複雑すぎるボスニアのバス・鉄道利用方法〜サラエボのバスステーション・市内交通(トラム・バス)完全ガイド

複雑すぎるボスニアのバス・鉄道利用方法〜サラエボのバスステーション・市内交通(トラム・バス)完全ガイド

こんにちは!ボスニア・ヘルツェゴビナの首都・サラエボに滞在中、世界半周中ののぶよです。
(世界半周についてはこちらの記事へどうぞ。)

ボスニア・ヘルツェゴビナだけでなくバルカン諸国全域に言えることなのですが、バスや電車などの公共交通手段があまり発展しておらず、個人旅行者にとってはなかなか自由に旅行しにくいです。

有名な観光地なのに、バスが走っていないため、ツアーでしか行けないような場所もざらにあります。

 

ボスニア・ヘルツェゴビナの鉄道は安い料金が魅力的なものの、利用できる路線が限られている上に遅延が日常茶飯事なので、スケジュールが詰まった旅行者にとっては利用しづらいです。

そんなボスニア・ヘルツェゴビナ国内の主な移動手段は、バスです。

しかし、きちんとオーガナイズされてるとは言えないボスニア・ヘルツェゴビナの長距離路線バス。
オンラインでのスケジュールチェックはあまり役に立ちませんし、バスステーションが複数あったりと、旅行者にとってはかなりややこしいです。

今回の記事では、ボスニア・ヘルツェゴビナの長距離バスの利用方法と、複雑なサラエボ市内のバスステーションについて解説します。

生地の後半では、サラエボ市内を走るトラムや路線バスの利用方法を解説しているので、そちらをサクっと知りたい方は、目次から「サラエボの市内移動に便利なトラムを乗りこなす!」の項に飛んでください。

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ボスニア・ヘルツェゴビナのバス利用をスムーズにする、基礎知識

ボスニア・ヘルツェゴビナの長距離バス利用は、他に類を見ないややこしさを誇ります。

その理由は、国内バス路線でも行き先によってバスターミナルが変わるためです。

「ボスニア・ヘルツェゴビナ」という国は、中央部のボスニア地域(トラヴニク、ヤイツェなど)と南西部のヘルツェゴビナ地域(モスタルなど)が連邦制をとる共和国です。

とはいっても、二つの地域の境界線は曖昧で、実際に旅行していても違いに気づくことはありません。

問題は、このボスニア・ヘルツェゴビナ連邦に属さないセルプスカ共和国なるものが国内に存在している点です。


ソース:https://www.prospectmagazine.co.uk/magazine/divided-they-stand

上の地図でいうと、北部と東部に広がる緑色の地域がセルプスカ共和国その他の地域がボスニア・ヘルツェゴビナ連邦です。

これらの地域が全て合わさって、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦を形成しているのです。

かつてはセルプスカ共和国の独立派が過激な運動をしていたこともありましたが、現在では状況は安定しています。

二つの地域間に国境のようなものはなく、自由に行き来できるセルプスカ共和国とボスニア・ヘルツェゴビナ連邦。
しかし、郵便システムや警察システム、政治のシステムの一部はいまだに別々で、バスのシステムまで別なんです。

基本的に、セルプスカ共和国内の町にはセルプスカ共和国内の町からしかバスが出ていませんし、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦側も同じことが言えます。

これが、観光客のバス利用をややこしくしている要因であり、ボスニア内戦後にも未だに和解しきれていない民族問題の一端を垣間見ることができます。

セルプスカ共和国

↑キリル文字表記オンリーのヴィシェグラードの観光案内所

セルビア人住民が大半を占めるセルプスカ共和国

セルビア語とボスニア語はほぼ同じ言語であるものの、セルプスカ共和国内での表記はキリル文字のものが多いです。(ボスニア語はラテン文字のみ使われる)

住民は自分たちのことを「セルプスカ共和国に住むセルビア人である」と考えています。(実際はボスニア人とセルビア人は全くの同一民族です。)

「橋の町」ヴィシェグラードやセルプスカ共和国の首都であるバニャ・ルカ(Bajna Luka)などの町があります。

ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦

↑超有名観光地・モスタルはボスニア・ヘルツェゴビナ連邦側

ボスニア人、クロアチア人が多く居住するボスニア・ヘルツェゴビナ連邦

キリル文字は全く使われておらず、住民は「ボスニア語を話すボスニア人である」と自身を定義します。
(何度も言うように、ほぼ同言語、同一民族です。)

