こんにちは!元ポルトガル在住ののぶよ(@nobuyo5696)です。
ポルトガル本土から西に1500km、アゾレス諸島のサン・ミゲル島の6つの観光エリア別の記事もこれでラスト!
今回は、サン・ミゲル島南海岸&中央部の見どころやアクセスを解説します。
断崖絶壁のダイナミックな海岸線が特徴的なサン・ミゲル島ですが、南海岸は比較的平坦な地形。
なので、たくさんのビーチや村が点在しているリゾート的な雰囲気が漂うエリアです。
対して、南海岸から幹線道路を通ってアクセス可能な島の中央部は、切り立った山々が連なる山岳地帯。
火山の噴火によってできた湖の絶景や、忘れ去られたような谷の風景など、サン・ミゲル島を象徴するような大自然を満喫することができます。
観光客にはあまり知られていない穴場スポットもたくさんあるこれらのエリア。
一日かけて、ゆっくりとまわっていきましょう!
サン・ミゲル島南海岸の見どころ
カロウラ
サン・ミゲル島南海岸で最も美しい海沿いの風景が広がっているのが、カロウラ(Caloura)という村の周辺。
ターコイズブルーの海水が美しい入り江にある小さな漁村です。
港付近は地元のお兄さんたちが釣りをしにやってくる場所。
観光客の姿は全くなく、かなりローカルな雰囲気です。
カロウラ天然プール
アゾレス諸島名物の天然プール(Picina Natural)は、岩場や湾に人の手を加えて安全に泳げるようにしたもの。
ゴツゴツした海岸線が続くアゾレス諸島の人々に愛される存在です。
カロウラの天然プールは、その独特なロケーションで有名な場所。
海に向かって一直線にのびた細い道で陸地と繋がっているという、離れ小島のような場所に位置しているのです。
もともとは港の沖合に浮かぶただの岩場に手を加えた独特な天然プール。
まるで広大な大西洋と一体化したような風景が見られます。
天然プールの水は、潮が満ちた時に入り込んだ海水というダイナミックさ。
海の広さが全身で感じられる開放感が人気です。
カロウラ修道院
天然プールがあるカロウラの港から、少し内陸に入ったところにひっそりと佇むのがカロウラ修道院(Convento da Caloura)。
1533年建造の修道院跡で、当時は十数人の修道僧が祈りながら生活をしていたそうです。
アゾレス諸島には珍しく、正面ファサード一面にアズレージョが施された外観が素敵な小さなチャペル。
本土から遠くはなれたこの地でも、ポルトガル文化が息づいていたことが感じられます。
ピサン展望台
カロウラ周辺の海岸線の絶景を望むなら、村の西側の崖の上にあるピサン展望台(Miradouro do Pisão)がおすすめ。
海に突き出した天然プールはもちろん、ダイナミックな海岸線沿いに広がるカロウラの風景を一望することができますよ。
ヴィラ・フランカ・ド・カンポ
サン・ミゲル島南海岸の中心的な町が、ヴィラ・フランカ・ド・カンポ(Vila Franca do Campo)。
規模はかなり小さい町ですが、ローカル食堂やスーパーマーケットもいくつかあって滞在にも便利です。
中心街にはもちろん、町の周辺にはリゾートホテルもいくつかあるので、のんびり滞在派にもおすすめな町です。
ヴィラ・フランカ・ド・カンポで一番の見どころが、町の中心部にどんと構えるサン・ミゲルの大天使教会(Igreja de São Miguel Arcanjo)。
アゾレス諸島らしいモノトーンの外観ですが、その装飾の細かさには圧倒させられます。
大航海時代後期にあたる16世紀後半建造の教会で、町の人の信仰を現在でも集める存在です。
ヴィラ・フランカ・ド・カンポは海沿いに築かれた町。
伝統的な建物が連なる緩やかな坂道を下っていくと、海岸線沿いに整備されたプロムナードへとアクセスできます。
海沿いには大小さまざまなビーチが点在しており、地元の人がのんびりと海を眺めながらおしゃべりしているような雰囲気。
アゾレス諸島らしいゆっくりとした時間が流れていました。
サン・ミゲル島中央部の見どころ
サン・ミゲル島南海岸の観光と組み合わせたいのが、島の中央部へのドライブ。
深い山が連なる山岳地帯で、海沿いの風光明媚な風景が特徴の南海岸とは全く異なる、山の大自然の風景が広がっています。
ラゴア・ド・フォゴ(火の湖)
サン・ミゲル島のちょうど真ん中に位置するラゴア・ド・フォゴ(Lagoa do Fogo)は、島中央部最大の観光スポットとして有名な場所。
ポルトガル語で「火の湖」を意味する名前の通り、湖周辺では現在でも火山活動が続いているそうです。
先ほどまではかなり良い天気だったのに、ラゴア・ド・フォゴに到着するや否や雲が出てきました。
アゾレス諸島は一日の間に天気がコロコロ変わることでも有名な地域。
標高の高いエリアでは、余計にその傾向があります。
雲がかかっているとは言え、深い山の中にある火山湖はとても神秘的。
辺りには誰もおらず、心細くなるほどの静寂に包まれていました。
カブリトの滝
ラゴア・ド・フォゴの展望台から一本道をさらに北に進んでいくと、隠れた名所として話題のカブリトの滝(Salto do Cabrito)があります。
岩の割れ目から水が流れ落ちている独特な滝で、その神秘的な雰囲気は一見の価値があります。
実はラゴア・ド・フォゴからカブリトの滝に移動しているときに、もの凄いスコールに見舞われました。
