こんにちは!元ポルトガル在住ののぶよ(@nobuyo5696)です。
ポルトガル北部に位置するポルト(Porto)は、リスボンに並んで観光客に人気がある町。
ドウロ川沿いの切り立った斜面にひらけた町は、ポルトガルらしいノスタルジックな雰囲気でいっぱいです。
そんなポルトですが、地元では「ハリー・ポッターシリーズに大きな影響を与えた町」として有名なのはご存じでしょうか。
映画のワンシーンのモデルになったと言われる書店や塔から、原作者が実際に時を過ごしたカフェまで。
ポルトの町にはハリー・ポッターの作品にインスピレーションを与えたであろう場所が多く存在しているのです。
今回の記事では、ポルトの人々に愛されるハリーポッターゆかりのスポットを紹介していきます。
知られざるハリー・ポッターとポルトの関係とは?
そもそも、どうして「ポルトがハリー・ポッターシリーズの誕生に大きく関わっている」と言われているのでしょうか。
原作、映画ともに大ヒットとなり、世界的ブームを巻き起こしたハリー・ポッターシリーズ。
特に、原作者のJ.K.ローリング氏の出身であるイギリスでは、実在するキングス・クロス駅やホグワーツ城のモデルとなったと言われる城塞など「ハリー・ポッターゆかりの場所」とされるスポットが数多くあり、もはやどれが本当でどれが後付けなのかわからなくなってしまっているほど。
一方でポルトがハリー・ポッターゆかりのある場所であるという点はあまり知られていません。
実は原作者のJ.K.ローリング氏は、1991年~1993年の約二年間、ポルトに滞在し、英語教師として働いていたのです。
もちろん彼女がシングルマザーとなり、ハリー・ポッターシリーズが生まれる前の話ですが、ポルト滞在中に全7作の児童文学の構想を得て、そのプロットを考えていたというのは有名な話。
一説には、ポルト滞在中に第一作目となる「ハリー・ポッターと賢者の石」の中の一章である「みぞの鏡」を、すでに書き上げていたとも言われています。
それがのちのハリー・ポッターシリーズとして世界を席巻するなんて、若き英語教師は夢にも思わなかったのでしょう。
ポルトの町には、彼女に作品のインスピレーションを与えたと言われる場所が、本家イギリスにも負けないほど数多く残っており、こちらもどこまでが真実なのかは闇の中。
しかしながら、実際に町を歩いていると、確かにハリー・ポッターシリーズの空気感が感じられる場所が多くあるのは事実。
信じるか信じないかは、あなた次第。
若きJ.K.ローリング氏の足跡をたどる、ポルトの街歩きへと出かけてみましょう。
1. J.K.ローリングが通ったMajestic Café
ポルトのハリー・ポッターゆかりの地として最も有名なのが、新市街にあるMajestic Caféと言うダイニング・カフェ。
レトロな外観が素晴らしいですが、内部はとてもゴージャスな雰囲気です。
このお店にまつわるエピソードの一つに、
「J.K.ローリング氏が店内でコーヒーを飲んでいる際に、作品の一部が思い浮かび、テーブルにあったナプキンに書き連ねた」
というものがあります。
ポルトガルのみならず世界的に有名になったこのエピソード。
現在では多くの観光客が訪れるスポットとなり、みんなテーブルの上のナプキンに何かを書いていきます。
超観光地となってしまったMajestic Caféのお値段は、完全なる観光地価格。
地元の人の姿は皆無で、アジア系の旅行者のたまり場のようになっているのが少々残念なところ。
2.魔法の書店の世界がそこに!レロ書店
続いては、こちらも超有名観光スポットとなった場所。
新市街にあるレロ書店(Libraria Lello)です。
アンティークな内装の小さな古書店を有名にしたのは、映画「ハリー・ポッター」に出てくるダイアゴン横丁内の「フローリッツ・アンド・ブロッツ書店」そっくりな雰囲気でした。
美しい曲線美の階段を中心とした店内は、確かにハリー・ポッターの雰囲気そのまま。
階段以外の場所も素晴らしい雰囲気で、書店というよりも博物館のようです。
例に漏れず、超有名観光地となってしまったレロ書店。
いつ行っても多くの観光客でいっぱいなので、魔法の書店らしいミステリアスな雰囲気を味わうのはなかなか難しいかもしれません。
入場チケットの購入方法など少々独特なので、見学するなら事前のプランニングが大切になってきます。
3.アズカバンの囚人の脱出劇の舞台?クレリゴスの塔
ポルト市内のどこからでも見ることができるクレリゴスの塔(Torre dos Clérigos)も、ハリー・ポッターゆかりの地として有名な場所です。
ハリー・ポッターシリーズの第三作目「アズカバンの囚人」で、魔法省によりホグワーツの塔の上の一室に監禁されていたシリウス・ブラックを、ハリーとハーマイオニーが逆転時計を利用して救出するという感動のシーン。
その中で、「シリウスが囚われていた塔のモデルとなったのでは」と囁かれているのが、こちらのクレリゴスの塔なのです。