首都サラエボの大半の地域と、南部の観光都市モスタル(Mostar)、滝の上にある町ヤイツェ(Jajce)など、多くの観光客が訪れる町はこちら側にあります。

サラエボ市内でさえ、二つの地域が入り交じる。

首ボスニア・ヘルツェゴビナの首都・サラエボ。

この町は、セルプスカ共和国とボスニア・ヘルツェゴビナ連邦の境目に位置しており、市内に境界線があって町が二分されています。

とはいっても、サラエボ旧市街や新市街など観光客が訪れる地域のほとんどはボスニア・ヘルツェゴビナ連邦側にあります。

行き先別に分かれているサラエボのバスステーションと市内までのアクセス

先述の通り、サラエボの町のほとんどはボスニア・ヘルツェゴビナ連邦側にあります。

サラエボのメインバスステーションは、新市街のど真ん中にあり、旧市街からのアクセスは比較的簡単です。

しかしながら、サラエボからセルプスカ共和国やセルビアへ向かうバスを利用する際や、これらの地域からサラエボへ到着するバスを利用する場合は、メインバスステーションを利用することはありません。

何故なら、メインバスステーションがあるのはボスニア・ヘルツェゴビナ連邦側。

セルプスカ共和国やセルビアへのバスを利用するためには、サラエボのセルプスカ共和国側にある「サラエボ東バスステーション」を利用することとなります。

サラエボ東バスステーション

↑もちろんキリル文字で書かれている、東バスステーションの看板

「東」といいながらサラエボ中心街の西11kmに位置する、すでにややこしさ満載のサラエボ東バスステーション。

正式名称を「ルコヴィツァ・バスステーション(Lukovica)」といいますが、「イストチュノ(Istočno=セルビア語で「東」)バスステーション」とも呼ばれる、お墨付きのややこしさを誇ります。

↑ヴィシェグラードからサラエボ東バスターミナルへのバス。“I. Sarajevo”の”I”は、”Istočno (東)”の略
呼び方はいろいろあるものの結局は同じバスステーションを指すので、混乱しないようにしましょう。

セルプスカ共和国方面や、セルビア、モンテネグロ方面へのバスのほとんどは、東バスステーションを発着します。
(どれもセルビア人が多く暮らす国であることに気づくと、このからくりが見えてきます。要するに「セルビア人のためのバスステーション」なわけです。)

サラエボ東バスステーションからの主な行き先

・ヴィシェグラード (Višegrad )
・バニャ・ルカ (Banja Luka)
・トレビニェ (Trebinje)
・セルビア内の各都市 (ベオグラード、ウジツェなど)
・モンテネグロ内の各都市 (コトル、ポドゴリツァなど)

サラエボ市内からサラエボ東バスステーションへのアクセス

サラエボ中心部から東バスステーションへ直接向かうバスはありません。

同じ町でありながら、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦側とセルプスカ共和国側をつなぐ公共交通機関は存在しないのです。

なので、サラエボ中心街からのアクセスは、

1.ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦側のドブリニヤバスステーションへアクセスする
2.徒歩でセルプスカ共和国側にある東バスステーションへ向かう

と、二段階の移動が必要になるので要注意です。(東バスステーションから市内へ向かう場合も同様)
本当に面倒くさい。

まずは、旧市街南側のラテン橋の南50mほどのところにある広場”Autrijski Trg”からトロリーバス103番で、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦側のドブリニヤバスステーション(Dobrinja)まで行きます。

所要時間:40分
料金:2KM(=¥125)

↑ほぼ何もないドブリニヤバスステーション

ドブリニヤバスステーション(Dobrinja)に到着したら、バス停を背にして左に(南東方向に)まっすぐ400mほど歩きます。

↑セルプスカ共和国とボスニア・ヘルツェゴビナ連邦の境界。特に標識などはない。

セルプスカ共和国側に入ってすぐのところにある、こじんまりとしたバスステーションがサラエボ東バスステーションです。

サラエボメインバスステーション

サラエボ中心街からほど近いサラエボ鉄道駅に隣接する、サラエボのメインバスステーション

ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦内の各都市や、クロアチアの各都市、中央ヨーロッパ方面へのバスが発着します。

