガル旅行のベストシーズンは…?
1年を通して温暖なポルトガル。
北部を除けば降水量は年間を通してかなり少なく、比較的いつでも旅行を楽しむことができる国です。
のぶよ的にポルトガル旅行のベストシーズンとして挙げられるのが、5月と9月後半〜10月前半。
町歩きをすると少し汗ばむくらいの陽気で、真夏のような灼熱ではないことが一つと、雨に降られる可能性が少ないこと、またハイシーズンに比べると観光客の数が劇的に少ないことが理由として挙げられます。
ビーチ目的なら、6月〜9月に敵うものはありません。
ただし、7月中旬〜8月中旬はヨーロッパ全土からバケーション客が大量に押し寄せて、ポルトガル本来の素朴な魅力が霞んでしまうのが残念。
特に南部のアルガルヴェ地方はただのイギリスの植民地状態(総じてマナーが悪い奴ばかり)となるので、全くおすすめできません。
逆に、避けた方がいい時期は3月と11月。
気温はそこまで低くはないものの、かなり雨が多くなるためです。
リスボンやポルトなど急坂に石畳が連なる町の観光は、雨が降ったら最悪。
かなり滑りやすくなり、転倒して怪我をする観光客が続出します。
のぶよ的に、ポルトガルは天気の良さだけが取り柄だと思っているので(笑)、どうか良い時期を選んでお越しください。
おわりに
日本とはかなり異なるポルトガルの四季を、在住者の経験から解説してきました。
総合的に日本よりも温暖で、過ごしやすいポルトガル。
気候だけでなく、のんびりした素朴な雰囲気や、魚介類・米中心の豊かな食文化、大航海時代の哀愁漂う町並みなど、日本人のツボをこれでもかと押さえた稀有な国です。
ポルトガル旅行のベストシーズンが、ゴールデンウイークやシルバーウイークなど、日本の大型連休とちょうど重なるのもポイント。
もう、行かない理由が見つかりませんね!
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