ロリ地方観光のプランニングのコツ
ロリ地方観光の必要日数
・デベド渓谷エリア:2日~5日
・ステパナヴァン周辺エリア:1日~2日
・ヴァナゾル周辺エリア:1日~2日
ステパナヴァン周辺エリアとヴァナゾル周辺エリアについては、どちらも丸1日あれば結構満喫できます。
ゆっくりしたい/細かく回りたいならそれぞれ1泊して2日間ずつの日程をとるのもおすすめ。
ロリ地方旅行の合計日数を決めるポイントとなるのは、「デベド渓谷エリアをどのようにまわるか」に尽きます。
【デベド渓谷エリアをタクシーで観光する場合】
アラヴェルディを拠点に、タクシーをチャーターして観光する場合の必要日数は2日間。
・1日目:ハフパット + サナヒン +アフタラの三大修道院 + アラヴェルディ市内観光
・2日目:オズン教会 + ホロマイリ修道院(上院) + アルドヴィ修道院
トレッキングにはいっさい挑戦せずに、各見どころをサクッと観光するスタイルがこちら。
徒歩でしかアクセス不可能なスポット(コバイル修道院/ホロマイリ修道院の下院)は諦めることになります。
【デベド渓谷エリアを個人で&ミニバス利用で観光する場合】
当記事で紹介しているデベド渓谷エリアを全て個人で&ミニバスなど公共交通手段利用でまわる場合は、最低丸5日間が必要。
・1日目:ハフパット修道院 + 世界遺産トレイル + サナヒン修道院
・2日目:サナヒン村のその他の見どころ + アラヴェルディ市内観光
・3日目:聖なる谷トレイル
・4日目:アフタラ修道院
・5日目:山羊の谷トレイル
雨の日に備えた予備日や、トレッキング続きはきついので休息日もおそらく必要。
個人的には、7日間ほど確保しておくのがベストだと思います!
ロリ地方旅行におすすめの季節
ロリ地方、特にデベド渓谷周辺エリアは、アルメニアの中でも最も気候がマイルドなエリアの一つです。
標高がそこまで高くはなく、降水量も年間を通して比較的少ない方。
冬場の冷え込みもまだましで、雪がどっさり積もることは珍しいのだそうです。
1年を通して観光が可能なのが嬉しいロリ地方ですが、やはりおすすめの季節/避けるべき時期は存在します。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
平均最高気温(℃) | 1 | 2.1 | 6.6 | 11.3 | 16.6 | 21.1 | 23.2 | 23.1 | 19.0 | 14.1 | 7.9 | 3.6 |
平均最低気温(℃) | -5.8 | -5.8 | –1.9 | 1.7 | 5.8 | 8.7 | 10.8 | 10.7 | 8.7 | 4.7 | -0.1 | -3.7 |
平均降水量(mm) | 58 | 75 | 119 | 186 | 283 | 225 | 142 | 83 | 93 | 86 | 58 | 45 |
ロリ地方旅行のベストシーズンは、ズバリ夏から秋にかけて(7月~11月)です!
ベストシーズン①:夏(7月~9月)
首都のエレバンが連日灼熱の猛暑となる7月~9月にかけても、ロリ地方ではそこまで気温が上がりません。
夏場は降水量も少ないので、このエリア最大の魅力である大自然の中をハイキングするにはもってこい!文句なしのベストシーズンです。
とはいえ、気温が上がって30℃越えとなる日もないわけではないので、暑さ対策などはしっかりと!
ベストシーズン②:秋(10月・11月)
ロリ地方の秋はアルメニアの他エリアに比べると若干遅めで、10月の半ば以降が秋本番。
紅葉目的なら10月半ば~10月後半がベストだと思います。
また、とにかく天気の良さを重視するなら11月がおすすめ。
のぶよがロリ地方を訪れたのは11月半ばの2週間ほどでしたが、一日たりとも雨に降られた日はなく、毎日快晴続きでした。(当記事の写真を見てもらえれば分かるはず)
11月は天気こそ良いのですが、紅葉はすでに終わってしまっているのがネック。
一面まっ茶色の物寂しい風景がずっと続いていましたが、これはこれで味があって個人的には好きです。
ロリ地方の秋は、太陽が出ている間は暑ささえ感じるほどですが、日が沈むと一気に気温が下がるのも特徴的。
寒暖差に適応できる服装の準備などをしておきましょう。
避けるべき季節:冬~初夏にかけて(12月~6月)
アルメニアの他地域とは異なり、冬場の観光も不可能ではないロリ地方ですが、ハイキング目的なら避けるべき。
積雪量が少ないエリアとはいえ、少し標高が高いところにあるハイキングコースは雪に覆われてしまい通行不可能となることもしばしばあります。
また、一般的にアルメニアのベストシーズンとされる初夏(5月・6月)は、ロリ地方の降水量が最も多くなる時期。
晴れた日を狙えば、新緑でいっぱいの美しい景色が見られるでしょうが、運任せの要素が強いです。
降水量がやや少ないのが3月と4月ですが、この時期はまだ冬の終わりといった感じ。
「新緑でいっぱい!」とは到底言えない、物寂しげな茶色い風景が広がります。
ロリ地方の治安・注意点
ロリ地方の治安は、全く心配をしなくても大丈夫と断言できるほど。
エリア内の最大都市であるヴァナゾルでも人口10万人ちょっとで、それ以外の町はどこも人口1万人いるかいないかという規模。