いわば、西側諸国への玄関口といった感じ。
東バスステーションの行き先がセルプスカ共和国やセルビアというメンツだったことを考えると、この対比はなかなかおもしろいです(笑)

サラエボメインバスステーションからの主な行き先

・モスタル (Mostar)
・ヤイツェ (Jajce)
・ヴィソコ (Visoko)
・クロアチア各都市 (ザグレブ、スプリット、ドブロブニクなど)
・リュブリャナ (スロベニア)
・ウィーン (オーストリア)

サラエボメインバスステーションへのアクセス

サラエボの中心街からメインバスステーションまでは2kmほど。

決して歩けない距離ではありませんが、大きな荷物を持って歩くのはなかなか大変です。
便利なトラムが走っているので、利用しましょう。

サラエボ中心街とメインバスステーションを直接結ぶのはトラム1番ですが、20分に1本ほどしか走っていません。

時間がない場合は、頻繁に走っているトラム3番に乗って、鉄道駅前の大通りで下車、残りの500mほどを歩くという手もあります。

所要時間:15分
料金:1.8KM(=¥113)
※キオスクで事前に購入すると1.6KM(=¥100)

移動費を節約するなら、鉄道がおすすめ!

セルビアに比べて長距離バスの料金が結構高いボスニア・ヘルツェゴビナ。

さらに、バス利用時には荷物代として、2KM(=¥126)〜がチケット代と別にかかることが多く、総合的に高くついてしまいます。

移動費を節約するなら、鉄道の利用がおすすめです。

ボスニア・ヘルツェゴビナの鉄道路線網は、発展しているとは言い難いものの、国内の鉄道移動ならばバスの半分ほどの料金で移動できるのは大きな魅力です。

もちろん荷物代もかからないので、バスの半額ほどの値段で移動できますよ。

サラエボ – ベオグラードやサラエボ -ザグレブ等の国際路線に関しては、バスの方が安いことが多いです。

サラエボ・モスタル間の移動なら、断然バスより鉄道がおすすめ!

旅行者にとって利用価値が高いのが、ボスニア・ヘルツェゴビナの二大観光地であるサラエボとモスタルを結ぶ鉄道路線です。

1日2本(モスタル発は3本)しか走っていないため、必ずしも利用しやすいとは言えないものの、車窓からは山々の合間を流れるネレトヴァ川の絶景が広がります。
(あいにく、のぶよが乗車した時は雷雨で、淀みきった川しか見えませんでした。)

晴れた日にこの区間を鉄道移動するなら、サラエボ→モスタル間なら左側、モスタル→サラエボ間なら右側の座席がおすすめです。
エメラルドグリーンに輝くネレトヴァ川と、迫力満点の山々が織りなす谷間の絶景が見られます。

一応チケット購入時に座席指定されるものの、もはや誰も気にしていないので、好きなところに座って大丈夫だと思います。

座席も広くゆったりとしていて、なんとwi-fiや電源コンセントも完備というすばらしさ。
「ここ、本当にボスニア?」と疑ってしまったほどです(笑)

ただし、サラエボ・モスタル間の所要時間は2時間ほどですが、かなりの確率で遅延します。
1日2本しか走っていないのになぜ遅れるのかは誰にもわかりません。
のぶよの場合は2時間半ほどかかりました。

サラエボ・モスタル間の鉄道スケジュール

サラエボ発

全日 7:15、16:49

モスタル発

全日 6:39、17:05、19:52

※最新のスケジュールはボスニア鉄道のホームページでご確認を。

ボスニアの鉄道利用方法

↑モスタル行きの鉄道が発着するサラエボの鉄道駅

残念なことにオンライン予約には対応していないボスニア鉄道。

出発当日に、駅構内のチケット売り場で直接チケットを購入することとなります。

大体の場合空席はあるので、心配しなくても大丈夫ですよ。

駅でチケットを購入

がらんとしたサラエボの鉄道駅の一角にあるチケットオフィスで、「モスタル」と言えば、だいたい理解してもらえます。

料金は11.80KM(=¥741)。

ボスニア鉄道のチケットは今時珍しい手書きのもの。

“Kola”の後に続く四角の中に番号が並んでいる欄のチェックが入っている場所が、自分の乗る車両番号。(この場合は6号車)
その下の“Sjedišta”は座席番号です。(この場合は7C)