その影響で、滝壺の水は完全に濁ってしまっていました。
本来は、透き通った清流が見られるそうですよ。
カブリトの滝近くには、カルデイラシュ温泉(Termas das Caldeiras)という場所があります。
「温泉」と言っても入ることはできず、大地から湧き出す温泉を利用したコジードゥ(Cozido)という名物の温泉蒸し料理を作ることができるスポットとなっています。
コジードゥは同じサン・ミゲル島東部のフルナス地区の名物料理。
レストラン等で食べることができますが、自分で調理した「ワイルド・コジードゥ」に挑戦したい人はぜひ(笑)
カルデイラシュ温泉周辺は、そこら中の地面から、二酸化炭素や硫黄が噴出しているエリア。
あまり長い時間滞在すると、健康に悪影響を及ぼす可能性があるそうなのでご注意を。
ロンバダシュの谷
サン・ミゲル島中央部エリアでのぶよが全力でおすすめしたいのが、ロンバダシュの谷(Vale das lombadas)です。
幹線道路からでこぼこ道をひたすら奥へ奥へと走っていった場所にある谷間の風景は、まるでこの世界から切り離された桃源郷のよう。
かつては水力発電所があり、数軒の民家があったそうなのですが、現在では村は完全に放置されて無人となっています。
先ほどまでのスコール&曇り空が嘘のように晴れ渡ったロンバダシュの谷は、人っ子一人おらず、とても神秘的な雰囲気。
スコール後なので川の水が濁っているものの、本来は透き通るような美しい水の色が見られるはずです。
ここが島の中だとは信じられないほどに山深い場所で、辺りは恐くなるほどの静寂。
ここから先には道路も通っておらず、文字通り「この世の果て」を思わせる大自然の絶景に大満足でした。
コングロ湖
島中央部エリアでもう一つおすすめしたいのが、コングロ湖(Lagoa do Congro)。
神秘的な緑色の水をたたえる小さな湖です。
木々に囲まれた湖の色は、まるで入浴剤を入れたかのようにエメラルドグリーン。
太陽が出ている時なら、さらに明るい緑色になるそうですよ。
実はこのコングロ湖、ポルトガル人の間ではSNSによって結構有名な場所だそうで、旅行者らしき人の姿も数組見かけました。
人がいなくなった後の湖は、とにかく静寂。
耳を澄ましても鳥の鳴き声くらいしか聞こえず、穏やかな湖面の風景も相まって、神秘的なパワースポットのように感じられました。
サン・ミゲル島南部・中央部のまわり方・交通
サン・ミゲル島南部・中央部観光マップ
青:北海岸の見どころ
サン・ミゲル島南部・中央部へのアクセス
サン・ミゲル島南海岸エリアの町には、島内各地を結ぶ路線バスの南海岸線のうち315番 / 318番が走っています。
ポンタ・デルガダ~ラゴア~ヴィラ・フランカ・ド・カンポ間を走る315番は、1日7本の運行と本数もまあ多いので、路線バスを利用してまわることも可能です。
ヴィラ・フランカ・ド・カンポからさらに東、フルナスやポヴォアサンまで向かう318番は、1日5本(平日)と本数が少なめなので、便利ではありません。
一方で、ラゴア・ド・フォゴや最奥部のロンバダシュの谷方面など島の中央部へ向かう路線バスは存在しません。
このエリアの見どころをまわるなら、レンタカー/レンタルバイクを利用するか、現地ツアーに参加するくらいしか選択肢がないのが現状です。
広いエリアに見どころが点在しているサン・ミゲル島を効率良く観光するなら、ポンタ・デルガダ発の現地ツアーが便利!交通手段がない旅行者にとっては強い味方となります。
盛りだくさんの内容で料金もリーズナブルなので、滞在日数が限られている場合にはかなりおすすめです!
サン・ミゲル島南部・中央部のまわり方
東西に細長いサン・ミゲル島では、しっかりとしたプランニングをするのが効率的に観光するコツ。
島西部(ポンタ・デルガダ/西海岸エリア)は、ポンタ・デルガダを拠点にまわることができますが、それ以外のエリア(南海岸/フルナス/東海岸/北海岸)は、1日で全てをまわるのは不可能です。
島東部の観光所要時間の目安としては、各エリアに1日 = 合計4日間必要となります。
ポンタ・デルガダを拠点としながら島東部を観光しようとすると、毎日行ったり来たりと移動に時間がとられてしまうため、効率的とは言えません。(ガソリン代もかかりますし)
のぶよ的にサン・ミゲル島東部の4エリアをまわるなら、各エリアの中心となる町に宿泊しながら一筆書きでぐるりとまわるのがおすすめです。
サン・ミゲル島南海岸&中央部を観光する日の宿泊地のおすすめ
左回り:ヴィラ・フランカ・ド・カンポ
→翌日フルナス観光
右回り:リベイラ・グランデ
→翌日北海岸エリア観光
いずれの町にも宿泊施設やローカルレストラン、スーパーマーケットなどの滞在に必要なものは全て揃っています。
おわりに
風光明媚な海沿いの風景が魅力的なサン・ミゲル島南海岸と、目を見張るようなダイナミックな大自然の風景が見られる島中央部の見どころや、上手なまわり方を解説しました。
車なしで個人で観光するのはなかなか難しいエリアですが、苦労してアクセスする価値は十分にあります。
緑あふれるアゾレス諸島の大自然を象徴するような風景の連続は、きっと心に残ることでしょう。
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