いずれものんびりしており、危険を感じる場面はいっさいありません。
(人口が少ないためどこも夜は人影がぐっと少なくなるので、そういう意味ではやや陰気臭い雰囲気は感じるかも)
また、アルメニアの関係が良くないトルコやアゼルバイジャンと国境を接していないロリ地方は、紛争リスクも他エリアに比べると低め。
アルメニアの中でも最も安全に滞在できるエリアの一つだと感じます。
ロリ地方へのアクセス・交通情報
ロリ地方エリア内の交通
今回の記事で紹介したロリ地方の3つの観光エリアの中心となる町同士は、マルシュルートカ(乗り合いミニバス)等の公共交通機関で結ばれています。
【ヴァナゾル→アラヴェルディ】
ヴァナゾル→アラヴェルディ方面のマルシュルートカは、ヴァナゾルのバスステーションの建物東側の広場からの出発。
チケットはバスステーション内部のチケットオフィスで、出発前に購入しておく必要があります。
【アラヴェルディ→ヴァナゾル】
デベド渓谷北部エリアの観光拠点・アラヴェルディ→ヴァナゾルのマルシュルートカは、アラヴェルディ中心街のバスステーション(的なただの広場)からの出発。
アラヴェルディにはチケットオフィス等の設備はなく、紙のチケットもなし。
下車時に運転手に直接料金を支払うシステムです。
ステパナヴァン~ヴァナゾル間には、なんとマルシュルートカが存在しません。
かつては定期便があったそうですが、2021年現在は乗客が少ないために廃止になってしまったそう。
ヴァナゾル~ステパナヴァン間の公共交通機関として機能しているのが、座席予約制のシェアタクシー。
1時間に1台の割合で、ヴァナゾル~ステパナヴァンを往復しています。
前日までに電話で座席を予約しなければならない という前時代的なシステムで、ロシア語かアルメニア語しか通じないため、旅行者的にはかなりハードルが高いのが悩みどころ。
言葉ができない場合はどうしようもないので、普通のタクシーを利用するか(片道5000AMDが相場)、宿の人に電話予約してもらうように頼みましょう。
①希望の前日までに、シェアタクシーの予約センターに電話(093-81-55-44)
②希望の日時と人数、自分の電話番号を告げて、座席を予約
③当日、時間通りに待ち合わせ場所で待機
④運転手から電話がかかってくるので、指定されたタクシーに乗車
という流れ。
当日の待ち合わせ時間になると、運転手から電話がかかってくるシステムであるため、アルメニアの電話番号必須&最低限のロシア語orアルメニア語が必須となります。
ヴァナゾルでのシェアタクシー発着地は、町の中心に位置するハイク広場(Hayk square / Հայքի Հրապարակ)の北西の一角 ▼
ステパナヴァンでは、好きな所で降ろしてもらうことが可能。
中心街まで行っても良いですし、6kmほど手前の聖ニコライ教会があるアムラキッツ村で途中下車するのもOKです。(のぶよはアムラキッツ村で途中下車しました)
日帰りでステパナヴァンを観光してヴァナゾルへ戻るプランの場合には、ステパナヴァン→ヴァナゾルの帰りのシェアタクシーも前日までに予約しておくことをお忘れなく。
予約&乗車方法は往路と同じですが、ステパナヴァン発のシェアタクシーは町をぐるりと回って乗客を集めていくシステムであるため、ステパナヴァン市内の好きなポイントからの乗車が可能なのがヴァナゾル発とやや異なる点。(でも予約時に乗車場所を指定しなければいけない)
ステパナヴァンの中心部にあるバスステーションからの乗車で予約しておくのがベストだと思います。
ロリ地方の北西部の中心となる町・ステパナヴァン~アラヴェルディ間は、1日1便のマルシュルートカが走っています。
ステパナヴァンでの発着地は、中心街ど真ん中にあるバスステーションです。
マルシュルートカのスケジュールは、曜日にかかわらず固定されています。
・アラヴェルディ→ステパナヴァン:10:00
・ステパナヴァン→アラヴェルディ:10:30
ロリ地方各都市~アルメニア他地域の長距離交通
ロリ地方の3つの町~エレバンやギュムリなどアルメニア他エリアの都市へと移動することももちろん可能。
最も交通の便が良いのはヴァナゾルですが、アラヴェルディやステパナヴァン発着の長距離マルシュルートカも運行されています。
それぞれの町を発着する長距離交通手段については別記事内で解説しているので、そちらをチェックしてください!
おわりに
アルメニア旅行のハイライトとなるエリアの一つ、ロリ地方の観光情報を徹底的に解説しました。
大自然も、宗教建築も、グルメも…こんなにたくさんの魅力があるにもかかわらず、日本での知名度は皆無。
せっかくアルメニアに来たのに、このエリアを素通りしてしまう旅行者も少なくはありません。
ロリ地方に合計3週間ほど滞在して感じたのは、ものすごくポテンシャルが高いエリアだということ。
トレッキングコースの整備も少しずつ進められていますし、近い将来一躍スポットライトを浴びるのではないかと思います。
穴場エリアという扱いの今こそがチャンス!
エレバンからの日帰りなんて言わずに、たっぷりと時間をかけてこの素晴らしいエリアの魅力を味わい尽くしてほしいです。
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