座席番号に関しては、みんな適当に座っている感じだったので、あまり気にしなくても大丈夫だと思います。

ホームへ行き、乗車

電車が出発するプラットホームは、ボスニア語で“Peron”と言います。

サラエボ駅のモスタル行きのホームは、1番線に統一されているようですが、念のために確認をお忘れなく。

乗車は列車中央付近の一か所のみからしかできず、駅員にチケットを見せて、乗車します。
あとは車両内を移動して自分の座席を探すだけ。

その後、車内でのチケット提示はありませんでした。

サラエボの市内移動に便利なトラムを乗りこなす!

↑ガタゴトと走るレトロな車体のトラムは、サラエボの隠れた名物でもあります。

サラエボは、山に囲まれた細長い盆地に広がる町。
市街地は東西に11kmほど広がっているものの、観光客が訪れるのは旧市街や新市街などの徒歩で十分移動できるエリアだけでしょう。

ただし、遠くに位置するサラエボ東バスターミナルへアクセスする際や、大きな荷物を持って歩きたくない場合に便利なのが、サラエボの町を東西に走るトラムです。

トラムの利用方法は、バスと同じで複雑ではありません。

ここからは、サラエボ市内移動に便利なトラムやバスの料金・利用方法や便利な路線を紹介していきます。

サラエボ市内のトラム・路線バスの料金

↑トラムの一回券。車内の刻印機に挿入すると、時間が印字される。

1回券 (トロリーバス・トラム共通)

キオスクで事前に購入:1.6KM(=¥100)
乗車時に運転手から購入:1.8KM(=¥113)

1日券 (トロリーバス・トラム共通)

キオスクでしか購入不可:5.6KM(=¥352)

※トロリーバスではない普通のバスでは、これらのチケットは利用できません。
バス乗車時に、運転手に直接料金2KMを支払う必要があります。

サラエボ市内のバス・トラムの利用方法

1.チケットは事前購入がおすすめ

先述の通り、乗車時に運転手から直接チケットを購入するよりも、各停留所のあるキオスクで事前に購入した方がほんの少しお得です。

また、混雑が日常茶飯事のトラム車内では、運転手のところまでなかなかたどり着けないことも。

検札がまわってきたときに「買おうとしたけど買えなくて…」なんて言い訳は通じないので、あらかじめ余裕をもってチケットを購入しておくのがベストです。

2.乗車時に必ず刻印する

かなりの頻度で検札が乗車して、無賃乗車をチェックするサラエボのトラム。

かなり多くの人が無賃乗車をしているようなのですが、彼らはプロ。
検札の係員が乗ってくるのを見るや否や、一斉にトラムを下車します。その光景は、まるでコメディーのよう(笑)

チケットを購入したからといって安心することはできません。
トラムに乗車したら、車内の刻印機にチケットを挿入して刻印をしないと、無賃乗車とみなされて罰金の対象となります。

中には事前に購入したチケットを刻印しない状態で一枚だけ常に持っておいて、係員が乗ってきたら、さも今乗車したかのように刻印する人も。なかなか悪知恵が働きます。

3.好きな停留所で下車

目的地に着いたら、あとは下車するのみ。

再び刻印する必要はありません。

観光に便利なトラム・バス路線

トラム3番:サラエボ旧市街(ハト広場北)~鉄道駅前大通り(駅から500m)~イリーヂャ(Ilidza)

トロリーバス103番:ラテン橋南側(Autrijski Trg)~ドブリニヤバスステーション(東バスステーションから400m)

おわりに

旅行者にとってはかなりわかりにくく、複数あるバスステーションなど便利とは言えないボスニア・ヘルツェゴビナの長距離バス。

自分の行きたい場所がセルプスカ共和国側にあるのか、ボスニアヘルツェゴビナ連邦側にあるのか知っていれば、自然とどのバスステーションを利用するのかわかります。

また、サラエボ市内を走るトラムは、レトロな雰囲気漂うサラエボ名物でもあります。
移動手段としてだけでなく、サラエボの市民の生活を直に感じられるので、サラエボ滞在中に一度は利用してみましょう。

ただし、トラム内のスリにはご用心を!

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