ポルト新市街西側に位置するクレリゴスの塔は、ポルト観光の際には必ず通る場所。
1763年建造の歴史ある塔には登ることができ、ポルト市内を一望する絶景が広がります。
4.今にも吸魂鬼が現れそう?ポルト旧市街
古い建物が連なるポルト旧市街は、J.K.ローリング氏が休日に散策を楽しんだ場所。
その町並みの美しさも魅力的ですが、ハリポタファンなら日が暮れてからの散策は外せません。
オレンジの街頭に照らされた石畳の狭い路地は、雰囲気たっぷり。
ハリーたちが週末に訪れたホグズミード村のようにも、ダイアゴン横丁のようにも見えなくもありません。
作品内に登場する闇の魔法使いたちが集うノクターン横丁のような雰囲気も感じられる場所も。
暗闇から吸魂鬼(ディメンター)が現れてきそうでドキドキします。(しないか)
J.K.ローリング氏も歩いたポルト旧市街の町並みは、当時から何も変わらないまま。
「ルーモス、光よ!」なんて言いたくなるほどにほの暗い路地が連なるポルト旧市街ですが、治安は悪くないので夜のお散歩も安心して楽しめます。
5.コインブラ大学(コインブラ)
ポルト市民の間では、「ポルト大学が作品内のホグワーツ魔法学校のモデルとなったのでは」と言われていますが、のぶよ的には完全にコインブラ大学だと思います。
ポルトガル中部のコインブラにある世界遺産のコインブラ大学は、歴史ある建物が現役の学びの場として利用されている場所。
卒業生が集う「帽子の間」、かつてはラテン語で離すことが義務付けられていた「ラテン回廊」などは、魔法学校の雰囲気たっぷりです。
特筆すべきが、コインブラ大学の学生は現在でも、足元までを覆う黒いローブを着用している点。
このローブが「ホグワーツの制服のモデルになったのでは?」なんて囁かれています。
大学の入口の門には、ローブの切れ端が結び付けられています。
これはコインブラ大学の伝統。
卒業式の際に、女子学生は好きな男子学生のローブの切れ端をもらって括り付けるというものです。
ローブがボロボロになっている男子学生ほど、モテている証だそう。
日本の「制服の第二ボタン」に似たものが感じられます。
コインブラ大学には、映画「美女と野獣」の図書館のシーンのモデルになったと言われるジョアニア図書館もあり、こちらも含めて必見。
映画の世界に迷い込んだような旅ができそうです。
まだまだある!ハリー・ポッター作者ゆかりのスポット
ライオンの噴水
先に紹介したクレリゴスの塔やレロ書店の近くにあるライオンの噴水(Fonte dos Leões)。
ハリーたちが所属していたグリフィンドール寮の紋章であるライオンのモデルとなったのでは、と言われています。
クリスタル・パレス庭園
ポルト中心街から西に500mほどの場所に位置するクリスタル・パレス庭園(Jardins do Palácio de Cristal)は、緑あふれる庭園に数々の彫刻が点在している場所。
J.K.ローリング氏はこの庭園をよく訪れていて、作品のアイディアをメモしていたとされています。
地元の人の間では、ホグワーツ魔法学校の裏手にある「禁じられた森」のインスピレーションを与えたのでは?と囁かれています。
Swing Club
新市街の外れにあるナイトクラブ・“Swing Club”は、ローリング氏が週末に通ったことで知られています。
ハリー・ポッターの作品内にもダンスパーティーやパブ「三本の箒」などナイトライフに関するものがたくさん出てきますが、もしかしたらそのベースはこのお店で形作られたのかもしれません。
ポルトから周辺の見どころをまわるなら現地ツアーが便利で快適。
個人では行きにくい世界遺産のドウロ渓谷や、ポルトガル北部の小さな町を訪れてみては?
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おわりに
今回紹介したポルトのハリー・ポッターゆかりのスポットを上の地図にまとめました。
もはや有名になりすぎた作品とだけあって、色々な尾ひれがついた話が広まっている感は否めませんが、J.K.ローリング氏が若き頃の2年間をこの町で過ごし、作品のアイディアを練っていたのは紛れもない事実。
本当かどうかは別にしても、まるで映画の世界そのままの町並みにはきっと感動間違いなし!
ポルト滞在中に、是非チェックしてみてはいかがでしょうか。
こぢんまりとしたポルトですが、首都のリスボンを凌ぐほどの坂の町。
急坂の斜面部分に位置する旧市街なんかに宿泊した日には、えらいことになります。
リスボンに負けずに坂が多いポルト。特に旧市街とその対岸地区の川沿いの急坂は信じられないほどの傾斜で、観光時の移動もひと苦労。
対するポルトの新市街は、旧市街のすぐ隣にもかかわらず、坂の上の平坦な地区にひらけた場所で宿泊の拠点としてはおすすめ!
ポルト観光に便利なライトレールも走っており、観光にも移動にも便利な立地です。
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